Monthly archive: August 2024

【8月6日】「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」活動ご報告

post date and time:   2024-08-22   contributor:   jona

皆さん、こんにちは!研究生のジョナです。

今年の夏は、藤本研究室にとって活動豊富で、経験と学びに満ちた夏となりました。

今月の6日と7日に長崎市民会館で開催された「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」は、無事終えることができ、素敵な交流と学びの場となりました。私もスタッフとして参加する中で、皆さんの発表や現場での討論から多くのことを学ぶことができ、この貴重な機会に心から感謝しています。

それでは、開催初日の活動をご報告いたします。


初日のイベントは、大きく分けて4つのセッションで構成されました。

午前のセッションでは、藤本研究室の研究発表が行われました。このセッションでは、研究員と大学院生がそれぞれ発表を行い、坂井先生が司会を務めていただきました。発表は、大空さん、犬田さん、そして坂井先生の順に進みました。

大空さん:シリアスボードゲームの開発と実践~ゲームを活用したデザインリサーチ

大空さんは、ゲーム開発に熟練しており、特にカードゲームの開発において多くの経験を積んできました。その経験を基に、QRPゲームの開発を例として、研修向けのゲームをアイデア段階から評価までどのように設計するかを提案し、継続的なゲーム開発モデルをていじしました。これは企業研修や教育現場で非常に有用なツールとなる可能性があると考えられます。

犬田さん:クラウドソーシングゲーム~遊ぶことで社会貢献できるゲームの可能性

犬田さんは、クラウドソーシングゲームに着目し、ゲームのプレイヤー人口が年々増加する中で、ゲームの課題を現実の課題に結びつけ、それを通じて社会貢献ができる可能性を探求してきました。今回の発表では、これまでに様々な分野で取り組んできたクラウドソーシングゲームや、ゲームを活用したWeb調査の事例を紹介し、専門的な観点から分析を行いました。

坂井先生:死と喪失をテーマにしたゲームの教育効果~学習意欲とWell-Beingに着目して

坂井先生は、『運命のダイス』というゲームを用いた死生観教育の学習効果について発表しました。現代において「死」という概念が人々の生活から遠ざかる中、死生観教育はウェルビーイングに重要な役割を果たすとされています。このゲームでは、大切なものを喪失する疑似体験を通じて、人生を振り返り、喪失に対する理解を深める機会が提供されます。また、チームでのプレイを通じて、他者への思いやりを育むことができるゲームでもあります。


休憩を挟み、午後「桃太郎電鉄教育版」の事例研究シンポジウムが行われました。このセッションでは、藤本先生が司会を務めていただき、最初にシンポジウムの趣旨説明を行いました。

桃鉄教育版エデュテイメントプロデューサー 正頭英和 先生: 子どもの学びを最大化するエデュテイメント

正頭先生は、自身の体験談から始まり、桃太郎電鉄の教育版を開発するに至った経緯をお話しくださいました。ゲーム自体が単独で教育機能を果たすのではなく、教育者によって効果的に利用されることで、教材としての多様な可能性が引き出されると説明されました。現代の教育において、正頭先生が重視しているのは、子どもたちに提供する体験です。過去の体験が学習や問題解決の意欲につながることが多く見られることから、エデュテイメントはその意欲を引き出すための入口としての役割を果たせると述べました。

広島大学 准教授 池尻良平 先生:学習から見た『桃太郎電鉄 教育版』

池尻先生は、変化する社会において『桃太郎電鉄 教育版』が持つ可能性を紹介しました。また、発見学習と直接教育を比較し、ゲーム教育がもたらす効果について詳しく解説しました。特に、プレイスタイルと学習効果の関連性については非常に関心をそそる内容であり、プレイヤーのゲーム習慣が学びにどのように影響を与えることはゲームを使った教材の編成や学習指導の設計にも利用できると考えられます。また、実践共同体における学びとマジックサークルとの関係について知見を共有してくださいました。

講演の後、先生方が現場の参加者からの質問に答えながら、ディスカッションを行いました。


続いてのセッションでは、大空さんと犬田さんがそれぞれの研究成果を来場者に体験してもらうワークショップを行いました。

大空さん:未来の研究について考えよう!カードゲーム「ムーンシューター」を使った対話型ワークショップ

「ムーンシューター」は、プレイヤーが研究者または市民として、提示された研究テーマに対して、社会のさまざまな視点からどのような意見や観点が現れるかを考えるカードゲームです。このゲームを通じて、プレイヤーは国が推進している研究事業について理解を深めるとともに、市民が抱える感情や関心についても考察できると思いました。

