【7月7日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、M2のイェです。
今週のゼミ活動を報告させていただきます。

研究テーマ関連論文紹介 升井さん
升井さんがゲーミフィケーションのパーソナリティに関する以下の2本の論文を取り上げられました。

  1. User types HEXAD (Marczewski, A. 2015)
  2. The Gamification User Types Hexad Scale (Tondello, G. et al.,2016)

1本目の論文は、ゲーミフィケーションのパーソナリテイ分類の基礎となった文献です。バートルをはじめ、様々なゲームプレイヤーのタイプ分類がなされてきましたたが、ゲーミフィケーションに特化したものはこれまでなかったです。そこで、この論文は、ゲーミフィケーションを使用する際には、ターゲットの属性に適したゲーム要素を取り入れてデザインすることが大切だと主張しています。

2本目の論文は、Marczewski の提唱したHexad user types の測定方法(テスト)を考案した研究です。Marczewskiの提唱したHexadモデルは、①Hexadユーザーの嗜好を測定する標準化されたプロトコルがない、②実験的な実証がされていない、という問題点が存在しています。本研究はその二つのギャップを埋め、テストの妥当性が担保され、ゲーミフィケーションのデザインに有用なことが示されました。

関連論文概要紹介 春口さん
発表のキーワードは「産業界の実践」とされ、日本とイタリアの情報セキュリティを学ぶ大学院のカリキュラムコンセプトから、情報セキュリティ教育の要点とシリアスゲームが有効である切り口などについて検討しました。具体的には、日本の情報セキュリティ大学院大学の実践と、バーリ大学(University of Bari) の修士課程である「The Hack-Space」のコンセプトが取り上げられました。

調査結果における注目点は二つあります。まず、①理論の構造や抽象的な概念ではなく、産業界の実践をもとにカリキュラムが構成されている点という点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学は、「技術」「管理運営」「法制度」「情報倫理」という概念によってカリキュラムが作られています。

また、②SOU、CSIRT、SUの3つに業務を整理することに知識の有用性に説得力があるという点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学はコースの内容を技術系とマネージメント系の2 つに分けています。

今回の報告は以上になります。

M2の皆さん、再来週の中間発表会に向かって頑張りましょう!

参考文献

  • Marczewski, A. (2015) User types HEXAD. Even Ninja Monkeys Like to Play: Gamification, GameThinking &Motivational Design. CreateSpace Independent Publishing Platform, pp.69–84.2.
  • Tondello, G. F., Wehbe, R. R., Diamond, L., Busch, M., Marczewski, A., and Nacke, L. E. (2016). The Gamification User Types Hexad Scale. In Proceedings of the 2016 Annual Symposium on Computer-HumanInteraction in Play , pp.229-243.
  • Teaching Cyber Security: The Hack-Space Integrated Model Maria Teresa Baldassarre, Vita Santa Barletta, Danilo Caivano,Domenico Raguseo , Michele Scalera

【6月9日】ゼミ活動のご報告

皆さんこんにちは。M2の叶です。

最近は紫陽花の季節になり、本郷三丁目駅から本郷キャンパスまでの景色は最高ですね。ゼミ活動も、対面で行うことになっており、ゼミに行くたびに花見ができて幸せです。

早速、先週のゼミ活動について報告させていただきます。 先週はまず、M1の二人の研究進捗発表の回とでした。 それぞれの発表についてご紹介します。

研究テーマ:初学者のための情報セキュリティ教育ゲームの開発(春口さん)

春口さんは今回、二つのキーワードを取り上げて先行研究の調査結果を報告しました。

一つ目のキーワードは情報セキュリティ分野においての専門用語「CTF(Capture The Flag)」です。CTFは、実践型の情報セキュリティ学習システムでもあり、提示された情報やお題から特定の文字列(Flag)を見つけ出し、フォームに入力する事が目的となり、クイズ形式と攻防戦形式があります。取り扱う分野の種類は、リバースエンジニアリング、エクスプロイト、WEB、フォレンジックスなどがあります。

二つ目のキーワードは「成人学習理論*1」です。その紹介を踏まえて春口さんはアンドラゴジー(Andoragogy)とペダゴジー(Pedagogy)の比較をしました。情報セキュリティの学習がアンドラゴジー的だという結論に至りました。その後のディスカッションの中では、学習者の年齢にこだわらず「経験学習モデル」なども先行理論として適用できるのではないかというゼミメンバーの意見もありました。

以上の調査した結果に基づいて、春口さんの研究テーマの中の「初学者」の定義がさらに明らかになってきました。また、今後のゲーム開発においては、特に初学者のモチベーションを高めるためにCTFを扱う可能性も検討されました。」


研究テーマ:企業の人的資本経営に資するゲーム型研修プログラムの開発・検討(大空さん)

大空さんは、学部時代に制作したキャリアデザイン研修「CAREER MAKER」とこれから作成する新作ゲームを一つのプログラムとして、同一の被験者に対して実施し、その評価を行うという研究の構想を今回のゼミで発表しました。

