【7月14日】ゼミ活動のご報告

お世話になります。M2の升井です。

Sセメスターのゼミもあと僅かになり、私の修士研究もこれから山場に差し掛かります。今日はM2の叶さん、升井の研究進捗発表、研究員の木村さんのプレイセッションの2本立てでした。

■研究進捗発表

叶さんの発表はM-GTAのインビュー、概念生成の進捗報告でした。インタビュー時間が長く、一人一人に相当の時間がかかる研究手法ですが、大分インタビューや文字起こしが進んでいる様子でした。文字起こしのツールの話になり、中国語対応のものやAIで精度の高いものなど、色々と知れて勉強になりました。大変な研究だとは思いますが、叶さんのバイタリティならしっかりとやり切って、よい修士論文が完成するのではないかと思います。

升井の発表では、中間発表に向けてリハーサル的なものを行いました。発表の機会があると、自分の研究を人に伝えるために振り返ったり、構造をシンプルにしたり、得られるものが大きいです。最近の感触では、自身の研究がクロージングする段階に迫ってきたように思います。20日の中間発表では優秀な先生方や学生から自分の研究内容やプロトタイプに対しての貴重な意見がもらえるので、楽しみでなりません。

■プレイセッション

研究員の木村さんプレゼンツのプレイセッションは

「いつもお空のどこかで誰かを助ける ―主人公たちの向社会的行動を探し出せ―」

というタイトルで、「グランブルーファンタジー」というCygamesのソシャゲーを活用した、2チームの対戦型のプレイセッションをしました。

※ルール

個人のスコア=向社会的行動(prosocial behavior)の回数+上昇したRank数 のチーム合計で勝敗がつく

向社会的行動とは、他者や社会の利益になる行動のことで、ストーリー中の主人公たちの向社会的行動を見つけ出し、それを示す台詞をスクリーンショットで記録することでポイントになります。

戦術的には、ランクの上げと向社会的行動のスクショのバランスを考えながら効率的にポイントを獲得していくことが求められます。

私のいたAチームでは、M1の春口さんが達人レベルでグラブルをやりこんでいたので、自動的にリーダー役割を担って即効性のある作戦を指揮してくれました(仕事ができる!)おかげで、効率的にランクを上げるタスクをこなすことで、見事相手チームに5ポイントの差を付けて勝利をつかめました。

プレイセッションでは戦略性があると、両チームが燃えるように思います。普段のゲームを違った切り口で観察したり、スクショしたり、交渉したり、マルチな活動で非常に楽しかったです。

(熱中するゼミメンバー↓)

【6月16日】ゼミ活動のご報告

お世話になります、M2の升井です。今回のゼミは、叶さんよる研究分野関連論文紹介、大空さんによる文献研究、木村さんによる研究員発表でした。

  • 研究分野関連論文紹介:M2叶さん

木下康仁 (2020) 定本 M-GTA :実践の理論化をめざす質的研究方法論. 医学書院

木下康仁 (2007)ライブ講義M-GTA : 実践的質的研究法 : 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて. 弘文堂

叶さんが修論で用いているM-GTA (Modified Grounded Theory Approach)という質的研究法に関する文献の紹介でした。

元となるGTA(Grounded Theory Approach)との違いについてなど、難しいテーマを噛み砕きながら説明してくれました。

インタビューから得られたデータを定義づけし、理論的メモなどを加えながら質的に分析していくアプローチで、緻密な作業が求められ、かつ、研究者の言語化のセンスが試される研究手法だと思いました。

  • 文献研究:M1大空さん

Rey, G.D. (2012). How seductive are decorative elements in learning material?. Journal of Educational Multimedia and Hypermedia, 21(3), 257-283. Waynesville, NC USA: Association for the Advancement of Computing in Education (AACE). Retrieved September 27, 2021 from https://www.learntechlib.org/primary/p/39253/.

