post date and time:   2022-02-24   contributor:   snii

【開催報告】オンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」

2月17日(木)に当研究室主催のオンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」を開催し、Zoom Webinar及びYouTube Liveを通じて400名以上の方々にご参加いただきました。

概要

冒頭でYouTube Liveの配信トラブルがありましたが、概ね予定していた通り以下のスケジュールで実施しました。

17:00-17:05 趣旨説明,登壇者紹介
<第一部:ポケモンと子どもの遊び>
17:05-18:00 特別ゲストセッション
特別ゲスト:石原恒和氏(株式会社ポケモン代表取締役社長)
モデレータ:藤本徹(東京大学)
(18:00-18:10 休憩)
<第二部:遊びと学びをつなげる研究>
18:10-18:40 研究活動報告
発表者:藤本徹,財津康輔(東京大学)
18:40-18:55 質疑応答(Q&A)
18:55-19:00 お知らせ,閉会挨拶

趣旨説明の後は、ご登壇者である株式会社ポケモン代表取締役社長 石原恒和氏のご紹介の代わりに、参加者の方々に以下の二つの質問をし、Zoomのチャット欄に回答を入力いただくセッションを行いました。

Q1. 皆さんが「最近遊んだ、またはよく遊んだポケモンゲーム」のタイトルは?
Q2. 皆さんが好きなポケモンの名前は?

Q1では、最近発売された『Pokémon LEGENDS アルセウス』と回答される方が多かったですが、『ポケモンカードゲーム』や『Pokémon UNITE』、『ポケットモンスター ソード・シールド』など、幅広いタイトルの名前が挙げられました。

Q2においても、ピカチュウ・ヤドン・ニンフィア・ゲンガー・ガブリアス・ヒノアラシなど数多くのポケモンの名前が挙げられ、ポケモンを愛する多くの方々にご参加いただいたことが窺い知れました。

続いて石原氏のご講演では、ポケモンのプロデュースにおける理念や、遊びを促すゲームデザインの考え方についてお話しいただきました。

特に、「ポケモンがゲームにおいて大切にしていることは、人と人がポケモンを通じて繋がる仕組みです。」とおっしゃっていたことが大変印象的でした。

なお、ポケモンカードゲームの世界大会では、ドイツ語やハングル語などの外国語で書かれているため、子どもたちはカードに書かれている文字が読めません。それにも関わらず、画像とメカニズムでカードの内容を理解しているので、通訳を介さずともプレイヤー間のコミュニケーションに困らないそうです。ポケモンのゲームが世界中で楽しまれていること、また言語の壁を超えて人々の交流を促すきっかけとなっていることを実感した、驚きのこぼれ話でした。

そして、質疑応答のセッションにて参加者の方々からのご質問にお答えいただく形で、石原氏の遊び観や、幼稚園児のときに感じていたこと、思い入れのあるゲームタイトルや開発の裏話など、たくさんの貴重なエピソードを披露していただきました。

「遊び」を大切にすることで、人々は豊かになれる。
しかし「遊び」を強要したり、有用性(学習効果、教育効果、協調性など)に軸足を置きすぎると「遊び」の本質が失われてしまう。”

ご講演の結論として、石原氏よりこのようにお話いただきました。藤本准教授も、
「ためになるから遊びなさい、というのは上手くいかない。あくまで遊びの中に副次的に学びを見出すべき」と、遊びと学びの「ゲーム学習論」専門家の視点から同意しました。

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休憩を挟み、第二部では当研究室より以下の通り研究活動報告を行いました。

1:オンラインスクール「ゲームカレッジLv. 99」のトレーナー向けに開発したパターンランゲージ
2:教育的観点からのゲームレビュー2022
3:ゲームの学びについて学べるオンライン講座

質疑応答のセッションでは、以下のような多くのご質問をいただき、時間の許す限りお答えしました。

・パターンランゲージを今後どのように広げていくか?
・子ども同士で全く束縛なしに遊ぶ状況と、トレーナーが居る状況とでは、どちらが学びが大きいか?
・ゲームによる学習効果についての評価方法は確立できそうか?
・部活動としてのeスポーツのメリットとデメリットは?
・ゲームは未だに教育に良くないもの、というイメージが少なからずあると思う。どのようにカバーしてアプローチしていくと良いか?また、学校現場に紹介される日が来ると思うか?

参加者の方々のご感想

事後アンケートで当セミナーの満足度を伺ったところ、第一部・第二部ともに「満足」または「やや満足」と回答してくださった方が9割を超えました。自由記述欄にお寄せいただいたコメントを一部抜粋してご紹介します。

「ポケモンGOが3世代をつないでいる、というのは、我が家でも起こっている事象なので、なるほど!と納得です。私自身はゲームをしないのですが、理念を伺って、見直してみたいと思いました。」
「子供と一緒にゲームを楽しんで遊ぼうと思いました。」
「興味があれば学んでいる意識がなくても身につくものだと思います。ポケモンユナイトのように協力しながらゲームを楽しんだ子どもたちが、どのように成長していくのかとても興味深いです。」

また、このセミナー参加をきっかけに当研究室の研究分野である「ゲーム学習論」について初めて知ったという方も多く、興味をお持ちいただき大変嬉しく思いました。

最後に

ご登壇くださいました石原社長をはじめ、オンラインセミナーの開催にご協力くださいました株式会社ポケモンの皆様に厚く御礼申し上げます。また、セミナーにご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。

藤本研究室では今後もこのようなイベント・セミナーを積極的に開催していきます。
引き続きこの分野へのご関心をお寄せいただければ幸いです。

今回のセミナーでご紹介した資料や関連情報はこちらをご覧ください。
https://ludixlab.net/?page_id=804

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