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【6月30日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2022-07-05   投稿者:   osora

こんにちは、大空です。

今週はゼミ活動とは別で、ゼミのメンバーで東京大学制作展(主催:情報学環・学際情報学府)にも足を運んできました。作品の鑑賞だけでなく、制作された学生本人から企画の背景や意図を直接お伺いできたので、通常の展示会では得られないような刺激を得られました。今後の自分の研究にも、今回得られたパワーを還元していきたいです。

それでは、6月30日のゼミ活動報告を致します。

研究テーマ関連論文概要紹介 叶さん
 今回叶さんが、研究テーマ関連論文として取り上げられてくださったのは、「教室外活動と日本語学習意欲に関する考察 ー台湾における学習者に着目してー」という論文です。

 この論文では、「どのような教室外活動が日本語学習意欲にどのように影響を与えるのか」をテーマに、①日本語学習者はどのような教室外活動に取り組んでいるのか、②学習意欲の高い学習者と低い学習者の教室外活動においてどのような違いがあるのか、③それぞれの教室外活動と学習者の意欲はどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としています。

 調査結果では、「日本語の音楽を聴く」や「日本の映画やドラマを見る」が授業外の日本語学習活動として多く取り組まれているようでした。そして、そこから得られた考察として、学習者が興味を持つメディアコンテンツ、リアルタイムフィードバック、言語を使用する機会、異文化間コミュニケーションのある学習が好まれる傾向にあるとまとめられています。

 今回の論文を受けてのディスカッションポイントとして、日本で日本語を学ぶのか、海外で日本語を学ぶのかで学習者の用いるメディアも変わってくるのではないかという点が挙げられました。日本で日本語を学んでいる学習者の方が、日本のアニメやゲームなどの文化に親しみを持っている人が多く、実際に叶さんの周りでもアニメやゲームを授業外活動として行う第二言語習得者は多いようです。

 叶さんの研究では、本論文で語られていなかった、物語中心ゲームのプレイ活動と日本語学習経験との関連を探索的に探究するため、改めてどのような示唆が得られるかが楽しみです。

研究テーマ関連論文概要紹介 大空

 今回、自分は研究テーマ関連論文として、①「女性役員の「一皮むける経験」 ―幹部候補女性を育てる企業のための一考察―」と②「潜在的強みの測定とその活用: ポジティブ心理学の更なる発展に向けて」という2つの論文を紹介しました。

 自分は、「ビジネスパーソンのキャリアデザイン開発に資するゲーム型研修の開発」をテーマにしているのですが、ゲームそのものにもっと現実と対応する意味づけが行えないかと思い、これらの論文をご紹介しました。

 具体的には、現在制作しているゲームが、ワークライフバランスを基盤にした人生全体としての意味合い(広義)のキャリアデザインを行うものなのですが、そこに加えて職業的側面に沿った意味合い(狭義)のキャリアデザインも大きな軸として伸ばすことができないか模索しています。

 そこで、①の論文からは、一皮むける経験(多くのリーダーが歩んできた経験)をゲーム中のイベントに盛り込むことで、企業活動におけるリーダーシップ開発にもつながるのではないかと考え、②の論文では、強みそのものを測る尺度が紹介されており、ゲーム中で「自分のできることカード」というものを作成するのですが、その作成時の観点として利用できないかと構想を立てました。

 実際に、ゲームに実装してみるところまでを行い、論文で語られていた効果も実証できそうな兆しが得られたので、今後さらにそれをブラッシュアップしていきたいです。

研究員発表 財津さん
 研究員発表では、財津さんからゲーム障害についてご紹介していただきました。

 これまでのゲームが及ぼすネガティブな影響に関する研究を複数見ていくなかで、「ゲーム脳」の研究に代表されるような、果たしてそれは本当に実証的なのか、解釈を拡大していないかという点が見受けられました。

 ゲーム障害に限った話ではなく、論文を見る際には、可能な限り原典にも目を通し、著者のニュアンス部分までを汲み取る必要があるように思えました。

 (あくまで個人的な意見ですが、)ゲームはもちろん万能ではないものの、その可能性をゼロにしてしまうのはやはりもったいないように感じてしまいます。ゲームが悪い影響を与えるのではないかというイメージがあることはたしかで、こうした中でいかにその可能性を広げてあげられるかが自分自身の研究を超えた人生的なテーマにもなってくるように思いました。

 ゲームと学習の結びつきを根本的なテーマにしている以上、やはりこの点に関しては自分自身知見や考えを深めておかなければいけない部分だったので、とても有意義な時間でした。

以上が6月30日のゼミ活動報告となります。

これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。