大空さんが選んだ文献はSeductive detailsに関する論文です。Seductive detailsとは翻訳すると誘引性付加物で、Reyの研究はマルチメディア教育メッセージの装飾要素が学習成果を改善するか損なうかを調査することを目的としています。

ディカッションでは、イラスト等の装飾物を使うことに対して、効果のある学習者とそうではない学習者がいるのではないかという話になり、内的動機付けのされている学習者にとってはかえって邪魔になるという考察をしたりしました。

  • 研究員発表:特任研究員木村さん

ビデオゲームが脳活動に与える影響に関する研究の紹介―「ゲーム学習」と「悪影響」の視点から―

というテーマで、様々な論文や書籍の紹介をしてくれました。木村さんの研究領域は脳科学とゲームで、脳科学的にゲームの作用を測定している点が興味深いです。発表を聞いて、我々の研究室はゲームと教育をテーマにしているので、ゲームの良い所を探るということにフォーカスされやすいのですが、悪影響に関するデメリットの側面もバランスよく考慮していくことが大事だと再認識しました。

また、ゲームを研究材料として扱うときに、複雑なゲームシステムのものは測定しにくく、比較実験をするためにはゲームデザインの簡素化が必要になり、これが市場の複雑なゲームとの中身の乖離を生んでいるという課題があることが話題になりました。

今回のゼミ全体を通して、ゲームや教材が時代とともに高度化していく中、それに応じた研究手法なりの発展も必要になってくるのだと感じました。そして、教育工学やゲーム学習の研究の重要度は増々高まり、この藤本研究室のようなところの意義が大きくなるのだろうと思います。

最後になりますが、夏の院試に向かって準備を進めている皆さん、体に気を付けて頑張ってください。

【5月19日】ゼミ活動のご報告

M2の升井です。今回のゼミは自身初の対面で行われ、とても新鮮な気持ちで迎えることができました。M1の優秀な後輩もできて、これから1年頑張ってゼミを盛り上げたいと思います。

  • 文献研究 担当:升井

C.M.ライゲルース, B.J.ビーティ, R.D.マイヤーズ(編), 鈴木克明(監訳)(2020)学習者中心の教育を実現するためのインストラクショナルデザイン理論とモデル.北大路書房.

第3章 課題中心型インストラクションの原理

第4章 個人に合わせたインストラクションの原理

第3章では、課題中心型インストラクション(TCI)について扱われています。TCIとは学習課題を中心に①学習課題、②既有知識の活性化、③例示/モデリング、④応用、⑤統合/探究の要素で構成され、さらに、フェードアウトする足場かけが施された学習モデルです。

ディスカッションでは資源対学習者数の効率の悪さを克服するためには何が必要かなどを話し合いました。アクティブラーニング全般に言えることですが、協働作業の時間の確保のために③例示の部分を事前のビデオ視聴に置き換えるなどの工夫ができます。しかし、そのビデオと協働作業との接続の工夫の余地はまだまだ残っていそうだと思いました。

第4章では、個人に合わせたインストラクションについて様々なことを個別化する方法論が示されています。章の中で「グラインディング=わざと繰り返し作業をプレイヤーにさせること」というゲーム用語が出てきて、グラインディングについての経験などを話しながら盛り上がりました。やはり、ゲーム学習の研究室なのでゲームの話になると白熱します。

  • 文献研究 担当:春口さん

ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン (2019) ルールズ・オブ・プレイ:ゲームデザインの基礎(再編集版)ニューゲームズオーダー

第3章 意味ある遊び

第4章 デザイン

M1の春口さんが担当でした。春口さんの発表資料はスライド形式で、自分の解釈なども交えながらのプレゼンは斬新でした。第3章の「ゲームを作ること」とは何かというディスカッションで、「人の行為の変換装置を作ること」や「体験を作ること」などの各々の意見が出たり、スプラトゥーンとFPSのデザインの違いなどを考察したりして盛り上がりました。また、第4章では記号論などを織り交ぜながら、ゲームデザインとは何ぞやということを話し合いました。藤本ゼミの研究ではシリアスゲームなど、自作のゲームを作る学生も多いので、ルールズ・オブ・プレイのゲームデザイン論はとても役に立つ内容だと思いました。

  • プレイセッション 担当:財津さん

財津さんが担当したプレイセッションではルールを追加・削除する大富豪を2チームに分かれてプレイしました。片方のチームは大富豪になった人がルールを新たに1つ追加して、もう一方のチームは大富豪になった人がルールを1つ削除するという特別な仕掛けがありました。大富豪といえば、そもそも人によっては大貧民と呼んだり、ローカルルールがあったりで、ルールに調整がかかりやすいゲームです。私のチームは減らす方で、Jバックを消すなどのルール変更がなされました。ディスカッションで興味深かったのは、どこまでルールを消すと大富豪がゲームでなくなるのか?ということです。極論、「手札を配る」というルールを消すとゲームが成立しなくなったり、手札を全部見せてプレイするというルールにすれば、ゲーム感覚は全然違うものになったり、ルールを作るという作業は思ったよりもクリエイティブであるということを体感しました。対面ならではのゲームで、久しぶりにリアルの人と交流できて楽しかったです。

