月別アーカイブ: 2023年5月

【5月11日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-05-19   投稿者:   inuda

みなさん、こんにちは!M1の犬田です。

今週になり最高気温が30度を超える日が出てきて、いよいよ初夏がやって来たなと感じます。キャンパス内でも半袖を着る人が多くなってきて、私が長袖のパーカーで授業に行くと友達に「よくそんな暑そうなの着れるな」と言われるようになってきました。そんなこんなで、最近はそろそろ衣替えをせねばとぼやーと考えています笑


さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。

今回は、文献研究(春口さん)と、事例研究(大空さん)、プレイセッション(大空さん)という内容でした。

■文献研究(春口さん)

春口さんは、『学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザイン理論とモデル』という書籍の「8章 学習のためのゲームデザイン」について発表してくださいました。

8章では、学習のためのゲームデザインの普遍原理として、「ゲームのビジョンを作る」、「ゲーム空間の設計」、「教授空間の設計」の3つが挙げられていました。

「ゲームのビジョンを作る」では、学習ゴールを設定すること、ゲーム内の要素と現実のものの特徴が一致している真正性があること、徐々に難しくなるような難易度構成にすることなどが書かれていました。「ゲーム空間の設計」では、ゴール、ゲームの仕組み、ルールといったゲームの構成要素を設計する方法が書かれていました。「教授空間の設計」では、教授空間を設計する上で、難易度の調整やヒントを与えるコーチング、フィードバック、例示、練習機会の提供について考慮する必要があると書かれていました。

春口さんは、この普遍原理を、自身が作成されている「通信プロトコルと階層の学習を支援するゲーム」にも適用し、よりよい学習用ゲームを作成するためにはどこを新たに磨くべきか検討されていました。具体的には、プロトコルについての解説機能の実装と、その解説機能とゲーム機能の連動について考えられていました。

今回の春口さんの発表は、ゲームデザインの理論を実践にどう用いるかについて、わかりやすくまとめられていて、理論を実践に移す際に大変参考になるなと思いました。

■事例研究(大空さん)

大空さんは、事例研究として防災シミュレーションカードゲーム『クロスロード』を紹介してくださいました。

このゲームの目的は、2つあります。1つ目は、災害対応に関する様々な意見や価値観を参加者同士で共有すること、2つ目は災害に対して誠実に考え対応するために、災害が起こる前から考えておくことです。

ゲームのルールは、カードに書かれた災害時に起こりがちなジレンマ(例:ペットを避難所に連れていくか)に対して、参加者はYesかNoのどちらかを選び、その選択肢のカードを伏せます。そして、一斉にオープンし、参加者同士で意見交換を行います。多数派とオンリーワンの人は座布団をもらうことができ、ゲーム終了時に最も座布団の多い人が優勝です。

現在大空さんが作成されている研究倫理教育のカードゲームとクロスロードの共通点は、答えのない問題に対して意思決定をする点です。研究では、研究不正とは言えないが責任ある研究活動とも言えない、「疑わしい研究活動」が生じています。この「疑わしい研究活動」の是非という問題と災害時のジレンマは、答えを出すことが難しい、もしくは答えがないという点で共通しています。

大空さんは、この類似性から、クロスロードのゲームデザインの一部を自身の研究倫理教育のカードゲームに応用できないか検討されていました。

大空さんの発表で、事例研究を通じて実際に自身のゲームに使えそうな部分を見つけだす方法について学習することができました。

■プレイセッション(大空さん)

プレイセッションでは、大空さんが現在作成されている『QRPゲーム(仮)』というボードゲームをゼミのメンバーで遊びました。

このゲームのルールについて簡単に説明します。まず、親と子に分かれます。そして、上記でも述べた「疑わしい研究活動(QRP)」の具体的な事例が与えられます。子はその事例が研究倫理的に問題があるかないかを5段階で評価し、一方で親は子が5段階のうちのどれを選ぶ人が多いかを当てにいきます。そして、それぞれがどれを選んだのかを見せ、そう評価した理由について話し合います。親は、同じ評価を選んだ子の人数分だけポイントを獲得することができます。この一連の流れが終わる度に、親を交代していきます。

