東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
Monthly archive: July 2023
post date and time: 2023-07-26 contributor: inuda
みなさん、こんにちは!M1の犬田です。
先日「ボードゲームアリーナ」というオンラインでボードゲームを楽しむことができるプラットフォームで友達と一緒に遊びました。「ボードゲームアリーナ」では、682種類ものボードゲームがオンラインで実装されています。実際に遊んでみて、オンラインで実装することで直感的に次の動作をプレイヤーに提示することができ、スムーズにプレイすることができるなと思いました。また、オンラインでプログラムされた行為しかできないので、ルール違反も防ぐことができるなと思いました(ゲームとしての面白さの1つが欠落している気もしますが)。そして、何より遠隔地にいる友達とも一緒に遊べるところがいいなと思いました。今後も定期的に遊ぶことができたらなと個人的には思っています。
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(犬田&濱田さん)とプレイセッション(財津先生)になります。
■研究進捗報告(犬田)
私は、修士研究のこれまでの進捗を発表しました。私は、WEB調査の動機付けの欠如や質問内容を読まない回答者の存在、Satisfice 行動といった問題を、ゲーミフィケーションを導入することによって解決する研究を行っています。特に現状ゲーミフィケーションを取り入れたWEB調査は、ポイントやバッジシステムを単に導入した構造的ゲーミフィケーションにしかなっておらず、結果としてSatisfice 行動を助長する結果になっています。なので、WEB調査をノベルゲームにすることで、内容のゲーミフィケーションとなり、WEB調査の問題を解決することができるのではないかと考えています。M1のSセメスターでは、この研究の研究背景、研究目的の明確化とプロトタイプの作成を行いました。
研究室の方々から、題材とゲームの相性をもう一度精査し、ノベルゲームと相性の良い題材を再度考えてみる必要があるのではないかという指摘が出ました。相性のよい題材の要素を書き出し、それに適した題材を再度検討してみようと思いました。
■研究進捗報告(濱田さん)
濱田さんも、修士研究のこれまでの進捗を発表されました。濱田さんは、Minecraft Eduを利用して英語教育を行うためのプログラム開発をされています。現在は、研究目的を英語4技能、語彙力、文法力のうちどの能力の向上にするのか、そしてその教育効果をどのように評価するのかについて先行研究を踏まえて検討されています。
濱田さんは現在課外活動に積極的に取り組まれていて、Minecraftについてのオンラインイベントを企画・運営されています。Minecraftの学術的な知見を発信する場の構築にも関心を持たれているとのことでした。他にも、わくわくするような計画があり、濱田さんの動向を要チェックだなと思いました。これらの課外活動で得られた知見を研究にも活用しようと考えられています。
■プレイセッション(財津先生)
財津先生のプレイセッションは、2本立てでした。前半にボードゲームを用いた創造力測定の検査を、後半は財津先生が考えられている新作ボードゲームの試遊をしました。前半のボードゲームを用いた創造力測定の検査では、あるボードゲームで遊び、そこで用いた創造力についてプレイヤー自身が評価しフォームに回答しました。後半では、惑星の掟をメンバーと合意形成して定めるという財津先生の新作ボードゲームを試遊しました。どちらも楽しくかつ、着眼点やゲームデザインなど学びになることが非常に多くあり、有意義で、贅沢な時間だなと思いました。
ちなみに、今回の記事執筆担当は前回のプレイセッションのゲームの勝ち負けによって決まっており、犬田は3位になったため担当することになりました笑
以上で、7月20日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
post date and time: 2023-07-18 contributor: osora
皆さん、こんにちは。M2の大空です。
最近は暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
気づけばもう7月も中旬ということで、今年は夏らしいこともしたいなと思う一方で、この暑さだと外に出るのも少し億劫になります。室内でできる、夏っぽいことができたらいいなと日々考えています笑
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(木村さん)になります。
■研究進捗報告(春口さん)
春口さんは、7/18(火)〜19(水)に学府全体で行われる、修論中間報告で発表する内容で進捗報告を行っていただきました。
この修論中間報告とは、修士2年生が必ず行うもので、他研究室の先生を含めて、研究の進捗を発表する場となっています。中間報告では、ゲーム学習論が専門ではない先生もいらっしゃるため、限られた時間の中で、いかに分かりやすく自身の研究を伝えるかがポイントとなります。
今回、春口さんは、その練習として発表を行われました。私たちメンバーもどのような質問が当日来そうかということを意識しながら聞き、様々な意見交換を行いました。各人が感じた感想やアドバイス、質問などによって、さらに発表もブラッシュアップされていくと思うので、当日の春口さんの発表を楽しみにしています!
