月別アーカイブ: 2025年12月

「ゲームの遊びと学びの未来フォーラム in富山」開催報告

投稿日時:   2025-12-25   投稿者:   shokotange

2025年12月20日、富山県民会館にて、当研究室主催による「ゲームの遊びと学びの未来フォーラム in 富山」 を開催しました。

本フォーラムは、ゲームを単なる娯楽としてではなく、人の学びや成長、協働を促す体験として捉え、その可能性を多様な立場の参加者とともに探究することを目的として企画されたものです。

当日は、大学教員、地方自治体で活躍する企業の方、教育関係者、メディア関係者など約20名が参加し、分野や立場を越えた活発な対話と交流が行われました。

前半は、ゲーム学習企画セッションとして、対戦型ゲーム「カニノケンカ」を用いた体験型プログラムを実施しました。
参加者はチームに分かれ、限られた時間の中でルールを理解し、戦略を立てながらゲームに挑戦しました。本セッションでは、プロの方による実況が行われ、試合の展開やプレイヤーの判断、チーム間の駆け引きがリアルタイムで言語化されました。実況によって会場全体に一体感と臨場感が生まれ、ゲームプレイ中の意思決定や協働のプロセスが、学びとして共有される体験となりました。

続いて、当研究室の特任研究員による研究発表セッションが行われました。木村知宏特任研究員は「eスポーツにおける挑戦と覚醒経験の可能性」、坂井裕紀特任研究員は「ゲームによる喪失体験がウェルビーングに及ぼす影響」について発表し、ゲーム体験がもたらす心理的・社会的影響について、研究的視点から示唆が提示されました。

最後にフォーラムの締めくくりとして、メインセッション
「富山から世界へ ~ゲームで学ぶ・ゲームから学ぶ~」 を実施しました。
杉木貴文 氏(株式会社Engames 代表取締役社長)、福井信英 氏(株式会社プロジェクトデザイン 代表取締役)、庄山雄二 氏(カミイチeスポーツクラブ 代表/上市町eスポーツ大会実行委員会 代表)が登壇し、それぞれの取り組みについて発表が行われた後、参加者との対話を通じて、ゲームを活用した学びや交流が地域・教育・企業・世界へと広がっていく可能性について議論を行いました。

本フォーラムを通じて、ゲームを通した体験が、学びや対話、協働を生み出す有効な手段となり得ることが改めて確認されました。
今後も当研究室では、地域と連携しながら、遊びと学びの未来を探究していきます。


メディア掲載について

本フォーラムの様子は、チューリップテレビをはじめ、TBS NEWSで報道され、さらに Yahoo!ニュース、富山新聞 など複数のメディアで紹介されました。
ゲームを教育や学びの文脈で活用する取り組みとして、地域内外から注目を集めました。
各社報道の記事は下記をご参照ください。

チューリップテレビ
TBS NEWS
Yahoo!ニュース
富山新聞

【2025年12月18日】ゼミ活動のご報告——修論チェック大会

投稿日時:   2025-12-18   投稿者:   leafyyan

こんにちは。M1 の Leafy です。

今年最後のゼミの記録を担当することになり、うれしく思っています!

本日のゼミでは、修士論文チェック大会を行いました。修論執筆者である大空さん、莫さん、友利さんの論文を対象に、ゼミ参加者全員がチェック担当としてコメントや質問を行う形式で進められました。

はじめに、約30分ほど、グループごとに分かれて振り返りと確認の時間を設けました。執筆者からの補足説明をきっかけに、チェック担当者がそれぞれコメントの意図を伝えたり、疑問点を共有したりしながら、落ち着いた雰囲気で議論が進みました!

進め方はグループごとに異なり、論文の構成に沿って冒頭から順に確認するグループもあれば、全体の論点や構造を整理することに重点を置くグループもあり、それぞれのスタイルが見られました。

その後、修論執筆者それぞれから、現時点での完成度について簡単な振り返りがあり、多くの方が「まだ途中段階ではあるが、方向性は見えてきている」という感覚を共有していました。

また、「特に参考になったチェック担当」を選ぶ場面も設けられましたが、コメントの内容もやり取りの雰囲気も終始やさしく、全体としてとても温かい時間でした💖。

そのため、なかなか一人に決めることができず、最終的にはじゃんけんで順番を決め、藤本先生から用意された小さなプレゼントを各自が選ぶ形となりました!

最後に、三名の修論執筆者から今後の進め方について簡単な共有があり、次稿に向けて意識している点や、いま特に難しいと感じている修正箇所、これから挑戦したいことなどが語られました。それぞれの執筆状況やペースの違いが自然に伝わってくる時間だったように思います✨。

ゼミ終了後は、近くのお店に移動し、年末らしいリラックスした雰囲気の中で懇親の時間を過ごしました!

