post date and time:   2024-07-09   contributor:   snii

「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」開催のご案内

藤本徹研究室は8月6日(火)・8月7日(水)に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」を長崎市中央公民館にて開催いたします。
ゲーム学習(エデュテインメント、シリアスゲーム、ゲーミフィケーション)分野のさまざまな研究成果を共有し、ゲームの遊びと学びを体感できる場を提供します。このテーマに関心のある方々に、次のアクションを起こすための学習や実践の機会を提供します。ぜひご参加ください。

開催概要

日時:2024年8月6日(火)10:30〜17:00、8月7日(水)10:30〜16:30
場所:長崎市中央公民館(長崎市民会館内)2階 視聴覚室・第5研修室(長崎県長崎市魚の町5番1号)
対象:教育関係者、研究者、学生、保護者、関連事業者など(発表テーマに関心のある方はどなたでもご参加いただけます。)
参加費:無料
参加申込期間:7月9日(火)〜8月7日(水)
※当日会場でも受付可能ですが、会場の席数が限られていますので、なるべく事前の参加登録を行っていただくようお願いします。
参加申込方法:こちらのオンラインフォームから

主催:東京大学大学院 藤本徹研究室
協力:NPO法人 Educe Technologies、東京大学大学院 渡邉英徳研究室
協賛(五十音順):株式会社イオンファンタジー、株式会社ギルドヒーローズ、株式会社ケーイーシー、株式会社KEC Miriz、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、一般社団法人日本シングルマザー支援協会
後援:東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構、日本デジタルゲーム学会ゲーム教育SIG
お問い合わせ: ludix-contact”@”ludixlab.net (ダブルクォーテーションを削除してください)

プログラムの概要

(タイトルはいずれも仮)
(1)企画セッション:『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウム
<セッション概要>
桃太郎電鉄教育版を用いた授業に取り組む教員の方々による実践状況調査の結果を紹介し、有識者を交えてこれまでの成果と今後の課題を検討するパネルセッションです。

・趣旨説明(准教授 藤本徹)
・講演(小学校教諭、エデュテイメントプロデューサー 正頭英和氏)
・関連研究動向、事例研究(広島大学大学院 准教授 池尻 良平氏)
・パネルディスカッション

(2)『教育版マインクラフト』特別講演セッション
<セッション概要>
プロマインクラフターのタツナミシュウイチ氏を講師にお迎えして、これまでのマインクラフトの教育実践の取り組みや、最新のJAXAが開発した「Lunarcraft」の事例について話題提供していただき、今後の展望をディスカッションします。

(3)研究発表
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心とした、ゲーム学習研究の最新動向を学べる講演セッションです。

・死と喪失をテーマにしたゲームの教育的効果 ー学習意欲とwell-beingに着目してー (特任研究員 坂井裕紀): 通常、喪失は強いストレスであり、心の健康を損ねる原因です。しかし、強いストレスが心の成長につながることもあります。他方、ゲームを教育や仕事に応用する「ゲーミフィケーション」の効果に注目が集まっています。これらのことから、喪失をテーマにしたゲームの体験が心の成長に及ぼす影響を検討しました。本発表では、大切な物事の喪失をテーマにしたゲームを用いたワークショップの実施結果を報告します。

・クラウドソーシングゲーム ー遊ぶことで社会貢献できるゲームの可能性ー(修士2年 犬田悠斗) : クラウドソーシングゲームとは、遊ぶことで、勝手に社会貢献に役立つゲームです。例えば、ゲームをしていたら、勝手に科学研究やボランティア活動に貢献できていた。そんなことが、実際に可能になってきています。この発表では、クラウドソーシングゲームの面白い事例を紹介し、このゲームの持つ可能性についてみなさんとお話したいと思っています。ぜひ一緒に考え、話し合いましょう!

・シリアスボードゲームの開発と実践 ーゲームを活用したデザインリサーチー(修士2年 大空理人) : 国内外において、教育目的のボードゲームの開発が盛んに行われています。ボードゲームは手軽にプロトタイピングから実装まで行える一方で、ゲーム制作のプロセスが見えない状態では、ハードルを感じたり、困難が生じたりする場合があります。そこで、その制作プロセスをより一般化するために、インストラクショナルデザインに基づくゲームデザインについて検討します。本発表では、シリアスボードゲームの『QRP GAME』を事例に、ゲームを作って終わりではなく、学習プログラムとして継続させる工夫について報告します。

・大人のためのゲーム学習 ーゲーム研修における学習環境デザインー(修士2年 大空理人) : 近年、企業内教育においてゲーム研修が、新たな学習手法として注目を集めています。しかし、ゲームという性質上、学習とは関係のない「気晴らし的な楽しさ」を提供するものだと思われ、研修への活用に懸念が生じています。また、カスタマイズ性のない画一的なものであるという誤解もあります。そこで、従来のイメージから、ゲーム研修をリフレーミングするために、6つの学習理論と実践を結びつけて検討します。本発表では、ゲーム研修が提供する本質的な「やりがいのある楽しさ(hard fun)」について報告します。

・Minecraftを活用した英語コミュニケーション意欲向上のためのワークショップ実践(修士2年 濱田璃奈) : 本発表では、Minecraftを用いた英語学習ワークショップの設計と実践事例を紹介します。特に英語コミュニケーション意欲の向上を目的とした活動を中心に、ワークショップの効果を調査した結果を共有します。調査データを基に、参加者の意欲や学習成果の変化を具体的に示し、教育現場での応用可能性について考察します。

・教育版マインクラフトで創る未来の学び(土井隆氏):教育効果と実践事例 : 本シンポジウムとの連動企画として開催したMinecraftワークショップ「教育版マインクラフトで長崎の歴史を学ぼう」やMinecraftカップ全国大会の取り組みなど、これまでのマインクラフトを導入した教育実践の成果について発表します。

(4)ゲーム体験ワークショップ・デモ展示
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心に、ゲーム学習研究の成果を体験しながら学べるセッションです。

・実験哲学ゲーム「Free Will 自由意志と道徳的責任」(修士2年 犬田悠斗): 哲学の問題に関する人々の直感を明らかにするゲームである『Free Will 自由意志と道徳的責任』のデモ展示を行います。このゲームでは、自由意志と道徳的責任に関するシナリオを進めてもらい、最後にいくつかの質問に答えてもらいます。このゲームでの回答が、哲学の問題の解明に役立てられるかも!