すごいなと思ったポイントは沢山あるのですが、今回は3つ紹介します。1つ目は、遊ぶ前に見る研究倫理の背景知識に関するスライドの完成度の高さです。研究不正の全体像からはじまり、疑わしい研究活動まで網羅的に、そして端的に分かりやすくまとめられていて、すっとゲームを始めることができました。2つ目は、遊ぶ際に使うカードのデザインの美しさです。必要最小限の文章量と人物の絵がプレイヤーに見やすいように配置されていて、ストレスなく遊ぶことができました。3つ目は、不正防止のための工夫です。このゲームはチーム戦なのですが、ゲームが始まる段階では誰とチームかは分からず、ゲーム終了後に公開されます。そのため、勝つために点数をわざと下げるような行為が起きないようになっています。

実際にゲームプレイをしてみて、とても楽しく、そして多くの学びを得ることができました。特に先生方と一緒にプレイすることで、研究倫理に関する持つべきスタンスを学ぶことができました。一方で、答えがないとは言え、学生のみでプレイすると明らかに誤った結論になってしまう危険性も少しあるかなと思いました。ただ、この点については、考え方の指針をヒントとして示すことで解決できる問題だろうなと思いました。

今回の報告は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。来週の記事もぜひお読みください!

【4月6日】自己紹介&ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2023-04-13   投稿者:   inuda

はじめまして、今年度から藤本研究室に所属することになりましたM1の犬田です。

研究テーマは、「ノベルゲームを用いたアンケート調査法の開発と効果検証」です。具体的には、特定のテーマのノベルゲームでのプレイヤーの選択をトラッキングすることによって、意識や価値観を把握することができるような仕組みを開発し、効果検証する予定です。学部では、「クラウドソーシングゲーム」というプレイヤーに社会課題の解決のために必要なタスクを手助けしてもらうゲームの理論的研究を行っていました。大学院では、この理論的な背景をもとに、上記のようなクラウドソーシングゲームの開発や効果検証を行っていきたいと考えています。

藤本研究室の皆さんは、「ゲーム」という共通の軸はあるものの、アナログゲームからデジタルゲームまでほんとうに様々な事柄について研究されています。このような多様な研究関心を持った方々が集まる場に所属することができることに感謝しつつ、貪欲に学習して自身の研究に活かしていきたいと思います。加えて、藤本研究室の皆さんに少しでも刺激や学びを届けられるように、精進してまいります。

皆様どうぞよろしくお願いいたします。

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併せて、4月6日に開催されました、ゼミ活動について報告いたします。

本ゼミでは以下のような発表がありました。

・オリエンテーション(自己紹介)

オリエンテーション(自己紹介)

新年度になり初めてのゼミということで、オリエンテーションとして自己紹介がありました。

濱田さんは、私と同じく今年度から藤本研究室に参加される方で、マインクラフトを用いた研究をされるとのことでした(次回の記事で研究内容の詳細を紹介してくださると思います)。学部では、ペルシャ語について研究されていたそうです。趣味は音楽と絵で、海外のアーティストにも造詣が深い方でした。海外に対してもアンテナをしっかりと張られていて、自分も見習わなければと思いました。

は、冒頭の自己紹介でも述べたのですが、学部では「クラウドソーシングゲーム」の理論研究を行ってきたので、大学院ではそれを基にゲーム開発も行っていきたいと思います。好きな食べ物は、セブンイレブンのミートソースパスタです。

