月別アーカイブ: 2023年9月

夏休みの活動報告【9月】 大空

投稿日時:   2023-09-30   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。大空からの活動報告です。

今月は、9/2(土)に行われた<日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会>についてご報告します。

自身もライトニングトークセッションで参加したので、その振り返りを行いつつ、どのような発表があったかもご紹介していきます。


本研究発表大会のテーマは「拡大するゲーム空間 発展するゲーム研究」でした。そのテーマ通り、ゲームが貢献する領域や空間をさらに拡大できるような発表や企画が多くありました。

また、今回は新型コロナウイルスの感染拡大以降、2回目の対面での開催でした。オンラインではなかなか感じづらい雰囲気や対面だからこそできるゲームのデモ機も見せつつ行うポスター発表が行われ、普段出会えない人と交流を深める機会となりました。

そして、基調講演では「新しい文化としてのeスポーツ」として、東京都eスポーツ連合会長の筧 誠一郎氏に語っていただきました。eスポーツへの注目が集まっている中、あらためてeスポーツとは何か、その魅力、面白さ、可能性について考える機会を得ることができました。

eスポーツに関しては、これまで研究対象として見ていなかったのですが、今回の講演を聴いて、自分のテーマとも結び付けられるのではないかと考えることができ、「拡大するゲーム空間 発展するゲーム研究」というテーマに沿う学びが得られました。

そして、発表に関しては本当に様々なテーマがあり、聴く側も非常に有意義で学びの多い時間となりました。

個人的には、今回の研究発表大会では、普段あまり触れていない分野・領域の理解を深めようと考えており、「中国におけるゲームの在り方」や「ゲーム資料の保存」に関する発表を中心に聴いていました。

大会予稿集やプログラムに関しては、こちらのURLから確認できますので、ぜひ御覧ください!

https://easychair.org/cfp/DiGRAJAPAN-2023Summer

最後に、冒頭でもお伝えした通り、大空はライトニングトークセッションにて発表を行いました。

今回が初めての学外での発表ということもあり少し緊張していたのですが、藤本先生、財津先生、坂井先生、犬田さんが会場に来てください、リラックスしていつもの調子で発表を行うことができました。

様々な分野の方から意見や質問をいただけたことは、自分の研究を前に進めてくれることにも繋がり、自分自身にとっても良い経験になりました。

今後も、日本デジタルゲーム学会をはじめ、他の学会にも積極的に参加して発表というアウトプットを重ねて行きたいと思います。まずは、2月頃に次回の日本デジタルゲーム学会が開催されるため、そこに向けて準備を進めていきます!

 


以上が、報告となります。

夏休みも終わり、10月からAセメスターが始まりますが、体調には気をつけて、引き続き研究を進めていきたいと思います。

それでは!

夏休みの活動報告【8月】 大空

投稿日時:   2023-08-31   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。大空からの活動報告です。

今月は、先週末に行われた<夏休み親子ゲームジャム2023@東京大学>についてご報告します。

2日間どのような活動が行われたのか振り返りつつご紹介していきます。

※ゲームジャムとは、初対面の人と一緒に短時間でゲームをつくるというイベントです。

【1日目】ゲームプレイによるインプット

1日目は、実際にゲームをプレイすることがメインでした。

ここで、共通のゲームプレイの体験を経ることで、共通言語を持った状態でゲーム制作に取り組むことができます。ゲームを通してお互いを知る機会でもあるので、ゲームを楽しんでいるうちに、徐々に緊張が解けていった様子も見られました。

またゲームプレイの合間に、親御さんにはゲーム制作や創造性に関する導入講義を、お子さんにはチャレンジゲームに取り組んでいただきました。本ワークショップは、財津さん(研究員)の研究としての面もあり、その効果や新たな発見に関しては、今後報告される予定です。

ちなみに、僕はチャレンジゲームの進行も務めたのですが、子ども達の豊かな創造性や感性に触れることができ、自分にとっても学びが多かったです。

最後に、本ワークショップでつくるゲームのテーマ「地球温暖化」が発表され、皆さんどのようなゲームをつくろうかとお話されながら1日目を終えました。

【2日目】ゲーム制作によるインプット

2日目は、いよいよゲームを作る本番です。外部からゲームデザイナーの方もお招きし、2〜3組の親子でグループを結成し制作に取り組みました。

午前中は、どのようなゲームをつくるか全く見えない状況から「地球温暖化」というテーマに対する課題を発見し、その中から具体的にコンセプトをつくることを目指して、付箋やフローチャートを使いながらアイデアを整理していきました。

