【10月28日】ゼミ活動報告

 こんにちは。お世話になります。M2の張です。

 さっそくですが、本日のゼミ活動をご報告いたします。

 今回のゼミはK.I.さんと張の研究進捗報告とゲーム事例研究(by升井さん)でした。

 M2生として今までゼミで研究の進捗報告をさせていただいたことは何回かありますが、いざ修論締め切り2ヶ月前!となるとやはり緊張感が高まってきます。今回M2の2人とも今までやってきたことと、まだできてないこと&研究の悩み事を報告して先生とゼミメンバーのコメントとアドバイスをいただきました。

 K.I.さんは実験データの分析が進んでいてその結果の解釈にこれから力を入れるところのようで、張は先行研究の整理を終えて実験で取れたデータをデジタル化して分析にこれから挑む感じです。2週間後にまた進捗報告が予定されていますので、その時お互いにいい結果が出るといいですね!

 ゼミ後半のゲーム事例研究ですが、升井さんは噂の『Among us』の例を用意してくれました。皆様、『Among us』というゲームはご存知でしょうか。『Among us』はInnerSlothによって開発されたオンラインマルチプレイヤー·ソーシャルディダクションゲームです。このゲームは2018年にリリースされたものの、人気の急上昇を見せたのは2020年の半ばになってからであり、その人気はオンラインコンテンツクリエーターによって牽引されていたようです。その理由としてコロナによってソーシャルディスタンシングが提唱される中、ゲームを通じた社会化を可能にしたといわれています。それ以外にゲームとしての人気の秘密に関しては、「シンプルだけど飽きない」、「ゲーム実況映え」などが挙げられます。

Among Us!』の遊び方 基本的なルール・操作方法・攻略法を解説!【日本語対応】 -Appliv TOPICS

 今日のゼミ報告は以上になります!

 また、冬入試に向けて藤本研の説明会は2021年11月1日(月)17:00~オンラインで開催します!

 詳しくはこちらへ!

 自分もお邪魔させていただきますので、ご参加をお楽しみにしております。

【10月21日】ゼミ活動のご報告

皆様、こんにちは。

本日は、10月16日(土)と17日(日)に行われた日本教育工学会での発表の振り返りと叶さん、升井さんの研究進捗発表が行われました。

学会発表に関しましては、藤本先生を含めて4名の発表がありました。日時が重なっていたため、全員の発表を見ることはできませんでしたが、いずれも多くの方に来ていただき、盛況のようでした。

私のブレイクアウトルームでは、全国の大学教員の方を中心に、多くの方に研究を聞いていただけました。質問は、持ち時間の最後まで途切れることがなく、多岐にわたる質問のなかで、気づきの多い研究発表となりました。

研究進捗発表に関しては、発表順に、まず叶さんからです。

叶さんの研究に関しては、既に昨年から聞いています。夏休みを終えて、研究が進んだと感じました。一番興味があったのは、分析手法です。MGTA(修正グラウンデッド・セオリー・アプローチ)に関しては、私も以前、調べたことがありました。データを切片化しないため、コンテクストの中での解釈や意味を読み取ることができる、プロセス性をもった理論を生成していく研究に適しており、実践的な活用のための理論生成に適しているといった特徴があったと記憶しています。既に、インタビューも開始しているようですので、順調に進むと良いですね。

升井さんの研究は、教師アバターを活用した新しい学習形態の開発です。学習者が学習へのエンゲージメントを高めるためのアイディアが詰まっており、ワクワクしながら、説明を聞けたという感じです。実際の授業でも、学習者のワクワク感が必要なんだろうと感じます。まだまだアイデァは持っているようですので、学術的な根拠を付加しながら、ユニークな研究が期待できると感じました。

今週は、以上です。

【学会発表報告】日本教育工学会

日本教育工学会(JSET)2021年秋季全国大会が2021年10月16,17日に開催され、当研究室から4名が発表を行いました。発表タイトルと発表者を以下の通り、プログラムから抜粋してご紹介します。

