【10月27日】ゼミ活動報告

皆さんこんにちは。M1の大空です。

先日、ゲームマーケットというアナログゲームイベントに参加してきました。開催されるたびに足を運ぶようにしているのですが、年々イベントの規模や出店しているジャンルの多様さも増しているように思え、ボードゲーム業界の盛り上がりを感じました。また一方で、会場で偶然、特任研究員の財津さんにお会いして、世間の狭さも感じました笑


さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。今回は文献研究(春口さん)と事例報告&プレイセッション(大空)という内容でした。

文献研究「ルールズ・オブ・プレイ 第12章/第14章」(春口さん)

春口さんは、2つのトピックについてご紹介してくださいました。

一つは、「3つの水準のルール」についてです。ゲームのルールは3つの水準に分けられ、ゲームの同一性は①と②の関係から生じ、ルールの特異性は①と②と③の関係から生じるということを端的にまとめていただきました。

①操作のルール:説明書に書いてあるルール

②構成のルール:定石や数学的な正しさ

③暗黙のルール:空気を読むという事、マナー

もう一つは、「創発システムとしてのゲーム」です。創発システムとは少数の限られたルールから複雑性を生み出すシステムを指すのですが、ゲームが創発システムであるとプレイヤーの遊びの幅が大きく広がるといわれています。ゲームやシステムをデザイン・理解する上で必要となる知識であるとともに、本当にそうなのか?と改めて問い直すいいディスカッションを行うことができました。


■事例報告「ひみつの研究道具箱」(大空)

大空は、科学技術表現論という授業の中でプレイした、東大の生産技術研究所が開発したカードゲームを事例として紹介しました。

本ゲームは、「キャット&チョコレート」のような、いわゆる大喜利ゲームのようなゲームシステムですが、自由な回答をしていいからこそ、参加者の心理的なハードルが下がってラフに科学技術に触れられる点がポイントです。

サイエンスコミュニケーションにおいて、科学者と市民の認識のギャップを埋めること、科学をわかりやすく伝えることが課題として挙げられますが、本ゲームはそのギャップを埋めるためのハブとしてとても有効であると感じました。言い換えると、コミュニケーションツール、メディアとしてのカードゲームであると表現できます。

また、HP(http://cardgame.iis.u-tokyo.ac.jp/)を見ると、回答のアーカイブ化も行われているようで、ゲームをプレイするだけで完結しない取り組みも行われています。これにより、科学者に市民の声が届くというゲームを超えたコミュニケーションが生まれているようです。

こうしたゲーム内だけのコミュニケーションで完結しない、コミュニケーションツールとしてのメディアとしてのゲーム制作を自分も目指したいと思います。


■プレイセッション「研究倫理ゲーム」(大空)

プレイセッションでは、新たに開発した研究倫理ゲームを皆さんにプレイしていただきました。今回が、本ゲームの初のテストプレイだったので、若干不安があったのですが、無事楽しんでいただけてよかったです。

本ゲームは、現在自分が履修している「研究倫理」の授業において、もっと課題を自分事にできるツールを開発したいと思ったことがきっかけで制作しました。基本的に研究倫理では講義が中心であり、アクティブラーニングの観点で見ても、ワークシートやシミュレーション型の動画教材が多いため、新たな学習手法として提案できるのではないかと思っています。

ゲームでは、課題に対するそれぞれの価値観が鮮明になるように、ゲーム内 / 外で話し合いができるようにデザインしました。テストプレイをして、自分が思っていた以上に、そこが大きく浮き彫りになったので、個人的に嬉しかったです。今後、改善を重ねて世に出せるように進めていこうと思います。

今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!

「親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学」を開催しました

皆さんこんにちは。M1の大空です。
今回は、先日開催された『親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』についてご報告します。当日は、自分もスタッフとして一部参加したのですが、大盛況で親子揃ってマイクラを楽しみつつ、学びを得られている姿を見れたので、その様子をたっぷりとお伝えいたします!

