東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
月別アーカイブ: 2024年11月
投稿日時: 2024-11-27 投稿者: snii
藤本研究室所属の修士2年、犬田悠斗さんが2024年11月8日から11月11日に京都外国語大学で開催された京都創造ゲームジャム Games for Goodに参加し、チームで開発したメディアリテラシーとフェイクニュースをテーマにした『INFOCALYPSE』というゲームが最優秀賞を受賞しました!
京都創造ゲームジャム Games for Goodは社会課題の解決をテーマにした4日間のゲーム制作ハッカソンです。約60人の学生やクリエイターらがチームや個人で試作したゲームの出来栄えを競いました。
犬田さんはリーダーとしてゲームデザインとディレクションを担当しました。また、チームには上限1万$(約150万円)の開発支援金が贈られる予定です。今後のゲームのリリースにぜひご期待ください!✨
参考:京都創造ゲームジャム Games for Goodについての詳細はこちら
投稿日時: 2024-11-21 投稿者: Amandancurtis.
みなさん、こんにちは! 特別研究学生のアマンダです。11月14日のゼミ活動では、Leafyさんの関連論文紹介と犬田さんの関連論文紹介と犬田さんのプレイセッションが行われました。
Leafyさん
Leafy introduced two papers on simulation games and their applications in research: “A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems” and “What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game.”
“A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems” explores the use of simulation games as research tools, focusing on limitations, recommendations, and best practices. To do so, the paper reviewed related works, presented case studies, and conceptualized simulation games. It outlined three levels of inquiry: (1) philosophical level, (2) scientific level, and (3) practical level. It then provides a “scientific toolbox”. Simulation games were found to improve decision-making, team coordination, and understanding of complex systems.
“What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game” focused on a game designed to teach participants how to identify phishing attempts. Using a controlled experiment, the authors found that the game was effective at improving phishing awareness, self-confidence, and decision-making in simulated and real-world scenarios. One of her main takeaways is that it is important to combine contextual learning theory with gamification design practices.
Leafyさん then related this to her own research plans.
Leafyさんの発表
Leafyさんは、シミュレーションゲームとその研究での活用に関する2つの論文を紹介しました。
1. 「A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems」
2. 「What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game」
「A Scientific Foundation of Simulation Games」では、シミュレーションゲームを研究ツールとして使うことについて議論されました。この論文では、他の研究をレビューし、ケーススタディを紹介し、哲学的レベル・科学的レベル・実践的レベルの3つの視点でゲームを分析しました。また、「Scientific Toolbox」を提供し、ゲームが意思決定、チームワーク、複雑なシステムの理解を向上させることがわかりました。
「What.Hack」では、フィッシング詐欺を特定するトレーニング用のゲームが紹介されました。実験では、このゲームがフィッシングへの理解、自信、意思決定力を向上させる効果があることがわかりました。Leafyさんの重要な結論は、文脈的学習理論とゲーム化デザインの実践を組み合わせることが重要だということです。
最後に、Leafyさんはこれらの内容を自身の研究計画に関連付けて発表しました。
犬田さん
犬田さん discussed a paper on gamifying online surveys: “Online research–game on!: A look at how gaming techniques can transform your online research”. It focused on transforming surveys with gamification techniques to make them more engaging and fun. Some key techniques are: personalization, emotion induction, projection (asking participants to take on another perspective), and fantasy scenarios. The study found that gamified surveys improved engagement, with visually rich versions showing higher satisfaction and response rates.
犬田さん emphasized that gamification can make surveys immersive and more enjoyable without compromising data quality. His own research focuses on improving how questions are presented, using visuals and feedback mechanisms to boost engagement.
犬田さんの発表
犬田さんは、アンケート調査のゲーム化に関する論文「Online research–game on!: A look at how gaming techniques can transform your online research」を紹介しました。この論文では、調査をもっと楽しく魅力的にするためのゲーム化の方法が紹介されました。主なテクニックは次の通りです:
• パーソナライズ(質問を参加者個人に関連付ける)
• 感情誘発(質問に感情を引き出す要素を追加)
• 視点の投影(他の視点で考えさせる)
• ファンタジーシナリオ(仮想の状況を想像させる)
この研究では、ゲーム化されたアンケートが回答者の満足度を高め、回答率を向上させることがわかりました。特に、視覚的な要素が多い形式は、テキストのみの形式より効果的でした。
犬田さんは、ゲーム化が調査を没入的で楽しいものにしつつ、データの質を損なわないことを強調しました。また、犬田さん自身の研究では、質問の提示方法を改善し、視覚的要素やフィードバックメカニズムを活用することで、エンゲージメントを高めることに焦点を当てていると話しました。
投稿日時: 2024-11-14 投稿者: snii
東京大学 藤本徹研究室は12月21日(土)に13時~17時30分に「ゲーム×未来の学びフォーラム in 別府」を別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)にて開催いたします🧩🎮✨
ゲームは、楽しさだけでなく、学びに豊かな可能性をもたらします。このフォーラムでは、教育現場でのゲーム活用の実例や今後の展望について、有識者と共に探ります。授業や教育活動に新たなアプローチを求める学校教員、教育事業に携わる方、また教育に関心のある学生も大歓迎です。参加は無料です。
イベントページを公開しましたので、ご興味のある方は以下より奮ってお申し込みください!
