投稿日時:   2025-07-01   投稿者:   ziminmo

【6月26日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、M2の莫です。梅雨でじめじめしていても、ゼミの時間はいつもどおり元気いっぱいです!
6月26日のゼミは3本立てで、豊かな内容となりました。

蓮池さん:関連論文紹介

最初の発表は蓮池さんによる、AI英会話アプリ『スピークバディ』を対象とした研究に向けた関連論文の紹介でした。
今回は、ユーザーの性格特性と学習体験の関係をテーマに、MBTIやビッグファイブなど複数の性格モデルを使った文献を丁寧に比較・整理してくれました。

特に印象的だったのは、内向的な学習者の方がゲーミフィケーション環境下で学習効果が高まるという知見や、国によって性格傾向が異なるため、適した学習設計も異なる可能性があるという点です。性格に基づいた学習体験のデザインという視点に、教育ゲーム研究の広がりを感じました。

発表後のディスカッションでは、最近話題になっているMBTI診断の学術的信頼性や、研究における性格分類の扱い方についても議論が深まりました。
「MBTIは正式な診断じゃないケースもあるよね」「研究ではビッグファイブの方がよく使われるかも」などのコメントもあり、性格診断そのものへの関心の高さが伝わってきました。

大空さん:文献研究
続いては大空さんによる文献研究の発表でした。今回は「創発」という概念をキーワードに、ゲームプレイ中に生まれるプレイヤーの自己表現や意味の生成について考察されました。

事例として挙げられたのはボードゲームDixitで、シンプルなルールから複雑で多様な表現が生まれる構造が「創発」の典型だとされます。
また、問いかけに対して明確な正解がなく、参加者同士の対話を通して意味が創出される構造が「還元不可能性としての創発」に当たるとのことでした。

「創発」がもたらす創造的対話は、学習との関連も深く、これをどう研究の中で捉えていくかが今後のテーマになりそうです。ご自身のゲーム制作との接点にも触れながら、具体的な研究計画にもつなげてくださったのが印象的でした。

大空さん:プレイセッション「Moon Shooters」
最後は、大空さんによるプレイセッションでした。今回は“Moon Shooters”というゲームを体験しながら、「研究者/市民」という異なる立場から同じ課題をどう捉えるかを考える機会となりました。

プレイ中には、「倫理的」「法的」「社会的」な視点からの問いが提示され、それぞれがとても実践的で示唆に富んだ内容でした。
ちょうど私自身も最近、倫理審査の書類を作成しているところだったため、「この考え方、参考になりそう!」と思う場面が何度もありました。

また、ひとつの出来事に対して複数の立場があることで、見方の違いや意見の対立が生じる可能性にも改めて気づかされました。
でも、それこそが物語の厚みを生み出したり、ゲームの設計において重要なエッセンスになったりするのではないかと思います。今後の創作にも活かしていきたい気づきでした。

以上、6月26日のゼミ報告でした。
今回はそれぞれの発表が異なる角度から「学び」と「ゲーム」を見つめていて、とても勉強になりました。

それでは、また次回のゼミもお楽しみに!

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カテゴリー:   Lab news     作成者:   ziminmo   パーマリンク