【6月16日】ゼミ活動のご報告

お世話になります、M2の升井です。今回のゼミは、叶さんよる研究分野関連論文紹介、大空さんによる文献研究、木村さんによる研究員発表でした。

  • 研究分野関連論文紹介:M2叶さん

木下康仁 (2020) 定本 M-GTA :実践の理論化をめざす質的研究方法論. 医学書院

木下康仁 (2007)ライブ講義M-GTA : 実践的質的研究法 : 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて. 弘文堂

叶さんが修論で用いているM-GTA (Modified Grounded Theory Approach)という質的研究法に関する文献の紹介でした。

元となるGTA(Grounded Theory Approach)との違いについてなど、難しいテーマを噛み砕きながら説明してくれました。

インタビューから得られたデータを定義づけし、理論的メモなどを加えながら質的に分析していくアプローチで、緻密な作業が求められ、かつ、研究者の言語化のセンスが試される研究手法だと思いました。

  • 文献研究:M1大空さん

Rey, G.D. (2012). How seductive are decorative elements in learning material?. Journal of Educational Multimedia and Hypermedia, 21(3), 257-283. Waynesville, NC USA: Association for the Advancement of Computing in Education (AACE). Retrieved September 27, 2021 from https://www.learntechlib.org/primary/p/39253/.

大空さんが選んだ文献はSeductive detailsに関する論文です。Seductive detailsとは翻訳すると誘引性付加物で、Reyの研究はマルチメディア教育メッセージの装飾要素が学習成果を改善するか損なうかを調査することを目的としています。

ディカッションでは、イラスト等の装飾物を使うことに対して、効果のある学習者とそうではない学習者がいるのではないかという話になり、内的動機付けのされている学習者にとってはかえって邪魔になるという考察をしたりしました。

  • 研究員発表:特任研究員木村さん

ビデオゲームが脳活動に与える影響に関する研究の紹介―「ゲーム学習」と「悪影響」の視点から―

というテーマで、様々な論文や書籍の紹介をしてくれました。木村さんの研究領域は脳科学とゲームで、脳科学的にゲームの作用を測定している点が興味深いです。発表を聞いて、我々の研究室はゲームと教育をテーマにしているので、ゲームの良い所を探るということにフォーカスされやすいのですが、悪影響に関するデメリットの側面もバランスよく考慮していくことが大事だと再認識しました。

また、ゲームを研究材料として扱うときに、複雑なゲームシステムのものは測定しにくく、比較実験をするためにはゲームデザインの簡素化が必要になり、これが市場の複雑なゲームとの中身の乖離を生んでいるという課題があることが話題になりました。

今回のゼミ全体を通して、ゲームや教材が時代とともに高度化していく中、それに応じた研究手法なりの発展も必要になってくるのだと感じました。そして、教育工学やゲーム学習の研究の重要度は増々高まり、この藤本研究室のようなところの意義が大きくなるのだろうと思います。

最後になりますが、夏の院試に向かって準備を進めている皆さん、体に気を付けて頑張ってください。