どんな内容を知ってほしいのか、それをどの程度学んでもらいたいのか、どのような場面で遊んでもらいたいのかなど、具体化させていくことで、ゆるぎないコンセプトをつくることに励みました。

午後からはどのグループも、そのコンセプトに従って、昨日プレイしたゲームに基づいたルール構築とプロトタイプの制作に移りました。

しかし、ここで最も多くぶつかる課題がゲームが面白くない、現実っぽくならないということです。ここからは、改めてコンセプトに立ち戻り、ゲームと照らし合わせながら改良を加えていく必要があります。

かなりハードは作業ですが、親御さんはもちろん、お子さんもしっかり改善のアイデア出しを行い、どんどんブラッシュアップされていきました。

制作したゲームの発表時間になる頃には、どのチームもテストプレイを繰り返し、しっかりと遊べる状態になっていました。

実際に、他のグループのゲームを遊んだ子ども達からは「楽しかった」「もう一度遊びたい」という声もあり、すべてのチームがゲーム制作を行うことができました。

丸一日、普段使わない頭を使って皆さんかなりお疲れのようでしたが、しっかりとやりきった達成感に満ちた表情をされていました。


以上が、報告となります。

僕個人としては、2年目の参加ということもあり、よりオペレーショナルな部分でもさらに良くなったと実感しています。

また来年行われることが楽しみですし、藤本研究室では親子ゲームジャム以外にもマインクラフトを使ったワークショップも行っています。

こうした場で皆さんとぜひ直接お会いできればと思うので、研究室ブログもときどきチェックしてみてください。

それでは!

【7月13日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-07-18   投稿者:   osora

皆さん、こんにちは。M2の大空です。

最近は暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

気づけばもう7月も中旬ということで、今年は夏らしいこともしたいなと思う一方で、この暑さだと外に出るのも少し億劫になります。室内でできる、夏っぽいことができたらいいなと日々考えています笑

さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(木村さん)になります。

■研究進捗報告(春口さん)

春口さんは、7/18(火)〜19(水)に学府全体で行われる、修論中間報告で発表する内容で進捗報告を行っていただきました。

この修論中間報告とは、修士2年生が必ず行うもので、他研究室の先生を含めて、研究の進捗を発表する場となっています。中間報告では、ゲーム学習論が専門ではない先生もいらっしゃるため、限られた時間の中で、いかに分かりやすく自身の研究を伝えるかがポイントとなります。

今回、春口さんは、その練習として発表を行われました。私たちメンバーもどのような質問が当日来そうかということを意識しながら聞き、様々な意見交換を行いました。各人が感じた感想やアドバイス、質問などによって、さらに発表もブラッシュアップされていくと思うので、当日の春口さんの発表を楽しみにしています!

■研究進捗報告(大空)

大空も、春口さんと同様に、研究進捗報告を行いました。ただし、私の場合、長期履修を行っており、今年度の修論中間報告では発表しないため、あくまでこれまでの進捗を共有しました。

まずは、自身が開発したカードゲームを活用したワークショップ実現に向けて動き出していることを共有しました。幸いにも、ワークショップを行えそうな場を見つけることができたので、今はそれを目標に研究に取り組んでいます。

また、倫理審査の提出や助成金の申請など、構想段階よりもやることも増えてきたので、全体のバランスを見つつ、今後も進められればと考えています。早く公の舞台で発表したいという気持ちがあるので、その時にはこの記事でもご紹介させていただきます!

■プレイセッション(木村さん)

今回のプレイセッションでは、東大の生協で販売されている『有機大富豪』をプレイしました。

有機大富豪とは、高校範囲の有機化学を題材としたカードゲームで、有機化学の基礎的な反応系統・原理を覚えることができます。

実際にプレイしてみたところ、全員ほとんど初学者でしたが、体験を通して有機化学の言葉を覚えられそうだという感想が多く寄せられました。また、ゲーム形式が大富豪に近いので、繰り返しプレイすることで、知識の定着も図れそうです。

ゲームルールの説明はやや難しい方ですが、一度プレイすればすんなりと入ってきて、ゲームとしての楽しさがあったので、東大を訪れた際はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか?

ちなみに、今回の記事執筆担当はゲームの勝ち負けによって決めたのですが、大空は大敗(4位)してしまったため、担当となりました笑

以上で、7月13日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!

