【7月21日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、春口です。
7月21日のゼミ活動報告をさせて頂きます。

進捗報告 春口
 今回の進捗報告では、研究で作るゲームの内容を決めるためのフレームワークとしてCISSPを選定した事、夏休みでレビューするゲームについての2つを報告致しました。
 CISSPはアメリカのセキュリティ技術者認定資格です。CISSPそのものは資格ですが、セキュリティ関連の知識や技術が整理されており、研究がカバーする範囲を提示する時や関連研究の整理の時など様々な場面で役に立ちます。
 レビューするゲームは、CISA作成のゲームやトレンドマイクロ作成のゲームなどをピックアップしました。夏休みはこれらのゲームをレビューして傾向や課題を整理したいと思います。

進捗報告 大空さん
 今回の報告では、修士論文の目的を「狭義と広義のキャリアの融合を目指す」と整理されていました。狭義のキャリアは仕事のキャリア、広義のキャリアは人生全般のキャリアと位置づけ、どちらも内包したボードゲームの開発を行うとの事でした。
 質問の時間では、広義のキャリア、狭義のキャリアについて様々な意見がありました。就活生はハイになりワークライフバランスを軽視しがちという意見や、男性と女性のキャリア感の違いなど、一口にキャリアといっても様々な見方があるため、広義と狭義のキャリアがどのように融合したゲームになるのかが楽しみです。

研究方針報告 楊さん
 今回の報告では、「教育用ゲームにおける代替現実ゲーム(ARG)の構造と設計応用」という研究方針を発表されました。具体的な内容としては
・ARGを教師が設計できるようにゲームデザインの難しさを最小限に抑え学習者にとって    
 どれだけ効率的な学習を行えるようにするか
・ARGの構造と応用のデザインパターンから一般的なパターンを整理できるか
・教師自身が自由にARGゲームをデザインすることは可能か
などを考えているとのことで、ARGと学校での教育に視点がおかれた研究内容です。
 ARGについて知識の無かった私としてはとても興味深い研究内容であると感じました。ARGの詳しい内容を知る機会になれば嬉しいです。

プレイセッション 叶さん
 A DARK ROOM(日本語では暗い部屋)というゲームをプレイヤーと観察者の2人一組になってプレイするという内容でした。2人の役割は以下の通りです。
 ・観察者の役割は、デフォルトが英語のA DARK ROOMをプレイヤーが英語でどこまで  
  ゲームをプレイするか、どのタイミングで日本語に切り替えるかといった所に注目し
  て英語学習と関連しそうな行為を見つけ出す事
 ・プレイヤーの役割は事前知識が無い状態かつ英語表記のA DARK ROOMをプレイする事
 
 私の役割はプレイヤーでした。ただ、プレイセッションの趣旨が途中でどこかに飛んで行き開始5分くらいで日本語にしてプレイしました…。終わってから気が付いたため、観察者の木村さんにはとても申し訳ない事をしたと感じます…。
 A DARK ROOMは(プレイセッションの趣旨が飛んでいくほど)面白いゲームでした。簡素な画面が徐々に賑わっていく様はある種の達成感を感じさせてくれます。一度プレイしてみてください。

以上が7月21日のゼミ報告となります。

【7月14日】ゼミ活動のご報告

お世話になります。M2の升井です。

Sセメスターのゼミもあと僅かになり、私の修士研究もこれから山場に差し掛かります。今日はM2の叶さん、升井の研究進捗発表、研究員の木村さんのプレイセッションの2本立てでした。

■研究進捗発表

叶さんの発表はM-GTAのインビュー、概念生成の進捗報告でした。インタビュー時間が長く、一人一人に相当の時間がかかる研究手法ですが、大分インタビューや文字起こしが進んでいる様子でした。文字起こしのツールの話になり、中国語対応のものやAIで精度の高いものなど、色々と知れて勉強になりました。大変な研究だとは思いますが、叶さんのバイタリティならしっかりとやり切って、よい修士論文が完成するのではないかと思います。