☆授業動画への教師アバター導入の影響に関する調査
升井 友貴,藤本 徹

☆ゲーム教材を活用した高齢化社会のまちづくりへの住民参加を促す学習手法の検討
石田 好一,藤本 徹

☆日本語教育における“母語話者の聖域”問題を改善する学習ゲームの開発と評価
 中級者の高度な語彙習得:日本語オノマトペの学習を例として
張 昱彤,藤本 徹

☆オンライン学習環境における学びのエンゲージメント向上のためのゲーミフィケーションデザイン手法の検討
藤本 徹(東京大学),坂井 裕紀(武蔵野学院大学),坂本 一憲(早稲田大学)

直前のゼミでリハーサルを行ったこともあり、本番ではみなさん落ち着いて発表や質疑応答をされたそうです。オンライン上でのワカモノ飲み会でも他大学の院生・研究者の方々と交流され、大いに盛り上がったとか。お疲れ様でした!

さて、恒例(?)の余談になりますが、私が現在かなりの時間を溶かしているポケモンユナイトというゲームで、明日からハロウィンイベントが行われるそうです。敵ポケモンをカボチャにしたり、スタジアムがハロウィン仕様になったりと、動画を見るだけでワクワクします。また、新しいポケモンが実装されたり、アップデートでいろんなポケモンが弱体化・はたまた強化されたりするなど、チーム戦略に大いに影響を与えそうです。

仕様がすぐに変わるのがMOBAの面白いところだそうで、日々このゲームの奥深さを味わっています。
ポケモンユナイトが初めての方も、久しぶりの方も、この機会にぜひ触れてみてはいかがでしょうか^^

【10月14日】ゼミ活動のご報告

皆さん、こんにちは。M1の叶です。
今学期の2回目のゼミ活動をご報告します。

今回は関連論文3本紹介(担当:叶)と、日本教育工学会(JSET) 2021年秋季全国大会の発表リハーサルの週でした。

今回紹介した論文は、9月30日の記事で言及した論文であり、 5月6日に紹介した論文、Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Garden (2021) 『Gamification for student engagement: a framework』の基にもなります。

  • Bedwell, W. L., Pavlas, D., Heyne, K., Lazzara, E. H., & Salas, E. (2012). Toward a taxonomy linking game attributes to learning: An empirical study. Simulation & Gaming, 43(6), 729-760. (学習と結びつくゲーム属性の分類法の実証研究)
  • Landers, R. N. (2014). Developing a theory of gamified learning: Linking serious games and gamification of learning. Simulation & gaming, 45(6), 752-768. (シリアスゲームとゲーミフィケーションを結びつける:ゲーム化学習理論の構築)
  • Kahu, E. R. (2013). Framing student engagement in higher education. Studies in higher education, 38(5), 758-773.1(高等教育における学生のエンゲージメントを定義する)

Bedwell (2012)の主な研究成果としては、①9種のゲーム属性という新たな分類法の提案、②新たな分類法を先行文献の研究成果とリンクさせるゲームマトリックスの整理です。具体的なゲーム属性の一覧は9月29日の記事を参照していただければと思います。

Landersの研究(2014)は、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションとの比較を踏まえて2研究領域の関係を考察された。また、ゲーミフィケーションが学習成果を影響する2種類の因果関係、mediate(媒介)とmoderate(調整)を区分して詳しく論じました。媒介プロセスとは、ゲーミフィケーションが学習者の行動・態度を変容させ、その変化が直接に学習成果を影響するというプロセスです。一方、調整プロセスは、変容した態度・行為が直接的に学習成果を影響するよりは、既存の学習・教授コンテンツの効果を増強したり、その魅力を発揮させたりして、コンテンツが学習成果に対する影響を増幅するというプロセスを指します。

