東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
投稿日時: 2023-05-11 投稿者: haruguchi
こんにちは、修士2年の春口です。
4月27日のゼミ活動報告をさせて頂きます。
今回は、犬田さん、濱田さん、財津さんの発表でした。
濱田さんの発表は事例研究で、「マグナと不思議の少女」についてでした。
英語しか分からない少女と日本語しかわからない少年と英語・日本語両方分かるスライムをメインキャラクターにしたRPGのようなゲームです。
特徴的なのが、ゲーム内で英語の発声を求められその発音をAIが評価してくれるという点です。
例えば敵に攻撃する時は「Attack」の発声が求められ、その発音の良さによって攻撃の威力が変わる等です。
この機能によって一人でも英語のスピーキングの練習ができるゲームになっています。
濱田さんは、本ゲームの学習要素の部分について「学習要素を細かく分解して、一つのステージにある学習要素を少なくしている」といった点を挙げられ、ご自身の研究でも先に学びの部分を細かく分割して後で遊びに対応させていくといった手法を取りたいといった分析をされていました。
また本ゲームの長所と短所について、フィードバックがすぐに来る所が長所でプレイヤーの自由意志で会話できない点が短所だと分析されていました。
犬田さんの発表も事例研究で、色々なノベルゲームを遊んだ結果を報告されました。
送電灯のミメイ、ありすえすけーぷ、きみの偽物に恋をする等のノベルゲームを紹介され、ノベルゲームの分類軸として「分岐があるかどうか」「プレイヤーのインタラクションがあるかどうか」の2つの軸を提案されました。
またこの軸を前提とした上でご自身の研究では、選択肢を増やして結果を複数用意するとデータ収集が大変になる事ため選択肢を複数用意しても結論は同じになるようにするといった点や、ゲームそのものの面白さはインタラクションの量で変わってくるといった点の分析を活かしたいとの事でした。
Q&Aでは、インタラクションの種類も分類できるのではという指摘や、分岐したという事実があればプレイヤーは遊んだ気持ちになるため、どの選択肢でも同じ結論に至るというアプローチは良いと思うという指摘、研究を方法論として位置付けるかどうかで研究内容が大きく変わるといった指摘がありました。
財津さんの発表は東京大学で主催されたマインクラフトを用いたワークショップの分析についてでした。
ワークショップの始まる前と終わった後に取ったアンケート内容を分析し、相関の有無等を見つけるという内容でした。
今回のアプローチは、事前に仮説を立ててワークショップで検証するという形ではなくワークショップという実践を先に行いそこから意義のある結果を見つけ出すという形のアプローチでした。このため、結果を見つけ出すのに大変な努力が必要との事で、結論を見つけ出すのに苦労されているというお話でした。
研究は仮説を最初に建てるモノという先入観があったため、実践が先にあるという今回のような研究方法はとても新鮮に思えました。
以上が前回のゼミの活動報告です。