升井の発表では、中間発表に向けてリハーサル的なものを行いました。発表の機会があると、自分の研究を人に伝えるために振り返ったり、構造をシンプルにしたり、得られるものが大きいです。最近の感触では、自身の研究がクロージングする段階に迫ってきたように思います。20日の中間発表では優秀な先生方や学生から自分の研究内容やプロトタイプに対しての貴重な意見がもらえるので、楽しみでなりません。

■プレイセッション

研究員の木村さんプレゼンツのプレイセッションは

「いつもお空のどこかで誰かを助ける ―主人公たちの向社会的行動を探し出せ―」

というタイトルで、「グランブルーファンタジー」というCygamesのソシャゲーを活用した、2チームの対戦型のプレイセッションをしました。

※ルール

個人のスコア=向社会的行動(prosocial behavior)の回数+上昇したRank数 のチーム合計で勝敗がつく

向社会的行動とは、他者や社会の利益になる行動のことで、ストーリー中の主人公たちの向社会的行動を見つけ出し、それを示す台詞をスクリーンショットで記録することでポイントになります。

戦術的には、ランクの上げと向社会的行動のスクショのバランスを考えながら効率的にポイントを獲得していくことが求められます。

私のいたAチームでは、M1の春口さんが達人レベルでグラブルをやりこんでいたので、自動的にリーダー役割を担って即効性のある作戦を指揮してくれました(仕事ができる!)おかげで、効率的にランクを上げるタスクをこなすことで、見事相手チームに5ポイントの差を付けて勝利をつかめました。

プレイセッションでは戦略性があると、両チームが燃えるように思います。普段のゲームを違った切り口で観察したり、スクショしたり、交渉したり、マルチな活動で非常に楽しかったです。

(熱中するゼミメンバー↓)

【7月7日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、M2のイェです。
今週のゼミ活動を報告させていただきます。

研究テーマ関連論文紹介 升井さん
升井さんがゲーミフィケーションのパーソナリティに関する以下の2本の論文を取り上げられました。

  1. User types HEXAD (Marczewski, A. 2015)
  2. The Gamification User Types Hexad Scale (Tondello, G. et al.,2016)

1本目の論文は、ゲーミフィケーションのパーソナリテイ分類の基礎となった文献です。バートルをはじめ、様々なゲームプレイヤーのタイプ分類がなされてきましたたが、ゲーミフィケーションに特化したものはこれまでなかったです。そこで、この論文は、ゲーミフィケーションを使用する際には、ターゲットの属性に適したゲーム要素を取り入れてデザインすることが大切だと主張しています。

2本目の論文は、Marczewski の提唱したHexad user types の測定方法(テスト)を考案した研究です。Marczewskiの提唱したHexadモデルは、①Hexadユーザーの嗜好を測定する標準化されたプロトコルがない、②実験的な実証がされていない、という問題点が存在しています。本研究はその二つのギャップを埋め、テストの妥当性が担保され、ゲーミフィケーションのデザインに有用なことが示されました。

関連論文概要紹介 春口さん
発表のキーワードは「産業界の実践」とされ、日本とイタリアの情報セキュリティを学ぶ大学院のカリキュラムコンセプトから、情報セキュリティ教育の要点とシリアスゲームが有効である切り口などについて検討しました。具体的には、日本の情報セキュリティ大学院大学の実践と、バーリ大学(University of Bari) の修士課程である「The Hack-Space」のコンセプトが取り上げられました。

調査結果における注目点は二つあります。まず、①理論の構造や抽象的な概念ではなく、産業界の実践をもとにカリキュラムが構成されている点という点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学は、「技術」「管理運営」「法制度」「情報倫理」という概念によってカリキュラムが作られています。

また、②SOU、CSIRT、SUの3つに業務を整理することに知識の有用性に説得力があるという点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学はコースの内容を技術系とマネージメント系の2 つに分けています。

今回の報告は以上になります。

M2の皆さん、再来週の中間発表会に向かって頑張りましょう!