【6月29日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-07-06   投稿者:   osora

皆さん、こんにちは。M2の大空です。

先日プライベートで、はじめて「スプラトゥーン」をしっかりプレイしました。一人称視点のアクションゲームなので、なかなかプレイヤーの視点を合わせることに苦労しましたが、気づいたらあっという間に時間が経っているほど面白かったです。

今回は、友人と音声をつなぎながらオンラインで一緒にプレイしたのですが、やはりこうしたゲームは友人と一緒にプレイするのが楽しいなと感じました。ただ、デジタルゲームに関しては、自分はハマると結構な時間を使ってしまうため、時間の制限をするようにしているのですが、そうするとレベルが一向に上がらないので、友人との差は大きくなるばかりです笑(レベル上げもコツコツ頑張ろうと思います)今後も、研究や仕事以外のプライベートでも色々なゲームに触れていこうと思っています。

さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、文献研究(大空)、事例研究(春口さん)とプレイセッション(濱田さん)になります。

■文献研究(大空)

大空は、ピーター・グレイの『遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる』について発表を行いました。

今回取り上げた章は、第6章「好奇心、遊び心、社会性 インドで見る子どもたちの自己教育力」、第7章「遊びのパワー 心理学が解き明かす学び、問題解決、創造性」になります。

選定理由としては下記2点で、文献研究を通して、それらをクリアにすることができました。

①直近、自分が研究で制作しているゲームのテストプレイを行っており、なぜゲーム形式にしたのか、それを理論を用いて簡単に説明したい→「好奇心」「遊び心」「社会性」が学習に作用する。特に、研究倫理教育は、“しなければいけない教育”になる傾向が強いため、この3つの特徴が働くことによって、ノンストレスで楽しく学ぶことができ、高い学習効果が期待できるのではないか。

②そもそも自分が既存のワークに対して直感的に感じた、遊びの萌芽は何だったのか確認したい→研究倫理のワークの多くは、事例共有+ディスカッションという形式。そこに、「探索的な遊び」「社会的な遊び」を感じた。それぞれに色をつけて形どったものが『QRP GAME』。

本書の特徴は、ゲームデザインからの視点から「遊び」を捉えるのではなく、ごっこ遊びやスポーツなどを含むより広い視点から「遊び」を捉えていることです。自分の研究で、なぜゲームを採用したのか(遊び要素を加えたのか)をわかりやすく説明する際の材料として、論文等にも引用して反映させていきたいと思います。

■事例研究(春口さん)

春口さんは、Ciscoが開発し提供しているネットワークシミュレーター「Packet Tracer」を紹介してくださいました。

「Packet Tracer」とは、Cisco製品の利用方法・ネットワークの構築をソフトウェア上でシミュレーションできるもので、主にネットワークの勉強をしたい人が使う事が多いツールになります。また、Ciscoが行っている技術者認定試験のCCNA向けの講座でも使用されており、無料で使うことができます。

様々なネットワーク構築に対応でき、抽象化されている要素が一切ないため、「Packet Tracer」で行ったことがそのまま実務に使えるというメリットがある一方、覚える事が多すぎて学習負荷が高く、教える側にもかなりの知識・スキルが求められることから、初学者には向かないというデメリットがあります。

春口さんの研究では、初学者に焦点を当てたシリアスゲーム開発となるため、ターゲット層が異なりますが、内容に関しては共通する部分も多く、ディスカッションの中で「もしも、このパケトレをゲーム化するならどうするか?」という話題も上がり、春口さんのゲームにも反映できそうなアイデアも生まれました。

徐々に中間発表の時期が近づいていますが、さらにブラッシュアップされた春口さんのゲームと発表が楽しみです!

■プレイセッション(濱田さん)

プレイセッションでは、『教育版マインクラフト』をプレイしました。

マインクラフトをテーマに研究されている濱田さんがワールドを作ってくださり、その中で建物を立てたり、素材を集めたりと、自由に活動しました。

久しぶりにプレイする人〜よくプレイする人までいたため、分からないことがあれば、研究室メンバーで助け合いながら進めることができました。明確なゲーム目標がないため、自分たちで自発的に何かをしようという意思が必要になるのですが、実際にやってみると「これがしたい、あれがしたい」という気持ちが出るようになりました。

近年は、Youtube等で気軽にプレイ動画や解説を見ることができるため、一人プレイでも分からないことがあれば、それを参照してできそうです。チュートリアルがないことは、不親切なようにも感じられますが、情報を集める過程も含めて楽しむこともできると思います。

事例や論文で『教育版マインクラフト』を扱うことは多いですが、こうしてしっかり時間をとって、研究室でプレイできたことは非常に貴重で楽しかったです!

以上で、6月29日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!