犬田さん:SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ

SFプロトタイピングとは、想像する未来像に基づいた試作品を作成し、それを他者と議論・共有する創造的な手法です。今回のワークショップでは、ゲームを基盤とした社会(GBS)という世界観のもとで、どのような価値観が生まれ、どのような出来事や問題が発生するのかを考えながら、参加者たちは自分のストーリーを構築しました。


以上のワークショップと同時に、東京大学渡辺研究室との連携企画である「ミライの平和活動展」のセッションも行われました。このセッションのテーマは「戦争とゲーム」です。まず藤本先生がテーマについての概要を紹介し、その後、木村先生が「平和学習とゲーム」というテーマで事例研究を発表しました。

木村先生:平和学習とゲーム

この事例研究では、戦争をテーマに扱ったシリアスなゲームがいくつか紹介されました。特に例として取り上げられたのが、『This War of Mine』というビデオゲームです。このゲームは、戦争下でのサバイバルをテーマとしたビデオゲームで、プレイヤーは生き延びるために常に選択を迫られます。その選択には、時に非常に残酷なものも含まれています。このような説得的ゲームは、反戦メッセージを伝える手段として注目されており、学校教育においても反戦教育の一環として活用されることが期待されています。

その後、来場者とのディスカッションが行われ、非常に興味深い観点が数多く寄せられました。


8月6日の活動報告は以上となります。引き続き、7日の活動報告もぜひご期待ください。
ご来場いただいた皆さま、そしてこのイベントの開催にあたりご協力いただいたすべての方々に、心より感謝申し上げます。

では皆さん、楽しい夏を!

【7月11日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2024-07-19   contributor:   jona

皆さんこんにちは!研究生のジョナです。

今回のゼミでは、坂井先生の研究員発表と莫さんのプレイセッションの2本立てで行いました。それでは早速、ゼミ活動のご報告に移りたいと思います。


坂井先生:研究発表

坂井先生は「死と喪失をテーマにしたゲームの影響」について研究発表を行いました。若者の自殺は他の年齢層に比べて多く、近年では増加傾向にあります。その一因として、自分の命に対する態度、すなわち死生観の欠如が挙げられます。このため、死生観に影響を与える要因の検討は極めて重要です。

従来、死生観の空洞化については、伝統儀礼からの離脱や大衆娯楽文化の影響が指摘されており、特に死を繰り返すことができるゲームが死生観を揺るがしているのではないかという意見がありました。しかし、ゲームでの死の繰り返しが現実世界との混同を引き起こすという指摘に対しては、ゲームは現実世界と切り離された空間であり、若者は混同していないという反論もあります。

坂井先生は自身の研究で、ゲーム(殺傷表現のあるゲーム)がどのように死生観に影響を与えているかを検討しました。そして、適切な使用モデルを提示することで、若年層のWell‐Beingに貢献することを目指しました。この研究では大学生と短期大学生を対象に、バトルロイヤル形式のゲームのプレイ時間と死生観の関係を分析しました。その結果、殺傷表現のあるゲームのプレイ時間が長い若者は、短い若者に比べて死への恐怖・不安が低く、人生の目標意識が低い、死後の世界観が希薄であるという結果が得られました。

このことから、ゲーム自体が死生観に影響を及ぼすのではなく、ゲームとの接し方が関連していると推測できます。適切な指導を行い、現実世界での習慣や活動への参加を推進することで若者の死生観を育み、自殺予防につなげることが可能と考えられます。

発表後、ゼミメンバーで活発な討論が展開され、プロゲーマーなど異なる背景を持つ対象者についての検討、死を積極的にとらえるゲームの効果についての検討など、様々な見解が提示されました。


莫さん:プレイセッション

莫さんからは、自分の設計した室外謎解きゲームのテストプレイを行いました。このゲームはキャンパス内の建物やスポットでヒントを探し、チームで協力して謎を解く内容でした。

私はこのゲームを通じて、学校に関する新しい知識や今まで知らなかったスポットを知ることができました。建物を観察し、歴史などの関連知識を得ることもでき、校内をゆっくり散歩するには最適なゲームだと思いました。

今回のテストプレイを通して、レベルデザインや安全性の確保、言語の適切性などについて先生方から非常に有益な意見がありました。この経験を基に、進化したゲームの完成が楽しみです。ゲームの完成版は来学期の制作展で公開されるとのことです。皆さんもぜひお楽しみください!

