投稿日時:   2025-11-19   投稿者:   leafyyan

【11月13日】ゼミ活動のご報告

皆さん、こんにちは。今週のゼミ記録を担当いたします M1 の Leafy です。
今週のゼミは、Leafyの論文紹介と坂井特任研究員によるご発表が中心となり、全体的に雰囲気が軽やかで、話題も面白い回になりました。


前半:ゲームにおける有害行動研究について

まずは私から、最近読んだ ゲームにおける toxic behavior(有害行動) に関する文献2本を紹介しました。

  1. Kowert, R. (2020). Dark participation in games. Frontiers in Psychology, 11, 598947. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.598947
  2. Ghosh, A. (2021). Analyzing toxicity in online gaming communities. Turkish Journal of Computer and Mathematics Education, 12(10), 4448-4455.

Overwatch などのオンラインゲームでの自身の経験や、これまで行ってきた「西洋ゲームにおける東アジア文化の再現」研究ともつながるテーマであり、以前から強い関心を持っていました。発表では、「toxic」「trolling」「dark participation」といった用語の違いを整理しつつ、コミュニティの雰囲気、個人の特性、ゲームデザインといった複数の視点から、なぜ有害行動が生まれるのかを説明しました。

また、言語構造が toxic 行動の強度に影響する可能性についても触れました。日本語は他言語に比べて強い罵倒表現が少なく、入力にも手間がかかるため、日サーバーのプレイヤーは暴言が相対的に少ないという点は、私自身の Overwatch の分析にも通じるところがあり、参加者の皆さんからも興味を持っていただけたように感じました。

藤本先生からは、FIFA をはじめとするスポーツ系ゲームで攻撃的な語彙が多く見られる理由として、「現実のスポーツファン文化との重なり」という視点が提示され、議論がさらに深まりました。

質疑応答では、「なぜ政治的キーワードが分析対象に含まれるのか」「この知見をフィッシング対策のシリアスゲームに応用できるか」など、様々な角度から質問をいただきました。やり取りを通して、toxic behavior とフィッシングの両方に共通するデジタル環境での脆弱性や判断が揺らぐ瞬間(tilt point)に改めて気づき、今後のゲームデザインのヒントにもつながりそうだと感じました。


後半:坂井特任研究員による Gamification のお話

休憩をはさんだ後、坂井先生からご発表がありました。
今回が、Southern Oregon University(SOU)での訪問研究と講演を終えてから初めてのゼミ発表とのことで、冒頭から皆の注目が集まりました。

そして何より驚いたのは、発表が最初から最後まで英語で進められたことです。以前よりも語彙の幅や話し方のリズムが明らかに向上しており、その成長ぶりに励まされる思いでした✨。

内容は Gamification が中心で、

  • ·「play がどのように学びの構造として機能するのか」
  • ·「学習の中で主体的な参加をどう生み出すのか」

といった点について、ユーモアを交えつつ分かりやすく解説してくださいました。

冒頭には「最初に遊んだゲーム」を英語で語り合う小さなアクティビティもあり、教室が一気に明るく、まるでワークショップのような雰囲気に。
SOU での経験と、研究室が大切にしている “learning through play” の考え方が自然に結びついた、有意義な発表でした。


以上、今週のゼミ活動記録でした。
寒暖差の大きい時期ですので、皆さんどうぞ体調に気をつけてお過ごしください。来週もよろしくお願いします。

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カテゴリー:   Lab news     作成者:   leafyyan   パーマリンク