そもそも『親子で楽しむマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』とは

株式会社イオンファンタジーとの共催で開催された本イベントは、同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」の講師陣によるリアル参加型ワークショップです。同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の研究成果として、多くのお子さまに大人気の「マインクラフトの教育版」を使用して実施するものでした。

本ワークショップの特徴は以下の2点です。

①デジタルゲームの学び体験
教育版マインクラフトの特徴を活かした学習プログラムを体験できます。東京大学の会場とオンラインの講師を接続して、ゲーム空間での遊びから楽しく学ぶ力を育みます。

②多人数でのマルチプレイ
チーム対抗チャレンジを取り入れたレッスンです。チームメンバーで助け合いながら、オリジナルの建築物などをマイクラワールド内で制作します!

今回は10月22日(土)〜23日(日)にかけて全4回の開催でしたが、とても好評だったので、早速第2弾も近々発表されるとか…!応募枠の関係で、今回参加できなかった方々も、ぜひ第2弾にご期待ください。


さて、概要をお伝えできたところで、当日の様子についてご報告いたします。

まず、会場は以下のような形式となっていました。子どもたちはPCの前に座って実際にマイクラをプレイするのですが、親御さんもその隣でタブレット端末から接続し、お子さんと同じ世界で同じものを見れる工夫がなされていました。

ただ、こうして見ると、コミュニケーションの時間はしっかりあるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、安心してください。本ワークショップでは、しっかりとその点もフォローされています。具体的には、以下の3点がなされていました。

①2種類のチームワーキング

先程の画像ではわからないのですが、実は子どもたちは2つのチームに分かれています。そして、ゲームでは、相手チームが隠した宝石を探して見つけ出すチーム対抗戦の宝探しを行います。ただし、ただの宝探しをするのではなく、その過程において通常とは異なるポイントがありました。一つが、マインクラフトと聞いてまず想像する、協力して建物をつくる要素です。もう一つが、いきなりゲームスタートするのではなく建物を立てたら、どこに宝石を隠すのか、どのようにして勝つか戦略を考える要素です。

それぞれのチームで、この協力して建物をつくる+協力して勝利のための戦略を考える時間がしっかりと設けられていることで、コミュニケーションの時間が取れ、子どもー親の間のコミュニケーションだけではなく、子どもー子ども間も自然と発生する仕組みができていました。

②Zoom接続&アバター

では、写真を見る限り、子ども達はPCの前にいるので / ヘッドフォンをしているので、子どもー子ども間 / 子どもー親のコミュニケーションは本当にできるの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。その解決策として、皆さん現地にはいるのですが、PC上でオンラインWeb会議ツール(Zoom)にも接続して、お互いの声をクリアに聞くことができるようになっておりました。

また、先程2つのチームに分かれていることをお伝えしましたが、それぞれのチームには専用のアバターが用意されていました。一つはアニメ『鬼滅の刃』で、もう一つもアニメ『呪術廻戦』のキャラクターのオリジナルアバターだったのですが、これにより、初めましてでお互いの名前が明確にわかっていない状況でも、例えば「炭治郎(鬼滅の刃のキャラクター)の子」のような形でお互いを認識、呼び合うことができていました。

③オンライン&現地のファシリテーター

本ワークショップでは、ゲームの進行役兼、学習のサポート役として、Zoom・現地両方にファシリテーターがいらっしゃいました。もちろん、はじめてPC版マイクラに触れるお子さんやそもそもPC操作に不安があるお子さんでも、プログラムの進行上でフォローは行われるのですが、ファシリテーターによる個別の丁寧なサポートもあるため、最初はちょっと動かし方がわからない!というお子さんでも、30分もすれば完全にマスターできるようになっていました。


では、最後に当日スタッフとして参加した自分の感想をお伝えしようと思います。

まず驚いたのは、子ども達の吸収力の高さです。前述したとおり、PCに不慣れなお子さんでもプログラムやスタッフのサポートがあるので安心だったのですが、それ以上に一人ひとりのお子さんのスキルの習得の早さによるものが大きいと感じました。

私もそもそもマイクラが初だったので、軽くプレイさせていただいたのですが、正直自分よりもお子さん達の方がマスターするまでのスピードは早かったと思います。

また、これは自分の性格的なところなのかもしれませんが、プレイのスタイルとして、マニュアルをまずは見ながら建物を立てていったのですが、一方で、子ども達は大体の感覚が掴めたら、自分が頭の中で思い描いているものをアウトプットする形で自由に建物を作っていっていたのも印象的でした。