【5月25日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-06-03   投稿者:   osora

皆さんこんにちは、M2の大空です。

先日、ゲームマーケットという国内最大規模のアナログゲームイベントに行ってきました。自分自身、研究とは別でカードゲーム開発を行っているのですが、実際に現地に行ってみることで、来年は出展側として出ようと決心することができました。現在開発中のゲームについても、またどこかのタイミングでご紹介できればと思います!

さて、先週のゼミ活動報告を行います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(犬田さん)になります。

■研究進捗報告(春口さん)

春口さんは、研究で開発しているゲームのテストプレイを受けて、ゲームの改善策や今後の計画を共有してくださいました。

具体的には、①各ステージ内容の変更、②キャラクターのリファイン、③プロトコルの説明機能の実装の3点について修正を行われているようです。ステージの難易度を易しい→難しいへ徐々に上げていく調整、より親しみやすいキャラクターの設定、ゲームと学習を接続するパートの実装など、修正するポイントが明確になっており、それぞれの進捗もしっかりと管理されている印象を受けました。

現在、就活や学内での中間発表に向けて大変な時期かと思いますが、ご自身で研究のペース調整ができているので、大変素晴らしいことだと思います。先日のテストプレイ時点でも、かなり完成度が高かったので、今後さらにブラッシュアップされたものができるのが、自分も楽しみです。

また、研究進捗報告と併せて、実際にデジタルゲームを作るまでのプロセスもご共有してくださいました。特に、自分はアナログゲームを専門にしておりデジタルの開発には疎いので、大変学びになることが多かったです。自分もデジタルゲームの開発に挑戦しようと思ったときは、ぜひ春口さんにご相談させていただきたいです!改めて、藤本研究室は多様な知識や技術を持った人と一緒に学び合うことができる素敵な環境だなと思いました。

研究進捗報告(大空)

大空も、春口さんと同じく、テストプレイを通して得た気付きや改善策について共有を行いました。

先日の藤本研究室でのプレイセッションが、2回目のテストプレイだったのですが、大体完成形が見えてきたので、細かなデザインの修正、より学びと接続しやすくなるような設計をゲームに組み込みました。現在取り組もうとしている改善策は、ある意味アナログとデジタルの融合でもあるので、自分自身新しい取り組みとして楽しみながら研究を進めることができています。

また、自分の場合、ゲームを用いた学習プログラムの開発になるので、ゲームの前後や間で行う講義パートも設計を進めていました。そこで、テーマとなる「研究者倫理」について文献調査を行った結果も共有しました。まだ日本においては整理が行われていない分野の印象を抱いているので、自ら分類や定義を行う気持ちでまとめています。ゲームそのものについてはもちろん、周辺の講義設計やワークショップ全体のデザインもこだわって研究を進めていこうと思っています。

最後に、今後のテストプレイ予定、販売するとなった時の販路の作り方、印刷方法についても共有を行いました。これまでは、藤本研究室でのテストプレイや発表がほとんどでしたが、これからは外部の方(研究倫理の専門家)などにも共有を行い、テーマと手法の両方においてさらに磨きをかけていく予定です。

プレイセッション(犬田さん)

今回のプレイセッションでは、犬田さんが『Chat GPT』を活用したゲームについていくつか共有を行っていただき、実際にみんなでプレイをしてみました。

主に下記URLのゲームをプレイしましたが、その他にも『Chat GPT』自身がつくった「数字当てゲーム」「じゃんけんゲーム」「ブロック崩し」「スネークゲーム」も遊んでみました。

探偵とメイドさん version1.3 安定版
https://note.com/gearbun/n/n2774105c0353

戦国ChatGPT
https://note.com/ai_devao/n/n065601b9a3a9

新しいテクノロジーをどのようにゲームに活用するかであったり、『Chat GPT』の登場によって今後ゲームデザインがどう変化してくかなど、様々な視点でディスカッションを行うことができました。

今回のプレイセッションを通じて、改めて『Chat GPT』の強みと弱みを理解し、自分もゲームに混ぜることができないか考えてみようと思いました。今後もこうした最新テクノロジーには、積極的に触れるようにしたいです。

以上で、先週のゼミ活動報告は終了となります。それでは!