調査対象者に関しては大手企業の新入社員層、20名程度(社会人1年目〜3年目)に特定されました。調査項目は、職業的側面に限った狭義の意味の「キャリア観」の変化とプログラム自体の満足度と設定されました。

大空さんが制作予定の『企業内人材育成ゲーム』は、仕事人生の設計について考察の機会を与えるという新入社員のニーズだけでなく、会社のニーズ、例えば会社の構造・システムの理解・早期離職の予防・就業へのモチベーション向上などにも対応しています。今回は、『ビールゲーム』というMITの教授が考案したビジネスゲームの影響を受け、大空さん自作したプロトタイプを紹介しました。ゲームのイメージとしては、各プレイヤーは別々の企業の人事になり、次世代リーダーの育成を担当し、各年ごとのKPIを達成することを目標としている。勝利条件としては、多くの次世代リーダーを輩出できた人が勝つ、という設定になっています。


M1の二人は入学2ヶ月ばかりですが、先行分野の調査は既に進まれ、既にできたプロトタイプの発表まで行われ、毎回のゼミはとても刺激的で、毎回もとても勉強になりました。

最後にはプレイセッションで、今回は大空さんが取り上げたのは『合意形成ゲーム』です。プレイヤーが街の代表者になり、街全体と各個人が作りたい街を相談しながら作っていく全員協力型ゲームです。ゲームの流れは以下のようになっています。

このゲームは、今後公開にリリースする予定がありますので、詳しいことは引き続き大空さんの報告をお待ち下さい!

では、今回の記事は以上になります。長くなりましたが、最後に本郷キャンパスの近くの白山神社の紫陽花一枚で終わらせていただきます。お読みいただきありがとうございました!

参考文献

*1 M. ノールズの成人教育理論に関する考察―理想的な成人教育者像に焦点をあてて― 島 美佐子

【5月12日】ゼミ活動のご報告

皆さん、久しぶりです。M2の叶です。

早速、先週のゼミ活動についてご報告いたします。
今回は私と大空さんの事例研究と、木村研究員の研究発表の回でした。

大空さんは、ゲームマーケットで購入した『社畜牧場』というボードゲームについて紹介しました。このゲームではプレイヤーが「社長」となり、「社畜」を使って自社の「株価」の上昇を目指す対戦し、ワーカープレイスメントというメカニクスでゲームを進めます。

ワーカープレイスメント:プレイヤーが自分のポーン(ワーカー、労働者)をアクションスペース(建物)に配置することで、ターンオーダーでアクションを選んでいく

大空さんはゲームの構造を踏まえて、『社畜牧場』の遊びにおいては派遣や収益を高めるための経営のプロセスが表れると分析し、今後の人材育成類ボードゲームの制作において「ワーカープレイスメント」の活用の可能性、プレイヤーの当事者意識を入れるなどを検討しました。

自分は「Game2Text」という、GITHUBで無料に配布されたオープンソースのゲームでの外国語学習のため活用できるツールキットを取り上げました。基本機能としてはOCRでゲームのスクリプトを特定し、アドオン辞書と組み合わせてゲームテキストを簡単に調べたり翻訳したりすることができ、単語帳アプリと連携することで暗記カードを簡単に作れます。

「Game2Text」はゲームを活用した外国語(特に日本語)の学習と復習には有用性が高いと考えられます。しかし、今のバージョンだとOCR機能にはまだ正確性に欠ける、インストール・利用する際のハードルが高いなどの課題点により、学習ギーク・ゲームギーク・パソコンに一定程度詳しい説明人でなければ、利用するモチベーションが低いとも考えられます。

最後に、木村さんの「ゲームと人を対象とした心理学研究の方法とその範囲」というテーマで発表しました。木村さんは、Schellの『ゲームデザインバイブル』の中で心理学について説明している項にある行動主義派と現象学派の切り分け方を批判し、心理学では質的なアプローチも多く用いられてきたことを強調しました。その後は、「即時的な反応を要求するゲームとその熟達が感情経験に与える影響」(木村, 2020)における実験の例を挙げ、「感情の円環モデル」についても説明してくれました。

その時就活に苦戦していた自分は、「疲れた」と「警戒した」という複雑の感情に陥って、ただ一つのモデルはまだ説明しきれない部分があるだろうと思っていました。皆さんはこの記事を読む時は、どのような「感情」にいるのでしょうか?

では今回はここまでです!次回は対面の回で、初めて新入メンバーと会う回ですので楽しみしています!皆さんもぜひ次回の記事を楽しみにしてください〜

  • 木村 知宏 (2020). 即時的な反応を要求するゲームとその熟達が感情経験に与える影響デジタルゲーム学研究, 13(1), 21–29.
  • Russell, J. A. (1980). A circumplex model of affect. Journal of Personality and Social Psychology, 39, 1161–1178.

