月別アーカイブ: 2023年6月

『教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう』ワークショップのお知らせ

投稿日時:   2023-06-27   投稿者:   snii

東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室と藤本徹研究室は、8月4日(金)- 5日(土)に、広島テレビ本社で行われるMinecraftワークショップ「教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう」を開催します。

▶️イベント概要
かつて広島にはどのような街があり、それが原爆によってどのように変わってしまったのか。

原爆投下日の8月6日を迎えるにあたり、世界の子どもたちに支持されている「Minecraft」を通して、広島の歴史について理解を深めるワークショップイベントを実施します。

教育版マインクラフトをつかって、 参加者全員でマルチプレイで町をつくりましょう。

テーマは「原爆投下前のヒロシマの暮らしと街並み」 です。

みんなの想像力を最大限発揮してください!

講師にはプロマインクラフターのタツナミシュウイチさんをお招きします。

参加者全員で協力しながら、グループになって一緒に考え、ワールドを作ってみましょう!

▶️日程・開催地
開催日時:2023年8月4日(金)13:00〜17:00 / 8月5日(土)10:00〜15:00

参加対象:Minecraftの基本作業が行える小学4-6年生とその保護者 定員20組
※定員が超過した場合は抽選となります

会 場:広島テレビ本社 (広島県広島市東区二葉の里3-5-4)

持ち物:筆記用具,お弁当,飲み物,熱中症対策グッズ(パソコンはこちらでご用意します)

申込締切:7月15日(月)17:00まで

申し込み方法・問い合わせ:以下のWebサイトをご覧ください。

https://minecraftcup.com/3863/

藤本准教授や当研究室の院生が現地でお迎えします。ぜひ奮ってご応募ください🍎⛏️🏡🌟

【6月8日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-06-14   投稿者:   inuda

みなさん、こんにちは!M1の犬田です。

近頃は、7/7-7/10に開催される東京大学制作展EXTRA2023の準備で、充実した日々を過ごしています。多様な専門の人たちと共同で取り組む経験は、刺激的だなと感じています。研究活動をこつこつと進めながらも、研究以外の活動にも全力で取り組んでいきたいと思います。そして、東京大学制作展EXTRA2023の一般予約が開始されたので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!

さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究テーマ関連論文紹介(大空さん、春口さん)とプレイセッション(犬田)になります。

■研究テーマ関連論文紹介(大空さん)

大空さんは、以下の4つの論文を紹介してくださいました。

1)山根悠平ら:国内の研究倫理教育の実践に関する研究動向(2019)
2)鈴木大助:ジグソー法を用いた研究倫理教育(2020)
3)有江文栄ら:看護研究倫理の課題: 研究倫理教育に焦点を当てて(2017)
4)札野順:技術者倫理教育, その必要性, 目的, 方法, 現状, 課題(2006)

発表では、研究倫理教育の体制は整ってきているが、研究倫理教育の評価や初等中等教育における研究倫理教育の実践が不十分であること、ジグソー法を用いた情報リテラシー教育の実践事例などを紹介してくださいました。特に「国内の研究倫理教育の実践に関する研究動向」については、日本の研究倫理教育が網羅的にまとめられており、今後の大空さんの研究の基盤となる論文だと思いました。

研究倫理教育というと、大学生もしくは大学院生を対象にするものが真っ先に思い浮かびますが、自由研究などで研究に近い活動を行い始める初等中等教育から研究倫理教育が今後行われていくようになるのではないかと思いました。また、レビュー論文を読むことによって、対象とする研究分野の全体像を俯瞰することができ、効率よく研究を進めることができるというお話を聞き、自分の研究分野のレビュー論文を探してみようと思いました。

■研究テーマ関連論文紹介(春口さん)

春口さんは、以下の3つの論文を紹介してくださいました。

1)Dave, F.:Teaching Simplified Network Protocols(2010).
2)飯塚正明:情報ネットワーク通信プロトコルの理解を深める教材,千葉大学教育学部研究紀要 第66巻 第1 号,pp. 405~408 (2017).
3)Shaoqiang, W. DongSheng, X. ShiLiang,Yan.: Analysis and Application of Wireshark in TCP/IP Protocol Teaching (2010).

