東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
post date and time: 2020-10-24 contributor: Ye Zhiqing
皆様、こんにちは。叶です。
本日は、10月22日のゼミ活動について報告させていただきます。
当日は、藤本先生は今回の冬入試について話してから(関心のある方はぜひ「注目」の記事を読みましょう)、K.I.さんと張さんは「事例研究」の結果を発表して、最後に私は研究進捗を報告いたしました。
まず、K.I.さんは「SIM熊本2030」という、熊本県庁職員の自主活動グループ「くまもとSMILEネット」によって開発された、町の2030年の問題を体感できる対話型自治体経営シミュレーションゲームを紹介してくださいました。その後のディスカッションでは、「SIM熊本2030」は実は熊本県だけではなく、他の県が主催したまちづくりをテーマとしたイベントや体験会でも積極的に活用している、ということが注目されました。また、研究で遊ぶ時間の長いゲームを利用すれば、その実行は難しくなるという研究上の注意点も強調されました。
それから張さんは、2020年上半期大人気だったゲーム「あつまれ どうぶつの森」の事例をめぐって、コロナ時代のオンライン授業の問題点、即ち「空間移動の不足=コミュニケーションの不足」について論じました。簡単に言えば、オンライン授業では簡単に会議室のURLにアクセスしてから始まり、カメラをオフにしてから終わるので、授業間の隙間時間や、建物間の移動をしている時に人との出会いと交流が失われました。どのように、「あつまれ どうぶつの森」での空間移動、空間共有(バーチャル空間でも)といった概念をオンライン授業に取り入れて、コミュニケーションの欠如のオンライン授業を良くするかは、コロナ後時代の新課題になるでしょう。
最後に、私は改良した研究計画を発表いたしました。半年間でできる、かつ修士期間の研究に繋げられる、といった点を考えて、テーマを「インタラクティブ・フィクション( IF )ゲーム活動における能動的な第二言語学習 ~中国人IFゲーマーに着目した事例研究~」に少し変えて、主要な研究手法はデプスインタビューにしました。張さん、K.I.さんから、研究結果の論理性を確保するためにさらに研究対象を絞って、その選択と限定を再確認するという非常に参考になるフィードバックと、藤本先生から、事例研究であればその事例が代表できる範囲を明らかにすべきである、などの貴重なご意見をいただきました。
以上、今週の報告でした。皆様の事例もその分析も面白くて意味深いので、ついたくさん書きました。記事が長くなって申し訳ありませんでした。読んでいただいてありがとうございました。
Category: Lab news Author: Ye Zhiqing permalink