今回のゼミは、年末らしい穏やかな雰囲気の中で行われ、たくさんのやり取りと笑顔が印象に残る時間でした。

新しい年には、それぞれの修論がまた一歩前に進んでいくのだと思います。
次に皆さんとお会いするのは新年になりますが、そのときのゼミも今から楽しみです。

3月20日 エデュテイメント祭り!開催決定

投稿日時:   2025-12-15   投稿者:   miwa630

3月20日 エデュテイメント祭り!開催決定
会場:東京大学福武ホール 

昨年度も好評でしたエデュテイメント祭り!
今年度も開催が決定しました。
詳細が決まり次第お知らせします。
どうぞお楽しみに。
教育関係者の皆様の参加をお待ちしております。

【12月4日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2025-12-09   投稿者:   fhasuike

こんにちは。M1の蓮池です。

12月に入り、キャンパスの銀杏もすっかり散って冬の寒さが本格化してきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は、12月4日に行われた藤本研究室のゼミ活動についてご報告します。

今回のゼミは、文献講読と、企業の方をお招きしての実践的なワークショップという、理論と実践を行き来する充実した2部構成で行われました。

・文献レビューと研究計画の発表(担当:蓮池)
・株式会社コナミデジタルエンタテインメント様による「PROJECT ZIRCON」ワークショップ

それぞれの内容について、当日の熱い議論の様子を交えて詳しく紹介します。


1. 文献レビュー:ゲームの動機づけをどう測るか?

前半パートでは、私(蓮池)が文献レビューの発表を行いました。

現在、私は「ボードゲームを用いた非認知能力(特にリーダーシップスキルなど)の測定」に関心を持って研究を進めています。研究の基礎固めとして、今回は「ゲームの動機づけ」や「心理尺度」に関する以下の2つの主要な論文を取り上げました。

・Ryan et al. (2006): 自己決定理論(SDT)に基づき、ゲームプレイ中の心理的欲求(自律性・有能感・関係性)の充足を測定する尺度「PENS (Player Experience of Need Satisfaction)」についての研究。

・Lafrenière et al. (2012): プレイヤーがなぜゲームをするのか、その動機の質を「内発的動機づけ」から「外的調整(やらされている感)」まで6段階で測定する尺度「GAMS (Gaming Motivation Scale)」についての研究。

【研究計画における悩みと議論】

発表の中では、これらの心理尺度や、社会的情動スキルを測る「BESSI(Behavioral, Emotional, and Social Skills Inventory)」などの既存尺度を、私の研究対象である「ボードゲーム」にどう適用するかについて議論しました。

特に悩ましい点として挙げたのが、「尺度の改変」問題です。

既存の尺度はビデオゲームや一般的な生活場面を想定して作られているため、ボードゲームのプレイ直後に「あなたは集団を率いることができましたか?(リーダーシップ)」と聞くのは、文脈として唐突で答えにくい場合があります。

この点について、参加者からは以下のようなフィードバックを頂きました。

・「質問項目を文脈に合わせて改変することは、回答しやすさを高める一方で、先行研究との『数値の比較可能性』が失われるリスクがある」

・「既存尺度をそのまま使うか、妥当性を再検証する覚悟で独自に調整するか、研究の目的に応じた判断が必要」

尺度構成における「妥当性」と「信頼性」のトレードオフについて、実践的かつ本質的なアドバイスを得ることができ、今後の実験デザインに向けた大きな指針となりました。


2. KONAMI「PROJECT ZIRCON」キャラクター制作ワークショップ

後半パートでは、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの社員の方々にお越しいただき、現在開発中の共創プロジェクト『PROJECT ZIRCON(プロジェクト・ジルコン)』の世界観を用いた、キャラクター作成ワークショップを実施していただきました。

このワークショップは、配られたカード(「情熱的な」「夜型」「失敗」などのキーワード)を組み合わせ、即興で架空の研究者キャラクターやその研究テーマを考えるというものです。

単にアイデアを出すだけでなく、他者の出したアイデアに「乗っかり情報(追加設定)」を加えて面白くしていく、という共創的なプロセスが特徴でした。

【爆誕したユニークなキャラクターたち】

参加者からは、短時間で非常に個性的なキャラクターたちが次々と生み出されました。

・「ドクター・フィッシュ」魚の研究をしているが、最終的には「人間を全員魚にしたい」という野望を持つマッドサイエンティスト。実験終了後には必ず魚を食べるという狂気の設定も。