【1月13日ゼミ活動】藤本研ゼミのモデルの探究

皆さんこんにちは。M1の叶です。

今回もゼミ活動を報告しますが、タイトルだけでも記事の内容をわかりやすくするため、それをいつもと違った形にしました。

学期末を迎えて、今回のゼミは来年度のゼミ活動に向け、「藤本研究室ゼミのモデルの探究」というテーマで行われました。

藤本先生はまず、来年度のモデルの方向性を以下三点にまとめてくださいました。

  1. プレイフル・ミーニングフルな学習ネットワーク化
  2. 学習ニーズに合わせてカスタマイズ可能な範囲を増やす
  3. 共通基盤確立・各自のトレーニング・メンバー間相互学習

これをもとにして、ゼミの6人はまず前回のゼミ活動で行れた「大学院生活に役立った経験の振り返り」の結果を踏まえて、今後のゼミ活動の形をデザインしていきます。具体的には、①話を聴いてみたい人、②受けたいトレーニング、③交流機会など他のコメント、という3点から出発して考えます。その後、M1ペアー・M2ペアー・スタッフペアー3組のチームを組んで、相互にチームメンバーの意見をインタビューします。最後に、その成果のまとめをゼミ全員に共有する、というような形で進みました。

共有された成果のいくつかのポイントを述べますと、「話を聞きたい人」に関しては、先輩(ゼミ生4人しかいない藤本研の成長はまだこれからの話なので)、ゲームと教育現場で働く人(ゲームクリエイターが高得票)、ゲームと教育それぞれの領域の研究者、などが挙げられました。

「受けたいトレーニング」に関しては、ゲームデザインと授業設計の学び(藤本研にしては案の定ですが)、文献管理と読み方や研究法についてサブゼミで情報共有など、色々な意見が集まりました。また、特任研究員の財津さんは、大変面白い活動企画(ゲームプレイセッション?)の話を持ち込みました。少し説明してもらっただけで、自分は既にワクワクしていますので、皆さんもぜひ来学期のゼミ活動報告をお楽しみに!

「交流機会と他の意見」のところ、ゼミ内外の飲み会、交流会、ゲーム会などの意見には大賛成です…新型コロナが一刻も早く収束するように!!

今回の報告は以上でした。来週の今学期の最終回ゼミを楽しみにしています!(つい少しバケーション気分になってしまいましたが)

ではまた来週!

【12月9日】ゼミ活動のご報告

皆さんこんにちは。M1の叶です。

クリスマスに近づき、都内はところどころにイルミネーションがライトアップされましたね。紅葉はなくなりつつ、皆さんは勉学、仕事、研究が疲れた時に綺麗な人工風景を見たりするのもいいチョイスなのではと思います。

さて、早速今回のゼミ活動を報告させていただきます。

今回は、藤本先生が準備してくださった「研究テーマ探究」ワークショップでした。ワークショップの「ゴール」としては、研究で取り上げる「問題状況」を整理してよりよい研究活動につなげるための新たな気付きを得ることであり、「ルール」としてはソフトシステムズ方法論を思考ツールとして使ってみると設置されました。

ここでは、ソフトシステム方法論(SSM)についてもう少し説明します。SSMとは、90年代に英ランカスター大学のピーター・チェックランド教授が開発したアクションリサーチ方法論です。現実の問題状況を吟味して、活動システムとしてモデル化し、実行可能な変革行動を探索する時に活用できる方法論です。

藤本先生がSSMについて説明した後、ゼミのメンバーがその中4つの方法を活用してそれぞれ考える作業を行い、段階的にその成果を共有し、藤本先生からフィードバックをいただきました。4方法の詳細は以下のようになります。

  1. リッチピクチャー:自分の研究対象の状況を図解化してみる
  2. 基本定義:「Z を達成するために、Y によって、X を行うシステム」という形式で状況を定義する
  3. CATWOE 分析:システムにおける対象と条件などを詳細に分析する
    • Customer :顧客
    • Actor :行為者
    • Transformation process :変換プロセス
    • Worldview :世界観
    • Owner :所有者
    • Environmental constraints :環境制約
  4. 概念的活動モデル:1、2、3に基づいて、システムの細かい手順を示す

今回のワークショップを経て、ゼミの皆さんは自分の研究テーマの背景を再び整理したり可視化したりすることによって自分の研究テーマに対する理解を深めました。

実はこの方法論は、最初には学術的な場合に使うとは想定されていなくて、むしろ仕事の研修の場で多く使われています。今回研究テーマの整理のために活かしてみると、SSMは発想的思考法のモデル一つとしてとても使いやすく、効率よく自分のアイデアを整理したり、その中の盲点に気づいたりするのに役立ち、新たな発想にも繋がると感じています。

今回の報告は以上になります。

M2の二人とも、修論頑張ってください!!!

【11月11日】ゼミ活動のご報告

皆さんこんにちは。M1の叶です。

本郷キャンパスの銀杏はだいぶ黄色になりましたね。緑がだんだん見えなくなりましたが、なんだか賑わう感じもします。晴れの日が多くてまだ温かいですが、学校に行く度に景色の変わりが見えてきて冬が近づいてくると実感しています。

さて、早速11月11日のゼミをご報告いたします!