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今回のゼミ活動報告は以上となります。

お読みいただきありがとうございました!

【6月6日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2024-06-13   contributor:   jona

皆さんこんにちは、研究生のジョナです!

今回のゼミ活動は、プロマインクラフターとして名高いタツナミシュウイチ先生のゲストセッションでした。前半は講義と質問コーナー、後半は教育版マインクラフトでの実況プレイを通じて、タツナミ先生はマインクラフトが教育にどのように活用されるかを具体的に示してくださいました。

前半:講義&質問コーナー

講義部分では、タツナミ先生が自己紹介をし、マインクラフトとの出会いや現在の仕事に至った経緯を話してくださいました。マインクラフトはCave Gameというゲームから始まり、後に様々な機能も拡張され、教育と深く関わるようになりました。マインクラフトの教育上の可能性は多岐にわたり、言語、情報、化学、歴史、建築、更に特別支援にも役立っています。これらはタツナミ先生自身の経験や活動を通じて検証されてきました。

従来の教育は暗記中心でしたが、これからは思考して応用できる教育へと変わっていくでしょう。学びを将来に繋げることは非常に重要であり、子供の頃にはその価値が分かりにくいため、楽しいものにする必要があります。また、マインクラフトをただの消費で終わらせず、子供の創造性に繋げることも非常に重要です。

タツナミ先生は自身のいくつかのプロジェクトを紹介してくださいました。例えば、JAXAとの共同プロジェクト「Lunacraft」では、マインクラフトで月面の環境を模擬したワールドを作成し、現実に即した重力や環境、月面での活動条件が再現されています。月面のリアルさが高いため、全世界で有名になったそうです。特に驚いたのは、月の表面に存在するレゴリスのブロックがなかったため、新たに作ったという点です。タツナミ先生はどのプロジェクトでも「誰かのために何かを作る」という心を持って行動しており、その心が教育の最も重要な部分だと私は感じました。

新しいメディアや娯楽の手段がどんどん現れる中で、大人はどのような態度を持って教育者として立つべきかが重要です。マインクラフトを楽しむ子供たちに対して、その探求心と好奇心を応えるために、大人も一緒に取り組むことで、変化する環境に柔軟に対応できる次世代が育つでしょう。タツナミ先生の教育者、プレイヤー、プロマインクラフターとしてのご知見を拝聴できたことは、とても大きな学びと経験になりました。

質問コーナーで特に興味深かったのは、マインクラフトやマインクラフトでのモノづくりに慣れていない子供たちに対して、どのように興味を引くかという質問への回答です。YouTubeやショートビデオが日常生活に溢れる中で、子供たちの好きな配信者がマインクラフトを使って何かをすると、それは一つの入口になることができます。このような導きにより、まずはプレイヤーとしての楽しみを体験し、次第に創造性を発揮し、さらには学びへと発展していくことが可能となるでしょう。

後半:「教育版マインクラフト」実況プレイ

実況プレイ部分では、タツナミ先生のプレイを現場で観るという機会に恵まれ、マインクラフトでどのような偶発的学びが生じるか、また学習ワールドではどのように学びがアレンジされているかを体験しました。例えば、以前ゼミでも紹介された化学ワールドでは、元素を構成したり化学物を作成したり、物質を元素に還元することなどができます。同じ成分と思われがちなダイアモンドと石炭は実は還元されると違う成分になっていました。このように、マインクラフトでは非常に細かく現実が再現されており、それが遊びを通して自然に身につく知識となります。

また、タツナミ先生は教育版マインクラフトで「脱酸素ワールド」と「金融学習ワールド」の2つのワールドを紹介してくださいました。いずれのワールドからもマインクラフトの膨大な可能性が感じられました。ゼミ後のお食事の際にも、タツナミ先生からいろいろなお話を聞けることができ、非常にありがたい時間を過ごせました。

今回の講演で紹介された内容を皆さんにもシェアしたいと思い、以下にURLを共有します。興味深い内容ばかりですので、ぜひご覧ください!

