月別アーカイブ: 2024年5月

【4月25日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2024-05-02   投稿者:   jona

皆さん、お久しぶりです!研究生のジョナです。

木曜日は晴れ渡った天気になり、駅まで自転車で走るのがとても気持ちよかったです。

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今回の記事で、まずサブゼミについて少しご紹介できればと思います。

今学期より木村先生から、研究に必要な統計法やデータ収集法、またゲーム教育論に関連する知識を教える学びの場としてサブゼミを開講してくださいました。

オリエンテーションの後、科学とは何かという内容から始まりました。科学は:実証性、論理性、再現性、反証可能性がある必要があります。研究を行う上であれば、それらの性質が自身の研究に揃われているかを常に問い続けなければなりません。

サブゼミは学習だけでなく、振り返りや討論の場としてもありがたい機会だと思いました。

以上簡単な紹介となりますが、今後のサブゼミがとても楽しみです。


さて、ここからゼミのご報告に入りたいと思います。

本日のゼミでは、莫さん斎さんの研究計画発表と大空さん犬田さんジョナの研究進捗報告でした。では発表順にご報告いたします。

研究生 ジョナ

私は春休みに自身の研究テーマを見直しました。継承語教育では、学習者がコミュニティーベースで学習を行うことが多いため、子供たちが興味を持つのが難しいなど、様々な課題が存在します。私はゲームを通して、どのように継承語の教育現場を支援できるかに関心を持っています。

当初はデジタルゲームの設計を考えていましたが、それが実際の学習現場のニーズに適合するかどうかについて疑問を持ちました。その結果、アナログゲームの方が試行錯誤を繰り返しやすく、改善しやすいかと考えるようになりました。これから解決すべき課題や決めるべきものは多くありますが、体験や学習を通して視野を広げ、理解を深めていきたいと思います。

研究生 斎さん

斎さんはFlowの研究に深い関心を持ち、特定のゲーム要素がどのFlow要素と対応するかを、具体的なゲーム事例を基に研究したいと考えています。現時点では、「Baba is you」と「Keep Talking and Nobody Explodes」の二つのゲームを事例として取り上げることを検討しています。

「baba is you」は広く知られたインディーゲームで、そのゲームシステムはプログラミング思考にも関連しています。斎さんはこの要素を活用し、対象学習者の学習を促進する方法を探求しています。一方、「Keep Talking」は、二人で協力して爆弾を解除することを目的としたゲームで、論理的思考や協同作業などを学ぶことが期待されるようです。

斎さんが取り組んでいる研究からはゲームの要素とFlow体験の関連性を深く理解したいという強い思いを感じました。

M1 莫さん

莫さんは、Murder Mystery Game(MMG)を活用して、チームベース学習(Team-Based Learning)を向上させるゲーム設計について研究しています。前回の記事でも紹介されたMMGは、近年非常に人気があり、多くの人々が楽しんでいるようです。

MMGは、形式的には人狼ゲームに似ていますが、独自のシナリオとロールプレイング要素によって、より深い没入感を体験できるゲームです。共有知識(Shared Knowledge)と非共有知識(Unshared Knowledge)の差を利用して、チーム内の交流を深めるという莫さんのアプローチは非常に興味深いと感じました。

M2 大空さん

大空さんからは研究進捗をシェアしてくださいました。QRPゲームを題材として、いろんなところで実践を行っているようです。

現在、生成AIの倫理について多くの場所で議論が行われており、今後大空さんの研究倫理ゲームでも取り扱うことがあるため、研究室で活発な討論が行われました。AIの進化とその利用、そしてその正しい利用は、人々がAIを活用するにつれて避けて通れない課題となっています。大空さんの研究は、研究の現場だけでなく、多様な分野での論理教育においても、重要な意義を持つと思いました。

M2 犬田さん

犬田さんからは進捗報告と今後の予定の発表を行いました。犬田さんはクラウドソーシングゲームの研究を行い、今後の研究でナーミアの自由意志を取り扱った内容を用いて、ゲームの具体的な開発に取り組む予定だとのことです。