・クラウドソーシングゲームのプラットフォーム「Meta Crowdsourcing Game」(修士2年 犬田悠斗): 遊んでいたら勝手に社会貢献に役立つゲームであるクラウドソーシングゲームのプラットフォームを展示します。プラットフォームの中には、科学研究やボランティア活動に役立つゲームがたくさんあります。実際にこれらのゲームをプレイすることで、社会に貢献してみましょう!

・SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ(修士2年 犬田悠斗) : 「ゲームを基盤とした社会」と聞くと、どのような社会を思い浮かべますか。今回のワークショップでは、「多くの人がゲームを通して社会貢献している社会」について一緒に考え、創造してみます。また、「SFプロトタイピング」という、フィクションを用いて、まだ存在しない未来を想像する手法についても解説します。SF(サイエンス・フィクション)の力を使って、妄想を爆発させ、まだ見ぬ社会を一緒に形作りましょう!

・未来の研究について考えよう!カードゲーム「ムーンシューター」を使った対話型ワークショップ(修士2年 大空理人): 「ムーンシューター」は、“未来の研究”をテーマにしたカードゲームです。未来の研究を考えることは、研究者に限らず、私たち一人ひとりにとって重要です。しかし、いざ未来の研究について話し合ってくださいと言われても、なかなか難しいのではないでしょうか?そこで、この話しにくさを払拭し、楽しみながら対話を深めるために、このゲームを開発しました。未来を生きる私たち全員が、それぞれの立場で科学技術と社会の繋がりについて考える必要があります。個々の体験や意見を混ぜ合わせながら、どんな期待があるか / 懸念があるかを一緒に探究することで、新たな視点や考え方を身につける機会をつくります。

・研究のグレーゾーンについて考える!カードゲーム「QRP GAME」のデモ展示(修士2年 大空理人) : 倫理規範、コンプライアンスと聞くと、ややこしい、面倒くさいという印象を持つ方も多いのではないでしょうか?そこで、こうしたネガティブなイメージを払拭し、楽しみながら倫理に対する考えを深めるために、このゲームは開発されました。「QRP GAME」は、“疑わしい研究行為(通称QRP)“をテーマにしたカードゲームです。研究のグレーゾーンを判断することは、大学・企業等の研究者だけでなく、レポートを執筆する学生や自由研究を行う児童生徒にも必要なスキルです。多様な世代が、個々の体験や意見を混ぜ合わせながら、どんな研究行為が良いのか/良くないのかを一緒に探究することで、より良い研究成果のアウトプットと科学界全体の発展に寄与します。

・英語の勧誘表現を学習できるカードゲーム「Shall we dance? 一緒に踊らないかい」(修士2年 犬田悠斗): 英語の単語カードで口説き文句を作り、相手に「この人いいな!」と思わせるカードゲーム『Shall we dance? 一緒に踊らないかい』のデモ展示を行います。このゲームでは、英語でキザな口説き文句を面白おかしく言い合いながら、英語の助動詞や勧誘表現、依頼表現を学習することができます。英語力を駆使して、より多くの気になる人から好感度を獲得しましょう!

(5)連動企画セッション:「戦争とゲーム」
<セッション概要>
・セッションテーマについて(准教授 藤本徹)
・事例研究「平和学習とゲーム」(特任研究員 木村知宏): ゲームには他のメディアとは異なる特性があります。本発表では、戦争をテーマとしたゲームの事例を紹介します。近年は反戦のメッセージが込められたゲームや、一般市民の側から戦争を体験するゲームなど、様々なものがあります。これらの事例とゲームの研究の理論をもとに、平和学習にゲームを活用することのメリットについて検討します。
・ディスカッション

8月4日〜8日に長崎市役所で開催される「ミライの平和活動展 in 長崎 〜テクノロジーでつながる世界〜」に連動した企画セッションを8月6日(火)15:30〜16:30に長崎市役所2階多目的スペースで行います。戦争をテーマとしたビデオゲームの事例を紹介し、平和学習にビデオゲームを使用することのメリットについて検討します。シンポジウムの開催場所である長崎市中央公民館から長崎市役所までは徒歩2分ほどの距離です。
なお、この展示会ではデジタルツイン・VRなどのテクノロジーを活用した新世代の平和活動コンテンツとともに、ウクライナ・ガザ地区など、世界の紛争地域の被災状況を伝える展示、日本原水爆被害者団体協議会による原爆写真展、長崎国際テレビによる平和コンテンツなどを体験できます。シンポジウムと合わせてぜひご参加ください。

ミライの平和活動展 in 長崎の詳細についてはこちらのウェブサイトをご覧ください。

プログラム

皆様とこの夏、長崎でお会いできることを楽しみにしています。

Previous page

Category:   announcement, 参加者募集     Author:   snii   permalink