今回のゼミは、前と違った形で行われ、事例研究ワークショップとスペシャルゲストセッションという二部で構成されています。

最初は藤本先生が担当する事例研究ワークショップであり、「Kahoot!」というアプリがトピックとして取り上げられました。「Kahoot!」とは、ノルウェー発のeラーニングプラットフォームが開発した、多種多様のクイズを簡単に作成して他人をプレイしてもらえるアプリケーションです。2013年に登場した以来、学校や研修現場を含めて色々な実践現場で使用されています。

ワークショップでは、まず財津さんが作ってくださったクイズと「Kahoot!」にある作られた教職に関するクイズをゼミメンバー全員でプレイしました。その後、2つのグループに分けて、①「クイズ」が楽しさを生み出す要素と、②クイズがテストとの共通点と相違点をめぐってディスカッションを行いました。2グループの考察は以下のようにまとめられます。

★楽しさの要素

  • ベースは競争 ⇒それだけだと疲れる…エンタメ寄り(イベント感…体を張る、商品が豪華)
  • 出演者の深掘(高校生クイズ、芸能人)⇒応援したい気持ちが出る
  • 軽い雰囲気(バツでも大丈夫、試行錯誤、匿名性、「天才だ!」と励ましてくれるメッセージ)
  • クイズ内容によって楽しさが違う
  • 多種多様のクイズの形
  • コントロール、インタラクション
  • 対人間インタラクション

★クイズとテストの比較

  • 共通点:フィードバック・評価の役割(知らない知識のチェッカー)
  • 相違点:
    • 気軽さ(現実に不利益を与えるかどうか)
    • 評価の形(クイズでは即時的に評価されることが多い)
    • 競争の要素の強さ(クイズではランキングや即時得点により拡大された)
    • 時間制限の厳しさ
    • チーム戦できるかどうか
    • 測定対象(テストは本人の実力は重要であすがクイズではそれ以外の要素も許容される)

後半は、ゲストの武蔵野学院大学の坂井裕紀教授が「学習者中心のためのゲーミフィケーション」というテーマをめぐって講座とQ&Aセッションを行いました。「ゲーム研究者に進んだ経緯」、「研修でのゲーミフィケーション実践」、「ゲーミフィケーションの手法の工夫」という3部に分けられて進みました。

一つ注目点としては、坂井先生が第3部の「研修・授業にゲーミフィケーションを取り入れる際の工夫」において以下の4つの内容を取り上げられたことです。

  1. フロー
  2. エンゲージメントループ
  3. MGR・PBL
  4. ストレスマネジメント

講座を受けながら思っているのは、これらのモデルは、研修&授業だけではなく、続けて専念したいと思う色々な物事(例えば、興味、人間関係、人生(?))の場面でも活かせるのではないかと思います。坂井先生の講座でもゲーミフィケーションの要素が盛りたくさん取り入れられ、ゼミの皆さんは既にフロー状態に入ったため、Q&Aセッションでディスカッションはとても盛り上がりました。

最後に、一つ気づいた点として、外部環境を制御してゲーミフィケーションしていく他に、導入者・利用者のゲームマインドセットを整えること、つまり今自分はゲームのような楽しいことを導入・挑戦しているのだと思えることも、とても重要なのではないかと思います。

今回のご報告は以上でした!
次回も事例研究ワークショップがありまして楽しみしております!!

【10月14日】ゼミ活動のご報告

皆さん、こんにちは。M1の叶です。
今学期の2回目のゼミ活動をご報告します。

今回は関連論文3本紹介(担当:叶)と、日本教育工学会(JSET) 2021年秋季全国大会の発表リハーサルの週でした。

今回紹介した論文は、9月30日の記事で言及した論文であり、 5月6日に紹介した論文、Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Garden (2021) 『Gamification for student engagement: a framework』の基にもなります。

  • Bedwell, W. L., Pavlas, D., Heyne, K., Lazzara, E. H., & Salas, E. (2012). Toward a taxonomy linking game attributes to learning: An empirical study. Simulation & Gaming, 43(6), 729-760. (学習と結びつくゲーム属性の分類法の実証研究)
  • Landers, R. N. (2014). Developing a theory of gamified learning: Linking serious games and gamification of learning. Simulation & gaming, 45(6), 752-768. (シリアスゲームとゲーミフィケーションを結びつける:ゲーム化学習理論の構築)
  • Kahu, E. R. (2013). Framing student engagement in higher education. Studies in higher education, 38(5), 758-773.1(高等教育における学生のエンゲージメントを定義する)

Bedwell (2012)の主な研究成果としては、①9種のゲーム属性という新たな分類法の提案、②新たな分類法を先行文献の研究成果とリンクさせるゲームマトリックスの整理です。具体的なゲーム属性の一覧は9月29日の記事を参照していただければと思います。

Landersの研究(2014)は、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションとの比較を踏まえて2研究領域の関係を考察された。また、ゲーミフィケーションが学習成果を影響する2種類の因果関係、mediate(媒介)とmoderate(調整)を区分して詳しく論じました。媒介プロセスとは、ゲーミフィケーションが学習者の行動・態度を変容させ、その変化が直接に学習成果を影響するというプロセスです。一方、調整プロセスは、変容した態度・行為が直接的に学習成果を影響するよりは、既存の学習・教授コンテンツの効果を増強したり、その魅力を発揮させたりして、コンテンツが学習成果に対する影響を増幅するというプロセスを指します。