Kahuの研究(2013)は、 Behavioral、Psychological、 Socio-cultural とHolistic という4視点から高等教育における学生のエンゲージメントに関わる研究をレビューし、エンゲージメントの弱い定義とエンゲージメントにおける重要概念の区分の欠如の課題を提示し、「高等教育における学生のエンゲージメントに関する概念的フレームワーク」を新たに提案しました。9月29日の分析ではこのフレームワークを用いてゲーム文脈での実例分析を行いました。

今回紹介した論文は以上になります!これらの論文を読んだ後、また5月6日の論文と9月29日の記事を振り返ると4本の論文に対する理解が深まると思います。

論文紹介した後、JSET秋大会に出番の三人(升井さん、K.I.さん、張さん)はブレイクアウトルームでポスト発表のシミュレーションを行いました。 その後、発表者が各自の振り返り、聴衆役の他の皆さんがコメントしました。

今回の記事は以上になります!
お読みいただきありがとうございます〜

文化・人間情報学コース入試説明会 (10/30)&藤本研究室説明会(11/1)のお知らせ

藤本研究室が所属する東京大学大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース(文人コース)の冬季入試説明会が10月30日(土)13時からオンラインで開催されます。大学院に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトをご確認ください。

また、冬季入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。

日時:
2021年11月1日(月)17:00-19:00

17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談   
(希望者のみ)研究室所属の大学院生や特任研究員との面談

どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。 
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/yn1QcfhfJih2TbUs9

ご参加をお待ちしています。

【10月7日】ゼミ活動のご報告

M1の升井です。お世話になります。

今日から秋学期のゼミがスタートしました。秋学期のゼミは春学期の内容に加えてゲスト回があったり、英書の特別文献研究があったり、盛りだくさんで非常に楽しみであります。

初回の今回は①夏休みの活動報告と②藤本先生によるプレイセッションでした。

  • 夏休みの活動報告

夏休みに各自が行った活動を報告しました。M2のお二人は修論に向けて既に論文を書き始めたそうです。M1の叶さんも友人との交流を深めるなど、諸々充実した夏休みだったようで、とても羨ましいです。自分は本郷の総合図書館に結構行っていたのですが、コロナ禍ということもあり人と接することがほとんどない淋しい夏だったように思います。10月16~17日には日本教育工学会の秋大会があり、ゼミメンバーと一緒に参加することになっています。(去年は一人ぼっちで参加していてアウェーだったので、今年は心強いです)

  • プレイセッション

・Foldit

・ぐんまのやぼう

上記2つのゲームをグループに分かれてプレイし、その後にレビューしました。

Folditはタンパク質の構造予測を行うコンピュータゲームで、2008年にリリースされた歴史ある有名なシリアスゲームの1つです。人がゲーム感覚でサイエンスの発展に貢献するというロジックで、ゲームをすることが社会に直接役に立つ好例でもあります。こちらは研究室にいた3人がプレイし、レビューをしてくれました。

ぐんまのやぼうは、2012年にリリースされたスマホゲームで、群馬県をモチーフにしたゲームです。私はパズドラをやっていたので、コラボで何となく存在は知っていました。調べたところ、作者は群馬出身の方で、群馬県の知名度が全国ワーストということがきっかけで製作したそうです。

レビューの際には以下の項目をディスカッションしました。

・このゲームのゴール

・このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)

・このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール)

・このゲームに取り入れられているゲーム要素

・このゲームで関連する学習要素

・このゲームがプレイ意欲を高めている要素

私が参加した「ぐんまのやぼう」では、次のようにまとめました。

このゲームのゴール

・日本を群馬県に天下統一する

このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)

・都道府県を制圧する

・Gを稼ぐ(収穫する、スゴロクする、ガチャをする)

このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール

・収穫に待ち時間

・隣の県しか制圧できない

・人口の多い県はGがかかる

このゲームに取り入れられているゲーム要素:

・運(スゴロク)

・ストーリー

・ゆるゲー

・待ち時間

・レベルアップ

このゲームで関連する学習要素:

・群馬のご当地要素(食材、駅、市)

・47都道府県

このゲームがプレイ意欲を高めている要素:

・制圧欲

・地元愛 (上毛カルタ)

ゲームレビューをすると、一人では気が付かない視点でゲームを捉えることができたり、やはり学びが大きいです。

さて、秋学期も学際的でバラエティに富んだ授業が待っているので、目指せフル単です!

