東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
月別アーカイブ: 2023年1月
投稿日時: 2023-01-25 投稿者: masui
お世話になります。M2の升井です。
早いもので本日が2022年度秋学期の最終ゼミとなりました。
私の方は、修士論文の提出が完了し、論文審査を残すのみとなります。この2年間はあっという間に過ぎましたが、藤本ゼミのおかげで充実した院生生活が送れたように思います。ゼミの皆さんには本当に感謝です。
さて、本日は
以上の2本立てでした。
研究生、M1からの進捗報告では、それぞれが日々積み重ねてきた成果を発表してくれました。研究生のヨウさん、サイさんは自身がこれからやっていく研究の方向性を固め、先行研究を深めたりプロトタイプを製作したりと、しっかり前に進んでいる印象です。M1の大空さんと春口さんは、A2セメスターの授業のレポートや学校外の活動など、とても忙しいとは思いますが、春以降の研究について色々と動いているようで感心します。
プレイセッションでは、叶さんが「Goose goose duck」という人狼パーティーゲームを扱ってくれました。「Goose goose duck」は私が昨年度の秋学期に事例紹介で取り上げた「Among Us」のようなオンラインゲームで、「Among Us」より複雑な役割があったりと、+αされています。私は速攻で〇されて、皆が楽しんでいる姿を眺めていました。人狼要素があるので、頭を使って推理力やコミュニケーション能力が育成されそうなゲームです。「Among Us」は低予算のゲームですが、「Goose goose duck」は思い切り予算をかけてスピード開発したと思われます。市場で勝つためには、こんな開発方法も正解なんだとじみじみ思いました。
2年間を振り返って、自分は何がしたくてこのゼミで学んだのかを再確認しました。多分、自分は「面白いものをもっと面白くする」ということよりも「面白くないものを面白くする」ということに興味があるのだろうなと思います。だからこそ、ゲーミフィケーションをテーマに選んだのだと。正直、他のゼミ生は自分でゲームを作ったり、市場にあるゲームを分析したり、どちらかというとゲームゲームしていて羨ましいと思ったこともあります。でも、地味だけどゲーミフィケーションはこれからの世の中にきっと役に立つ、そう信じてこれからの自分の人生を送っていこうと思います。
投稿日時: 2023-01-18 投稿者: osora
皆さんこんにちは。
HPデザインがアップデートされてテンションの上がっている大空です。
1月12日のゼミの活動報告をします。
今回は、修士2年のお二人による修士研究成果発表と、サブゼミで学生メンバー全員が参加して作成したゲームをプレイするプレイセッションを行いました。
升井さん 「修士研究成果発表」
升井さんの研究テーマは「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」です。研究の背景〜結論と考察まで一連の流れを15分間で発表いただき、升井さんのビジュアルを用いながら構造的に伝えるスキルが光った発表でした。今回の修士研究成果発表は、後日、学際情報学府内で行われる修士論文の口頭諮問の練習としての意味合いもあります。自分の研究をいかに分かりやすく伝えるかという点でもとても参考になりました。
叶さん 「修士研究成果発表」
叶さんの研究テーマは「ゲームプレイヤーの第二言語学習のプロセスに関する探索的研究ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー」です。叶さんの研究では、エスノグラフィーによって収集されたデータをM-GTAという質的手法を用いて分析する内容なのですが、そこで生成された概念を丁寧にご説明いただきました。質的調査においては、記述の厚さや丁寧な分析が求められますが、これらが叶さんの研究で十分に行われたことが伝わる内容でした。来年は、自分も研究発表をゼミ以外の場で積極的に行っていく必要があるため、研究のまとめ方については非常に勉強になりました。
ゼミメンバー全員「プレイセッション」
今回のプレイセッションでは、ゼミに所属する修士学生と研究生が参加するサブゼミ(担当指導員:財津さん)で作成したシリアスゲームのテストプレイを行いました。シリアスゲームのテーマは、「SNSによる炎上問題」です。テーマ選定の理由としては、全員が身近に感じている問題であること、学際情報学府での必修講義で理論的に学んだ内容であることの2つの理由で決まりました。このゲームの目的は、情報リテラシーの授業で中高生が炎上の怖さを身をもって体感することです。その目的の達成に向けて、ゲームデザインをAタームから進めて、財津さんからのアドバイスをいただきつつ、藤本先生、木村さん、新居さんに今回プレイしていただきました。
結果としては、目的をある程度達成することはできたかたちとなりました。今回は限られた時間の中で作成したプロトタイプということもあり、着手できていなかったゲームデザインの部分もあるので、いただいたフィードバックを元に改善し、最終的に綺麗な形でまとめることができればと思います。また、サブゼミを通してゲームデザインのプロセスで得られる気づきや発見もあったので、それは言語化して、今後のそれぞれの研究活動にも反映していければと考えています。