さて、今日はこのあと藤本ゼミの入試説明会があります。院生として、受験しようと思っている人たちにZOOMで話す機会があるので、多くの人にゼミの魅力が伝えられるように頑張ります。

【12月17日】ゼミ活動のご報告

 お世話になります。修士1年の升井友貴です。

 先月、研究室で写真撮影する機会があり、服を買ったり、美容院に行ったり、ひげの脱毛をしたりと久々に身だしなみに気を遣いました。良い写真を撮ってもらったので、年賀状に使おうと思います。

 さて、今日のゼミは「研究関連論文の紹介」「プレイセッション」の2本立てでした。

  • 研究関連論文の紹介(担当 K.I.さん)

 沼山博,村瀬桃子,棚村正(2018)シミュレーションとゲーミングの特別活動への導入: 新中学校学習指導要領との関連から.山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告,45:193-203

 山中洋平ほか(2018)ファシリテーターの「場のデザイン」育成における失敗体験パターンカードの有効性.国際P2M学会研究発表大会予稿集,2020.Spring(0):254-268

 敷田麻実(2009)よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究.国際広報メディア・観光学ジャーナル,9:79-100

 1つ目の協力ゲームを用いた実験的研究では、言葉を用いないゲームをチームで行うことで、非言語のコミュニケーション能力が高まるなどの6つの効果を検証しています。2つ目のファシリテーターに関する論文では、ファシリテーションの能力に焦点を当ててカードを使った教材を開発したものでした。最近、ZOOMのグループワークなどでファシリテーターの役割をすることがあって、対面よりもやりにくさを感じますが、その原因は1つ目の論文のような非言語の部分が削がれるからのように思います。ZOOM会議などのスキルがこれからの時代重要になってくると思うので、上手になりたいなと思いました。

  • プレイセッション(担当:升井)

 私のプレイセッションで、前々からやりたいと思っていた、パチンコアプリの実況をしました。ルールは至ってシンプルで、30分以内に大当りすればゼミの皆さんの勝利、大当りできなければゲームマスターの私の敗北という設定にしました。また、裏ルールとして、こちらが設定した5つの想定質問を3個以上踏むというミッションも設けました。

 選んだ機種は平和さんの「P戦国乙女6暁の関ケ原」です。1/222で大当りする、戦国武将が美少女化した世界観のオリジナルコンテンツです。私が台の実況をしながら、質問にひたすら答えていきました。裏ルールのおかげか、とても多くの質問をいただき、やりがいがありました。途中、派手な演出が発生しだして見事大当りしたので、私の負けが決定しました。

 今回の気づきとして、オンライン授業等で、質問を多く投げてもらいたいという狙いがある場合に、想定質問を踏むというゲーム性を持たせるという手法は結構有効なのではないかということです。

 来週のゼミではM2のお二人の修論を読みます。ブルーライトカット機能付きのメガネを新調したので、ばっちり準備できています。

【12月2日】ゼミ活動のご報告

お世話になります。修士1年の升井友貴です。

本郷キャンパスではイチョウの葉がすっかり黄色く染まり、銀杏があちらこちらに落ちています。人は臭いの記憶が深く残るそうなので、きっと今後の人生で茶碗蒸しを食べるたびにキャンパスライフを思い出すことになるでしょう。

本日のゼミは、「研究関連論文の紹介」「文献研究」「プレイセッション」の3本立てでした。

  • 研究関連論文の紹介(担当 張さん)

張さんはオノマトペに関するゲーム型教材の研究をしていて、今回の発表はオノマトペに関するものを3本選んでくれました。ざっくりまとめると、日本語学習のオノマトペの分析について様々な側面からアプローチしている論文でした。張さんは今の時期は修士論文の執筆をがんがん進めていると思いますので、紹介してくれた論文もしっかり位置づけが明確化されていたと思います。論文を書くためには文献研究をこつこつ積み上げていくことが必要で、この研究関連論文の紹介も張さんの修論にめちゃくちゃ役立っているのだろうと思いました。