【9月30日】近況報告

あっという間に、明日から10月です。

あっという間に、年末を迎えそうで、焦っています。

大学は夏休みでしたが、社会人の私の日常に、あまり変化はありませんでした。

そこで、夏休みの終わりに、最近、よく思う「変化」について書いてみます。

大学も職場も同様ですが、新しい環境では、必然的につき合う人が変わります。

つき合う人に変化があると、新しい学びや気づきが生まれるチャンスです。知らなかったことを知る手っ取り早い方法かもしれません。もっと手っ取り早くつき合う人を変えるには、住む場所を変えることかもしれません。(ちなみに、お勧めしているわけではありません。)海外とか。世のなか、自分の知らない世界は、たくさんあります。ありすぎです。知らなかったほうが良いことも多いですが。

これまで、学校や会社の関係で、海外も含めて、随分と色々な場所に住みました。環境を変えるために、意図的に住む場所を変えたこともあります。休みが取れると、決まって家族と海外に行きました。そこでは、楽しく思えることも多く経験し、明るい未来を感じる場所も多くありました。一方で、危ない経験や悲惨な状況も、数多く目にしました。

おもしろいことに、年を重ねると、よく思い出すのは、後者のほうだけなのです。楽しい思い出は、記憶のなかに埋没してしまうのでしょうか?僕だけかもしれません。そして、少しだけ、「なんとかしなくては!」という気概が芽生えてきます。

最近は、「社会的課題」という言葉は一般的になりました。ですが、世界には、ずっと昔から、社会的課題を解決しようとしている人が、とても多くいることも知りました。やっとです。

僕の研究は、この社会的課題をなんとかゲームで解決したい!という研究です。

学問としてのゲームへのアプローチは、人ぞれぞれですが、ゲームの可能性は、とてつもなく大きい!と最近、感じます。

本題は、ここです。

結論なく、中途半端な感じですが、次回は、真面目にブログを書きます。夏休みなので、大目にみてください。

【9月29日】運動ゲーのプレイヤーのエンゲージメントは、どこから生じ、どこまでプレイヤーを影響するのか?

皆様こんばんは。M1の叶です。
夏休みはそろそろ終わるところなのですね。

実は先週北海道の友人に訪ねて帰ってきたばかりで、北海道の美味しい食べ物(スープカレー、牛乳、ハンバーグ…)いっぱい食べまして、とても元気(太りました)ですが、休みの前に立てた計画がまだ色々終わらせていなくて焦ているところです。
夏休みの前に計画をいっぱい立てた自分に申し訳ない気分なのですが、残りの何日間にはできるだけ頑張ります!!

では、早速今日の本題に入りたいと思います。
先学期は『リング・フィット・アドベンチャー』(下記:RFA)事例研究の回で紹介しました。実は自分は随分前からもう一つの運動ゲームのUBIソフトの『ジャスト・ダンス』(下記:JD)シリーズの大ファン(今日も遊びました)なので、いつかに『RFA』と『JD』の比較を踏まえてシリアスゲームのあり方について論じたいと思っていました。

今回は、ゲーム属性とエンゲージメントの視点から『RFA』と『JA』のゲームプレイとそれがもたらす効果・影響を論じたいので、5月の文献研究で張さんが紹介してくれた論文『学生エンゲージメントのためのゲーミフィケーション:フレームワーク (Gamification for student engagement: a framework)』(Rivera, 2021) という論文を読み直しました。

