東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
月別アーカイブ: 2025年10月
投稿日時: 2025-10-02 投稿者: mtomori
みなさん,こんにちは!藤本研M2の友利です.
今回は,私の夏休みの活動について,ご紹介したいと思います.
ICoME 2025での発表
2025年8月7日から2日間行われた,ICoME2025で修士研究の発表をしました.今回は,work-in-progressの研究として,主に研究背景と6月に実施したプレ実践の結果を発表しました.
教育メディア研究や教育工学における自分の研究の位置付けや意義について再考する,有意義な時間でした.また,他の研究分野の方に対して,自分の研究を伝えることの難しさについても学びました.自分の研究が学際的であるという認識が深まり,異分野間の人と議論するためのコミュニケーションのスキルを高めていきたいと思いました.
研究の進捗
夏休み期間は,本実践に向けた準備の期間と研究背景の執筆を行いました.
私の研究は,児童養護施設の中高生を対象に,大学生とゲームをプレイすることを通じて,大学を身近に感じてもらうというプログラムを実施し,その効果を質的分析によって明らかにするというものです.本実践は,このプログラムを実施することを指しており,10/5(日)に実施することが決まりました.
私の研究の詳細は,以下のリンクからご確認いただけます!もしご興味あれば,ぜひのぞいてみてください.
Nothing Connects Like a Game! 活動報告
Nothing Connects Like a Game! 公式サイト
また,児童養護施設の子どもたちの進路について研究されている他大・他研究科の先生方からもアドバイスをいただき,子どもたちが楽しみながら,大学生への関心を深めて進路について考えるきっかけとなれるようなプログラム作りに励みました.
研究背景の執筆は,私が思っていたほど容易ではありませんでした.私の場合は,記述するべき情報の選択ができず,時間がかかっているなと思います.最近は,ある程度できたら誰かに読んでもらうということも重要だと感じています.今後は,もっとコミュニケーションをしながら執筆作業を進めようと考えています.
以上,友利の活動報告でした!
投稿日時: 2025-05-31 投稿者: mtomori
こんにちは!そして、はじめまして!!
今年から藤本研究室でお世話になります、M2の友利です。
5/22のゼミの内容は、Yeさんによる関連論文紹介でした。
それでは早速、今回のゼミの様子をお届けします!
Yeさんは、「ゲームプレイ」と「動物保護」をキーワードとして研究されています。現在は、「ゲーム中の動機付けによるゲーム行動が動物保護の行動に関する知識への移行、さらには動物保護の意識への影響を与えるか」という問いを立てて文献調査に取り組んでいらっしゃいます。
今回のゼミでは、「Theory of Planned Behavior」と「Value-Belief-Norm Theory」という心理学の2つのモデルに関する論文と、この2つのモデルを比較した論文を紹介されました。
Theory of Planned Behaviorは、最終的に人の行動・ふるまい(behavior)を引き起こす意図(Intention)が形成される過程を、態度(attitude)、主観的規範(subjective norm)、認識された行動(perceived behavior)の3つの要素から説明しようとするモデルです(図1)。
図1. 図式化したTheory of Planned Behavior (Ajzen, 1991)
一方、「Value-Belief-Norm Theory」は、環境保護の意識の形成について説明するモデルです。環境保護の意識は、価値観(values)、信念(beliefs)、個人的な規範(personal norms)の要素が相互に影響して形成されるというものです。
図2. 図式化したValue-Belief-Norm Theory (Stern, 2000)
また、Yeさんはこれら2つのモデルを比較した研究であるLópez-Mosquera & Sánchez (2012)の研究を紹介しました。この研究は、郊外にある自然公園の訪問者の自然保護に対する支払い意欲(Willingness to Pay)を測定し、2つのモデルを用いて説明を試みています。
結果としては、Value-Belief-Norm Theoryの方が「やや劣る」ということが示唆されていましたが、それぞれ限界があることも示されています。
発表後には、心理学を専攻しているヨハンナさんからTheory of Planned Behaviorに関する詳しい解説もありました。実は、この理論は心理学を専攻されているヨハンナさんから紹介されて、調べられたそうです!!研究室が良いコミュニティとして、機能している証拠でもありますね😊
Yeさんの今後の研究活動が楽しみです!
以上、5月22日のゼミ活動の報告でした。次回のゼミ報告も楽しみにしててください 🙂
Ajzen, I. (1991). The theory of planned behavior. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 50(2), 179–211.
Stern, P. C. (2000). New environmental theories: Toward a coherent theory of environmentally significant behavior. The Journal of Social Issues, 56(3), 407–424.López-Mosquera, N., & Sánchez, M. (2012). Theory of Planned Behavior and the Value-Belief-Norm Theory explaining willingness to pay for a suburban park. Journal of Environmental Management, 113, 251–262.