  • 文献研究(担当 K.I.さん)

Jesse Schell(2019)「ゲームデザインバイブル(第2版)」オライリー・ジャパン

2章:ゲームデザイナーは体験を創り出す

3章:体験はプレイ環境で起こる

4章:体験はゲームから生まれる

ゲームデザイナーは心理学、人類学、デザインの3つのアプローチや内観(自分自身の体験の観察)を使いこなすことが大切ということでした。特に印象に残ったことは、ゲームデザイナーは玄人好みのものを作ってしまうという戒めでした。これは、自分にも当てはまって、自分がそのジャンルに精通しすぎているとマニアックなものを好むようになり、結果としてユーザーとの距離感が掴めなくなるように思います。ライトユーザーの気持ちをメタ的に理解するには、開発者だけのコミュニティ以外にも属しておくことが大切なのではないかと考えました。

  • プレイセッション(担当 叶さん)

叶さんのプレイセッションは「チョンマゲ・オン・ザ・ヘッド」という日本語を英語だけで説明するコミュニケーションパーティーゲームをしました。

まず、ゼミのメンバー全員が英語で自己紹介しました。(私はこのところずっと英語を喋っていなかったので、とても焦りました。)

さて、ゲーム開始です。初めに一人一人がお題とNGワードを考えました。(例:お題=さくら、NGワード=cherry blossom、pink)

次に、説明担当者は他の人が考えたお題を英語だけで説明します。このとき、NGワードを使うとは禁止で、自分の持っている英語力で一生懸命伝えます。そして、回答者がお題を当てられれば説明担当と正解者が1ポイント獲得という流れです。ゲーム中は全員が質問等含めて英語になります。

このようにゲームを用いることで、ゲームに勝つために恥ずかしがらずに英語を話すことが可能になります。最近は、デジタルゲームを使った英会話教室なども出現していて、ゲームの持つ人を夢中にさせる力は語学学習に有用だと実感できました。

最後に…

気づけばもう12月で、M2のお二人は追い込みの時期だと思います。自分も修論をチェックする機会があるようなので、論文が読めるのを楽しみにしています。頑張ってください!

【11月4日】ゼミ活動のご報告

M1の升井です。お世話になります。

先日、東京六大学野球の東大野球部の試合を観戦してきました。結果は0-0で引き分けでしたが、強豪相手に一生懸命プレーする選手たちの姿に勇気をもらいました。秋季リーグも終わって、すっかり秋も深まり気温も低くなりました。皆さん、カゼを引かないようにお気を付けください。

さて、本日のゼミは、研究関連論文の紹介&文献研究&事例研究の3本立てでした。

  • 研究関連論文の紹介(担当 升井)

今回私が紹介した論文は次の3本です。

Ortega-Arranz A., Bote-Lorenzo M., Asensio-Perez J., Martinez-Mones A., Gomez-Sanchez E., Dimitriadis Y. (2019) To reward and beyond: Analyzing the effect of reward-based strategies in a MOOC. Computers & Education, vol.142. 103639. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2019.103639

雨宮 智浩, 青山 一真, 伊藤 研一郎(2021)「遠隔講義における講師アバタの見かけによって変化する受講希望度が授業への積極的参加行動に与える効果―オンライン授業への導入事例―」日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 26 巻, 1 号, p. 86-95,

佐藤 満明, 柄本 健太郎, 向後 千春(2015)「講義動画中におけるクイズの提示が受講者の学習意欲に及ぼす効果」日本教育工学会論文誌, 2015, 39 巻, Suppl 号, p. 77-80

1本目のArranzさんの論文はMOOCsのゲーミフィケーションに関するもので、特に報酬(reward)に焦点を当てています。バッジ(badge)とリディーム(redeem)の2種類の報酬の効果を実験的に測定しています。実験では、バッジだけでなく何かしらの特典がある方が学習者のエンゲージメントを高めることが示唆されています。

2本目の雨宮さんの論文は遠隔授業時の教師の顔をアバターにする研究です。教師の顔をそのまま映すのではなく「Avatarify」というアプリを使用して別人の顔になって講義をします。実験では、より学習者にとって魅力的なアバターで講義をした方が、学習者の積極性が高まることが示唆されています。

