事例研究の時間

今期の藤本ゼミは、文献研究の回とゲーム事例研究の回を交互に行いながら進行しています。前回は事例研究の回でした。前半はゼミ生がそれぞれこれまでに試したことのあるゲームや新たに試してみたゲームについて文献研究で得た知識も関連づけて考察して報告し、後半は藤本が選んだ事例をそれぞれ試してみた後にディスカッションする構成です。

ゼミ生から紹介された事例は、カードゲームの「キャット&チョコレート:非日常編」と戦略サッカーゲームの「チャンピオンイレブン」でした。それぞれ取り上げた事例についての経緯やこのゼミで議論している枠組みでとらえ直して考察した内容などを発表してもらって、それぞれのゲームのデザインの特徴や学びの要素についてディスカッションしました。

後半は、新型コロナを題材とした事例として、クラーク・アルドリッチ氏のShort Simシリーズの教育シミュレーション「Returning to the Workplace」とSNSで話題になったミニゲーム「密ですゲーム」(2D版)の2本を取り上げて、各自その場でしばらくプレイした後にディスカッションしました。ゲームの目的や用途によってゲームデザインの考え方が変わってくる点や、それぞれの事例の区分などの関連知識について解説しました。

「Returning to the Workplace」はいわゆるゲーム要素は少ない研修用途のシミュレーション教材です。一方の「密ですゲーム」は学習とは性質や位置付けが異なる「ニュースゲーム」のカテゴリーに位置付けられるゲームです。

次回以降もこのような事例を試しながら、ゲームデザインと学習支援方法のデザインの両面から事例を考察するトレーニングを繰り返していきます。

2020年度の藤本ゼミの活動を開始しました

4月に入り、昨年度立ち上げた藤本研究室も新学期を迎えました。初回のゼミをzoom を使ってオンライン開催しました。今年度は、修士課程に入ってきた2名の学生が研究室に所属しています。教員1名、学生2名の小規模なゼミです。

初回はオリエンテーションで、それぞれの自己紹介と研究関心を話して、ゼミの活動方針や活動内容を説明しました。

今期のゼミの活動は、文献研究、事例研究、研究進捗報告を主体に進めます。

文献研究は、サレン&ジマーマンの「ルールズ・オブ・プレイ」とガニェほか「インストラクショナルデザインの原理」の2冊を読みます。研究分野の文献を読み込む力をつけつつ、ゲームと学習についての基本的な概念や理論的な枠組みを学び、自分が研究でやろうとしていることを概念化して説明できる力をつけていきます。

事例研究は、各自の関心で選んだゲームをレビューした内容を発表します。ゲームデザインの知識を学ぶだけでは、どのようなゲームが良いゲームか、どのような要素がよく作用しているのか、判断できる知見を持つことができません。優れたゲーム、ダメなゲーム、なるべく多くのゲームをプレイして、ゲーム経験の引き出しを増やすための活動です。

研究進捗報告は、文字通り各自の研究の進捗を報告して、指導教員やゼミ生からフィードバックを受ける時間です。当面は、研究テーマに関係する主要な文献や先行研究をフォローして、研究関心の探索や研究課題の精緻化に向けた領域知識をつけるための活動として位置付けています。

新型コロナ対応で学内の用務が増大していることもあり、積み上がった仕事をこなしているうちに鬱々とした気持ちになってきますが、ゼミの時間は、教員としても自分の研究の話ができる楽しい時間です。全く初年度の活動ですので、これから試行錯誤してブラッシュアップしていく必要がありますが、しばらくは少人数で行える強みを活かして活動します。

ゼミ生たちの活動についても、この研究室ブログを発信の場として位置付けて、それぞれの研究活動の様子などの記事を書いて発信していこうと思いますので、またたまに見にきてくだされば幸いです。