東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
投稿日時: 2025-10-14 投稿者: ziminmo
こんにちは、M2の莫です。
10月に入り、やっと秋の気配が感じられるようになってきましたね。
最近は風邪が流行っているそうなので、皆さんも体調にはお気をつけください🍵
さて、10月9日のゼミは4本立ての進捗報告でした!それぞれの研究テーマや視点が異なっていて、聞いていてとても面白かったです。
では早速、ゼミの様子をご紹介します!
今回の発表では、私が夏休みに行ったマーダーミステリーゲーム(MMG)ワークショップについて、事後アンケートの結果と今後の分析計画を報告しました。
ワークショップは6グループ(日本語プレーヤ2組+中国語プレーヤ4組)で実施されて、ゲームの中に収集したアンケートにはチームワーク、未共有情報の知覚などに関する項目が含まれています。データは一通り揃ったのですが、これら結果をどのようにMMGに詳しくない方に伝う方法は今の自分にとって大きな課題です。
研究対象であるMMGという形式自体が珍しいため、「そもそもどういうゲームなのか?」というところから丁寧に説明しないと伝わらない。
だからこそ、データをただ並べるのではなく、分かりやすく伝える力が必要なんだなと改めて感じました。
叶さんからは、絶滅危惧種や生態系、環境保護などをテーマにした子ども向けゲームのプロトタイプアイデアが紹介してくれました。
現在開発中のゲームでは、プレイヤーが自然環境を守るために選択を繰り返し、その結果が「生物多様性」「水の綺麗さ」「気候の安定」などのパラメーターに影響を与えていきます。
このプロトタイプの参考にしたのは、Reignsというシンプルな選択式ゲームで、左右にスワイプして意思決定を進めるインターフェースや、選択によって物語や数値が変化する設計がヒントになっているそうです。子どもでも直感的に操作できるし、ストーリーと教育内容を結びつけやすそうと感じました。
葉さんは、教育目的を意識しながら、「どうすればゲームとしての面白さを保ちつつ、学びにつなげられるか」をしっかり考えていて、とても勉強になりました!
蓮池さんは、ゲームをしているときに見せる性格と普段の性格の違いに注目した研究計画を紹介してくれました。
使っている理論は心理学の性格測定や自己概念に関連するものが多く、実際のゲーム体験をどう定量・定性の両方で捉えるか、という問いがとても面白かったです。ゲームを使って性格を測ることで、より自然な反応や、文脈に応じた振る舞いの違いが見えてくる可能性があると思います。
たしかに私自身も、MMGの観察や分析をする中で、同じ人でも「設定が与えられたとき」と「素の状態」では行動や発言が大きく異なることを感じています。
特に、普段は表に出にくい一面が、ストーリーや役割を通じて浮かび上がってくることも多く、このような「プレイ中のふるまい」から見えてくる性格傾向は、今後の心理や行動研究において面白い切り口になるかもしれないと感じました。
濱田さんは、まずこれまでに行ってきたMinecraft×創造性に関する実験結果について紹介してくれて、現在の研究計画についても共有されました。
特に印象的だったのは、今後の研究では生徒の英語コミュニケーション意欲(Willingness to Communicate, WTC)に注目していくという方向性と、実際に学校と連携して英語授業を行う予定があるという点でした。
理論的な枠組みと実践的な展開がしっかり結びついているところが本当にすごいなと思いました。
また、発表用PPTの構成や図表の使い方もとても分かりやすくて、自分のデータをどう見せるかについて改めて考えるきっかけになりました。プレゼン方法という面でも、たくさん学びました!
今回のゼミは、どの発表もそれぞれの個性と進み方が見えて、とても勉強になりました。
夏休みが明けて、研究室にまたエネルギーが戻ってきたような気がします。
自分の研究に集中する時期でもありますが、こうしてお互いの進捗をシェアし合う時間はすごく励みになると改めて感じました。
この調子で、今学期も一緒にがんばっていきましょう!