Stable DiffusionやMidjourneyなどの画像生成AI技術を研究に活用し、この分野のゲームを新たな手法で拡張することを目指しています。

ゲームの画面や、完成したゲームがどのようになるのかをシェアしてくださいました。完成後のゲームが楽しみです。

以上が4月25日ゼミのご報告となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


最後に少しだけ、個人の活動報告として、ゲームマーケットに行った体験を共有したいと思います。

ボードゲームの大規模なイベントとして、ゲームマーケットでは多くのメーカーや個人開発者が出展していました。驚くほど多くのテーマやメカニズムを目にして、実際に遊ぶことで、ゲームの幅広さに改めて感銘を受けました。

平安時代の色や歴史上の戦争などを扱ったゲーム、また、ルールの大部分を自分で決定するゲームなどあり、いろんな方にも説明してもらい、充実な一日を過ごせました。文化や歴史をテーマにしたゲームも非常に多く、学びとのつながりも様々だなと感じました。

私は、「じゅもんじ」という文字遊びのゲームと「ワンナイト人狼-狂気ver」という少し変わった人狼ゲームを購入しました。早く遊びたくてたまりません!

今後もこのようなイベントに参加することで、ゲームとの接触を深めて行きたいと思います。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

楽しい毎日を!Bayartai!

【12月21日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2024-01-04   投稿者:   jona

皆さん、こんにちは。研究生のジョナです。

12月21日に行われたゼミ活動のご報告をさせていただきます。

今回は犬田さんの事例研究と春口さんの修論チェック大会でした。

事例研究(犬田さん)

犬田さんはGamified Surveyを開発するに必要な参考事例として、プレイヤーのデータを収集し分析するゲームを2つ紹介しました。

1.Refind Self: 性格診断ゲーム

このゲームでプレイヤーは感情を持つロボットとなり、自分を作った博士との思い出の場所をたどりながら、ストーリーを進めていきます。プレイヤーのゲーム内での行為は主人公の性格要素と対応しているので、合計された性格要素で性格診断をすることができます。

また、ゲームを繰り返しプレイすることで秘めた性格や遠い性格がわかり、性格診断結果を他者と比較することもできるなど、独特な要素が含まれていました。

2.The Trolley Game

このゲームはトロッコ問題(Trolley Problem)をシミュレーションしたものです。トロッコ問題は「ある人を犠牲にして、より多くの人を救うのは許されるか」という論理学の思考実験であり、この問題には様々なバリエーションもあります。プレイヤーはレバーを引くかを判断し、自分の選択結果が反映されるのを、ゲームによってリアルに感じることができます。

以上のゲームはプレイヤーのデータをゲーム内で活かしています。特にRefind Selfは質問回答にかかった時間のログデータや他人との即時的比較データなど、とても細かいデータを利用し、プレイヤーの分析をしていました。また発表後には、データが何を反映しているのか、またその背景に科学的根拠をどう設置するかについて討論も行われました。

修論チェック大会(春口さん)

春口さんから修士論文のドラフトをGoogle Driveでゼミメンバーに共有し、ゼミの残りの時間を利用して、みんなでコメントや考えを書き込みました。修論チェック大会は論文の構成、フォーマットなど注意すべき点を身近で学ぶ貴重な機会にもなると考えました。

今回のゼミ活動報告は以上になります。

2024年も、どうぞよろしくお願いします!

【11月9日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-11-17   投稿者:   jona

こんにちは。研究生のジョナです。

段々と寒くなっているこの季節ですが、外で食べる暖かい焼き芋の美味しさなど、この時期ならではの幸せも多く感じ取っています!みなさんはいかがお過ごしでしょうか!