論理的思考力やコミュニケーション力以外で、こうした子ども達の創造性を肌で感じることができました。それもやはり、マインクラフトというゲームシステムの強さだと思います。当日は、親御さん達も夢中になっていらっしゃったので、お家でもマイクラを楽しんでいただきたいです。

さて、最後にはなりますが、また第2弾の企画も進められているということで、この記事をご覧になった方は、ぜひ次回ご参加いただきたいです。スタッフとして、皆様とお会いできることを自分自身、楽しみにしております。それでは、また来週!

【夏休みの近況報告】親子ボードゲームジャムに参加しました

こんにちは、M1の大空です。
皆さん、夏休みはいかがお過ごしでしょうか。

今回は、8/6日(土)〜8/7(日)にわたって行われた『親子ボードゲームジャム2022 in 東京』に、ファシリテーターとして参加してきたので、そちらの様子をご報告したいと思います。

このワークショップでは、私や春口さんを含め、合計4人の学生ファシリテーターが参加し、ボードゲームジャムの運営に携わりました。ボードゲームジャムというイベント自体、自分自身はじめてだったため、期待と不安が混ざっておりましたが、いざ始まってみると、とても楽しく貴重な経験となりました。

『親子ボードゲームジャム2022 in 東京』とは…
親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたゲームを制作するワークショップです。

以下では、1日目と2日目の様子を簡単にご紹介したいと思います。

1日目
 1日目の主な活動は、ボードゲームプレイです。本ワークショップのゴールは、オリジナルボードゲームの制作になるため、まずは実際にボードゲームで遊んでもらい、そもそもボードゲームとはどんなものなのかということをインプットすることを目的に行いました。1日目ということもあり、最初はやや緊張気味だったお子さんも多かったのですが、ボードゲームで遊ぶことを通して、徐々に緊張が和らいでいき、最終的には子ども達同士で一緒にゲームをプレイするまでになりました。

 ファシリテーターとして、ゲームの進行やポイントの解説を行っていたのですが、特に子ども達のルール理解の早さと集中力には驚かれました。ボードゲームをほとんどプレイしたことがない子が多かったのですが、夢中になって取り組んでいたのが印象的でした。また、親御さんの子ども達の自主性を尊重しながら自然に導いている様子に、自分自身はとても学びを得て、明日以降のファシリテーションのヒントになりました。

 1日目の最後には、2日目に制作するボードゲームのテーマが発表されました。今回は、「新しい家事」がテーマで、色々な切り口が生まれそうな、考えれば考えるほどアイデアが出てくるようなテーマでした。1日目は、以上のボードゲームプレイ〜テーマ発表まで行いました。

1日目に遊んだゲーム

2日目
 2日目は、丸一日を使ってボードゲーム制作になります。ボードゲームを0から作ることになるので、当日は私達学生ファシリテーターに加え、プロのボードゲームデザイナーの方々も加わり、グループごとにゲーム制作を行いました。昨日プレイしたゲームと今回のテーマが結びつき、どんどん新しいアイデアが生まれ、ゲームとして一つの形に収まっていく様子を見ることができました。

 今回出来上がったゲームを見てみると、テーマもルールも全く異なっており、1日で作ったとは思えないような、どれも遊べる状態なのはもちろん、楽しいボードゲームとなっていることに驚きました。たくさんのアイデアが生まれてくる子ども達とアイデアをまとめるボードゲームデザイナーの皆さんの力が合わさって、良い形に仕上がったのだと思います。

 今回は4グループでゲーム制作を行ったのですが、最後には他のグループのゲームを遊びに行ったり、逆に自分達で作ったゲームのルール説明を行ったりする時間もありました。ルールを作ることはもちろん、ルールを説明することからも学びは得られます。実際に、子ども達は最初は慣れていない様子でしたが、2回目の説明以降はとてもスムーズに行えておりました。2回目は、以上のゲーム制作〜発表まで行い、本ワークショップは終了となりました。