以上が1月12日のゼミ活動報告になります。
投稿日時: 2023-01-17 投稿者: haruguchi
こんにちは。春口です。
新年一回目、1月5日のゼミ報告を致します。
大空さん 事例研究 DilemmaGame
今回の大空さんの事例研究発表は、エラスムス・ロッテルダム大学が開発した研究倫理を学習するゲーム「DilemmaGame」についてでした。
DilemmaGameは研究倫理の授業で使われる事を念頭にしたゲームです。ゲームの内容は、様々な研究倫理に関する問題に対して、4択で提示される行動を参加者が選び一定時間後にそれぞれの選択肢の投票率が開示されるという内容です。勝ち、負けの要素が無く議論を活発に行う事が目指されています。
大空さんはこの事例に対して、倫理問題に対する選択を学習の対象とするのではなく、問題そのものを倫理的にどう評価するのかという点に着目するとして独自性を確立されていました。
質疑の時間では、勝ち負けの要素がないなどゲームというよりはゲーミフィケーションに近いとしてゲームでは無いといった意見やゲームではないが授業で使う教材としては完成度が高く議論の活発化には有用だといった意見がありました。
春口 研究関連論文紹介
今回私が紹介した論文は情報通信についてロールプレイを通して学習させる教授法の実験と評価についての論文と、コンピュータサイエンスアンプラグド(CSアンプラグド)についての論文についてでした。
ロールプレイを通した教授法の論文では、私の研究でも既存の問題集等のテストを用いてゲームの有効性の評価を行おうと考えていたため、特に評価の方法が参考になりました。
CSアンプラグドについての論文では、特にCSアンプラグドの主要原則として規定されている項目が参考になりました。遊びを通して情報技術を学ぶ際の原則として「学ぶ事が目的ではなく、概念で遊ぶ事が重要」「男女ともに魅力的な遊びであること」などはこれからゲームを作成する上で常に頭の隅に置いておこうと思います。
春口 プレイセッション 新春!ポケモン書き初めゲーム
今回のプレイセッションではポケモン書き初めゲームを行いました。書き初めと付いていますが字を書く事は無く、シルエットと名前が提示されたポケモンを手元の画用紙に書いてもらうというゲームです。書かれた内容が正解のポケモンのモチーフにどれだけ近いか、一緒に提示された色が正解のポケモンに使われているかを採点基準として3問行った結果を競いました。3問それぞれのお題は、「ドオー」「ガーメイル」「ネオラント」でした。
優勝は全3問すべて満点を獲得しての勝利で大空さん、楊さんチームでした。ポケモンの種類は1008種類との事で流石に全部を覚えている人は居ないだろうと考えていましたが、大空さん、楊さん共に覚えていたようで驚きました。優勝したお二人にはOIOIで買ったチョコレート、ほかの皆さんにはブラックサンダーが送られました。
今回のプレイセッションを通してポケモンの名前の奥深さを改めて感じました。とても簡単に見える名前でも、2重にも3重にも意味を重ねて考えられており、ポケモンのネーミングセンスの凄さを感じます。
以上が1月5日のゼミ活動報告になります。
投稿日時: 2023-01-16 投稿者: snii
ご覧の通り、藤本研究室のWebサイトがポップなテイストを基調としてリニューアルしました。とても素敵ですね〜!!!!!
まだ工事中や英訳が怪しい箇所がありますが、今年度中に公開できて良かったです。
今年も藤本研の活動にご期待ください。
投稿日時: 2023-01-13 投稿者: admin
我々の研究室、Ludix Lab(ルディックスラボ)では、人の学びや成長につながる「楽しい経験(Ludic Experience)」を創り出す学習コンテンツの開発や教育プログラムのデザイン方法論を研究しています。教育工学や教授システムデザイン論の領域を軸として、ゲーム学習(Game-based learning)のデザイン方法や、オンライン教育における学習支援方法の研究、ゲーミフィケーションを取り入れた学習コンテンツ開発、技術開発、調査研究などに取り組んでいます。
現在の教育機関が提供できる学習機会には、学ぶ必要性を感じている人や、学ぶのが好きな人、得意な人のための選択肢は充実していますが、従来の方法では学べない人や学びから離れてしまった人たちの学びや成長には充分に寄与できていません。我々の研究室のミッションとして、学びのきっかけづくりや、従来の教育の場を楽しくする仕組み、従来の学びの場の外での学び、新たな社会ニーズに対応した学び方を開発し、社会に実装することで、誰もが豊かな学びによって長い人生を豊かにできる社会を支えることを目指しています。
研究テーマ:
現在は主に次のような研究テーマで研究プロジェクトを展開しています。
1.ゲーム学習方法論
教育分野におけるゲーミフィケーションのデザイン手法の研究や、ゲーム要素を組み込んだ教育カリキュラム開発、ゲーム学習の導入支援ツールの開発など、「意味ある遊び」と「楽しい学び」を融合するデザインや方法論の研究です。ゲーミフィケーションの手法を取り入れた学校教育の研修プログラムの開発などを行っています。
研究実績例:
・藤本徹 (2015) ゲーム要素を取り入れた授業デザイン枠組の開発と実践. 日本教育工学会論文誌. 38(4) 351-361.