3本目の佐藤さんの論文はe-learningの講義動画にクイズを挿入する取り組みです。実験では、クイズを挿入することでARCSモデルから参照した注意、関連性、自信、満足感のうち自信と満足感が高まったと報告されています。

  • 文献研究(担当 張さん)

張さんが発表した文献は教授エージェントに関する海外の論文でした。

Sahimi, S. M., Zain, F. M., Kamar, N. A. N., Samar, N., Rahman, Z. A., Majid, O., Atan, H., Fook, F. S., & Luan, W. S. (2010). The Pedagogical Agent in Online Learning: Effects of the Degree of Realism on Achievement in Terms of Gender. Contemporary Educational Technology, 1(2), 175-185. https://doi.org/10.30935/cedtech/5973

教授エージェントとは、オンライン学習のコンテンツで教師の役割を果たし、学習者とコミュニケーションしながら学習をサポートするものです。この論文では、エージェントのアバターのリアル度を3段階設けて、その効果の違いがジェンダーで差があるかを実験的に調査しています。結果は、学習効果に有意差はなく原因としてスプリットアテンション効果の影響が大きいと考察されています。実験で有意な差が出なかったときに、いかに論文としてまとめていくかの参考になる論文でした。

  • 事例研究(担当 叶さん)

今回叶さんが選んだテーマはREADING AIDSでした。叶さんは物語中心のゲームプレイと第二言語学習に関する研究をしているので、その補助ツールとなるREADING AIDSについて深堀してくれました。Readlang、Mouse dictionary、リーディング・チュー太の3つのツールについて比較検討して、ゲームで外国語を学ぶ際に必要なREADING AIDSの要件を考察しました。個人的には、Mouse dictionaryのレスポンスの速さに驚きました。また、英語論文を読んで整理するためのコツのようなものも皆で話し合えて、ためになりました。

本日のゼミを終えて、やはり一人で論文などに触れるよりも、他者の視点を入れることでより自分にとって有意義なものになることを実感しました。今週は藤本ゼミの説明会もあり、冬期の大学院入試が迫っています。興味を持たれている方は、ぜひエントリーをご検討ください。

【10月7日】ゼミ活動のご報告

M1の升井です。お世話になります。

今日から秋学期のゼミがスタートしました。秋学期のゼミは春学期の内容に加えてゲスト回があったり、英書の特別文献研究があったり、盛りだくさんで非常に楽しみであります。

初回の今回は①夏休みの活動報告と②藤本先生によるプレイセッションでした。

  • 夏休みの活動報告

夏休みに各自が行った活動を報告しました。M2のお二人は修論に向けて既に論文を書き始めたそうです。M1の叶さんも友人との交流を深めるなど、諸々充実した夏休みだったようで、とても羨ましいです。自分は本郷の総合図書館に結構行っていたのですが、コロナ禍ということもあり人と接することがほとんどない淋しい夏だったように思います。10月16~17日には日本教育工学会の秋大会があり、ゼミメンバーと一緒に参加することになっています。(去年は一人ぼっちで参加していてアウェーだったので、今年は心強いです)

  • プレイセッション

・Foldit

・ぐんまのやぼう

上記2つのゲームをグループに分かれてプレイし、その後にレビューしました。

Folditはタンパク質の構造予測を行うコンピュータゲームで、2008年にリリースされた歴史ある有名なシリアスゲームの1つです。人がゲーム感覚でサイエンスの発展に貢献するというロジックで、ゲームをすることが社会に直接役に立つ好例でもあります。こちらは研究室にいた3人がプレイし、レビューをしてくれました。

ぐんまのやぼうは、2012年にリリースされたスマホゲームで、群馬県をモチーフにしたゲームです。私はパズドラをやっていたので、コラボで何となく存在は知っていました。調べたところ、作者は群馬出身の方で、群馬県の知名度が全国ワーストということがきっかけで製作したそうです。

レビューの際には以下の項目をディスカッションしました。

・このゲームのゴール

・このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)

・このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール)

・このゲームに取り入れられているゲーム要素

・このゲームで関連する学習要素

・このゲームがプレイ意欲を高めている要素

私が参加した「ぐんまのやぼう」では、次のようにまとめました。

このゲームのゴール

・日本を群馬県に天下統一する

このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)