ルール作りの様子

ゲームで使用するカード作りの様子

感想
 振り返ってみると、今回のワークショップを通じて、自分自身にも多くの学びがありました。ワークショップのファシリテーションの経験は何度かあったのですが、子ども達と一緒にゲームをして、ゲームを作るという経験自体、自分もはじめてだったので、自身の研究活動や普段の仕事へ活かせそうな、物事の伝え方やゲーム作りのヒントを得ました。

そして、なによりも参加された皆様からのアンケートで「楽しかった」「また参加したい」といったコメントをいただいたことが嬉しく、やってよかったと思えました。また、次回があれば、自分もファシリテーターとして参加できればと思います。

以上、大空の夏休みの近況報告となります。

【7月28日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、大空です。
7月28日のゼミ活動報告をさせて頂きます。

春学期のゼミ活動は、今週のゼミで終了となるため、最後にそれぞれの夏休み期間中の研究計画について発表を行いました。以下では、学生の発表内容についてご紹介します。

叶さん
 叶さんは、修士論文のインタビュー調査に関する具体的なスケジュールをご紹介してくださいました。インタビューの実施〜分析は非常に時間を要する作業ですが、叶さんの場合、現段階でインタビューデータのサンプルから概念生成のモデル例を実際に作成されており、かなり研究がスムーズに進まれています。今後、その内容の厚さを出してくことに注力されていくようです。また、夏休みの間は中国に帰国されるようで、家族と一緒にゲームをされたいとも仰られていました。中国のゲーム事情には、あまり詳しくないので、夏休み明けのお話を楽しみにしています。

升井さん
 升井さんも叶さんと同様に、修士論文の進捗に関する計画を発表されました。具体的には、升井さんが制作されたオンライン動画学習システムのプロトタイプの実験に関する内容をご紹介してくださいました。特に、プロトタイプを使ってみての評価をヒアリングするための質問項目についてみんなで議論をしました。先行研究とのつながりも考えられていた内容で、実際にどんな学生にどのようにして実験を行うかの部分は明確に見えておられたので、秋学期初回のゼミでは、どのような結果が得られたのか、そして升井さんの考察がとても気になります。

春口さん
 春口さんは、前回のゼミ活動で発表されていた情報セキュリティに関するゲームレビューを中心に行っていくようです。個人的には、情報セキュリティの分野では、海外のゲームが多くあまり詳しくないため、実際にどのようなゲームであったか、春口さんの感想がとても楽しみです。また、就職活動のインターンシップや特任研究員の財津さんのワークショップアルバイトなど、ゲームに関わる面での活動も多様に行われる予定です。そして、週に1回は外に出かけるという目標もあり、実際にどこに行かれたかなど、夏休み明けの報告が色々と楽しみです。

大空
 私は、主に「先行研究のレビュー」「発表」「ゲーム制作」の3つを行っていく予定です。まず、先行研究のレビューに関しては、春学期のゼミの中で大体の方向性は見えてきたと思うので、読みきれなかった文献などを中心にレビューをしていきます。次に、発表に関しては、Replaying Japanでの学会発表や財津さんのワークショップなど、伝える立場も増えるので、物事を分かりやすく発表・コミュニケーションすることを目標にしています。最後に、ゲーム制作に関しては、研究テーマのキャリアのゲームはもちろん、研究外でもゲームを制作しているので、それを実際に形にして販売できるレベルにまで持っていければと思っています。やることがとても多いですが、それぞれの具体的な目標を決めてその達成に向けて取り組んでいく予定です。

楊さん
 楊さんは、夏休みの期間を使って海外の文献を中心にレビューを行っていかれるようです。春学期では、取り上げられなかった文献のため、自分自身もこの夏休みの時間を使って読んでおこうと思います。また、日本語の授業にも参加して語学力のブラッシュアップにも取り組まれます。実際に、どのような授業が学習に効果的だと思ったか、ゲーミフィケーションの要素はあったかなど、学んでいく中で得られたゲーム学習とのつながりについても、秋学期ではお伺いしたいです。