Kahuの研究(2013)は、 Behavioral、Psychological、 Socio-cultural とHolistic という4視点から高等教育における学生のエンゲージメントに関わる研究をレビューし、エンゲージメントの弱い定義とエンゲージメントにおける重要概念の区分の欠如の課題を提示し、「高等教育における学生のエンゲージメントに関する概念的フレームワーク」を新たに提案しました。9月29日の分析ではこのフレームワークを用いてゲーム文脈での実例分析を行いました。

今回紹介した論文は以上になります!これらの論文を読んだ後、また5月6日の論文と9月29日の記事を振り返ると4本の論文に対する理解が深まると思います。

論文紹介した後、JSET秋大会に出番の三人(升井さん、K.I.さん、張さん)はブレイクアウトルームでポスト発表のシミュレーションを行いました。 その後、発表者が各自の振り返り、聴衆役の他の皆さんがコメントしました。

今回の記事は以上になります!
お読みいただきありがとうございます〜

【9月29日】運動ゲーのプレイヤーのエンゲージメントは、どこから生じ、どこまでプレイヤーを影響するのか?

皆様こんばんは。M1の叶です。
夏休みはそろそろ終わるところなのですね。

実は先週北海道の友人に訪ねて帰ってきたばかりで、北海道の美味しい食べ物(スープカレー、牛乳、ハンバーグ…)いっぱい食べまして、とても元気(太りました)ですが、休みの前に立てた計画がまだ色々終わらせていなくて焦ているところです。
夏休みの前に計画をいっぱい立てた自分に申し訳ない気分なのですが、残りの何日間にはできるだけ頑張ります!!

では、早速今日の本題に入りたいと思います。
先学期は『リング・フィット・アドベンチャー』(下記:RFA)事例研究の回で紹介しました。実は自分は随分前からもう一つの運動ゲームのUBIソフトの『ジャスト・ダンス』(下記:JD)シリーズの大ファン(今日も遊びました)なので、いつかに『RFA』と『JD』の比較を踏まえてシリアスゲームのあり方について論じたいと思っていました。

今回は、ゲーム属性とエンゲージメントの視点から『RFA』と『JA』のゲームプレイとそれがもたらす効果・影響を論じたいので、5月の文献研究で張さんが紹介してくれた論文『学生エンゲージメントのためのゲーミフィケーション:フレームワーク (Gamification for student engagement: a framework)』(Rivera, 2021) という論文を読み直しました。

ですが、今回はそのフレームワークではなく、その裏にある二本の論文が提唱した理論・モデルを使って分析してみました。それぞれは:

1・『Toward a Taxonomy Linking Game Attributes to Learning: An empirical Study』(Bedwell, 2012)(先行のゲーム学習研究に基づいて学習効果の分析上で使える9つのゲーム属性のまとめ)
2・『Framing student engagement in higher education』(Kahu, 2013)(高等教育における学生のエンゲージメントの影響要因とそれがもたらす影響に関するモデルの提案) 

5月紹介されたフレームワーク (Rivera, 2021) は、大いにこの二本の文献に基づいたものだと考えられます。紙幅を省くために、これからは、表を使ったり、箇条書きにしたり、文章体にします。


まず、Bedwell (2012) が提案した9つのゲーム要素の枠を使って『JD』と『RFA』のゲーム要素を簡単に分析する。

・「ー」は、エンゲージメントにネガティブ影響を与える要素で、逆に「+」はポジティブな影響を与えるゲーム要素。「△」はどちらも言えない要素が、さらに工夫されれば「+」になることができる要素。

(9属性の定義の詳細はBedwellの論文に参照)Just Dance(ジャスト・ダンス)Ring Fit Adventure(リング・フィット・アドベンチャー)
Action language(ゲームシステムと交流する仕方)・運動ゲーとして普通。新鮮感がない(ー)・「リング」は今までないので新鮮(+)
Assessment
(評価・フィードバック)
・即時フィードバック(形成的評価)と総括的評価(+)
・「Sweat mode」でカロリー消費が表示できる(+)
・ゲームスコアをさらに上げるためのヒントが提供されていない(ー)
・即時フィードバックと総括的評価(+)
・カロリー消費が表示できる上に、詳細データ詳しく調べられる(++)
Conflict/ Challenge(衝突・チャレンジ)・踊るソングの難易度が3レベルに分けられたが参考にはならない(ー)
・難易度が調節できない(ー)
・運動負荷が随時調節できる(+)
・システムがプレイヤーのデータをモニタリングして最適な難易度を推薦する(+)
Control
(コントロール)
あまりない(△)インタラクションが『JA』と比べて多様なのでより多くある。(△)
Environment
(ゲーム世界)
・ダンス場。踊るシーンも工夫される(+)・アドベンチャーモードならある(+→ー)
Game fiction
(ゲーム虚構・物語)
・All star mode (Just dance 2020だけ)。正直没入できない(△)アドベンチャーモード。慣れたら没入感が失われる。(+→ー)
Human Interaction(人間同士のインタラクション)・少ない。(△)少ない。ランキングを見るぐらい。(△)
Immersion
(没入感)
・踊る音楽といった感覚的刺激が与えられる(Sensory stimuli)(++)・ミニゲームではリアル世界と違う世界として認識する(+)が、
・アドベンチャーモードだと慣れたら没入感が失われる。(+→ー)
Rules/ Goals
(ルール・ゴール)
ルールは運動。ゴールは、『RFA』が『JA』より多様。運動したいと思う程度によって、エンゲージメントの程度も異なるだろう。