参考文献

  • Marczewski, A. (2015) User types HEXAD. Even Ninja Monkeys Like to Play: Gamification, GameThinking &Motivational Design. CreateSpace Independent Publishing Platform, pp.69–84.2.
  • Tondello, G. F., Wehbe, R. R., Diamond, L., Busch, M., Marczewski, A., and Nacke, L. E. (2016). The Gamification User Types Hexad Scale. In Proceedings of the 2016 Annual Symposium on Computer-HumanInteraction in Play , pp.229-243.
  • Teaching Cyber Security: The Hack-Space Integrated Model Maria Teresa Baldassarre, Vita Santa Barletta, Danilo Caivano,Domenico Raguseo , Michele Scalera

【6月30日】ゼミ活動のご報告

こんにちは、大空です。

今週はゼミ活動とは別で、ゼミのメンバーで東京大学制作展(主催:情報学環・学際情報学府)にも足を運んできました。作品の鑑賞だけでなく、制作された学生本人から企画の背景や意図を直接お伺いできたので、通常の展示会では得られないような刺激を得られました。今後の自分の研究にも、今回得られたパワーを還元していきたいです。

それでは、6月30日のゼミ活動報告を致します。

研究テーマ関連論文概要紹介 叶さん
 今回叶さんが、研究テーマ関連論文として取り上げられてくださったのは、「教室外活動と日本語学習意欲に関する考察 ー台湾における学習者に着目してー」という論文です。

 この論文では、「どのような教室外活動が日本語学習意欲にどのように影響を与えるのか」をテーマに、①日本語学習者はどのような教室外活動に取り組んでいるのか、②学習意欲の高い学習者と低い学習者の教室外活動においてどのような違いがあるのか、③それぞれの教室外活動と学習者の意欲はどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としています。

 調査結果では、「日本語の音楽を聴く」や「日本の映画やドラマを見る」が授業外の日本語学習活動として多く取り組まれているようでした。そして、そこから得られた考察として、学習者が興味を持つメディアコンテンツ、リアルタイムフィードバック、言語を使用する機会、異文化間コミュニケーションのある学習が好まれる傾向にあるとまとめられています。

 今回の論文を受けてのディスカッションポイントとして、日本で日本語を学ぶのか、海外で日本語を学ぶのかで学習者の用いるメディアも変わってくるのではないかという点が挙げられました。日本で日本語を学んでいる学習者の方が、日本のアニメやゲームなどの文化に親しみを持っている人が多く、実際に叶さんの周りでもアニメやゲームを授業外活動として行う第二言語習得者は多いようです。

 叶さんの研究では、本論文で語られていなかった、物語中心ゲームのプレイ活動と日本語学習経験との関連を探索的に探究するため、改めてどのような示唆が得られるかが楽しみです。

研究テーマ関連論文概要紹介 大空

 今回、自分は研究テーマ関連論文として、①「女性役員の「一皮むける経験」 ―幹部候補女性を育てる企業のための一考察―」と②「潜在的強みの測定とその活用: ポジティブ心理学の更なる発展に向けて」という2つの論文を紹介しました。

 自分は、「ビジネスパーソンのキャリアデザイン開発に資するゲーム型研修の開発」をテーマにしているのですが、ゲームそのものにもっと現実と対応する意味づけが行えないかと思い、これらの論文をご紹介しました。

 具体的には、現在制作しているゲームが、ワークライフバランスを基盤にした人生全体としての意味合い(広義)のキャリアデザインを行うものなのですが、そこに加えて職業的側面に沿った意味合い(狭義)のキャリアデザインも大きな軸として伸ばすことができないか模索しています。