ですが、今回はそのフレームワークではなく、その裏にある二本の論文が提唱した理論・モデルを使って分析してみました。それぞれは:

1・『Toward a Taxonomy Linking Game Attributes to Learning: An empirical Study』(Bedwell, 2012)(先行のゲーム学習研究に基づいて学習効果の分析上で使える9つのゲーム属性のまとめ)
2・『Framing student engagement in higher education』(Kahu, 2013)(高等教育における学生のエンゲージメントの影響要因とそれがもたらす影響に関するモデルの提案) 

5月紹介されたフレームワーク (Rivera, 2021) は、大いにこの二本の文献に基づいたものだと考えられます。紙幅を省くために、これからは、表を使ったり、箇条書きにしたり、文章体にします。


まず、Bedwell (2012) が提案した9つのゲーム要素の枠を使って『JD』と『RFA』のゲーム要素を簡単に分析する。

・「ー」は、エンゲージメントにネガティブ影響を与える要素で、逆に「+」はポジティブな影響を与えるゲーム要素。「△」はどちらも言えない要素が、さらに工夫されれば「+」になることができる要素。

(9属性の定義の詳細はBedwellの論文に参照)Just Dance(ジャスト・ダンス)Ring Fit Adventure(リング・フィット・アドベンチャー)
Action language(ゲームシステムと交流する仕方)・運動ゲーとして普通。新鮮感がない(ー)・「リング」は今までないので新鮮(+)
Assessment
(評価・フィードバック)
・即時フィードバック(形成的評価)と総括的評価(+)
・「Sweat mode」でカロリー消費が表示できる(+)
・ゲームスコアをさらに上げるためのヒントが提供されていない(ー)
・即時フィードバックと総括的評価(+)
・カロリー消費が表示できる上に、詳細データ詳しく調べられる(++)
Conflict/ Challenge(衝突・チャレンジ)・踊るソングの難易度が3レベルに分けられたが参考にはならない(ー)
・難易度が調節できない(ー)
・運動負荷が随時調節できる(+)
・システムがプレイヤーのデータをモニタリングして最適な難易度を推薦する(+)
Control
(コントロール)
あまりない(△)インタラクションが『JA』と比べて多様なのでより多くある。(△)
Environment
(ゲーム世界)
・ダンス場。踊るシーンも工夫される(+)・アドベンチャーモードならある(+→ー)
Game fiction
(ゲーム虚構・物語)
・All star mode (Just dance 2020だけ)。正直没入できない(△)アドベンチャーモード。慣れたら没入感が失われる。(+→ー)
Human Interaction(人間同士のインタラクション)・少ない。(△)少ない。ランキングを見るぐらい。(△)
Immersion
(没入感)
・踊る音楽といった感覚的刺激が与えられる(Sensory stimuli)(++)・ミニゲームではリアル世界と違う世界として認識する(+)が、
・アドベンチャーモードだと慣れたら没入感が失われる。(+→ー)
Rules/ Goals
(ルール・ゴール)
ルールは運動。ゴールは、『RFA』が『JA』より多様。運動したいと思う程度によって、エンゲージメントの程度も異なるだろう。

簡単にまとめると、二本のゲームが代表した運動ゲーは、評価(Assessment)とルール・ゴール(Rules/ Goals)が最もエンゲージメントをもたらす属性だと言えよう。その一方、チャレンジ (Conflict/ Challenge)、コントロール (Control) と没入感 (Immersion) に関するゲームデザインは、また工夫できることがあるだろう。

『Gamification for student engagement: a framework』(Rivera, 2021)という論文では、Kahu(2013)のモデルがゲーム学習の文脈で活用する際、ゲーム要素がエンゲージメントの先行影響要因とエンゲージメントそのものに影響を与え、ひいてにエンゲージメント状態が学習に短期・長期の影響を与えるという結論に至った。次に、Kahu (2013)の「Conceptual framework of engagement, antecedents and consequences」を踏まえて、この二本のゲームの場合には、エンゲージメントがどのように影響され、何を影響したのかをまとめて概念図を作ってみた。