・都道府県を制圧する

・Gを稼ぐ(収穫する、スゴロクする、ガチャをする)

このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール

・収穫に待ち時間

・隣の県しか制圧できない

・人口の多い県はGがかかる

このゲームに取り入れられているゲーム要素:

・運(スゴロク)

・ストーリー

・ゆるゲー

・待ち時間

・レベルアップ

このゲームで関連する学習要素:

・群馬のご当地要素(食材、駅、市)

・47都道府県

このゲームがプレイ意欲を高めている要素:

・制圧欲

・地元愛 (上毛カルタ)

ゲームレビューをすると、一人では気が付かない視点でゲームを捉えることができたり、やはり学びが大きいです。

さて、秋学期も学際的でバラエティに富んだ授業が待っているので、目指せフル単です!

【9月28日】もうすぐ秋学期が始まります

M1の升井です。

今日は、文献紹介と先週見た夢について書きます。

夏休み中に本郷キャンパスの総合図書館へ足を運び、本棚を探索していたところ面白い本を見つけました。

鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著(2016)

『インストラクショナルデザインの道具箱101』北大路書房

101は「ワンオーワン」と読むみたいです。

インストラクショナルデザイン(ID)の定義は、「教育活動の効果と効率と魅力を高めるための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセス」です。

鈴木克明(2005)「〔総説〕e-Learning 実践のためのインストラクショナル・デザイン」『日本教育工学会誌』29(3),197-205

この本の面白いところは「レイヤーレベル-1:いらつきのなさ~レベル3:学びたさ」の5つの段階に分けて101個のデザインの要素(道具)を紹介しているところです。ARCSモデルやGBS理論など、IDに関連する多くの知見が網羅されています。

私は、この手の〇○○個系の本が好きです。なぜかというと、区切りのいいところまで分割して読みやすいからです。ゼミの文献購読で指定されているJesse Schell『ゲームデザインバイブル[第2版]おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」』も〇〇〇個系の本ですね。

そして、〇○○個系の本はアイデアの発想法にも役立つと考えています。アイデアを生み出すときの基本戦術として「掛け合わせ」というものがあります。例えば、新しい料理を考案するときに「カレー」×「うどん」=「カレーうどん」のように発想するイメージです。ネタとなるたくさんのキーワードをエクセルにまとめておいて、random関数で2個をピックアップすれば、思いもよらない組み合わせが提示され、そこから新しいアイデアがひらめくこともあります。

〇○○個系の本でキーワードをたくさん吸収することで、掛け合わせで生まれるアウトプットの可能性がどんどん広がっていくことを実感できる点も、この手の本が好きな理由です。

ここからは雑談になりますが、先週とあるZOOMコミュニティの話題で「山口県の家の瓦は赤い」とか、「ポッキーとトッポのどっちが好きか?」とかいう話をしていて、その後、無性にトッポが食べたくなってコンビニダッシュを決めてトッポを食べた夜に変な夢を見ました。

夢の中では、とある学校の先生(ZOOMのメンバー)が「チョコレートでできた家を建てたい」と言い出して、私が「食べられる素材で、何十年も住める家は建てられないですよ」と力説しているところで目が覚めました。(夜中の3時)

なぜこのような夢を見たのか分析すると、直前で意識していた赤い瓦と口にほのかに残るチョコの味が無意識の中で組み合わさった結果、チョコレートでできた家が出てきたと考えられます。

寝る前に〇○○個系の本を読むことで、夢の中で新しいアイデアが思い浮かびやすいのではないか?

残りの夏休みに自分を使って実験してみます。

【8月24日】近況報告とシリアスゲーム紹介

M1の升井です。お世話になります。

現在、夏季休暇期間ということで簡単に近況報告させていただきます。

世の中はコロナで大変なことになっていますが、私は特に変わりなく元気に夏休みを過ごしております。セブンイレブンの冷凍したメロンを食べてお腹が痛くなったくらいで、今年の夏は比較的体調良好と言えます。

研究の進捗については、この夏でリサーチクエッションを固めようと考えていて、色々と模索している現状です。本郷キャンパスの三四郎池で、鯉やカメ(稀にスッポン)に見守られながら悩んでいる学生がいたら、たぶん自分です。研究の方向性として①博士課程につながるような研究②自分が得意なジャンルの研究③世の中の役に立つような研究など、どういう基準で方向性を決めるか、難易度や研究室のカラーなども総合的に踏まえて結論を出そうとしています。