簡単にまとめると、二本のゲームが代表した運動ゲーは、評価(Assessment)とルール・ゴール(Rules/ Goals)が最もエンゲージメントをもたらす属性だと言えよう。その一方、チャレンジ (Conflict/ Challenge)、コントロール (Control) と没入感 (Immersion) に関するゲームデザインは、また工夫できることがあるだろう。

『Gamification for student engagement: a framework』(Rivera, 2021)という論文では、Kahu(2013)のモデルがゲーム学習の文脈で活用する際、ゲーム要素がエンゲージメントの先行影響要因とエンゲージメントそのものに影響を与え、ひいてにエンゲージメント状態が学習に短期・長期の影響を与えるという結論に至った。次に、Kahu (2013)の「Conceptual framework of engagement, antecedents and consequences」を踏まえて、この二本のゲームの場合には、エンゲージメントがどのように影響され、何を影響したのかをまとめて概念図を作ってみた。

実証したわけではなく、自分のプレイ経験と感覚でモデルを応用して分析してみたが、運動ゲーの要素の中の没入感、調節、評価 (Immersion、Challenge、Assesement) がエンゲージメントの情意領域に影響を最も与え、これらの要素をうまくデザインすることによって、エンゲージメントを向上させる可能性もあるのではないか。また、評価 (Assesement) はエンゲージメントの認知領域の自己管理(self-regulation)にもつながると思う。

この何本かの論文を読んだ後、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションの関係について一つ自分の考えをまとめた。それは、ゲーミフィケーションの終極的な産物はゲームだということ。あるコンテンツ・ゲームは、ゲーミフィケーションされたコンテンツなのか、シリアスゲームなのかは、結局にはゲームプレヤーかコンテンツの利用者の自己判断になるのではないかと思うようになった。例えば『RFA』も『JD』も、ゲーミフィケーションされた運動インストラクションとして捉えることもできるし、シリアスゲーム、あるいはゲームとして捉えることも全く問題ない(むしろ後者は主流だろう)。

ゲーミフィケーションされたコンテンツとゲームの共通特性としてはゲーム属性(Game attributes)があるということだ。なぜ『JD』と『RFA』をプレイすることが、ユーチューブでの筋トレ動画やダンス動画を見ながら真似するということと異なるかと言うと、ゲームはゲーム属性を持っているからのだ。そのゲーム属性が、我々プレイヤーたちの態度、認知と行為(Attitude、cognitive、Behavior)の変容を介して、プレイヤーのエンゲージメント(参与感)を高め、そのエンゲージメントがまたプレイヤーの生活にさらに深い影響を与えるのだ。


今回は論文で勉強したモデルを使ってゲーム事例を分析する試みだった。ゲーム要素とエンゲージメントの関係などに関しては、まだ色々考えきれない、説明しきれないところがあると思いますが、この9要素のまとめはゲーム分析する際とても活用できるレンズであり、エンゲージメントが媒介として学習成果を影響するというのも、とても説得力がある研究結論だと思います。色々紹介不足かもしれませんが、今回の記事も学習メモのようなものになっていましたが、読んでいる皆さんのお役に立てば嬉しいです。

この休み前立てた計画の中でも「ちゃんと運動する」というのもこの二本のゲームのおかげで完成度が最も高い目標になりました。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!

参考文献

・Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Rivera, E. S., & Garden, C. L. P. (2021). Gamification for student engagement: a framework. Journal of Further and Higher Education, 1-14.
・Kahu, E. R. (2013). Framing student engagement in higher education. Studies in higher education38(5), 758-773.
・Bedwell, W. L., Pavlas, D., Heyne, K., Lazzara, E. H., & Salas, E. (2012). Toward a taxonomy linking game attributes to learning: An empirical study. Simulation & Gaming43(6), 729-760.