・藤本徹, 山田政寛 (2013) インフォーマル・ラーニングにおけるゲームの教育利用に関する評価の現状と今後の展開 , 日本教育工学会論文誌. 37(3). 343-351. ・藤本徹 (2012) シリアスゲーム開発を題材としたゲーム開発者教育の導入, デジタルゲーム学研究, 5(2). 53-58.
2.ゲーム学習コンテンツ、技術
ゲーム学習方法論を支える教材や学習システムの開発を行っています。 学校の授業での学びを促すゲーム教材や、学習アプリの開発を行う研究です。英語や数学の教科学習のためのデジタルゲーム教材アプリや、キャリア学習のためのカードゲームの開発など、さまざまなゲーム学習コンテンツを開発しています。
研究実績例:
・Fujimoto, T., Fukuyama, Y, Azami, S. and Konno, S. (2017) JobStar Online: Game-Based Learning on Smartphones to Promote Youth Career Education. International Conference on Computers in Education (ICCE 2017), Christchurch, New Zealand. 765-773.
・藤本徹, 岸本好弘, 西村圭一, 高橋薫, 高橋淳, 谷内正裕, 山内祐平 (2015) 学習ゲーム開発プラットフォームを利用したゲーム開発者教育の実践, デジタルゲーム学研究, 7(2). 13-21.
・Fujimoto, T., Misono, T., Takahashi, K., Otuji, Y., Suzuki, H., and Yamauchi, Y. (2012) Designing a Game-based Social Application for Mathematics Education. Proceedings of Meaningful Play 2012. East Lancing, MI, USA.
3.オンライン教育における学習支援方法
大規模公開オンライン講座(MOOC)などのオンライン教育における学習コンテンツの開発や教育方法の研究、コース開発や、オンライン学習コミュニティにおける学習支援の仕組みなどの研究を行っています。
研究実績例:
・Fujimoto, T., Takahama. A., Ara. Y., Isshiki, Y., Nakaya, K., and Yamauchi, Y. (2018). Designing a MOOC as an Online Community to Encourage International Students to Study Abroad. Educational Media International. 55(4). 333-346. DOI: 10.1080/09523987.2018.1547545
・藤本徹, 荒優, 山内祐平 (2018) 大規模公開オンライン講座 (MOOC) におけるラーニング・アナリティクス研究の動向. 日本教育工学会誌. 41(3), 305-313.
4.遊びの中の付随的・偶発的学習
オンラインゲームのプレイヤーコミュニティにおける学びや、ゲームへの関心に基づいて構成された活動の場「アフィニティスペース」における学びなど、エンタテインメントの活動の中で学ぶ経験に着目した研究です。
研究実績例:
・Fujimoto, T., and Yap, C. M. (2016). The Analysis of Incidental Learning in the Affinity Spaces of a Smartphone Game “Neko Atsume”. In the proceedings of the International Symposium on Emerging Technologies for Education (Roma, Italy), Springer, Cham. 3-13. https://doi.org/10.1007/978-3-319-52836-6_1
・Fujimoto, T. (2005). Social Interactions Experienced in the Massively Multiplayer Online Game Environment: Implications in the Design of Online Learning Courses. presented at the AECT annual conference. Orlando, FL.
投稿日時: 2023-01-13 投稿者: snii
2月17日のオンラインセミナーで公表した「ゲーム学習の専門家が選ぶ 子どもにおすすめゲーム8選」の詳細版である、当研究室で執筆・編集した「教育的観点からのゲームレビュー(2022年3月版)」を公開します。
Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)、あつまれどうぶつの森、MINECRAFTなど人気ゲームタイトルの遊びに含まれる学びを調査して、教育的観点からそのゲームの特徴や優れた点、プレイ時の留意点などを解説しました。ぜひご覧ください。
投稿日時: 2023-01-13 投稿者: snii
このオンライン講座では、ゲームの遊びの中の学びについて理解を深めるための基礎的な知識を学びます。
ゲームの遊びを取り巻く学びの性質を概念的に理解して、ゲームの中の行動と学習の関連性について理解を深め、実際にレビューを行うことで、これまでよりもさらに安心してゲームを選んで、楽しめるようになることを目的としています。
修了要件を満たすとバッジが付与されます。
アカウントの登録方法は以下のマニュアルをご参照ください。