■研究進捗報告(大空)
大空も、春口さんと同様に、研究進捗報告を行いました。ただし、私の場合、長期履修を行っており、今年度の修論中間報告では発表しないため、あくまでこれまでの進捗を共有しました。
まずは、自身が開発したカードゲームを活用したワークショップ実現に向けて動き出していることを共有しました。幸いにも、ワークショップを行えそうな場を見つけることができたので、今はそれを目標に研究に取り組んでいます。
また、倫理審査の提出や助成金の申請など、構想段階よりもやることも増えてきたので、全体のバランスを見つつ、今後も進められればと考えています。早く公の舞台で発表したいという気持ちがあるので、その時にはこの記事でもご紹介させていただきます!
■プレイセッション(木村さん)
今回のプレイセッションでは、東大の生協で販売されている『有機大富豪』をプレイしました。
有機大富豪とは、高校範囲の有機化学を題材としたカードゲームで、有機化学の基礎的な反応系統・原理を覚えることができます。
実際にプレイしてみたところ、全員ほとんど初学者でしたが、体験を通して有機化学の言葉を覚えられそうだという感想が多く寄せられました。また、ゲーム形式が大富豪に近いので、繰り返しプレイすることで、知識の定着も図れそうです。
ゲームルールの説明はやや難しい方ですが、一度プレイすればすんなりと入ってきて、ゲームとしての楽しさがあったので、東大を訪れた際はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか?
ちなみに、今回の記事執筆担当はゲームの勝ち負けによって決めたのですが、大空は大敗(4位)してしまったため、担当となりました笑
以上で、7月13日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
post date and time: 2023-07-18 contributor: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(7/18 16:00追記)
昨年、大好評を博した<夏休み親子ゲームジャム>を今年も藤本研究室で主催します🌻🍉✨
プロのゲームデザイナーの方々と一緒に、ボードゲームを制作してみませんか?初めての方も大歓迎です!
<開催概要>
日時:8月26日(土)13:00-17:00、8月27日(日)9:00-18:00
会場:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
対象:小学3年生〜中学生と、その保護者
定員:18組
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/cLqdkehhQhgM7UbR9
<開催趣旨>
夏休み親子ゲームジャム2023は、親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたボードゲームを制作するワークショップです。
ボードゲーム制作を通して、子どもたちの日常生活において何かを良くするための新しいアイデアを考える創造性を育てることを目指します。創造性には、歴史的な大発見、社会を変えるような新製品、素晴らしい芸術作品などだけでなく、日常生活において、レシピを工夫してこれまでと違った美味しい料理を作ること、模様替えをして快適な部屋にすること、趣味として新しい素敵な音楽やダンスを作ること、学習のやり方を工夫することなども含まれます。特に後者のものを「日常生活における創造性」(mini-c)と呼びます。『日常生活における創造性』によって作り出されるものは、その本人にとって役に立つ新しいものであればよく、他の人にとって役に立つ新しいものであることもありますが、必ずしも他の人にとって役に立つもの、新しいものである必要はありません。こうした創造性は、その後に続く大きな創造性の端緒であるとされ、子どもたちの未来を拓く大切なものです。
今回のワークショップは、こうした考えに則り、成果物であるゲームの目新しさを問題にするのではなく、そのプロセスで子どもたちにモノゴトの新しい見方や関わり方を発見してもらうことを目的として開催するものです。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
当研究室の院生の一部も運営として参加します。ふるってご応募ください!♟️🎲⭐️
post date and time: 2023-07-06 contributor: osora
皆さん、こんにちは。M2の大空です。
先日プライベートで、はじめて「スプラトゥーン」をしっかりプレイしました。一人称視点のアクションゲームなので、なかなかプレイヤーの視点を合わせることに苦労しましたが、気づいたらあっという間に時間が経っているほど面白かったです。