【8月25日】『Her Story』のゲームプレイにおける英語学習に関する検討

皆さんお久しぶりです!M1の叶です。
夏休み(?)はどうお過ごしているのでしょうか。 

自分は春学期に色々講義を取ってゲームプレイ時間がなかなかできませんが、夏休みに入るとようやく積みゲーをいじはじめました。自分の研究で扱うゲームジャンルは主に「物語中心のゲーム(Narrative-based Game)」で、修士研究で既に行ったインタビューの中ではいくつかの有名かつ自分が遊んだことないゲーム名が登場し、その中の一つ、夏休みにようやくクリアした『Her Story』というゲームを今回の記事のテーマとして扱いたいと思います。

6時間をかけて13の実績をすべて解除しました!!(実はかなり遅いです…)

フォーマルの研究においては、主観的なバイアスが生じる恐れがあるので研究者自身のゲーム体験の分析はなかなかできないのですが、実は研究者目線で自分のゲーム経験を振り返ることは、実際の研究で研究対象になるゲームプレイヤーとの共感に役立ちますし、プレイヤーの行動に対する解釈などにもとても重要です。まさに4月のゼミで紹介したReinhardtらの論文で書かれているように、

“…We should heed the fact that the number of well intentioned educational games that have failed is enormous as well, and that L2 education professionals have not always been the most informed of digital game consumers. The solution is for researchers and practitioners to learn to evaluate, and eventually speak to the design of, game-mediated instruction, both game-enhanced and game-based. The first step is simple—interested researchers and practitioners should play digital games themselves, keeping an open mind and analytical disposition towards insights into language use and learning.”

Reinhardt, J., & Sykes, J. M. (2012). Conceptualizing Digital Game-mediated L2 Learning And Pedagogy: Game-enhanced And Game-based Research And Practice

ゲームを媒介とした言語学習の研究者はまずゲームプレイヤーになり、常に身近なゲームプレイを分析していくべきだということです。

そのため、今回は第二言語習得の視点から自分の『Her Story』のゲームプレイを検討したいと思います。また、同じくゲームクリアした友人のRさんとのディスカッションも踏まえて、さらにMAXQDAという質的分析ツールを使って、STEAMというゲームプラットフォームでのゲームレビューに対して簡単な分析も行いました。今回はあくまでもインフォーマルなリサーチなので、考慮に欠けるところも色々あると思いますが、研究メモ(ゲームレビュー)として自分の所感を共有したいと思います。これからは、箇条書きの形で簡潔にまとめます。

テーマ:『Her Story』のゲームプレイにおける英語学習に関する検討

〜『Her Story』に関して〜

  • ゲーム情報:『Her Story』とは、サイレントヒル シャッタードメモリーズのクリエイターでもあるサム・バーロー(Sam Barlow)が作り上げたアドベンチャーゲームです。2016年のGDC Awardsでは5部門を受賞した。物語はゲームの中心要素になる。
  • ゲーム言語:英語(字幕付き)(日本語にも翻訳されたようですが、今回のゲームプレイは英語で行いました)
  • ゲーム紹介:事件に関わった主人公に対する取り調べ録画を調査することによって事件の真相を突き止める。
  • 遊び方(ネタバレあり)取り調べ録画のデータベースが検索システムがあり、キーワードを入力することによって、キーワードが含まれた動画を見て事件の全貌を推測しつつ、真相を解明する。
  • ゲーム特色:ナレーションにおける非線形の語り口

〜ゲームプレイにおける第二言語習得の分析〜

  • 調査対象:英語で『Her Story』を遊んだ中国人ゲームプレイヤー (主に自分、友人Rさん)
  • 分析内容:自分とRさんのゲームプレイ、STEAMで690件中国語のゲームレビュー(中国語版がないので中国人プレイヤーはみんな英語でプレイされたと考えられる)
  • 分析手順:
    1. ゲームを終えた後自分のゲームプレイで行った英語習得に関わる行動を振り返る。
    2. 遊びにおける英語習得に関して、ゲームクリアしたRさんに簡単なインフォーマルなインタビューを行う。
    3. STEAMで『Her Story』の690件中国語のレビューを質的データ分析ツールMAXQDAに導入し、「英語」「英文」「発音」「読解」などのキーワードで検索し、英語学習と関わるテキストをオーペンコーディングをして簡単な分析を行う。
  • 分析結果:
  • オーペンコーディングの項目とその数
ゲームレビューに対するテーマ関連のオーペンコーディング
  • 『Her Story』の遊びで起こりうる英語習得に関わる行為
    • 文脈に応じて知らない英単語の意味を推測する
    • 知らない単語を自発的に辞書で調べる
    • 英単語を入力することが求められるので、自発的にスペルチェックを行う
      (例えば、自分がずっと「License」を「Lisence 」に間違って今回のプレイでその錯誤に気づいた)
    • 英語の聴解と読解を繰り返す
    • *直接習得するより、練習と復習とみなれる行為が多く見られる
  • 『Her Story』の遊びに起こりうる英語の獲得(気づき)
    • 類義語、同義語に対する気づき(習得した知識を振り返る)
    • ミステリーに関する英単語の獲得
    • 自分の英語能力に対する自信が高まる
    • イギリスアクセント、イギリスの慣用語に対する気づき
    • *直接な獲得より、知識の統合と省察のほうが多く見られる
  • ゲーム要素と第二言語習得
    1. 音声:ゲームでのテキストはすべて音声がついているため、レビューで「英語聴力」の学習材料として言及した回数が一番多い。今までのインタビューでもわかってきたように、物語中心のゲームにおいて、音声付きということは、ゲームプレイヤーの注意力をゲームテキストに払わせ、第二言語の環境を作り、プレイヤーが断れない第二言語の「インプット」を提供する。(プレイヤーがそれをスキップできない、あるいは音声があるからこそスキップたくなくなるのだ)
    2. 字幕:コメントの中で「音声を聞きながら字幕を活用することによってゲームを理解することのハードル下がった」のようコメントも散見する。字幕がゲームの進行を促進する他、英語インプットのチャンネルを増やす(聴解+視覚)ことにより学習が促進される(マルチメディアの認知理論?)。また、いくつかのコメントによると、ゲーム進行において音声より字幕が「補助的」な役割を務める、ということにも注目したい。