https://peatix.com/event/4179572
🌟プログラム
投稿日時: 2024-11-14 投稿者: osora
皆さん、こんにちは! 修士2年の大空です。
11月7日のゼミ活動では、大空とAmandaさんの発表が行われましたので、ご報告です。
■【大空】KJ法について
大空は、データ分析手法の一つである、KJ法について発表を行いました。KJ法とは、川喜田二郎が、文化人類学の分野で考案した質的データ分析手法で、現在は多様な分野で応用されています。
具体的には、名刺サイズのカードにデータを転記し、それらをグループ化・図解することで、情報をコンパクトかつ視覚的に整理する手法です。混沌とした質的データも、KJ法を用いることで簡潔にまとめやすくなります。
また、ユニークな特徴として、データの分類・図解・文章化の過程で研究者の主観を活用することで、新たな発想や仮説が生まれやすくなります。ただし、その研究利用に゙関しては、エスノグラフィー等とは異なり、利用シーンが発展していない・科学的な手法としての検討が十分ではないため、注意が必要です。
自身の研究においても、このKJ法を部分的に採用しようと思い、KJ法の手順〜上記の注意点まで、マニュアル形式で発表しました。実際に、再来週に研究室内でワークショップを行う予定なので、まずは実践してみて、自分自身、KJ法に対する理解をより深めようと思います。
■【Amandaさん】インクルーシブ・ゲーミングについて
Amandaさんは、インクルーシブ・ゲーミングについて発表されました。
インクルーシブ・ゲーミングとは、インクルーシビティ(バックグラウンドや能力、アイデンティティに関係なく、すべてのプレイヤーがアクセスしやすく、公平で、歓迎されること)を兼ね備えたゲーム体験を指します。
発表では、ゲームにおけるアクセシビリティ、表現と多様性の観点から、複数の事例をご紹介いただきました。単なるゲームプレイのしやすさだけでなく、障がいやマイノリティの方を包括したアプローチが多数見受けられました。
また、誰がインクルーシブな体験をデザインすべきか?というテーマも提示され、本分野におけるステークホルダーの多様さと複雑性が感じられました。最後には、それぞれ身近な例をもとに、このテーマについてディスカッションし、知識をより広げることができました。
Amandaさんの研究は、本分野の解決にも寄与するものであるため、研究室の中でも継続的に議論を深めていきたいテーマとなりました。
以上が、11月7日のゼミ活動報告です。
それでは!
投稿日時: 2024-11-07 投稿者: ziminmo
皆さんこんにちは!M1の莫です。
今回のゼミは、叶さんの関連論文紹介、斉さんの文献研究と広瀬先生の研究員発表の3本立てでした。
それでは、早速報告させていただきます。
叶さん:関連論文紹介
叶さんが「没入感とゲームデザイン」をテーマに関連論文研究を紹介しました。ゲーム体験やナラティブデザインに関する複数の論文を紹介し、没入感の構成要素や内発的動機とナラティブが学習効果に与える影響について発表しました。
まず最初に、ゲーム体験における没入感の要素について「audiovisual quality and style」「level of challenge」「Imaginative Immersion」の三分類(SCI Model)から、これらの要素がゲーム体験の質に与える影響について触れ、プレイヤーの集中力を引き出すと説明されました。
次に、没入感の三分類に基づいて、ゲーム物語デザインの効果と学習効果の高いゲームデザインの特徴について、それぞれ実験・論文を紹介し、詳しく説明しました。
1つ目の特徴として、内発的な動機づけがプレイヤーの学習効果を向上させる事例研究がありました。シューティングゲームにおける「内在・外在・コントロール」要素の区別により、内在的動機が強化されるとプレイヤーが積極的に学ぶ傾向が確認されました。
2つ目の特徴は、共感を通じた臨場感の向上です。アバターに感情移入できると、臨場感が高まることが報告されています。「シンパシー群 vs コントロール群」の比較で、シンパシー群がより高い臨場感を体験したことが示されました。
3つ目の特徴は即時フィードバックで、シナリオ主導のゲームで即時のフィードバックが没入感やコントロール感を向上させることが示され、学習効果と感情的関与を深める役割を果たすとされています。
今回の紹介を通じて、叶さんはゲーム没入感の多面的な構造について詳細な分析を行って、多くの研究について学びました。自分としては、今後のワークショップデザインで、没入感を高めるために、様々な要素の設計に注意を払う必要があると感じました。
斉さん:文献研究