以上が7月28日のゼミ報告となります。

【6月30日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、大空です。

今週はゼミ活動とは別で、ゼミのメンバーで東京大学制作展(主催:情報学環・学際情報学府)にも足を運んできました。作品の鑑賞だけでなく、制作された学生本人から企画の背景や意図を直接お伺いできたので、通常の展示会では得られないような刺激を得られました。今後の自分の研究にも、今回得られたパワーを還元していきたいです。

それでは、6月30日のゼミ活動報告を致します。

研究テーマ関連論文概要紹介 叶さん
 今回叶さんが、研究テーマ関連論文として取り上げられてくださったのは、「教室外活動と日本語学習意欲に関する考察 ー台湾における学習者に着目してー」という論文です。

 この論文では、「どのような教室外活動が日本語学習意欲にどのように影響を与えるのか」をテーマに、①日本語学習者はどのような教室外活動に取り組んでいるのか、②学習意欲の高い学習者と低い学習者の教室外活動においてどのような違いがあるのか、③それぞれの教室外活動と学習者の意欲はどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としています。

 調査結果では、「日本語の音楽を聴く」や「日本の映画やドラマを見る」が授業外の日本語学習活動として多く取り組まれているようでした。そして、そこから得られた考察として、学習者が興味を持つメディアコンテンツ、リアルタイムフィードバック、言語を使用する機会、異文化間コミュニケーションのある学習が好まれる傾向にあるとまとめられています。

 今回の論文を受けてのディスカッションポイントとして、日本で日本語を学ぶのか、海外で日本語を学ぶのかで学習者の用いるメディアも変わってくるのではないかという点が挙げられました。日本で日本語を学んでいる学習者の方が、日本のアニメやゲームなどの文化に親しみを持っている人が多く、実際に叶さんの周りでもアニメやゲームを授業外活動として行う第二言語習得者は多いようです。

 叶さんの研究では、本論文で語られていなかった、物語中心ゲームのプレイ活動と日本語学習経験との関連を探索的に探究するため、改めてどのような示唆が得られるかが楽しみです。

研究テーマ関連論文概要紹介 大空

 今回、自分は研究テーマ関連論文として、①「女性役員の「一皮むける経験」 ―幹部候補女性を育てる企業のための一考察―」と②「潜在的強みの測定とその活用: ポジティブ心理学の更なる発展に向けて」という2つの論文を紹介しました。

 自分は、「ビジネスパーソンのキャリアデザイン開発に資するゲーム型研修の開発」をテーマにしているのですが、ゲームそのものにもっと現実と対応する意味づけが行えないかと思い、これらの論文をご紹介しました。

 具体的には、現在制作しているゲームが、ワークライフバランスを基盤にした人生全体としての意味合い(広義)のキャリアデザインを行うものなのですが、そこに加えて職業的側面に沿った意味合い(狭義)のキャリアデザインも大きな軸として伸ばすことができないか模索しています。

 そこで、①の論文からは、一皮むける経験(多くのリーダーが歩んできた経験)をゲーム中のイベントに盛り込むことで、企業活動におけるリーダーシップ開発にもつながるのではないかと考え、②の論文では、強みそのものを測る尺度が紹介されており、ゲーム中で「自分のできることカード」というものを作成するのですが、その作成時の観点として利用できないかと構想を立てました。

 実際に、ゲームに実装してみるところまでを行い、論文で語られていた効果も実証できそうな兆しが得られたので、今後さらにそれをブラッシュアップしていきたいです。

研究員発表 財津さん
 研究員発表では、財津さんからゲーム障害についてご紹介していただきました。

 これまでのゲームが及ぼすネガティブな影響に関する研究を複数見ていくなかで、「ゲーム脳」の研究に代表されるような、果たしてそれは本当に実証的なのか、解釈を拡大していないかという点が見受けられました。

 ゲーム障害に限った話ではなく、論文を見る際には、可能な限り原典にも目を通し、著者のニュアンス部分までを汲み取る必要があるように思えました。

 (あくまで個人的な意見ですが、)ゲームはもちろん万能ではないものの、その可能性をゼロにしてしまうのはやはりもったいないように感じてしまいます。ゲームが悪い影響を与えるのではないかというイメージがあることはたしかで、こうした中でいかにその可能性を広げてあげられるかが自分自身の研究を超えた人生的なテーマにもなってくるように思いました。