最近アマプラで「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見て、14年間のケジメ的なことを考えさせられたので、昔話がてらにシリアスゲームの紹介をします。

突然ですが、皆さんはパチンコやスロットを打ちますか?実は私はプレイヤーというか、社会人時代にパチンコの開発者をしていました。

教育とゲームは対極のように思われたりしますが、パチンコだともっと離れていると思われると推察します。しかし、世の中には勉強と遊技を融合した?一風変わったパチスロが存在しました。

その名は学習パチスロ「算数」「国語」「理科」です。

→https://www.p-world.co.jp/machine/database/4827

遊人というメーカーから2007年にリリースされています。(残念ながら、パチンコホールではもう設置していません)

このパチスロは、スロットをしながら勉強をするというコンセプトで、当時の脳トレブームにあやかって企画されたものだと考察されます。

算数というタイトル名が示すように、簡単な計算問題など小学生レベルの問題が繰り出される機種となっています。

気になるのは、問題に正解すれば出玉に影響があるのか?ということですが、残念ながら出玉とリンクはしていないので、完全に勉強部分はおまけになります。もしも、勉強ができれば勝てる機種だったら、世の東大生はパチンコホールに通っていたかもしれません。笑

詳しくは、YouTubeの令和ベストテンさんが動画で紹介しているので、こちらをご覧ください

→https://www.youtube.com/watch?v=NweynC6DxdY

私自身はパチンコ開発者としてシリアスゲームパチンコの開発にチャレンジしてみたいという想いはあったものの、結局叶えることはできずに業界を去ったのが心残りです。

パチンコ開発の経験を何かしら自身の研究に役立てていこうと決意した、今日この頃です。

【7月1日】ゼミ活動のご報告

M1の升井です。お世話になります。

7月1日のゼミは、文献研究とプレイセッションの2本立てでした。

  • 文献研究(担当:張さん)

SSwacha, J. (2021). State of Research on Gamification in Education: A Bibliometric Survey. Education Sciences, 11(2), 69. MDPI AG. Retrieved fromhttp://dx.doi.org/10.3390/educsci11020069

ゲーミフィケーションの研究動向について統計的にまとめた論文でした。

9つのRQを中心に様々な観点でゲーミフィケーションの論文が分析されていて、中でも気になったのはスペインでゲーミフィケーションの研究が盛んなことでした。

多くの国々でゲーミフィケーションが研究されている中、日本でもゲーミフィケーションの研究が進むことに期待しています。

また、研究の手法として、論文のタイトルに入っている単語で条件を設定して分析していたので、自分も論文のタイトルを考えるときは、この手のリサーチに引っかかるように戦略的にタイトルに含まれる単語を工夫しようと思いました。

  • プレイセッション(担当:K.I.さん)

今日はK.I.さんが友人たちと開発した?「スマホの写真バトル」(名前は私が勝手に名付けました)をZOOMでプレイしました。

ゲームのルール概要は以下の通りです。

・親となった人が「〇〇な写真」というお題を出します。

・全員で自分のスマホの写真ストレージの中から一番お題に適した写真を選びます。

・一斉に写真を見せ合い、写真の説明をしていきます。

・1位、2位、努力賞を決めます。

・一回りして、一番ポイントの高い人が勝利です。

要するに、お題に合った写真を出せればいいというルールですので、写真のストックがあればあるほど有利にバトルを進められます。私は、スマホであまり写真を撮らないので苦戦が予想されました。

実際にあったお題では、「ほぼ猫な写真」というものが出て、自分のストックを一生懸命探しました。

すると、2020年8月に1人で寂しく「無添くら寿司」という回転ずしチェーンに行き、5皿食べると1回できるゲームで射止めたガチャの写真があるではないですか。

足先だけマーメイドになっている…ほぼ猫といっていいでしょう。

この写真で見事、1位になることができました。

日の目を見ることがないと考えられていた「覗き見にゃーメイド」の写真が約1年の時を経て、奇跡的に役に立ちました。

総合1位は張さんが獲得し、張さんは何と1万3000枚の写真のストックがあったそうです。

身近なちょっとしたモノからアイデア次第で遊びになるという、とても参考になる楽しいプレイセッションでした!