早速ですが、先週のゼミ活動のご報告に入りたいと思います。今回のゼミ活動は文献研究(M2大空さん、M1濱田さん)とプレイセッション(木村先生)でした。

文献研究 M2大空さん 

<教育デザイン研究の理論と実践> 第6章 評価と省察

文章では評価と省察の全体像からはじめ、それぞれがどういうものか(評価はデザインとプロトタイプについて洞察を得るため用いる、省察は評価から得たものを振り返って考察する)、またそれらを行う理由及び効果、実施する際のポイントなどが紹介されました。

評価は計画、フィールドワーク、意味づけという3つのステップで構成されます。省察は有機的な省察と構造化された省察の2つのステップで構成されています。

大空さんは自分の研究の各段階が文章でどのステップと当てはまるかを詳しく説明してくださいましたので、内容を非常に具体的に理解することができ、今後自分の研究を進める参考にもなりました。

発表後の討論では「自分の研究を他人に伝える際にちゃんとしたフレームに従って文書化する必要性」や、「brush upを繰り返し行う開発研究では、経験をリソースとして次の開発に繋ぐ時に必要」、「実験ノートの必要性」などと、先生方から多くの貴重な意見がありました。

文献研究 M1濱田さん 

Reinders, H. & Wattana, S. (2014). Can I Say Something? The Effects of Digital Gameplay on Willingness to Communicate. Language Learning & Technology, 18(2), 101–123.

この論文はEFL(English as a Foreign Language)に関する論文で、コミュニケーション意欲(WTC, Will to Communicate)の調査方法などを取り扱った、濱田さん自身の研究ととても関連性の高い内容でした。

この研究ではオンラインゲームをプレイすることが英語学習者のコミュニケーション意欲にどんな影響を与えるかを調査し、特別に設定されたクエストを行うことでWTCにどんな変化が生じたのかをアンケート調査で測定しています。結果、学生の英語への自信や言語不安、コミュニケーション能力などの領域で明らかな改善が見られたことで、ゲームベース言語学習の教育効果が肯定されています。討論の段階では、論文で扱う調査方法の適切性についての議論が行われました。

プレイセッション 木村先生 

<トラベル島のニャンコ>

今学期の始まりに一度木村先生が紹介してくださった<トラベル島のニャンコ>という農場経営ゲームをメンバーでプレイしました。自分のペースで「適当に遊ぶ」組(5人)と何かを目的にして「頑張って遊ぶ」組(5人)に分け、ゲーム内で自由に活動しました。プレイ前後にはFlowの研究調査として事前テストと事後テストを行いました。

このゲームは農作物や畜産物を収集又は加工し、島を訪れる猫たちに売ることで、経験値と財産を増やしていく流れとなっています。私は頑張って遊ぶ組でしたので、ゲーム内でコインを多く集めることを目標とし、時間ギリギリまで挑戦しました。ゲーム内で得た成果をみなさんで共有した結果、頑張り組のランクがやや高いとなりました。

討論の段階ではFlowに関して、ゲームをやっている最中にデータを取れない点、個人差が存在する点、<トラベル島のニャンコ>は適切なゲームになるかどうかなどについて議論されました。木村先生によると、Flowの研究で最も多く扱われているゲームはTetrisだそうです。Tetrisを思い出すとなんとなくその理由がわかる気がしました。

以上が11月9日のゼミ報告となりますが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

では、また次の記事でお会いしましょう!

【10月5日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-10-11   投稿者:   jona

Sain Bainuu(こんにちは)!

皆さん、初めまして。研究生のジョナです。

中国内モンゴル出身で、今学期から研究室でお世話になります。

先週10/5に行われたAセメスター初のゼミの報告を担当することという、ありがたい機会をいただきました。

早速ゼミ活動のご報告をしていきたいと思います。今回のゼミ活動は私(ジョナ)の自己紹介と皆さんの夏休み活動報告でした。

最初に、藤本先生から研究室の紹介をしていただきました。活動報告では自分が取り組んでいる教科書の出版や事例研究のゲームなどを紹介しました。その中、ポケモンスリープについて、メンバーで何人か遊んでいるようで、使いやすさなどについて面白い討論もありました。

続いて、私から挨拶と自己紹介、研究関心について発表しました。

私の研究テーマは少数言語学習・文化体験ゲームのデザインです。具体的に説明しますと、モンゴル語学習を例に、ゲーム内で言葉や文化の環境を体験することで、いかなる学習効果を得るかについての研究です。大学では情報科学・技術を専門としていました。言語学習にも以前から興味を持ち、これからは今まで学んだ知識を活かしながら、少数言語学習に役立てるゲームをデザインしたいと思っております。

