post date and time:   2024-10-31   contributor:   inuda

【10月24日】ゼミ活動のご報告

みなさん、こんにちは! 修士2年の犬田悠斗です。

10月24日のゼミ活動では、莫さんの文献研究と犬田の関連論文紹介、大空さんのプレイセッションが行われました。


■【莫さん】文献研究

莫さんは、"Team-Based Learning A Transformative Use of Small Groups in College Teaching"の第2章 "Getting Started with Team-Based Learning"について発表されました。

この発表では、自分自身の経験を踏まえながら、Team-based Learning(以後TBL)における4つの原則とTBLを実行するプロセスについて主に説明されました。

TBLにおける4つの原則は、以下の通りです。
1.グループは適切に形成され、管理されなければならない(Groups Must Be Properly Formed and Managed)
2.学生には個人ワークおよびグループワークに対して責任を負わせなければならない(Students Must Be Made Accountable for Individual and Group Work)
3.グループの割り当ては学習とチーム開発の両方を促進しなければならない(Group Assignments Must Promote Both Learning and Team Development)
4.学生は頻繁かつ適切なタイミングでフィードバックを受け取らなければならない(Students Must Have Frequent and Timely Performance Feedback)

また、TBLを実行するプロセスは、授業前(Before Class)、初回授業(The First Hours)、主要単元(Major Unit)、学期末(End of the Term)の4つに分かれています。
授業前には、授業を4-7つの単元に分け、それぞれに学習目標を設けます。加えて、成績の評価制度についても定めておきます。初回授業では、TBLの説明を行い、その後グループを作ります。加えて、学生に成績評価制度について説明します。主要単元では、授業内容に対する生徒の理解を深め、チームの結束を高めていきます。まず単元の準備確認からはじめ、その後応用に移っていきます。学期末には、授業内容やチーム内の相互作用などについて振り返りを行います。

この発表を聞いて、教師だけでなく、学生もTBLの原則とプロセスについて知っておくことが、授業を円滑に進めていく上で重要なのだろうなと思いました。

■【犬田】関連論文紹介

私は、下記の論文に基づいて、修士研究で開発したゲーミフィケーションを活用したオンライン調査のデザインプロセスについて発表しました。

Harms, J., Wimmer, C., Kappel, K., & Grechenig, T. (2014). Gamification of online surveys: conceptual foundations and a design process based on the MDA framework. Proceedings of the 8th Nordic Conference on Human-Computer Interaction: Fun, Fast, Foundational. 565–568.

この論文では、ゲーミフィケーションを活用したオンライン調査のデザインプロセスについて論じられています。デザインプロセスは5つに分かれており、それぞれの段階で考えるべきことは以下の通りです。

1.Aesthetics and the Relationship Layer:回答者の属性やフォームの内容に基づいて、感情的な反応やユーザー体験に関する目標を設定する
2.Dynamics and the Conversation Layer:具体的な質問項目に基づいてユーザーとフォームのインタラクション、そしてそれによって引き起こされる行動について検討する
3.Mechanics and the Conversation & Appearance Layers:意図する感情と行動を生み出すために、適切なゲームメカニクスとゲーム要素を採用し、それに基づいて質問内容・質問構成とフォームの見た目を変更する
4.Prototyping, Evaluation and Iteration:アイデア出し、スケッチ、プロトタイピング、評価を3回程度繰り返す

修士研究では、このデザインプロセスに基づいて、ゲーミフィケーションを活用したオンライン調査を作成しました。加えて、この発表では、選択肢をトラッキングする技術的な方法やデバックの方法などについても説明しました。

今回開発してみて、頭で考えてできる事でも実際に開発してみるとエラーやトラブルがたくさん発生することを実感しました。そして、実際に手を動かしながら、地道に開発することの大切さを改めて感じました。

■【大空さん】プレイセッション

プレイセッションでは、大空さんが開発した、会社経営を短時間で疑似体験できるボードゲームを遊びました。このボードゲームは、マーケティング施策を通じて、12ラウンド(1年間)で営業利益を最大化することが目標です。

そして、このゲームの学習目的は、マーケティング、特に3C/4P(※1)の全体感を理解することです。3Cと4Pの要素がゲームメカニクスに組み込まれており、ボードゲームを遊ぶことで、これらを自然と学習することができます。

実際に遊んでみて、上手いプレイヤーは競合のいない場所を見極めるのが早く、ビジネスにおける競合の重要性を感じました。経営シミュレーションゲームはプレイ時間が長くなりがちなので、短時間で経営におけるマーケティングの全体感を把握できるのはとてもいいなと思いました。

※1 3C/4Pともにマーケティングの基礎的なフレームワーク
   3C=Company(自社)、Competitors(競合)、Customers(顧客)
   4P=Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(広告・販売促進)


以上が、10月24日のゼミ活動報告です。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。

それでは!

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