 ゲームと学習の結びつきを根本的なテーマにしている以上、やはりこの点に関しては自分自身知見や考えを深めておかなければいけない部分だったので、とても有意義な時間でした。

以上が6月30日のゼミ活動報告となります。

これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。 

【6月2日】ゼミ活動のご報告

皆さんこんにちは。M1の大空です。

先週、私は都合によりオンライン参加で、他の皆さんは対面参加というハイブリッド形式でゼミを行ったのですが、テクノロジーのおかげで問題なく参加することができました。

360度カメラを通して研究室の様子が見えたので、まさにその場にいるかのような感覚でした。(画面スクショしておけばよかったです…)
もしまたオンライン参加する機会がありましたら、どのようなツールを用いたか詳細をお伝えできればと思います!

それでは、先週のゼミ活動報告を行います。

〈研究進捗発表〉
M2のお二人の研究進捗発表がありました。
それぞれの発表についてご紹介します。

研究テーマ:
「ゲームプレイヤーの第二言語学習に関する探索的研究
ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー」


叶さんは、中国人の物語中心ゲーム(日本語,市販)のプレイ活動とその日本語学習経験との関連を探索的に探究する研究をされています。

4月下旬〜5月上旬に行われた構想発表会でのコメントから考察を深めることができたようで、以下の考察ポイントを挙げてくださいました。(一例)

・対象者の日本語レベルと学習効果の関連
・考察に基づいてゲームデザインへの提案 etc…

叶さんの研究は、ゲーム学習と第二言語習得の研究の空白を埋め、よりよい学習ゲーム・コンテンツのデザインに示唆が与えることが期待できるため、業界の皆さんは要チェックです。

また、今後の予定としては、M-GTAという質的調査を用いたデータ収集や論文執筆を開始されるということで、私もちょうど質的調査を勉強している中なので、色々と参考させていただきたいです。

研究テーマ:
「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」


升井さんは、カスタマイズに特化した、オンライン動画学習の個別最適化システムの開発をテーマに研究されています。

升井さんも同様に、構想発表会でのコメントを基に研究に関する実験方法や評価について検討を深めるきっかけを得られたようです。

6月中にプロトタイプ製作に取り掛かるため、具体的な仕様もご紹介してくださいました。お話を聞いていて、自分も早く触れてみたいので完成が楽しみです。

また、実験手段については「User Type Hexad」というゲーミフィケーションに関するパーソナリティ分類のテスト(質問紙)を組み合わせて検証を行うということで、こちらもどのような結果が出るか気になります。

升井さんの研究は、パーソナライズやカスタマイズがキーワードとなっています。既存の学習方法にはない新たな取り組みなので、こちらも皆さん要チェックです。

〈プレイセッション〉
プレイセッションは春口さんが担当してくださいました。
今週は自分がオンライン参加だったこともあり、配慮してハイブリッドで参加可能なゲームを考えてきてくださいました。(神様…!)
以下では、その内容をご紹介します。

遊んだゲーム:
「お絵描き伝言ゲーム」

ルールはこのようになっています。
2チームに分かれる→絵を描く順番を決める→お題を決める→絵を描く→お題を当てる

ちなみに、お題は画像のように、あらかじめフォーマットが決まっており、ランダムで設定されるようになっています。

今回は、学生チームと教員チームに分かれて対決しました。皆さん描かれる絵に個性が出ていてとても面白かったです。

普段のコミュニケーションとは違う、絵で伝えるということで、誰でもハードルなく参加できるゲームだと思いました。

最後に、実際に描かれた絵を載せておくので、皆さんパッと見でどんな絵か是非想像してみてください。


以上が本ゼミの活動報告です。
来週はM1の研究進捗発表になるので、自身の研究にも気合を入れて向き合おうと思います。

【4月21日】自己紹介&ゼミ活動報告

はじめまして、今年度から藤本研究室に入りましたM1の大空です。

研究テーマは「企業の人的資本経営に資するゲーム型研修プログラムの開発・検討」です。学部時代に制作したキャリアデザインがテーマのゲーム型研修への接続も考えつつ、より発展的なプログラムの開発に取り組んでいきます。