 そこで、①の論文からは、一皮むける経験(多くのリーダーが歩んできた経験)をゲーム中のイベントに盛り込むことで、企業活動におけるリーダーシップ開発にもつながるのではないかと考え、②の論文では、強みそのものを測る尺度が紹介されており、ゲーム中で「自分のできることカード」というものを作成するのですが、その作成時の観点として利用できないかと構想を立てました。

 実際に、ゲームに実装してみるところまでを行い、論文で語られていた効果も実証できそうな兆しが得られたので、今後さらにそれをブラッシュアップしていきたいです。

研究員発表 財津さん
 研究員発表では、財津さんからゲーム障害についてご紹介していただきました。

 これまでのゲームが及ぼすネガティブな影響に関する研究を複数見ていくなかで、「ゲーム脳」の研究に代表されるような、果たしてそれは本当に実証的なのか、解釈を拡大していないかという点が見受けられました。

 ゲーム障害に限った話ではなく、論文を見る際には、可能な限り原典にも目を通し、著者のニュアンス部分までを汲み取る必要があるように思えました。

 (あくまで個人的な意見ですが、)ゲームはもちろん万能ではないものの、その可能性をゼロにしてしまうのはやはりもったいないように感じてしまいます。ゲームが悪い影響を与えるのではないかというイメージがあることはたしかで、こうした中でいかにその可能性を広げてあげられるかが自分自身の研究を超えた人生的なテーマにもなってくるように思いました。

 ゲームと学習の結びつきを根本的なテーマにしている以上、やはりこの点に関しては自分自身知見や考えを深めておかなければいけない部分だったので、とても有意義な時間でした。

以上が6月30日のゼミ活動報告となります。

これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。 

【参加者募集】夏休み親子ゲームジャム2022@東京大学

※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(7/2追記)

当研究室所属の財津特任研究員が、小学校3年生〜中学生のお子様とその保護者の方を対象として、夏休み親子ゲームジャム2022を東京大学で開催します。
プロのゲームデザイナーの方々と一緒に、ボードゲームを制作してみませんか?初めての方も大歓迎です。

<開催概要>
☆2日間にわたるワークショップを開催します。
日時:8月6日(土)13:00-17:00、8月7日(日)9:00-18:00
会場:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
対象:小学3年生〜中学生と、その保護者
定員:12組 
 ※お申し込みの受付は、先着順となりますので定員になり次第締め切らせていただきます。
参加費:無料

<開催趣旨>
夏休み親子ゲームジャム2022は、親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたボードゲームを制作するワークショップです。
ボードゲーム制作を通して、子どもたちの日常生活において何かを良くするための新しいアイデアを考える創造性を育てることを目指します。創造性には、歴史的な大発見、社会を変えるような新製品、素晴らしい芸術作品などだけでなく、日常生活において、レシピを工夫してこれまでと違った美味しい料理を作ること、模様替えをして快適な部屋にすること、趣味として新しい素敵な音楽やダンスを作ること、学習のやり方を工夫することなども含まれます。特に後者のものを「日常生活における創造性」(mini-c)と呼びます。『日常生活における創造性』によって作り出されるものは、その本人にとって役に立つ新しいものであればよく、他の人にとって役に立つ新しいものであることもありますが、必ずしも他の人にとって役に立つもの、新しいものである必要はありません。こうした創造性は、その後に続く大きな創造性の端緒であるとされ、子どもたちの未来を拓く大切なものです。
今回のワークショップは、こうした考えに則り、成果物であるゲームの目新しさを問題にするのではなく、そのプロセスで子どもたちにモノゴトの新しい見方や関わり方を発見してもらうことを目的として開催するものです。

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2021年7,8月にもこのワークショップを福岡県福岡市で実施し、大変好評でした。
当研究室の院生の一部も運営として参加します。ふるってご応募ください!

お申し込みはこちら:https://forms.gle/AZ64R8Q9TYuyBP3T6