東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
post date and time: 2024-05-24 contributor: qikeyi
みなさん、こんにちは!今年からLudix Labに入りました研究生の斉可意と申します。
今週は、斉による文献研究・犬田さんによる文献研究・大空さんによるプレイセッションの3本立てでした。
斉:文献研究
この論文を紹介しました:
Perttula, A., Kiili, K., Lindstedt, A., & Tuomi, P. (2017). Flow experience in game based learning–a systematic literature review. International Journal of Serious Games, 4(1), 57–72.
この論文は、過去10年間のゲームベースの教育に関するフロー理論の研究レビューです。フロー理論の研究計画を改善したいと思い、この論文を参考に選びました。この論文には具体的な例が非常に豊富に含まれており、フロー理論の研究は主に以下の側面に焦点を当てていることが明らかにされています:
1.シリアスゲームの文脈におけるフローの意味
2.フローと学習の関係
3.フローの発生に影響を与える要因
4.フローの具体化の方法
この論文は19件の実証研究を収録し、比較に重点を置いています。この論文を通じて、研究者たちがフローのレベルを定量化する方法には多くの違いがあり、現在のところ統一された枠組みがないことを認識しました。そのため、研究を進める際には適切な選択を行うことが重要です。
今後も関連する実証研究を読み続け、研究計画を改善し、ゲームデザインとフロー体験の関係を探求していきます。
犬田さん:文献研究
「ゲームデザインバイブル第2版」の第17章と第20章を紹介しました。この本は、ディズニーVRスタジオの元クリエイティブディレクターで、テーマパーク用アトラクション、MMORPG、VR、シリアスゲームなど、さまざまなゲームの開発を経験してきたトップクリエイターによって書かれたゲーム開発の指南書です。
犬田さんは、この論文を読んでゲーム開発に必要な前提知識を学びたいと思っています。最も重要な収穫は、「ゲームデザイナーの目標は、ゲームデザインをすることではなく、体験を創り出すことである」ということです。
第17章「ストーリーも体験の一種」では、2つの異なる開発手法が紹介されています。パールのネックレス(川と湖)の手法で成功する秘訣は、「事前に一本道のストーリーを作っておくストーリーマシン」です。一方、ストーリーマシンの手法で成功する秘訣は、「事前に用意するストーリー部分を最小限に抑える」ことです。
また、文章は夢のゲームデザインの問題点も紹介し、これらの問題に対するいくつかの提案を行っています。
第20章「世界にはキャラクターが含まれる」では、ゲームキャラクターの種類や特徴、魅力的なキャラクターの創造方法、さまざまなキャラクターの関連性を利用して世界を充実させる方法などが主に紹介されています。犬田さんは、キャラクターを創造するための10のヒントを挙げました。
皆さんは犬田さんが持ち込んだ内容に非常に興味を持ち、細部について多くの議論を展開しました。
大空さん:プレイセッション
大空さんが企画した協力交流ゲーム【プレゼンテーションを考え、実践するワークショップCommand L&R】が開催されました。
参加者は二人一組に分かれ、大空さんが提示したテーマに基づいてプレゼンを準備します。まず、プレゼンの感情スタイルを選ぶためにエモーションカードから選択し、次にロジックカードで提示されたヒントに基づいてプレゼン内容を書きます。最後に、ロジックを整理してミニプレゼンを行います。
スコア集計の段階では、各人が「logic」と「emotion」という名前の票を持ち、最優秀のプレゼンチームを選びます。
このゲームでは、「藤本研のここがすごい!」というテーマに沿ってプレゼンテーションを行います。
莫さんと犬田さんが情熱的な猫のコンテンツで全参加者の「エモーション」票を獲得し、藤本先生と木村さんは充実したロジック内容で一歩及ばずとなりましたが、敗れても名誉あると言えます。
ゲーム終了後、参加者からはゲーム内容について多くの提案がありました。ゲーム内のヒントカードのデザインが非常に素晴らしいと考えています。プレイヤーが「point」から出発し、「reason」と「sample」を探すことで発言内容を見つけるというこの方法は、非常に面白い活動です。
以上が5月16日ゼミのご報告となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。