Lunacraft:https://edu.jaxa.jp/contents/other/game/LUNARCRAFT/

脱炭素ワールド:https://cn-tokushima.jp/

金融学習ワールド:https://www.promise-plaza.com/qof/


最後、金曜日に参加した講演会について少しご紹介できればと思います。東京大学B:AI Global Forumから主催したインタラクティブ講演会で、トロント大学のPaolo Granata氏がMarshall McLuhanのメディアの法則をご紹介し、後半ではMcLuhanの理論を用いたボードゲームを体験させてくれました。McLuhanのメディアの法則では、あらゆるメディア(人工物)には強化(EXTEND)、衰退(OBSOLESCE)、回復(RETRIEVE)、反転(FLIP/REVERSE)という4つの内在があります。メディアをこの四つの角度で分析することもあれば、四つの角度から新たにメディアを考え出すことも可能であるのがとても不思議でした。

この法則をボードゲームに具現化したものがPaolo Granata氏のThe MediuMです。プレイヤーはカードに書かれたメディアをいずれの側面で分析し、チームメイトがその中心となるメディアを当てるというルールです。具体的に言うと、私はVRというカードを引き、「このメディアは【場所】の回復である」と発言します。チームメイトはそれをヒントに「そのメディアはVRだ」と答え、チャレンジに成功します。ゲームの結果、チームの皆様と協力しながら優勝し、McLuhanの名言「The Medium is the Message」が書かれたTシャツをいただきました。

さて、ここまでお読みいただき、大変ありがとうございました。今回のゼミ報告は以上になります。

暑い日が続きますが、皆さんお体に気をつけてください。

では、Bayartai!

【4月25日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2024-05-02   contributor:   jona

皆さん、お久しぶりです!研究生のジョナです。

木曜日は晴れ渡った天気になり、駅まで自転車で走るのがとても気持ちよかったです。

今回の記事で、まずサブゼミについて少しご紹介できればと思います。

今学期より木村先生から、研究に必要な統計法やデータ収集法、またゲーム教育論に関連する知識を教える学びの場としてサブゼミを開講してくださいました。

オリエンテーションの後、科学とは何かという内容から始まりました。科学は:実証性、論理性、再現性、反証可能性がある必要があります。研究を行う上であれば、それらの性質が自身の研究に揃われているかを常に問い続けなければなりません。

サブゼミは学習だけでなく、振り返りや討論の場としてもありがたい機会だと思いました。

以上簡単な紹介となりますが、今後のサブゼミがとても楽しみです。


さて、ここからゼミのご報告に入りたいと思います。

本日のゼミでは、莫さん斎さんの研究計画発表と大空さん犬田さんジョナの研究進捗報告でした。では発表順にご報告いたします。

研究生 ジョナ

私は春休みに自身の研究テーマを見直しました。継承語教育では、学習者がコミュニティーベースで学習を行うことが多いため、子供たちが興味を持つのが難しいなど、様々な課題が存在します。私はゲームを通して、どのように継承語の教育現場を支援できるかに関心を持っています。

当初はデジタルゲームの設計を考えていましたが、それが実際の学習現場のニーズに適合するかどうかについて疑問を持ちました。その結果、アナログゲームの方が試行錯誤を繰り返しやすく、改善しやすいかと考えるようになりました。これから解決すべき課題や決めるべきものは多くありますが、体験や学習を通して視野を広げ、理解を深めていきたいと思います。

研究生 斎さん

斎さんはFlowの研究に深い関心を持ち、特定のゲーム要素がどのFlow要素と対応するかを、具体的なゲーム事例を基に研究したいと考えています。現時点では、「Baba is you」と「Keep Talking and Nobody Explodes」の二つのゲームを事例として取り上げることを検討しています。

「baba is you」は広く知られたインディーゲームで、そのゲームシステムはプログラミング思考にも関連しています。斎さんはこの要素を活用し、対象学習者の学習を促進する方法を探求しています。一方、「Keep Talking」は、二人で協力して爆弾を解除することを目的としたゲームで、論理的思考や協同作業などを学ぶことが期待されるようです。

斎さんが取り組んでいる研究からはゲームの要素とFlow体験の関連性を深く理解したいという強い思いを感じました。

M1 莫さん

莫さんは、Murder Mystery Game(MMG)を活用して、チームベース学習(Team-Based Learning)を向上させるゲーム設計について研究しています。前回の記事でも紹介されたMMGは、近年非常に人気があり、多くの人々が楽しんでいるようです。

MMGは、形式的には人狼ゲームに似ていますが、独自のシナリオとロールプレイング要素によって、より深い没入感を体験できるゲームです。共有知識(Shared Knowledge)と非共有知識(Unshared Knowledge)の差を利用して、チーム内の交流を深めるという莫さんのアプローチは非常に興味深いと感じました。

