【5月13日】ゼミ活動のご報告

いつもお世話になっております。M1の叶(イェ)です。
5月に入り、東京は暖かくなりましたね。緑にあふれたキャンパスで対面のゼミができないのは残念ですが、早速、今週のゼミ内容について報告させていただきます。

今週のゼミは、事例研究(叶、升井さん)と研究テーマの関連論文3本概要紹介(K.I.さん、張さん)という流れで行われました。

・事例研究(1)-「Word Castle」(担当:叶)

2018年に2人の開発者により作られた、中国のある英単語学習系インディーゲームです。「Word Castle」は実は「ローグライクゲーム」と「英単語ドリルアプリ」の融合だと思われます。基本的なルールとしては、語彙力(単語を覚えるの)がゲーム進行の必須条件(手段)になり、ゲームを楽しみながら英語の語彙力を身につけることができます。

ゲームのレビューを分析してみたところ、ゲームの形より、学習のデザインの厳密性や効率性がプレイヤーに懸念されていることがわかりました。「World Castle」のような学習ゲームは、学習に関する部分がさらによくデザインされれば、未来のいいシリアスゲームになるのでしょうか?

・事例研究(2)- 「Geoguessr」(担当:升井さん)

ランダムに飛ばされたGoogle ストリートビューの場所を当てる「地理系シリアスゲーム」です。升井さんは過去の面白いゲーム経験を踏まえて、ゲーミフィケーションカードを使ってそのゲームシステムを詳しく分析しました。

その後、Geoguessrに取り入れられなかった「ロールプレイ要素」を加えるのであればどんなゲームデザインが可能なのか、日常生活でどんなモノがゲーム化できるのかについて皆の意見を交わし、「学術論文を探したり整理したりする際はゲーム化できるのか」についての議論が盛り上がりました。

とても面白いゲームで毎日5回無料で遊べますので、興味がある人はぜひやってみてください!(東大に飛ばされたら安田講堂と駒場キャンパス1号館が似ているのにお気をつけくださいね:D)
https://www.geoguessr.com/

・研究関連論文3本紹介(1)(担当:K.I.さん)

①富田誠, 2019, 「共創の場における視覚的対話手法の比較」『芸術学研究 = Tsukuba Studies in Art and Design』 24 : 31-39.
②伊藤ふみ子・田代和子,2020, 「独居高齢者の社会的孤立に関する文献検討」『淑徳大学看護栄養学部紀要 』12 : 69-77.
③阿部彩,(2019)「包摂社会の中の社会的孤立 – 他県からの移住者に注目して – 」『東京大学社会科学研究所 社會科學研究』 65巻1号, 13-30

社会的孤立に関する2本の論文(②、③)の他に、論文①はデザインゲームの定義、歴史と現状を述べた論文で、まちづくりだけでなく、他の領域のデザインゲームに関する研究でも先行研究として引用できる論文でした。

研究関連論文3本紹介(2)(担当:張さん)

①『The Seeds of Speech』Chapter 2:  5. The Family Tree & 6. A Devious Mind
② Tseng, V., & Fuligni, A. J. (2000). Parent‐Adolescent language use and relationships among immigrant families with East Asian, Filipino, and Latin American backgrounds. Journal of Marriage and Family, 62(2), 465-476.

『The Seeds of Speech』の第2章は言語誕生の仮説、人間に言語が必要な理由、言語がなにかできるのかなどを述べた章で、論文②は移民家族の言語使用状況と親子関係の関連性の実証研究です。どれも言語学に関する興味深い論文で、ぜひチェックしてみてください。

以上は今回のゼミ報告でした。研究室の説明会、皆様のご参加をお待ちしております!