引き続き、夏休みの活動について発表順にご報告したいと思います。

M2春口さん:いくつかの会社から内定をもらい、その中で、とある会社で就職することがお決まりになったそうです。おめでとうございます!友達との東京観光や修士の皆さんでお食事など活動もいろいろあったようで、とても思い出の残る夏休みだと思いました。

M2大空さん:研究ではDIGRAでの発表、ゲームのテストプレイ、デザインの完成、FOST申請、論理審査申請など、研究以外にも親子ゲームジャムや関連論文と事例の研究など多くの活動を行ったようです。今後の履修登予定や日程の計画をはっきり立てていることが非常に勉強になりました。

財津先生:八月末に行われた親子ボードゲームジャムとその調査などについての報告を行い、実験の準備や論文執筆などを進めたようです。過去のデータと合わせて、今後の論文化や発表を目指しているとのことです。研究外活動で上方から撮ったアローラナッシーの写真は面白かったです!

M1濱田さん:多くのワークショップに参加し、自分でも企画したとのことを聞いてとても憧れました。この夏は広島に行って、Minecraft Eduのワークショップに参加したそうです。歴史や平和教育にゲームの活躍する可能性について新たな知識を得ることができました。

M1犬田さん:発表や学会活動以外にフロントエンド言語やphotoshopなど勉強し、就活にも力を入れたようです。自分で作ったゲームプラットフォームをお見せしました。研究や学習以外も美術館や映画など豊富な活動をしていて、とっても充実な夏休みの過ごし方が参考になりました。

坂井先生:家族、仕事、そして研究活動、全てに「Mission Complete」という印象的なマークをつけたかっこいい報告でした。特に、論文の文字数の変化には驚きを感じました。また、下鴨神社の御手洗祭については初めて知りましたが、その紹介を聞いて、ぜひ訪れてみたいと感じました。

新居先生:夏休みにはユニバーサルスタジオで楽しい時を過ごされたとのことです。キュートなポケモンの食べ物の紹介もしていただき、非常に興味を引かれました。楽しく遊べるための経験談もいっぱい共有していただき、ユニバーサルに行くときは参考にしたいと思いました。

木村先生:基礎文献紹介の記事の執筆、心理学の主要な概念の整理、研究メモのノート作成などの内容で報告をしました。事例研究で二つのゲーム(トラベル島のニャンコ、グラブル)を取り上げ、それぞれのゲームについて様々な情報を共有してくださり、大変興味深かったです。

以上がゼミ報告となりますが、不十分も多くあると思いますので、次からは皆さんが発表する際に十分な記録をして、知らないものを検索し、多様な感想を出せるようになりたいと思います。

また、藤本先生の冒頭の研究室紹介で、InputとOutputを重視していることを知り、これからは両方も欠かせないように、Inputしているもの(論文、事例研究)をよく整理し、Output する力(発表、文章作成)を高める方面で頑張っていきたいと考えました。

今回のゼミ活動の記録もまた、Output の力を高める一つの機会であり、大切にしたいという気持ちで書きました。

ゼミの後、メンバーの皆さまから温かい歓迎会を開催してくださり、美味しい料理と飲み物を沢山ご馳走になりました。お腹も心も幸せに満たされ、楽しい時間を過ごしました。OBの方(升井さん、池尻さん)も参加してくださり、いろんな話を聞くことができました。皆さんといろんな共通話題を見つけることができて、うれしい限りです。

次のゼミでは、研究計画について発表することになっており、研究室の皆さんの貴重なアドバイスや意見をお聞きできることが楽しみです。

これからは研究に限らず、いろんな方面でメンバーの皆さんから学ぶことになると思います。人間としての成長を得られることが楽しみです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。これから、どうぞよろしくお願いいたします。

また次の報告記事でお会いしましょう!

Bayartai(さようなら)!

ジョナ(卓娜/Jona Honuud)