M2 大空さん

大空さんからは研究進捗をシェアしてくださいました。QRPゲームを題材として、いろんなところで実践を行っているようです。

現在、生成AIの倫理について多くの場所で議論が行われており、今後大空さんの研究倫理ゲームでも取り扱うことがあるため、研究室で活発な討論が行われました。AIの進化とその利用、そしてその正しい利用は、人々がAIを活用するにつれて避けて通れない課題となっています。大空さんの研究は、研究の現場だけでなく、多様な分野での論理教育においても、重要な意義を持つと思いました。

M2 犬田さん

犬田さんからは進捗報告と今後の予定の発表を行いました。犬田さんはクラウドソーシングゲームの研究を行い、今後の研究でナーミアの自由意志を取り扱った内容を用いて、ゲームの具体的な開発に取り組む予定だとのことです。

Stable DiffusionやMidjourneyなどの画像生成AI技術を研究に活用し、この分野のゲームを新たな手法で拡張することを目指しています。

ゲームの画面や、完成したゲームがどのようになるのかをシェアしてくださいました。完成後のゲームが楽しみです。

以上が4月25日ゼミのご報告となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


最後に少しだけ、個人の活動報告として、ゲームマーケットに行った体験を共有したいと思います。

ボードゲームの大規模なイベントとして、ゲームマーケットでは多くのメーカーや個人開発者が出展していました。驚くほど多くのテーマやメカニズムを目にして、実際に遊ぶことで、ゲームの幅広さに改めて感銘を受けました。

平安時代の色や歴史上の戦争などを扱ったゲーム、また、ルールの大部分を自分で決定するゲームなどあり、いろんな方にも説明してもらい、充実な一日を過ごせました。文化や歴史をテーマにしたゲームも非常に多く、学びとのつながりも様々だなと感じました。

私は、「じゅもんじ」という文字遊びのゲームと「ワンナイト人狼-狂気ver」という少し変わった人狼ゲームを購入しました。早く遊びたくてたまりません!

今後もこのようなイベントに参加することで、ゲームとの接触を深めて行きたいと思います。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

楽しい毎日を!Bayartai!

【12月21日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2024-01-04   contributor:   jona

皆さん、こんにちは。研究生のジョナです。

12月21日に行われたゼミ活動のご報告をさせていただきます。

今回は犬田さんの事例研究と春口さんの修論チェック大会でした。

事例研究(犬田さん)

犬田さんはGamified Surveyを開発するに必要な参考事例として、プレイヤーのデータを収集し分析するゲームを2つ紹介しました。

1.Refind Self: 性格診断ゲーム

このゲームでプレイヤーは感情を持つロボットとなり、自分を作った博士との思い出の場所をたどりながら、ストーリーを進めていきます。プレイヤーのゲーム内での行為は主人公の性格要素と対応しているので、合計された性格要素で性格診断をすることができます。

また、ゲームを繰り返しプレイすることで秘めた性格や遠い性格がわかり、性格診断結果を他者と比較することもできるなど、独特な要素が含まれていました。

2.The Trolley Game

このゲームはトロッコ問題(Trolley Problem)をシミュレーションしたものです。トロッコ問題は「ある人を犠牲にして、より多くの人を救うのは許されるか」という論理学の思考実験であり、この問題には様々なバリエーションもあります。プレイヤーはレバーを引くかを判断し、自分の選択結果が反映されるのを、ゲームによってリアルに感じることができます。

以上のゲームはプレイヤーのデータをゲーム内で活かしています。特にRefind Selfは質問回答にかかった時間のログデータや他人との即時的比較データなど、とても細かいデータを利用し、プレイヤーの分析をしていました。また発表後には、データが何を反映しているのか、またその背景に科学的根拠をどう設置するかについて討論も行われました。

修論チェック大会(春口さん)

春口さんから修士論文のドラフトをGoogle Driveでゼミメンバーに共有し、ゼミの残りの時間を利用して、みんなでコメントや考えを書き込みました。修論チェック大会は論文の構成、フォーマットなど注意すべき点を身近で学ぶ貴重な機会にもなると考えました。

今回のゼミ活動報告は以上になります。

2024年も、どうぞよろしくお願いします!