今回は、友人と音声をつなぎながらオンラインで一緒にプレイしたのですが、やはりこうしたゲームは友人と一緒にプレイするのが楽しいなと感じました。ただ、デジタルゲームに関しては、自分はハマると結構な時間を使ってしまうため、時間の制限をするようにしているのですが、そうするとレベルが一向に上がらないので、友人との差は大きくなるばかりです笑(レベル上げもコツコツ頑張ろうと思います)今後も、研究や仕事以外のプライベートでも色々なゲームに触れていこうと思っています。
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、文献研究(大空)、事例研究(春口さん)とプレイセッション(濱田さん)になります。
■文献研究(大空)
大空は、ピーター・グレイの『遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる』について発表を行いました。
今回取り上げた章は、第6章「好奇心、遊び心、社会性 インドで見る子どもたちの自己教育力」、第7章「遊びのパワー 心理学が解き明かす学び、問題解決、創造性」になります。
選定理由としては下記2点で、文献研究を通して、それらをクリアにすることができました。
①直近、自分が研究で制作しているゲームのテストプレイを行っており、なぜゲーム形式にしたのか、それを理論を用いて簡単に説明したい→「好奇心」「遊び心」「社会性」が学習に作用する。特に、研究倫理教育は、“しなければいけない教育”になる傾向が強いため、この3つの特徴が働くことによって、ノンストレスで楽しく学ぶことができ、高い学習効果が期待できるのではないか。
②そもそも自分が既存のワークに対して直感的に感じた、遊びの萌芽は何だったのか確認したい→研究倫理のワークの多くは、事例共有+ディスカッションという形式。そこに、「探索的な遊び」「社会的な遊び」を感じた。それぞれに色をつけて形どったものが『QRP GAME』。
本書の特徴は、ゲームデザインからの視点から「遊び」を捉えるのではなく、ごっこ遊びやスポーツなどを含むより広い視点から「遊び」を捉えていることです。自分の研究で、なぜゲームを採用したのか(遊び要素を加えたのか)をわかりやすく説明する際の材料として、論文等にも引用して反映させていきたいと思います。
■事例研究(春口さん)
春口さんは、Ciscoが開発し提供しているネットワークシミュレーター「Packet Tracer」を紹介してくださいました。
「Packet Tracer」とは、Cisco製品の利用方法・ネットワークの構築をソフトウェア上でシミュレーションできるもので、主にネットワークの勉強をしたい人が使う事が多いツールになります。また、Ciscoが行っている技術者認定試験のCCNA向けの講座でも使用されており、無料で使うことができます。
様々なネットワーク構築に対応でき、抽象化されている要素が一切ないため、「Packet Tracer」で行ったことがそのまま実務に使えるというメリットがある一方、覚える事が多すぎて学習負荷が高く、教える側にもかなりの知識・スキルが求められることから、初学者には向かないというデメリットがあります。
春口さんの研究では、初学者に焦点を当てたシリアスゲーム開発となるため、ターゲット層が異なりますが、内容に関しては共通する部分も多く、ディスカッションの中で「もしも、このパケトレをゲーム化するならどうするか?」という話題も上がり、春口さんのゲームにも反映できそうなアイデアも生まれました。
徐々に中間発表の時期が近づいていますが、さらにブラッシュアップされた春口さんのゲームと発表が楽しみです!
■プレイセッション(濱田さん)
プレイセッションでは、『教育版マインクラフト』をプレイしました。
マインクラフトをテーマに研究されている濱田さんがワールドを作ってくださり、その中で建物を立てたり、素材を集めたりと、自由に活動しました。
久しぶりにプレイする人〜よくプレイする人までいたため、分からないことがあれば、研究室メンバーで助け合いながら進めることができました。明確なゲーム目標がないため、自分たちで自発的に何かをしようという意思が必要になるのですが、実際にやってみると「これがしたい、あれがしたい」という気持ちが出るようになりました。
近年は、Youtube等で気軽にプレイ動画や解説を見ることができるため、一人プレイでも分からないことがあれば、それを参照してできそうです。チュートリアルがないことは、不親切なようにも感じられますが、情報を集める過程も含めて楽しむこともできると思います。
事例や論文で『教育版マインクラフト』を扱うことは多いですが、こうしてしっかり時間をとって、研究室でプレイできたことは非常に貴重で楽しかったです!
以上で、6月29日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!