実証したわけではなく、自分のプレイ経験と感覚でモデルを応用して分析してみたが、運動ゲーの要素の中の没入感、調節、評価 (Immersion、Challenge、Assesement) がエンゲージメントの情意領域に影響を最も与え、これらの要素をうまくデザインすることによって、エンゲージメントを向上させる可能性もあるのではないか。また、評価 (Assesement) はエンゲージメントの認知領域の自己管理(self-regulation)にもつながると思う。

この何本かの論文を読んだ後、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションの関係について一つ自分の考えをまとめた。それは、ゲーミフィケーションの終極的な産物はゲームだということ。あるコンテンツ・ゲームは、ゲーミフィケーションされたコンテンツなのか、シリアスゲームなのかは、結局にはゲームプレヤーかコンテンツの利用者の自己判断になるのではないかと思うようになった。例えば『RFA』も『JD』も、ゲーミフィケーションされた運動インストラクションとして捉えることもできるし、シリアスゲーム、あるいはゲームとして捉えることも全く問題ない(むしろ後者は主流だろう)。

ゲーミフィケーションされたコンテンツとゲームの共通特性としてはゲーム属性(Game attributes)があるということだ。なぜ『JD』と『RFA』をプレイすることが、ユーチューブでの筋トレ動画やダンス動画を見ながら真似するということと異なるかと言うと、ゲームはゲーム属性を持っているからのだ。そのゲーム属性が、我々プレイヤーたちの態度、認知と行為(Attitude、cognitive、Behavior)の変容を介して、プレイヤーのエンゲージメント(参与感)を高め、そのエンゲージメントがまたプレイヤーの生活にさらに深い影響を与えるのだ。


今回は論文で勉強したモデルを使ってゲーム事例を分析する試みだった。ゲーム要素とエンゲージメントの関係などに関しては、まだ色々考えきれない、説明しきれないところがあると思いますが、この9要素のまとめはゲーム分析する際とても活用できるレンズであり、エンゲージメントが媒介として学習成果を影響するというのも、とても説得力がある研究結論だと思います。色々紹介不足かもしれませんが、今回の記事も学習メモのようなものになっていましたが、読んでいる皆さんのお役に立てば嬉しいです。

この休み前立てた計画の中でも「ちゃんと運動する」というのもこの二本のゲームのおかげで完成度が最も高い目標になりました。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!

参考文献

・Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Rivera, E. S., & Garden, C. L. P. (2021). Gamification for student engagement: a framework. Journal of Further and Higher Education, 1-14.
・Kahu, E. R. (2013). Framing student engagement in higher education. Studies in higher education38(5), 758-773.
・Bedwell, W. L., Pavlas, D., Heyne, K., Lazzara, E. H., & Salas, E. (2012). Toward a taxonomy linking game attributes to learning: An empirical study. Simulation & Gaming43(6), 729-760.

【学会発表報告】日本デジタルゲーム学会

日本デジタルゲーム学会 (DiGRA JAPAN) の2021年夏季研究発表大会が2021年9月12日に開催され、当研究室から3名が発表を行いました。発表タイトルと発表者を以下の通り、目次から抜粋してご紹介します。

☆セッション1 シリアスゲーム

オンライン環境におけるボードゲーム実践によるまちづくり学習の可能性
石田 好一, 藤本 徹

☆セッション5 教育

ゲームにおける創造性の評価手法の提案―mini-c に着目して
財津 康輔, 藤本 徹

☆インタラクティブセッション

農業シミュレーションゲーム「ファーミングシミュレーター」を軸とした多方面のデジタルゲーム研究の展開
藤本 徹

予稿集はこちらからご覧いただけます。


私もドキドキしながら初めて参加してみましたが、非会員でも3,000円で聴講できました。
個人的には、スマブラを企業研修に取り入れている実践例の発表が勉強になりました。研究テーマも多岐に渡り、とてもオープンかつフレンドリーな雰囲気が印象的でした。