【4月20日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-04-27   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。M2の大空です。

春学期がスタートして少し経ちましたが、今学期は講義等で本郷に来る機会が増えたので、周辺のおいしいご飯屋さんをめぐりたいなと思っています。先日友人から、ご飯なら根津駅の方がおすすめと伺ったので、ぜひ一度足を運んでみたいです。個人的におすすめな場所を見つけられたら、またここで共有しようと思います!笑


さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。

今回は、事例研究(春口さん&大空)とプレイセッション(春口さん)という内容でした。

■事例研究(春口さん)

春口さんは、「天穂のサクナヒメ」というゲームを紹介してくださいました。

このゲームは、「和風アクションRPGシミュレーション」というゲームジャンルになるのですが、特徴的な点はゲームの過程でリアルな田植え体験を行うことができることです。

実際に、農林水産省公式HPが攻略サイトと言われる程、その作り込みや完成度は高いものとなっています。

本ゲームを、春口さんはゲームデザイナー視点で分析し、その内容も併せて共有してくださいました。

春口さんが注目されていたことは「遊びの手段としての学習要素」がゲームの肝になっているということです。学習ありきではないゲームデザインの考え方は、現在春口さんが制作されているゲームにも反映されているようです。

実際、同日に行ったプレイセッションでは、春口さん制作のゲームをプレイしたのですが、この事例研究で得られた学びがしっかり活きているなと感じることができました。

春口さんが紹介されるゲームは、どれも魅力的なので、自分も空いたタイミングでプレイしてみようと思います!

■事例研究(大空)

大空は、研究倫理教育で使用されている教材2点「THE LAB」「日本学術振興会eラーニング」をご紹介しました。

この2つに共通する点は、どちらも物語中心のゲーム(ノベルゲーム)に近い形式であることです。

研究倫理の教材は、主にガイドブックやドラマ型の映像教材が中心で、なかなか学習者が主体的にアクションするような教材は多くありません。その中でも、今回の事例は参加を促す仕組みが入れられています。

そもそもこの2つを事例研究として分析しようと思ったきっかけは、自身が制作を行っているゲーム教材とそれ以外の教材を比較し、まずは差別化ポイントを浮かび上げたかったためでした。

実際に発表を行い、ゼミの皆さんとのディスカッションを行うことで、それは「学習の到達目標」「定義レベルでのゲーム要素の有無」であることが明らかとなり、今後の文献研究を進める上での指針を得ることができました。

論文を構成するパーツを集める感覚で、文献を読み進めていきたいと思います!


■プレイセッション「春口さん制作_情報セキュリティゲーム」(春口さん)

プレイセッションでは、春口さんが制作された「情報セキュリティ」のゲームをプレイしました。

こちらは、完全なデジタルゲームとなっており、プレイする前からでもゲームの作り込みの細かさ、わくわくするようなデザインに惹かれました。

実際にプレイをしてみると、感覚的に操作しやすく、誰もが抵抗感なくプレイできるゲームだなと思って、純粋に楽しむことができました。

私は、昨年度から春口さんの研究テーマや構想しているゲーム像を伺っていたので、それが実際に形となり、そしてこれまで発表されてきた内容が詰まっていることが本当にすごいなと終始感心をしていました。

ゼミでのテストプレイは初ということで、このゲームがどのように進化していくかは、一人のユーザーとして楽しみです。今後のさらなる発展を期待しています!

今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!

1月12日 ゼミ報告

投稿日時:   2023-01-18   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。

HPデザインがアップデートされてテンションの上がっている大空です。
1月12日のゼミの活動報告をします。

今回は、修士2年のお二人による修士研究成果発表と、サブゼミで学生メンバー全員が参加して作成したゲームをプレイするプレイセッションを行いました。

升井さん 「修士研究成果発表
 升井さんの研究テーマは「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」です。研究の背景〜結論と考察まで一連の流れを15分間で発表いただき、升井さんのビジュアルを用いながら構造的に伝えるスキルが光った発表でした。今回の修士研究成果発表は、後日、学際情報学府内で行われる修士論文の口頭諮問の練習としての意味合いもあります。自分の研究をいかに分かりやすく伝えるかという点でもとても参考になりました。

叶さん修士研究成果発表
 叶さんの研究テーマは「ゲームプレイヤーの第二言語学習のプロセスに関する探索的研究ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー」です。叶さんの研究では、エスノグラフィーによって収集されたデータをM-GTAという質的手法を用いて分析する内容なのですが、そこで生成された概念を丁寧にご説明いただきました。質的調査においては、記述の厚さや丁寧な分析が求められますが、これらが叶さんの研究で十分に行われたことが伝わる内容でした。来年は、自分も研究発表をゼミ以外の場で積極的に行っていく必要があるため、研究のまとめ方については非常に勉強になりました。