【11月9日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2023-11-17   contributor:   jona

こんにちは。研究生のジョナです。

段々と寒くなっているこの季節ですが、外で食べる暖かい焼き芋の美味しさなど、この時期ならではの幸せも多く感じ取っています!みなさんはいかがお過ごしでしょうか!

早速ですが、先週のゼミ活動のご報告に入りたいと思います。今回のゼミ活動は文献研究(M2大空さん、M1濱田さん)とプレイセッション(木村先生)でした。

文献研究 M2大空さん 

<教育デザイン研究の理論と実践> 第6章 評価と省察

文章では評価と省察の全体像からはじめ、それぞれがどういうものか(評価はデザインとプロトタイプについて洞察を得るため用いる、省察は評価から得たものを振り返って考察する)、またそれらを行う理由及び効果、実施する際のポイントなどが紹介されました。

評価は計画、フィールドワーク、意味づけという3つのステップで構成されます。省察は有機的な省察と構造化された省察の2つのステップで構成されています。

大空さんは自分の研究の各段階が文章でどのステップと当てはまるかを詳しく説明してくださいましたので、内容を非常に具体的に理解することができ、今後自分の研究を進める参考にもなりました。

発表後の討論では「自分の研究を他人に伝える際にちゃんとしたフレームに従って文書化する必要性」や、「brush upを繰り返し行う開発研究では、経験をリソースとして次の開発に繋ぐ時に必要」、「実験ノートの必要性」などと、先生方から多くの貴重な意見がありました。

文献研究 M1濱田さん 

Reinders, H. & Wattana, S. (2014). Can I Say Something? The Effects of Digital Gameplay on Willingness to Communicate. Language Learning & Technology, 18(2), 101–123.

この論文はEFL(English as a Foreign Language)に関する論文で、コミュニケーション意欲(WTC, Will to Communicate)の調査方法などを取り扱った、濱田さん自身の研究ととても関連性の高い内容でした。

この研究ではオンラインゲームをプレイすることが英語学習者のコミュニケーション意欲にどんな影響を与えるかを調査し、特別に設定されたクエストを行うことでWTCにどんな変化が生じたのかをアンケート調査で測定しています。結果、学生の英語への自信や言語不安、コミュニケーション能力などの領域で明らかな改善が見られたことで、ゲームベース言語学習の教育効果が肯定されています。討論の段階では、論文で扱う調査方法の適切性についての議論が行われました。

プレイセッション 木村先生 

<トラベル島のニャンコ>

今学期の始まりに一度木村先生が紹介してくださった<トラベル島のニャンコ>という農場経営ゲームをメンバーでプレイしました。自分のペースで「適当に遊ぶ」組(5人)と何かを目的にして「頑張って遊ぶ」組(5人)に分け、ゲーム内で自由に活動しました。プレイ前後にはFlowの研究調査として事前テストと事後テストを行いました。

このゲームは農作物や畜産物を収集又は加工し、島を訪れる猫たちに売ることで、経験値と財産を増やしていく流れとなっています。私は頑張って遊ぶ組でしたので、ゲーム内でコインを多く集めることを目標とし、時間ギリギリまで挑戦しました。ゲーム内で得た成果をみなさんで共有した結果、頑張り組のランクがやや高いとなりました。

討論の段階ではFlowに関して、ゲームをやっている最中にデータを取れない点、個人差が存在する点、<トラベル島のニャンコ>は適切なゲームになるかどうかなどについて議論されました。木村先生によると、Flowの研究で最も多く扱われているゲームはTetrisだそうです。Tetrisを思い出すとなんとなくその理由がわかる気がしました。

以上が11月9日のゼミ報告となりますが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

では、また次の記事でお会いしましょう!

【10月5日】ゼミ活動のご報告

post date and time:   2023-10-11   contributor:   jona

Sain Bainuu(こんにちは)!