これらの論文では、高校生、中学校の教員免許取得者などにプロトコルと階層化を教えた実践例が紹介されていました。具体的には、各階層のプロトコルの役割を様々なメタファーで表現した事例や実際にネットワーク機器を用いて実習を行った事例を紹介されていました。春口さんは、今回の論文を読み、プロトコルと階層化の効果的な教育事例では「各階層の役割」を教えるフェーズと「プロトコルの役割」を教えるフェーズ、その後に「2つの対応」を教えるフェーズの3つの段階で構成されていることに気づかれていました。

これまでの事例を聞くと、実際にコードを書いたり、ネットワーク機器を使用したりとプログラミングやネットワークに関する知識を前提とする事例が多く、初学者にとってはハードルが高いなと思いました。一方で、春口さんの研究はゲームを用いたプロトコルと階層化の教育なので、この分野の初学者にとっては、とっつきやすいだろうなと思いました。

■プレイセッション(犬田)

プレイセッションでは、『刑法ポーカー』を行いました。刑法ポーカーは、犯罪を構成する要件が書かれた5枚のカードを上手くそろえて、最も重い犯罪を作るドローポーカーを基にしたボードゲームです。今回は、最初に全員でルールを確認した後、ゼミ内で刑法ポーカー王決定戦を行いました。このゲームは東京大学法科大学院生が開発したボードゲームで、東京大学生協でも販売されています。

ゲームとしては、運の要素が強いものの、重い役を作るのかある程度の役で抑えておくのかなど駆け引きをすることができ、とても楽しかったです。一方で、学習については、構成要件と犯罪の対応など刑法についてしっかりと学ぶことができたとは言えませんでした。原因としては、法律に詳しい人がいなかったことや刑法について学ぼうという意識が低かったことが挙げられると思います。学習効果を高める方法としては、法律に詳しい人と一緒に行うことや最後手札を公開する際に構成要件と成立した犯罪を読み上げることなどが話として上がりました。他にもゲームデザインについて様々な意見が出ていました。

以上で、6月8日のゼミ活動報告は終了となります。今週のゼミは藤本先生の海外出張でお休みです。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!

2023年6月2日開催 藤本研究室説明会 動画公開のお知らせ

投稿日時:   2023-06-12   投稿者:   snii

2024年度入試に向けて、6月2日(金)17時より藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分の動画をYouTubeで公開しています。

当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。

6月1日 ゼミ活動報告

投稿日時:   2023-06-08   投稿者:   haruguchi

こんにちは、春口です。
6月1日のゼミ活動報告を致します。今回は犬田さん、濱田さん、坂井先生の3名の発表でした。

犬田さん:進捗報告
 データの評価とデータの収集についての、2つに分けて報告されました。
 データの評価については、「ゲーミフェイケーションによって収集したデータに誤差が生じる」という批判を取りあげ、むしろ深層心理に近いデータが取れるのではないかという考えを示され、同時に、ゲームによって没入・集中している状態であるフロー状態に入る事ができるため余計な思考が消えるため、という点を根拠として取り上げられました。ただ、この点については質疑の時間で研究員の木村さんから、「フロー状態はあまり特殊な状態で無く、質問紙を書いている時もフロー状態にあると言ってよいと思う。そのため、フロー状態を以て深層心理に近いデータが取れるという考えは当たらないのではないか」という意見があったため再度考察してみる必要がありそうです。
 データの収集についてはあまり進んでいないとの事でした。行動経済学の本を読んで、ちょっと思っていたのと違ったため社会心理学の方面で探してみるそうです。質疑の時間で、社会心理学の本を読むよりは質問紙法自体の課題に関する論文を読むと良いという意見も合ったため、様々な方面からアプローチを取る事になりそうです。

濱田さん:進捗報告
 現在はMinecraftを使った学習の論文を読み漁っている所との事でした。主にSTEAM教育や英語教育がテーマのものを当たっているそうです。
 研究に関する活動として、本校の渡辺研究室主催の平和学習ワークショップやマイクラカップWSに参加しているそうで、ワークショップの設計や運営から論文執筆までの流れが学べる良い機会になりそうです。広島にも行けるとの事でとても羨ましいです。

坂井先生:研究員発表
 坂井先生の発表は現在執筆されている博士論文の研究内容についてのお話でした。ノベルゲームを使った死生観教育について実施した研究の結果について説明を頂きました。このゲームについては授業の方で触れさせて頂く機会があったため、その時の経験と照らして聞いたため理解しやすかったです。授業で触れた部分は研究の一部分だけであったため、その前後に何を行ったのかや回答した質問紙がどのような背景で作成されたかを聞く事で研究としての全体の流れを学ぶ事ができ、自分の研究でも真似できる部分は取り入れようと思いました。

以上が6月1日のゼミ報告です。

【5月25日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-06-03   投稿者:   osora

皆さんこんにちは、M2の大空です。

先日、ゲームマーケットという国内最大規模のアナログゲームイベントに行ってきました。自分自身、研究とは別でカードゲーム開発を行っているのですが、実際に現地に行ってみることで、来年は出展側として出ようと決心することができました。現在開発中のゲームについても、またどこかのタイミングでご紹介できればと思います!