・「スカラビー」リンゴを愛する「物忘れ」の研究者。自身も研究室でオウムを飼い、卵焼き用フライパンを愛用するなど、独特な世界観を持つキャラクター。

・「ニャンキー」徹底的な「夜型」生活を送りながら、夜行性生物である猫のデータを死ぬほど収集する記録魔の研究者。冷徹でありながら、実験中は妙に明るいというギャップ萌えキャラ。


【ワークショップに対するディスカッション】

体験後の振り返りでは、ワークショップの構造そのものに対する鋭いディスカッションが行われました。

今回のワークショップには「親プレイヤーに選ばれるとポイントが入る」「他人のアイデアに乗っかるとポイントが入る」という競争的な得点システムが組み込まれていました。これに対し、以下のような議論が交わされました。

ポイントの功罪: 「ポイントがあることで、『自分が面白いと思うもの』よりも『親に選ばれそうな(勝ちやすい)もの』をあえて選んでしまう戦略性が生まれる」

目的の整合性: 「ワークショップの目的が『自由な発想を楽しむこと』や『意外性のあるアイデアを出すこと』であれば、勝敗を決めるポイント制度はノイズになる可能性があり、むしろ純粋な投票形式の方が良いかもしれない」

企業の方からも「まさにそこが悩みどころで、ゲームっぽくして盛り上げるためにポイントを入れたが、ワークショップとしての目的とのバランスを再考したい」といったコメントを頂き、企業におけるコンテンツ制作のリアルな試行錯誤に触れる貴重な機会となりました。

今回のワークショップを通じて、普段の研究活動とは違う頭の使い方をして、リフレッシュしつつも「楽しさをどうデザインするか」という根源的な問いに向き合えたと思います。

株式会社コナミデジタルエンタテインメントの皆様、貴重な機会をいただきありがとうございました。


参考文献

・Ryan, R. M., Rigby, C. S., & Przybylski, A. K. (2006). The motivational pull of video games: A self-determination theory approach. Motivation and Emotion, 30(4), 347-363.
・Lafrenière, M.-A. K., Verner-Filion, J., & Vallerand, R. J. (2012). Development and validation of the Gaming Motivation Scale (GAMS). Personality and Individual Differences, 53(7), 827-831.

桃鉄教育版で授業を開発!ワークショップ 開催報告

投稿日時:   2025-12-04   投稿者:   shokotange

11月30日(日)、「桃太郎電鉄(桃鉄)を教育にどう活かすか」をテーマにしたワークショップが開催されました。
今回の桃鉄は、個別に操作するのではなく、班に1台の「教育版」をプレイしながら進めました。
ワークショップで4つの班(4人チーム2つ、5人チーム2つ)に分かれ、桃鉄を使った授業案を検討した結果、以下のようなアイデアが生まれました。


■ 4つの班による授業デザインの成果

◆ 1班:桃鉄 × メディアリテラシー

  • 桃鉄はファンタジー要素が多く、固有名詞も現実と異なることから、ゲームとリアルを比較し、現実版にアップデートする授業を提案しました。

◆ 2班:桃鉄 × コミュニケーション(修学旅行のしおり)

  • 桃鉄を地図帳のように使い、「行き先選び、予算、安全対策、印刷」まで子どもが主体的に作る“しおりづくり”を計画しました。

◆ 3班:桃鉄 × キャリア教育

  • 桃鉄をプレイしながら、14〜23歳のライフステージをシミュレーションを提案しました。例えば、一人暮らしの場所、気になる職業、自分の価値観など、“問い”を通じて自己理解を深めるキャリア学習へと発展させる内容でした。

◆ 4班:桃鉄 × STEAM教育

  • テーマは「住みたい町をデザインする」。市役所へのインタビュー、街歩き、データ分析、桃鉄マップ化など、社会とつながる本格的なSTEAM型探究が提案されました。


■ 全体の振り返り

審査員によるプレゼン審査の間に、全体の振り返りを行いました。
印象的だったメッセージは、
「アイデア出しができないと、探究の授業は面白くならない」
「アイデアを出して」と言うだけでは不十分で、
“どうアイデアを出すか”のガイドを授業に組み込むことが大切。

子どもには、
最初は60点でいいよ
と声をかけると一気に出やすくなり、慣れると自然にレベルが上がっていくという正頭先生からのお話がありました。


■ おわりに

今回のワークショップを通して、桃鉄を使った授業開発の可能性を具体的に形にすることができました。
ここで得たアイデアと気づきをもとに、、今後は実際の授業の中で桃鉄を活用し、新しい学びの可能性を広げていきたいと思います。