坂井先生は、武蔵野学院大学で教鞭をとられており、今年度から藤本研究室に参加される先生です。これまでは、ストレス・メンタルヘルスに対するゲームの効果について研究されてこられました。日本教育工学会で論文を多数投稿されていて、国際学会での発表も経験されています。また、公共機関や大企業など様々な組織に対して、ゲームを用いた研修も行われてきました。現在は、ゲームと死生観をテーマに研究されているとのことでした。ゲームでは、疑似的な死に触れる機会が多いので、とても興味深いテーマだなと思いました。研究者の傍ら、お父さんとしても家族を支えられており、尊敬だなと思いました。

春口さんは、「情報Ⅰ」の学習を支援するシリアスゲームの開発について研究されています。春休みは、就職活動とゲーム開発をして過ごされていたそうです。就職活動では、ESを書いて、WEBテスト・適性テストを受けてを何社も繰り返されていたそうです(大変そう、、、)。プログラミング技術に精通されていて、趣味もプログラミングとおっしゃられていて、根っからの開発者なのだなと思いました。また、「Live2D」という2Dイラストを3Dにするソフトウェアについても紹介してくださいました。新たな技術に積極的に触れられている姿を見て、自分も見習わなければと思いました。

大空さんは、研究倫理教育のカードゲーム型学習プログラムの開発に関する研究をされています。現在、ボードゲームを用いた人材育成・研修プログラムの開発をする企業で働きながら、大学院に通われています。春休みは、めちゃくちゃに働いたそうです。さらに、学校などと連携しながら、ボードゲームのワークショップを開催されるなど、ボードゲームを主軸に様々な活動をされています。積極的に活動されていることがビシビシ感じられて、もっと自分も行動せねばと思いました。また、自己紹介では、人生の節目ごとの選択を紹介いただいたのですが、どれも細かく言語化されていてすごいな!と思いました。

財津先生は、ボードゲームを通じてプレイヤーはルールに対する態度を学習しているのでは、という仮説を主軸に研究を進められています。デジタルゲームでは、ルールの部分が自動化されている一方で、ボードゲームはルールの部分も人間が行わなければならないので、ルールに対する態度を学習できるという考えは、ほんとうに興味深いなと思いました。また、サイコロ塾というサークルも運営されていて、最近ではクラウドファンディングによるボードゲームの開発を行われました。加えて、ボードゲームジャムなどのワークショップの開催なども積極的に行われています。研究者として、従来の学問の枠組みに閉じるのではなく、社会と接点を持ちながら協力してプロジェクトに取り組む姿勢も学んでいかなければと思いました。

木村先生は、心理学の知見を基に、生理指標を用いたゲーム研究をされています。これまでには、対戦格闘ゲームとほのぼのゲームの活力感の変化を比較する研究などをされています。現在は、fNIRS(機能的近赤外分光法)という血液中のヘモグロビンの酸素化状態の変化を非侵襲的に計測できる機器を用いてゲーム研究をされていらっしゃいます。ゲーマーの側面もお持ちで、『グランブルーファンタジー』をこよなく愛しているとのことでした。藤本研究室では、唯一の生理指標を用いた研究をされていらっしゃる方で、貪欲に研究手法や考え方を学習していきたいと思っています。

新居さんは、学術専門職員の方で、藤本研究室の運営をサポートしてくださっています。台湾が好きで、よく行かれるとのことでした。もし話したいことがあれば、いつでもチャットをくださいとおっしゃられていて、心強いなと思いました。

藤本先生は、みんな知っているだろうということで簡単な自己紹介をされた後、今年度の夏までの活動計画について説明されました。藤本研究室のゼミ活動は、楽しみながらも、着実に研究の素養を学習することができるように設計されていて、これからのゼミ活動が楽しみです。このような場所に所属できることを感謝しつつ、改めて研究、学習に励もうと思いました。

以上が本ゼミの活動報告です。

来週は、所属学生の研究構想や進捗の発表があります。研究の詳細について聞けるということで今からとても楽しみです!来週の記事もぜひご覧ください。