ゼミメンバー全員「プレイセッション」
 今回のプレイセッションでは、ゼミに所属する修士学生と研究生が参加するサブゼミ(担当指導員:財津さん)で作成したシリアスゲームのテストプレイを行いました。シリアスゲームのテーマは、「SNSによる炎上問題」です。テーマ選定の理由としては、全員が身近に感じている問題であること、学際情報学府での必修講義で理論的に学んだ内容であることの2つの理由で決まりました。このゲームの目的は、情報リテラシーの授業で中高生が炎上の怖さを身をもって体感することです。その目的の達成に向けて、ゲームデザインをAタームから進めて、財津さんからのアドバイスをいただきつつ、藤本先生、木村さん、新居さんに今回プレイしていただきました。

 結果としては、目的をある程度達成することはできたかたちとなりました。今回は限られた時間の中で作成したプロトタイプということもあり、着手できていなかったゲームデザインの部分もあるので、いただいたフィードバックを元に改善し、最終的に綺麗な形でまとめることができればと思います。また、サブゼミを通してゲームデザインのプロセスで得られる気づきや発見もあったので、それは言語化して、今後のそれぞれの研究活動にも反映していければと考えています。

以上が1月12日のゼミ活動報告になります。

【12月1日】ゼミ活動報告

投稿日時:   2022-12-08   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。M1の大空です。

気づけば12月で、急に冷え込んできたことに冬をひしひしと感じています。本郷キャンパスでは、いちょうの葉が落ちて一面黄色の風景が写真映えするのですが、毎回写真を取ろうか暖かい室内へ急ごうか悩んでしまいます。結局、自分はいつも暖かさを優先してまうので、いつか写真を取りたいと思っています笑


さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。

今回は、研究進捗発表(春口さん&大空)とプレイセッション(升井さん)という内容でした。

研究進捗発表(春口さん)

春口さんは、情報セキュリティをテーマにしたシリアスゲーム(デジタル)の開発と検証をテーマにこれまで研究をされてきました。

そして、今回はそのテーマがより具体化し、高校で学ぶ「情報 Ⅰ」の範囲である「情報通信ネットワークとデータの活用」の分野で活用できるゲームの開発を行われるとのことでした。

活用シーンとしては、学校以外のインフォーマルな場で使用されることを想定されており、実験の方向性も提示していただきました。

現状の課題としては、実験を行う際の対象者である高校生をどのように集めるかということで、その点はゼミでのディスカッションの中で協力してくれる、関心がありそうな関係者の方々のご紹介がありました。

自分自身、春口さんの研究テーマはとても興味深く、開発されるゲームも楽しみなので、今後の実験(ゲームプレイ)を通して、ゲームの有効性が証明される結果が出ることを期待しています!


■研究進捗発表(大空)

大空は、今回は2部構成で発表を行いました。

1部では、前回の進捗発表で、現在の研究テーマとは別で、他の研究テーマにも検討してみたいとゼミの皆さんにお伝えしており、そのテーマが具体的に4つできたので、まずはそれぞれの内容を発表しました。

その中で、最も自分が関心をひかれる研究テーマをあらかじめ決めており、そのテーマと、なぜそのテーマにしたのかという理由もあわせて、ゼミの皆さんへご共有しました。

そして、2部では、新たなテーマである「研究倫理教育に資するカードゲーム型学習プログラムの開発と検討」の紹介を行いました。

ゲームのプロトタイプ自体はできており、今後はそれを授業に組み込む際の学習設計や理論との紐付けを行い、ゲームプレイによる評価を行っていく予定です。

研究倫理の分野における学習手法の1つとなるよう、研究による効果の証明を行い実際の実装までを修士の間で行っていきます。


■プレイセッション「ソクラテスラ」(升井さん)

プレイセッションでは、「ソクラテスラ」というカードゲームをプレイしました。

この「ソクラテスラ」は、様々な偉人の身体のパーツを組み合わせ、最強の偉人を作り出して戦わせるゲームです。

エンターテインメント性の強いゲームではありますが、内容が日本史や世界史に関わることで、プレイする中で偉人の顔と名前が一致したり、分割された偉人の名前からどの人だろうと考える瞬間が多々ありました。

ゲームでは、偉人の名前を組み合わせることで、上記の画像のような新たな偉人を作り出すのですが、この語感の面白さのようなものは留学生の方にも伝わるのかということもテーマに話し合いました。

結論としては、留学生の場合、偉人の名前を知っていることが面白さにつながっているのではないかという話になりました。

全国の書店などで販売されているゲームのため、また別の機会で遊んでみようと思います!

今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!

