東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
post date and time: 2024-10-03 contributor: osora
藤本研究室M2の大空です。
今回の記事では、夏休みの活動報告の第一弾として、自身が8月に渡航し発表を行った、国際学会の様子について、ご共有します。ゲーム研究の国際学会にご興味のある方は、ぜひご覧ください。
学会発表(Replaying Japan)
今回参加した学会は「Replaying Japan 2024」です。本学会では、世界中から研究者やクリエイターが集まり、日本のゲーム研究を中心に革新的な技術や方向性に関する発表が行われました。
今年は、8/19(月)〜8/21(水)の3日間、アメリカのニューヨークで行われ、過去最大規模での開催だったようです。初めての一人での海外渡航&国際学会でしたが、当日はたくさんの海外の研究者と交流でき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
学会発表では、「ゲーム学習」という観点から、研究倫理教育に資するゲーム学習プログラムについて発表を行いました。
発表内容に関して、本学習プログラムで用いるゲームは、アナログゲーム形式なのですが、そこに新鮮味を感じて興味を持ってくださる人が多かったです。「頭に衝撃が走った」、「もっと世界に向けて発信した方がいい」など、かなりポジティブなコメントをいただけて、研究へのモチベーションが上がりました。
研究倫理というテーマは、世界共通ということもあり、各国の状況について知ることができたのも良かったです。やはり、どの国でも少々退屈、面倒くさいというイメージは変わらない一方で、研究倫理上の問題の捉え方は国の違いもあるのではないかと思いました。
また、ゲーム内容だけでなく、デザイン面についても「海外の人々が親しみやすいように多大な努力を払ったことがわかる」「とても美しくて興味が惹かれる」という声がいただけたのも嬉しかったポイントです。自分が意図していたことが、良い反応として返ってきたことは、自信になりました。
発表枠は2時間ということもあり、当初は無事終えられるかすら不安でしたが、実際に発表を行ってみると、海外の研究者の方々から沢山の好評をいただき、心から楽しかったといえる発表になりました。
その他の発表では、ゲーム文化、人工知能、ビジネス、教育といった幅広いトピックが並び、エンターテインメントの新たな可能性について考えるきっかけとなりました。これまでは、ゲーム学習を中心にゲームや遊びについて考えていましたが、今後はより俯瞰的に捉えていこうと考えています。
学会発表後は、これらの発表を行った研究者とパーティーで連絡先を交換し、彼/彼女らとは、今でもメールのやり取りを続けています。お互いの研究テーマについて、自国の研究事情や流行を共有し合える関係性を築くことができたのが、今回最も参加して良かったことでした。
以上、活動報告の第一弾となります。
次回の記事では、学会終了後を含む、3週間のアメリカ・カナダの滞在中に訪れた「AI研究所」「遊び博物館」「教育大学院」「メディア研究の縁の地」について紹介します。こちらも多くの学びがあったので、ご関心のある方は、ぜひご覧ください。