10月には別の学会の秋季全国大会があり、こちらで発表を予定している院生の方々は日々研究をブラッシュアップしています。藤本准教授の個別指導はもちろんのこと、ゼミで発表のリハーサルを予定していたりと、少人数ならではのきめ細やかな指導が行なわれています。

あと1週間と少しでゼミが再開します。夏休みにどんな挑戦・活動をされたのか、報告を聞くのが楽しみです!
(余談ですが私の夏休みの冒険はDiscordでポケモンユナイトの国内外コミュニティ3つをハシゴして武者修行してきたことです。英語の早口が聞き取れなくてチームの戦略が掴めず、好き勝手に伸び伸びプレイしていたら試合後にアメリカ人のガチ勢に詰められました…いやはや、良い経験になりました&英語の勉強もっと頑張ります)

【9月28日】もうすぐ秋学期が始まります

M1の升井です。

今日は、文献紹介と先週見た夢について書きます。

夏休み中に本郷キャンパスの総合図書館へ足を運び、本棚を探索していたところ面白い本を見つけました。

鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著(2016)

『インストラクショナルデザインの道具箱101』北大路書房

101は「ワンオーワン」と読むみたいです。

インストラクショナルデザイン(ID)の定義は、「教育活動の効果と効率と魅力を高めるための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセス」です。

鈴木克明(2005)「〔総説〕e-Learning 実践のためのインストラクショナル・デザイン」『日本教育工学会誌』29(3),197-205

この本の面白いところは「レイヤーレベル-1:いらつきのなさ~レベル3:学びたさ」の5つの段階に分けて101個のデザインの要素(道具)を紹介しているところです。ARCSモデルやGBS理論など、IDに関連する多くの知見が網羅されています。

私は、この手の〇○○個系の本が好きです。なぜかというと、区切りのいいところまで分割して読みやすいからです。ゼミの文献購読で指定されているJesse Schell『ゲームデザインバイブル[第2版]おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」』も〇〇〇個系の本ですね。

そして、〇○○個系の本はアイデアの発想法にも役立つと考えています。アイデアを生み出すときの基本戦術として「掛け合わせ」というものがあります。例えば、新しい料理を考案するときに「カレー」×「うどん」=「カレーうどん」のように発想するイメージです。ネタとなるたくさんのキーワードをエクセルにまとめておいて、random関数で2個をピックアップすれば、思いもよらない組み合わせが提示され、そこから新しいアイデアがひらめくこともあります。

〇○○個系の本でキーワードをたくさん吸収することで、掛け合わせで生まれるアウトプットの可能性がどんどん広がっていくことを実感できる点も、この手の本が好きな理由です。

ここからは雑談になりますが、先週とあるZOOMコミュニティの話題で「山口県の家の瓦は赤い」とか、「ポッキーとトッポのどっちが好きか?」とかいう話をしていて、その後、無性にトッポが食べたくなってコンビニダッシュを決めてトッポを食べた夜に変な夢を見ました。

夢の中では、とある学校の先生(ZOOMのメンバー)が「チョコレートでできた家を建てたい」と言い出して、私が「食べられる素材で、何十年も住める家は建てられないですよ」と力説しているところで目が覚めました。(夜中の3時)

なぜこのような夢を見たのか分析すると、直前で意識していた赤い瓦と口にほのかに残るチョコの味が無意識の中で組み合わさった結果、チョコレートでできた家が出てきたと考えられます。

寝る前に〇○○個系の本を読むことで、夢の中で新しいアイデアが思い浮かびやすいのではないか?

残りの夏休みに自分を使って実験してみます。