〜検討は以上です〜

まだまだ浅い分析なのですが、今回の分析はここまでにしたいと思います。もちろん、6時間をかけて英単語を暗記するのがより効率的だと思われますが、『Her Story』をプレイすることは、英語小説、ドラマや映画などを活用した学習と同様な(それよりいい効果、動機づけと獲得の維持率が高いかもしれない)魅力的なインフォーマル学習(復習)法の一つだと考えられます。

また、英語で遊ぶことに最適なのはこのようなプレイヤーだと思います:
・中級以上の英語学習者(目安として4000以上の語彙力が必須で、5000+が望ましい)
・ミステリーや推理物語に対して興味を持つ人
・特に、以上の2つを満たしているのに英語が嫌いとか、自分の英語語力に対して自信を持っていない方におすすめです。一度遊んでみたら、「自分が英語学習でゲームができるんだ」という気持ちが味わえるので、ぜひぜひ、夏休みにお時間があったら、『Her Story』の物語を通じて英語力を磨きましょう。

**ゲーム攻略としては、データベースの75%以上を見終わってから、オンラインの攻略を調べるのがおすすめです。

以上、今回の長い記事を終わらせたいと思います!
ここまで読んでくれてありがとうございました!

【7月8日】ゼミ活動のご報告

皆さんこんにちは。M1の叶です。
梅雨期のムシムシする東京から今週のゼミを報告します。
今回はM1の研究進捗報告とプレイセッションの会でした。発表順で紹介します。

進捗報告:叶
研究テーマ(仮):「ゲーム活動における第二言語学習に関する探索的研究 ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー 」

今学期の主な進捗は研究方法の定着です。Sセメスターにはエスノグラフィーの授業を履修して、研究手法について色々考えることができて、修士研究ではエスノグラフィーの研究方法を用いて、具体的にはゲームプレイヤーに対するインタビュー、オンラインゲーム関連サイトにおける調査など手法をとると決めました。

進捗報告:升井さん
研究テーマ(仮):「ゲーミフィケーションを用いた授業動画システムの開発と評価」

升井さんは自分の広い研究ビジョン、修論の全体的イメージ、問題意識と目的、プロトタイプと評価方法のイメージ、研究上の課題分析、今後三ヶ月間の計画について詳しく説明してくれました。

その後、M1の二人の研究計画をめぐって、藤本先生とゼミの皆さんに貴重なフィードバックをいただきました。

プレイセッション(財津さん)

ボードゲームベテランの財津さんが「コードネーム」というゲームを紹介し、ゼミの皆がその公式Web実装サイトでプレイしました。

ルールを簡単に説明すると、
・まず赤⻘のスパイ2チームに分かれ、各チームはリーダー1名を決める(リーダーの他はスパイ役になる)。
・各リーダーが、分布図に基いて場の25語内の自チームのスパイ達を一度により多くチームメイトに当てさせるように、連想ヒント1語を捻り出して伝える。
・自チームの全ての正解カードが当てられた状態になったら、その時点でそのチームの勝ちとなる。

今回の対戦で出てきた語を例とすると、
分布図での単語(左)とリーダーが捻り出した1語(右)は以下のようになります。
「キング」、「ジャック」→ 「トランプ」 
「ホテル」、「ヘリコプター」、「壁」→ 「たかい」 

財津さんが捻り出した「たかい」はさすがに一語多義で難しく、無事に正解ができた張さん、升井さんに拍手します。ちなみに、カタカナ苦手な私はゲーム中ずっとグーグル画像を辞書として単語を調べていましたが、「トランプ」を検索するとアメリカ大統領が出てきて、コンセプトの罠に陥て「なぜジャックなんだ???」と混乱してしまいました。

プレイした後の振り返りで、創造的思考としての「発散的思考」「収束的思考」の概念が触れられ、普段創造力といえば「発散的思考」がよく強調されているものの、「与えられた条件から正解を導き出す思考」を意味している「収束的思考」は、まさに今回の「コードネーム」のようなゲームプレイに求められている思考法だと考えられる。

ちなみに、今回利用したコードネームのオンラインプラットホームでは英語などの言語でも遊べます。自分のプレイ経験から見ると、わりとカタカナの勉強になったので、プレイ言語を切り替えることによって外国語の勉強にもなりそうでしょうね。

ちなみに、財津さんはこれからの夏休みに東京と福岡で「夏休み親子ゲームジャム2021」を開催する予定で、興味ある片ぜひチェックしてみてください!!!

ではまた来週!!