【10月27日】ゼミ活動報告

投稿日時:   2022-11-08   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。M1の大空です。

先日、ゲームマーケットというアナログゲームイベントに参加してきました。開催されるたびに足を運ぶようにしているのですが、年々イベントの規模や出店しているジャンルの多様さも増しているように思え、ボードゲーム業界の盛り上がりを感じました。また一方で、会場で偶然、特任研究員の財津さんにお会いして、世間の狭さも感じました笑


さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。今回は文献研究(春口さん)と事例報告&プレイセッション(大空)という内容でした。

文献研究「ルールズ・オブ・プレイ 第12章/第14章」(春口さん)

春口さんは、2つのトピックについてご紹介してくださいました。

一つは、「3つの水準のルール」についてです。ゲームのルールは3つの水準に分けられ、ゲームの同一性は①と②の関係から生じ、ルールの特異性は①と②と③の関係から生じるということを端的にまとめていただきました。

①操作のルール:説明書に書いてあるルール

②構成のルール:定石や数学的な正しさ

③暗黙のルール:空気を読むという事、マナー

もう一つは、「創発システムとしてのゲーム」です。創発システムとは少数の限られたルールから複雑性を生み出すシステムを指すのですが、ゲームが創発システムであるとプレイヤーの遊びの幅が大きく広がるといわれています。ゲームやシステムをデザイン・理解する上で必要となる知識であるとともに、本当にそうなのか?と改めて問い直すいいディスカッションを行うことができました。


■事例報告「ひみつの研究道具箱」(大空)

大空は、科学技術表現論という授業の中でプレイした、東大の生産技術研究所が開発したカードゲームを事例として紹介しました。

本ゲームは、「キャット&チョコレート」のような、いわゆる大喜利ゲームのようなゲームシステムですが、自由な回答をしていいからこそ、参加者の心理的なハードルが下がってラフに科学技術に触れられる点がポイントです。

サイエンスコミュニケーションにおいて、科学者と市民の認識のギャップを埋めること、科学をわかりやすく伝えることが課題として挙げられますが、本ゲームはそのギャップを埋めるためのハブとしてとても有効であると感じました。言い換えると、コミュニケーションツール、メディアとしてのカードゲームであると表現できます。

また、HP(http://cardgame.iis.u-tokyo.ac.jp/)を見ると、回答のアーカイブ化も行われているようで、ゲームをプレイするだけで完結しない取り組みも行われています。これにより、科学者に市民の声が届くというゲームを超えたコミュニケーションが生まれているようです。

こうしたゲーム内だけのコミュニケーションで完結しない、コミュニケーションツールとしてのメディアとしてのゲーム制作を自分も目指したいと思います。


■プレイセッション「研究倫理ゲーム」(大空)

プレイセッションでは、新たに開発した研究倫理ゲームを皆さんにプレイしていただきました。今回が、本ゲームの初のテストプレイだったので、若干不安があったのですが、無事楽しんでいただけてよかったです。

本ゲームは、現在自分が履修している「研究倫理」の授業において、もっと課題を自分事にできるツールを開発したいと思ったことがきっかけで制作しました。基本的に研究倫理では講義が中心であり、アクティブラーニングの観点で見ても、ワークシートやシミュレーション型の動画教材が多いため、新たな学習手法として提案できるのではないかと思っています。

ゲームでは、課題に対するそれぞれの価値観が鮮明になるように、ゲーム内 / 外で話し合いができるようにデザインしました。テストプレイをして、自分が思っていた以上に、そこが大きく浮き彫りになったので、個人的に嬉しかったです。今後、改善を重ねて世に出せるように進めていこうと思います。

今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!

「親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学」を開催しました

投稿日時:   2022-11-01   投稿者:   osora

皆さんこんにちは。M1の大空です。
今回は、先日開催された『親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』についてご報告します。当日は、自分もスタッフとして一部参加したのですが、大盛況で親子揃ってマイクラを楽しみつつ、学びを得られている姿を見れたので、その様子をたっぷりとお伝えいたします!

そもそも『親子で楽しむマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』とは

株式会社イオンファンタジーとの共催で開催された本イベントは、同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」の講師陣によるリアル参加型ワークショップです。同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の研究成果として、多くのお子さまに大人気の「マインクラフトの教育版」を使用して実施するものでした。

本ワークショップの特徴は以下の2点です。

①デジタルゲームの学び体験
教育版マインクラフトの特徴を活かした学習プログラムを体験できます。東京大学の会場とオンラインの講師を接続して、ゲーム空間での遊びから楽しく学ぶ力を育みます。

②多人数でのマルチプレイ
チーム対抗チャレンジを取り入れたレッスンです。チームメンバーで助け合いながら、オリジナルの建築物などをマイクラワールド内で制作します!