【1月7日】ゼミ活動のご報告

皆さん、あけましておめでとうございます!
早速、2021年一回目のゼミについてご報告させていただきます。今回は文献研究の週で、私とK.I.さんはテキストの輪読で、張さんは三本の相関論文を紹介してくれました。

文献輪読(発表順)
● 『ルールズ・オブ・プレイ』(K.I.さん)
・第27章 シミュレーションの遊びとしてのゲーム

本章では、シミュレーションを「現実」の諸側面を進行過程として表現したものだと定義され、進行過程と「現実」という2要素をめぐって、色々な例があげられ、シミュレーションのデザイン手法が分析され、メタコミュニケーション、再媒介化 (remediating)といった概念が説明されました。また、最近のゲームデザイナーはシミュレーションをデザインする時には、「没入の誤解」、つまり「シミュレーションは現実似ているほど完璧だ」、という罠にかかりがちだという現象が指摘されました。

● 『インストラクショナルデザインの理論とモデル』 (叶)
・第11章 理解を促進するために
・第12章 情意的な発達を促進する:感情的知能

第11章では、理解というのは知識よりも実践する能力だという定義に基づいて、「理解のためのフレームワーク」について詳しく説明し、その教授法の普遍的構成要素、新しいテクノロジーとの統合、他の教育フレームワークとの関連、状況依存原理について論じました。第12章では、感情的知能のための近年の三種類の教授モデルが紹介され、ミリルのIDの第一原理を枠組みとしてその普遍的な教授原理を説明され、学習者の感情発達レベルとその発達の影響要因などの、個体的な異なる状況に応じた原理も挙げられました。

●  研究テーマの関連論文(張さん)
・吉田 国子, 2009, 「語学学習における動機づけに関する一考察」『武蔵工業大学環境情報学部紀要』1:1-13
・加藤 映子,2011,「語学教育とゲーム」,『コンピュータ&エデュケーション』 31,pp.28-33.
・大西 博子, 2006, 「言語能力はいかにして評価するべきか : ACTFL-OPIにおける言語能力観の分析と考察をとおして利用統計を見る」『言語文化教育研究』4:17-30

言語学習の動機づけの論争をレビューした論文 (吉田,2009) が紹介されました。また、現在が行われているほとんどの言語能力標準テストの基準を基底しているのが「母語話者」という概念であることを指摘している論文(大西, 2006)も紹介され、それについてゼミの皆さんの留学生活を触れて、言語能力の評価の新しいあり方の可能性についてディスカッションしました。

今回の報告は以上になります。
新しい一年も一緒に頑張りましょう!

【12月10日】ゼミ活動のご報告

こんにちは。M1の張です。

早速ですが、今回のゼミ活動をご報告させていただきます。

今回は、K.I.さんと張が文献の輪読、イェさんが研究テーマの関連論文の発表でした。

文献輪読

インストラクショナルデザインの理論とモデル』 C M.ライゲルース、A.A.カー=シェルマン by K.I.さん

第9章 シミュレーションを用いたアプローチ

第10章 スキルの発達を促進する

・第9章では、シミュレーションは学習者の集中度と全体把握スキルを向上させ、多様なパフォーマンスの文脈における学習者のスキル統合を向上させ、動的パフォーマンス範囲を利用して多様な学習進度に対応し、学習が動的システムにおいて時間経過とともにパターンを見つけることを助けます。第10章はスキル開発の共通知識基盤を明らかにしました。

ルールズ・オブ・プレイ』 ケイティ・サレン、エリック・ジマーマン by 張

第26章 物語の遊びとしてのゲーム

・ゲームを物語の空間として捉えようとする前提で、「物語は一体ゲームのどこに存在している」や「どのようにしたらゲームを物語の経験としてデザインできる」「どういった種類の物語の経験がゲームを可能にする」など浮かんでくる問いについて検討しました。

研究テーマの関連論文 by イェさん

ゲームを利用した第二言語習得の事例とその研究に関する論文をいくつか紹介してくださいました。事例の内容だけではなく、調査の実施やデータの分析などの方法論についてもディスカッションを行いました。

年内のゼミもあと1回!事例研究の回になります!

お楽しみに!!