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【4月17日】ゼミ活動のご報告

投稿日時:   2025-04-22   投稿者:   leafyyan

皆さん、こんにちは! M1のLeafyです。

2025年度Sセメスターの第二回ゼミ活動の報告をお伝えできることを大変光栄に思います!今回のゼミ活動は特別なものであり、歴史教育の研究者とのゲストセッションでした。

お二人はMario Carretero教授(以下、カレテロ先生)と池尻良平准教授(以下、池尻先生)であり、彼らの発表は非常に魅力的で、多くの有意義な示唆を私たちに与えてくださいました。


まず、広島大学大学院人間社会科学研究科の池尻良平准教授が、彼の研究課題や最近の活動についてご紹介くださり、新たな視野を開いてくださいました。池尻先生の主な研究分野は、歴史を現代の問題解決に応用できる教材を開発し、高校の授業で実践・評価を行うことです。歴史から学べる人類レベルのラーニング・システムを構築することが夢であり、その専門は教育工学、歴史教育、そしてゲーム学習に及びます。

本日、池尻先生は伝統的歴史と現代教育というテーマで共有してくださいました。その中で、主に「歴史タイムマシーン」という教育的意義を持つシリアスゲームプロジェクトについてご紹介いただきました。このプロジェクトは、学生がゲームを楽しむ中で、歴史と現在の社会問題とのつながりを深く理解することを目的としています。

具体的には、「歴史タイムマシーン」では、社会問題を含むリアルタイムなニュースを入力し、いくつかのカテゴリを選択することで、関連する歴史情報を検索することが可能です。このゲームは、出てきた歴史上の因果関係を応用し、新しい視点でニュースの問題を捉え直すことを目指しています。また、この学習支援システムは、高校の先生が世界史の授業で利用したり、世界史を履修している高校生が授業の中で活用したりすることを想定しています。

池尻先生は、このゲームの操作画面を生き生きと示してくださいました。プレイヤーは、社会問題を含むリアルタイムなニュースを入力するだけで、複数のカテゴリを選択し、システムが関連する歴史情報を提示してくれるという仕組みです。これにより、学生は歴史の因果関係を通じて、現代のニュースの深い意味を理解することができます。このゲームは単なる学習ツールではなく、学生の歴史に対する好奇心や参加感を引き出すインタラクティブなプラットフォームとして機能します。興味のある方は、ぜひこちらのリンクから体験してみてください:http://www.historymining.org/timemachine/


続いて、スペインのAutonoma Universityからカレテロ先生が、彼の研究やテーマについてご紹介くださいました。心理学の教授であるカレテロ先生は、歴史のナラティブ、ゲーム、そして集合的記憶に関する広範な研究を行っており、国際歴史教育のハンドブックの編集者でもあります。本日のゼミでは、カレテロ教授が百篇以上の論文を発表され、多くの引用を得ている、非常に優れた学者であることを知り、大変感銘を受けました。

カレテロ先生はまた、歴史や教育に関するさまざまな理論を共有し、特に「ナラティブ(narrative)」が歴史の形成や情報伝達において果たす役割について詳しく説明してくださいました。また、ナラティブの六つの次元(six dimensions of narrative)についても、多くの生き生きとした事例を用いて、物語を通じて歴史のナラティブを理解する方法を示してくださいました。

現在、カレテロ教授は池尻先生と共に新たなプロジェクトに取り組んでおり、歴史に関連するゲーム(例:文明シリーズ)を探求し、プレイヤーがゲームを体験する中でどのように歴史を学び、理解していくのかを調査しています。このプロジェクトの今後の進展を非常に楽しみにしています!

さらに、二人の教授は日本での考察中に訪れた博物館の体験や撮影した写真を共有してくださいました。これは非常に意義深い学術の旅であり、私たちの研究室のメンバーと共にその経験を分かち合い、質問に答えていただき、心より感謝申し上げます。


ゼミ活動を主催している藤本研究室の藤本徹教授も、ゲストスピーカーと共に、教育工学やゲーム学習に関する研究課題を皆さんとシェアしてくださいました。具体的には、藤本先生と研究室のメンバーは、人の学びや成長につながる「楽しい経験(Ludic Experience)」を創出する学習コンテンツの開発や、教育プログラムのデザイン方法論について研究しています。

今日のゼミ活動は、時間があっという間に過ぎてしまうほどでした。皆さんの交流は非常に面白く、熱気に満ちていました。

以上をもちまして、報告を終了させていただきます!ご覧いただき、ありがとうございました!