皆さん、初めまして。研究生のジョナです。

中国内モンゴル出身で、今学期から研究室でお世話になります。

先週10/5に行われたAセメスター初のゼミの報告を担当することという、ありがたい機会をいただきました。

早速ゼミ活動のご報告をしていきたいと思います。今回のゼミ活動は私(ジョナ)の自己紹介と皆さんの夏休み活動報告でした。

最初に、藤本先生から研究室の紹介をしていただきました。活動報告では自分が取り組んでいる教科書の出版や事例研究のゲームなどを紹介しました。その中、ポケモンスリープについて、メンバーで何人か遊んでいるようで、使いやすさなどについて面白い討論もありました。

続いて、私から挨拶と自己紹介、研究関心について発表しました。

私の研究テーマは少数言語学習・文化体験ゲームのデザインです。具体的に説明しますと、モンゴル語学習を例に、ゲーム内で言葉や文化の環境を体験することで、いかなる学習効果を得るかについての研究です。大学では情報科学・技術を専門としていました。言語学習にも以前から興味を持ち、これからは今まで学んだ知識を活かしながら、少数言語学習に役立てるゲームをデザインしたいと思っております。

引き続き、夏休みの活動について発表順にご報告したいと思います。

M2春口さん:いくつかの会社から内定をもらい、その中で、とある会社で就職することがお決まりになったそうです。おめでとうございます!友達との東京観光や修士の皆さんでお食事など活動もいろいろあったようで、とても思い出の残る夏休みだと思いました。

M2大空さん:研究ではDIGRAでの発表、ゲームのテストプレイ、デザインの完成、FOST申請、論理審査申請など、研究以外にも親子ゲームジャムや関連論文と事例の研究など多くの活動を行ったようです。今後の履修登予定や日程の計画をはっきり立てていることが非常に勉強になりました。

財津先生:八月末に行われた親子ボードゲームジャムとその調査などについての報告を行い、実験の準備や論文執筆などを進めたようです。過去のデータと合わせて、今後の論文化や発表を目指しているとのことです。研究外活動で上方から撮ったアローラナッシーの写真は面白かったです!

M1濱田さん:多くのワークショップに参加し、自分でも企画したとのことを聞いてとても憧れました。この夏は広島に行って、Minecraft Eduのワークショップに参加したそうです。歴史や平和教育にゲームの活躍する可能性について新たな知識を得ることができました。

M1犬田さん:発表や学会活動以外にフロントエンド言語やphotoshopなど勉強し、就活にも力を入れたようです。自分で作ったゲームプラットフォームをお見せしました。研究や学習以外も美術館や映画など豊富な活動をしていて、とっても充実な夏休みの過ごし方が参考になりました。

坂井先生:家族、仕事、そして研究活動、全てに「Mission Complete」という印象的なマークをつけたかっこいい報告でした。特に、論文の文字数の変化には驚きを感じました。また、下鴨神社の御手洗祭については初めて知りましたが、その紹介を聞いて、ぜひ訪れてみたいと感じました。

新居先生:夏休みにはユニバーサルスタジオで楽しい時を過ごされたとのことです。キュートなポケモンの食べ物の紹介もしていただき、非常に興味を引かれました。楽しく遊べるための経験談もいっぱい共有していただき、ユニバーサルに行くときは参考にしたいと思いました。

木村先生:基礎文献紹介の記事の執筆、心理学の主要な概念の整理、研究メモのノート作成などの内容で報告をしました。事例研究で二つのゲーム(トラベル島のニャンコ、グラブル)を取り上げ、それぞれのゲームについて様々な情報を共有してくださり、大変興味深かったです。

以上がゼミ報告となりますが、不十分も多くあると思いますので、次からは皆さんが発表する際に十分な記録をして、知らないものを検索し、多様な感想を出せるようになりたいと思います。

また、藤本先生の冒頭の研究室紹介で、InputとOutputを重視していることを知り、これからは両方も欠かせないように、Inputしているもの(論文、事例研究)をよく整理し、Output する力(発表、文章作成)を高める方面で頑張っていきたいと考えました。

今回のゼミ活動の記録もまた、Output の力を高める一つの機会であり、大切にしたいという気持ちで書きました。

ゼミの後、メンバーの皆さまから温かい歓迎会を開催してくださり、美味しい料理と飲み物を沢山ご馳走になりました。お腹も心も幸せに満たされ、楽しい時間を過ごしました。OBの方(升井さん、池尻さん)も参加してくださり、いろんな話を聞くことができました。皆さんといろんな共通話題を見つけることができて、うれしい限りです。

次のゼミでは、研究計画について発表することになっており、研究室の皆さんの貴重なアドバイスや意見をお聞きできることが楽しみです。

これからは研究に限らず、いろんな方面でメンバーの皆さんから学ぶことになると思います。人間としての成長を得られることが楽しみです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。これから、どうぞよろしくお願いいたします。

また次の報告記事でお会いしましょう!

Bayartai(さようなら)!

ジョナ(卓娜/Jona Honuud)