斉さんは「art of the games: Games trough Fiction」を中心に、著者の議論に沿って研究者たちのゲームとビデオゲームの定義理論・研究例を紹介しました。まず、ゲームとビデオゲームの定義について、ビデオゲームは「インタラクティブな関与」を基盤とし、目標達成型(ルーディック)と自由探索型(パイディア)に分類されることが説明されました。
続いて、ゲームとパズルの違いについても紹介してくれました。ゲームは競争や協力を通じて目標達成を目指すものであり、他のプレイヤーと状況が進行する点が強調されました。一方、パズルは複雑さを解消し、安定した解決策を見つけることが目的とされており、プレイヤーは自ら解決策にたどり着くことが求められます。このように、プレイスタイルや目的が異なることが両者の大きな特徴です。
また、ゲームのルールがFictionを通してプレイヤーに提示されることの意義についても触れられました。斉さんは「Portal」というビデオゲームを例としてあげました。Fictionがゲーム体験に密接に関わっていて、プレイヤーがゲーム世界を理解しないとプレイが難しい構造となっています。そして最後に、「マジック・サークル」理論が取り上げられましたが、この理論では現実とゲームの境界が曖昧になるビデオゲームの多様性を十分に説明できないという課題も指摘されました。
広瀬先生:研究員発表
最後に広瀬先生が最新の研究について共有してくれました。広瀬先生は、オレゴンでの研究紹介をはじめに、最近日本で「ライフキャリア支援」をテーマに、エリクソンの生涯発達理論に基づき、越境的な学習環境を活用して、移行期における若者のアイデンティティ確立や中高年の次世代への貢献意識を促進するワークショップを展開しています。
次に、広瀬先生はワークショップの具体的な流れと設計について説明しました。参加者は事前に指定された映画を視聴し、関連する問いについて考えます。当日は、学生と社会人の混合グループで意見を交わし、登場人物の「人生の目的」について話し合いながら、それぞれのキャリア観を広げ、世代を超えた学びの機会を得ることが目指されています。
最後に、広瀬先生は初期の成果を共有しました。参加者のフィードバックによれば、映画とディスカッションを通じて、自身のキャリア設計について深く考えるきっかけを得られ、特に転換期において新たな示唆を受けたとのことです。こうした意見をもとに、今後はワークショップの設計を最適化し、さらに多くの地域での展開も検討されています。
広瀬先生の研究報告は、私たちのワークショップのアイデア発案から設計、そして特に参加者フィードバックからワークショップに活用することまでのプロセスにおいて、多くの参考となる内容でした。また、先生は質問応答の際にも非常に親しみやすく、ネットワーク環境でのワークショップの運営・ネット環境で賑やかな議論の雰囲気を起こし方についても多く勉強になりました。
以上で今回のゼミ活動報告でした!
ちなみに制作展のお知らせです。11月7日~11日には東京大学制作展『付いて離れて』が開催されます!私が参加した『本郷キャンパス謎巡り ーAさんの消失ー』と『心の味わい』の2作品は工学部2ホールと92Bにそれぞれ展示されています。
ご興味がございましたらぜひお越しください^^
投稿日時: 2024-11-06 投稿者: snii
11月7日 (木) 〜11月11日 (月) 11:00 – 19:00(最終日17:00閉場)に東京大学 本郷キャンパス内で開催される東京大学制作展 2024 『付いて離れて』に、本郷キャンパス謎巡り ーAさんの消失ー というタイトルで、藤本研究室修士1年の莫子敏さんも謎解きゲームを出展しています🎨✨
本郷キャンパス内の様々な場所に実際に足を運び、手がかりや答えを探していただきます。
所要時間は約2時間。ご興味のある方は以下のページより来場登録の上、ぜひお越しください!🏫🐾
投稿日時: 2024-11-01 投稿者: snii
片山実咲さん(渡邉英徳研究室・博士課程2年)や濱田璃奈さん(藤本研究室・修士課程2年)らのチームが、マインクラフトを活用した平和ワークショップで2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞にて優秀賞を受賞しました!おめでとうございます🎊✨
詳細は以下のWebページをご覧ください🐈🐾
投稿日時: 2024-11-01 投稿者: snii
2025年度入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで10月30日に開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分をYouTubeで公開しています。
当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。