さて、先週のゼミ活動報告を行います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(犬田さん)になります。

■研究進捗報告(春口さん)

春口さんは、研究で開発しているゲームのテストプレイを受けて、ゲームの改善策や今後の計画を共有してくださいました。

具体的には、①各ステージ内容の変更、②キャラクターのリファイン、③プロトコルの説明機能の実装の3点について修正を行われているようです。ステージの難易度を易しい→難しいへ徐々に上げていく調整、より親しみやすいキャラクターの設定、ゲームと学習を接続するパートの実装など、修正するポイントが明確になっており、それぞれの進捗もしっかりと管理されている印象を受けました。

現在、就活や学内での中間発表に向けて大変な時期かと思いますが、ご自身で研究のペース調整ができているので、大変素晴らしいことだと思います。先日のテストプレイ時点でも、かなり完成度が高かったので、今後さらにブラッシュアップされたものができるのが、自分も楽しみです。

また、研究進捗報告と併せて、実際にデジタルゲームを作るまでのプロセスもご共有してくださいました。特に、自分はアナログゲームを専門にしておりデジタルの開発には疎いので、大変学びになることが多かったです。自分もデジタルゲームの開発に挑戦しようと思ったときは、ぜひ春口さんにご相談させていただきたいです!改めて、藤本研究室は多様な知識や技術を持った人と一緒に学び合うことができる素敵な環境だなと思いました。

研究進捗報告(大空)

大空も、春口さんと同じく、テストプレイを通して得た気付きや改善策について共有を行いました。

先日の藤本研究室でのプレイセッションが、2回目のテストプレイだったのですが、大体完成形が見えてきたので、細かなデザインの修正、より学びと接続しやすくなるような設計をゲームに組み込みました。現在取り組もうとしている改善策は、ある意味アナログとデジタルの融合でもあるので、自分自身新しい取り組みとして楽しみながら研究を進めることができています。

また、自分の場合、ゲームを用いた学習プログラムの開発になるので、ゲームの前後や間で行う講義パートも設計を進めていました。そこで、テーマとなる「研究者倫理」について文献調査を行った結果も共有しました。まだ日本においては整理が行われていない分野の印象を抱いているので、自ら分類や定義を行う気持ちでまとめています。ゲームそのものについてはもちろん、周辺の講義設計やワークショップ全体のデザインもこだわって研究を進めていこうと思っています。

最後に、今後のテストプレイ予定、販売するとなった時の販路の作り方、印刷方法についても共有を行いました。これまでは、藤本研究室でのテストプレイや発表がほとんどでしたが、これからは外部の方(研究倫理の専門家)などにも共有を行い、テーマと手法の両方においてさらに磨きをかけていく予定です。

プレイセッション(犬田さん)

今回のプレイセッションでは、犬田さんが『Chat GPT』を活用したゲームについていくつか共有を行っていただき、実際にみんなでプレイをしてみました。

主に下記URLのゲームをプレイしましたが、その他にも『Chat GPT』自身がつくった「数字当てゲーム」「じゃんけんゲーム」「ブロック崩し」「スネークゲーム」も遊んでみました。

探偵とメイドさん version1.3 安定版
https://note.com/gearbun/n/n2774105c0353

戦国ChatGPT
https://note.com/ai_devao/n/n065601b9a3a9

新しいテクノロジーをどのようにゲームに活用するかであったり、『Chat GPT』の登場によって今後ゲームデザインがどう変化してくかなど、様々な視点でディスカッションを行うことができました。

今回のプレイセッションを通じて、改めて『Chat GPT』の強みと弱みを理解し、自分もゲームに混ぜることができないか考えてみようと思いました。今後もこうした最新テクノロジーには、積極的に触れるようにしたいです。

以上で、先週のゼミ活動報告は終了となります。それでは!