専門がアナログゲームなので、デジタルゲームやゲーミフィケーションについて、これから学んでいくことは沢山ありますが、ゼミの皆さんの研究からもその知見を深め、自身の研究活動へ活かしていきたいと思っています。

私自身、社会人学生でもあるので、無理のない範囲で良い研究成果を出せるように努めます。皆様、どうぞよろしくお願いします。

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併せて、4月21日に開催されました、ゼミ活動について報告致します。

本ゼミでは以下の発表がありました。
・事例紹介(升井さん,春口さん)
・プレイセッション(升井さん)

事例紹介について

升井さんは、eスポーツで学ぶプログラミングスクール「REDEE(レディー)」をご紹介してくださいました。ゲーミフィケーションのアミューズメント施設化という観点で、新しいゲーム学習の形式の知見を広げるきっかけとなりました。特に、この施設は「習い事教室」「校外学習の立寄り施設」という2つの側面を持っており、コロナ禍とはいえ利用者も伸びていることが印象的です。ゼミ合宿の候補としても提案してくださったので、実際に自分の目で是非見てみたいです。

「REDEE(レディー)」参照リンク:https://redee.game/

春口さんは、宇宙コロニーシミュレーションゲーム「Oxygen not Included」をご紹介してくださいました。現実の科学・物理法則を忠実に再現されている点が特徴で、自然現象への理解が深まるようなゲームでもあります。一方で、チュートリアルに100時間を有してしまうため、学習のために用いるのにはハードルがあるとのことでした。今回のレビューより分かった、学習対象の複雑性とゲームシステムの複雑性をどこまで忠実に対照させるかについては、春口さんの情報セキュリティゲームと共通している部分なので、今後春口さんの考えるゲームがどのようになっていくか自分も楽しみです。

「Oxygen not Included」参照リンク:https://store.steampowered.com/app/457140/Oxygen_Not_Included/?l=japanese

プレイセッションについて

升井さんがホストとなり、プレイセッションを行いました。今回遊んだゲームは、なんと升井さんご自身が本プレイセッションのために作られた『The Battle of Akinator』というオリジナルのゲームです。

このゲームは、『アキネイター(質問に対する回答を元に自分が思い描いている人物やキャラクターを推測して特定するアプリ)』を用いて、2つのチームに分かれ、どちらのチームが先に自分が選んだお題の人物を当てられるかを競い合うゲームです。

チームは3人1チームで構成され、先鋒・中将・大将の順でお題の人物を選び、3回戦で先に2勝したら勝ちとなります。

ただし、特別ルールとして、「勝つためには何をしてもOK」があり、本番のゲームでは、純粋に勝つだけではなく、いかに妨害して勝つかも念頭に置いてプレイを楽しみました。実際にあった妨害の例は、お題の人物名を変える、作戦会議タイムで相手チームへ乗り込む、相手チームが回答をしているときに反対の回答を言うなどです。

個人的に面白かった点は、両チームの作戦に違いが出ていたことです。作戦会議タイムでは、私たちのチームは、お題の人物を選出や先鋒・中将・大将の順の検討に時間を多く費やしていたのに対し、もう一つのチームは作戦会議タイムから早速妨害を開始しており、全く異なる動きをしていました。「勝つこと」と「妨害すること」の2つの方向に頭を使う必要があるのでそのバランスを考えつつも、純粋に楽しくプレイできました。

ちなみに、気になる結果は、私たちのチームが見事勝利できました!負けたチーム用のZoom背景も準備されていたので、記念に写真も撮りました。次回以降も使えそうな背景なので、今後も活用していきたいですね。

ゼミ活動の一環でゲームをプレイすることは、純粋に遊ぶ経験を蓄える場としてだけでなく、ゲーム研究の観点で意見を出し合う場にもなります。ゼミの皆さんがどんなゲームを持ち寄られるか、今後のプレイセッションも楽しみです。

以上が本ゼミの活動報告です。
来週は文献研究・研究員発表などが開催されますので、次回の活動報告も是非ご覧ください。