今回は10月22日(土)〜23日(日)にかけて全4回の開催でしたが、とても好評だったので、早速第2弾も近々発表されるとか…!応募枠の関係で、今回参加できなかった方々も、ぜひ第2弾にご期待ください。


さて、概要をお伝えできたところで、当日の様子についてご報告いたします。

まず、会場は以下のような形式となっていました。子どもたちはPCの前に座って実際にマイクラをプレイするのですが、親御さんもその隣でタブレット端末から接続し、お子さんと同じ世界で同じものを見れる工夫がなされていました。

ただ、こうして見ると、コミュニケーションの時間はしっかりあるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、安心してください。本ワークショップでは、しっかりとその点もフォローされています。具体的には、以下の3点がなされていました。

①2種類のチームワーキング

先程の画像ではわからないのですが、実は子どもたちは2つのチームに分かれています。そして、ゲームでは、相手チームが隠した宝石を探して見つけ出すチーム対抗戦の宝探しを行います。ただし、ただの宝探しをするのではなく、その過程において通常とは異なるポイントがありました。一つが、マインクラフトと聞いてまず想像する、協力して建物をつくる要素です。もう一つが、いきなりゲームスタートするのではなく建物を立てたら、どこに宝石を隠すのか、どのようにして勝つか戦略を考える要素です。

それぞれのチームで、この協力して建物をつくる+協力して勝利のための戦略を考える時間がしっかりと設けられていることで、コミュニケーションの時間が取れ、子どもー親の間のコミュニケーションだけではなく、子どもー子ども間も自然と発生する仕組みができていました。

②Zoom接続&アバター

では、写真を見る限り、子ども達はPCの前にいるので / ヘッドフォンをしているので、子どもー子ども間 / 子どもー親のコミュニケーションは本当にできるの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。その解決策として、皆さん現地にはいるのですが、PC上でオンラインWeb会議ツール(Zoom)にも接続して、お互いの声をクリアに聞くことができるようになっておりました。

また、先程2つのチームに分かれていることをお伝えしましたが、それぞれのチームには専用のアバターが用意されていました。一つはアニメ『鬼滅の刃』で、もう一つもアニメ『呪術廻戦』のキャラクターのオリジナルアバターだったのですが、これにより、初めましてでお互いの名前が明確にわかっていない状況でも、例えば「炭治郎(鬼滅の刃のキャラクター)の子」のような形でお互いを認識、呼び合うことができていました。

③オンライン&現地のファシリテーター

本ワークショップでは、ゲームの進行役兼、学習のサポート役として、Zoom・現地両方にファシリテーターがいらっしゃいました。もちろん、はじめてPC版マイクラに触れるお子さんやそもそもPC操作に不安があるお子さんでも、プログラムの進行上でフォローは行われるのですが、ファシリテーターによる個別の丁寧なサポートもあるため、最初はちょっと動かし方がわからない!というお子さんでも、30分もすれば完全にマスターできるようになっていました。


では、最後に当日スタッフとして参加した自分の感想をお伝えしようと思います。

まず驚いたのは、子ども達の吸収力の高さです。前述したとおり、PCに不慣れなお子さんでもプログラムやスタッフのサポートがあるので安心だったのですが、それ以上に一人ひとりのお子さんのスキルの習得の早さによるものが大きいと感じました。

私もそもそもマイクラが初だったので、軽くプレイさせていただいたのですが、正直自分よりもお子さん達の方がマスターするまでのスピードは早かったと思います。

また、これは自分の性格的なところなのかもしれませんが、プレイのスタイルとして、マニュアルをまずは見ながら建物を立てていったのですが、一方で、子ども達は大体の感覚が掴めたら、自分が頭の中で思い描いているものをアウトプットする形で自由に建物を作っていっていたのも印象的でした。

論理的思考力やコミュニケーション力以外で、こうした子ども達の創造性を肌で感じることができました。それもやはり、マインクラフトというゲームシステムの強さだと思います。当日は、親御さん達も夢中になっていらっしゃったので、お家でもマイクラを楽しんでいただきたいです。

さて、最後にはなりますが、また第2弾の企画も進められているということで、この記事をご覧になった方は、ぜひ次回ご参加いただきたいです。スタッフとして、皆様とお会いできることを自分自身、楽しみにしております。それでは、また来週!