月別アーカイブ: 2025年12月

桃鉄教育版で授業を開発!ワークショップ 開催報告

投稿日時:   2025-12-04   投稿者:   shokotange

11月30日(日)、「桃太郎電鉄(桃鉄)を教育にどう活かすか」をテーマにしたワークショップが開催されました。
今回の桃鉄は、個別に操作するのではなく、班に1台の「教育版」をプレイしながら進めました。
ワークショップで4つの班(4人チーム2つ、5人チーム2つ)に分かれ、桃鉄を使った授業案を検討した結果、以下のようなアイデアが生まれました。


■ 4つの班による授業デザインの成果

◆ 1班:桃鉄 × メディアリテラシー

  • 桃鉄はファンタジー要素が多く、固有名詞も現実と異なることから、ゲームとリアルを比較し、現実版にアップデートする授業を提案しました。

◆ 2班:桃鉄 × コミュニケーション(修学旅行のしおり)

  • 桃鉄を地図帳のように使い、「行き先選び、予算、安全対策、印刷」まで子どもが主体的に作る“しおりづくり”を計画しました。

◆ 3班:桃鉄 × キャリア教育

  • 桃鉄をプレイしながら、14〜23歳のライフステージをシミュレーションを提案しました。例えば、一人暮らしの場所、気になる職業、自分の価値観など、“問い”を通じて自己理解を深めるキャリア学習へと発展させる内容でした。

◆ 4班:桃鉄 × STEAM教育

  • テーマは「住みたい町をデザインする」。市役所へのインタビュー、街歩き、データ分析、桃鉄マップ化など、社会とつながる本格的なSTEAM型探究が提案されました。


■ 全体の振り返り

審査員によるプレゼン審査の間に、全体の振り返りを行いました。
印象的だったメッセージは、
「アイデア出しができないと、探究の授業は面白くならない」
「アイデアを出して」と言うだけでは不十分で、
“どうアイデアを出すか”のガイドを授業に組み込むことが大切。

子どもには、
最初は60点でいいよ
と声をかけると一気に出やすくなり、慣れると自然にレベルが上がっていくという正頭先生からのお話がありました。


■ おわりに

今回のワークショップを通して、桃鉄を使った授業開発の可能性を具体的に形にすることができました。
ここで得たアイデアと気づきをもとに、、今後は実際の授業の中で桃鉄を活用し、新しい学びの可能性を広げていきたいと思います。

藤本教授が 「ゲーミフィケーション カンファレンス QUEST」に登壇 しました

投稿日時:   2025-11-27   投稿者:   shokotange

2025年11月21日、東京・丸の内の Tokyo Innovation Base にて、社会を“やりたくなる”で満たすための実践と議論の場 ―「ゲーミフィケーション カンファレンス QUEST」が開催されました。株式会社セガ エックスディー(SEGA XD)と ゲーミフィケーション研究所が主催のこの場には、産官学民のトップランナーが集い、ゲームの力を社会や生活にどう活かすかが語られました。

藤本教授は、「ゲーミフィケーションの現在地と未来」の基調講演に登壇し、岸本 好弘 氏(遊びと学び研究所)や谷 英高 氏(ゲーミフィケーション研究所 所長/SEGA XD CEO) らとゲーミフィケーションの現在地と未来について議論を深めました。
また、「Gamification Award 2025」表彰式では、審査委員としてゲーミフィケーションを活用している優れた取り組みを実施した企業・団体に表彰を行いました。

今回の QUEST は、ゲームを「遊び」から「社会の仕組み」や「行動を促すデザイン」へと拡張していく、その現在地と未来の可能性を強く感じさせるイベントとなりました。

イベントの詳細はこちら

イベントに関するプレスリリースはこちら

「ゲームの遊びと学びの未来フォーラム in 富山」開催のお知らせ(12月20日)

投稿日時:   2025-11-14   投稿者:   shokotange

2025年12月20日(土)、富山県民会館にて 「ゲームの遊びと学びの未来フォーラム in 富山」 を開催します。
ゲームは、娯楽としてだけでなく、学びの可能性を大きく広げる力を持っています。本フォーラムでは、ゲーム活用の最前線で活動する研究者や実践者が集まり、その事例や未来の展望をわかりやすく紹介します。教育現場で新しいアプローチを探している教員の方、教育事業に携わる方、そしてゲームと学びの関係に興味を持つ学生や一般の方まで、どなたでもご参加いただけます。
参加費は無料ですので、どうぞお気軽にお申し込みください。

■ 開催概要

● 日時
2025年12月20日(土)13:00〜17:30

● 会場
富山県民会館 701・702 教室

● 主催
東京大学大学院 藤本徹研究室

● 協力
NPO法人 Educe Technologies、株式会社理想経営、富山本物研究所、 ICHIRYU TOYAMA

● 協賛
株式会社イオンファンタジー
株式会社ケーイーシー、株式会社KEC Miriz
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
一般社団法人日本シングルマザー支援協会 ほか

● 後援
東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構

● 参加費
無料

● 参加申込
https://forms.gle/vMxA1JukjXpkGnbQA


タイムテーブル

701教室

13:00–14:20|ゲーム学習企画セッション

主体的な学習・楽しく学ぶために重要なこと、社会人のリカレント教育とゲーム学習につなげて体験的に学びます。登壇者だけでなく、会場の皆さんとディスカッションします。

登壇者:庄山雄二 氏(カミイチeスポーツクラブ代表 / 上市町eスポーツ大会実行委員会 代表)、山本靜 氏(株式会社理想経営 執行役員)、坂井裕紀(東京大学大学院 特任研究員)

ゲーム実況:大崎駿斗 氏


14:40–15:40|研究発表

  • eスポーツにおける挑戦と覚醒経験の可能性
  • ゲームによる喪失体験がウェルビーイングに及ぼす影響

    登壇者:木村知宏(東京大学大学院 特任研究員)、坂井裕紀(東京大学大学院 特任研究員)

16:00–17:30|メインセッション「富山から世界へ ~ゲームで学ぶ・ゲームから学ぶ~」

「ゲームから学ぶ体験」を富山から世界へ発信する実践者の発表後、「ゲーム学習」のフロントランナーである藤本徹教授がモデレータとなり、会場参加者全員で対話的に学ぶことができるメインセッションです。

  1. ゲームで学ぶ
    杉本貴文 氏(株式会社Engames 代表取締役社長)
  2. ゲームから学ぶ
    福井信英 氏(株式会社プロジェクトデザイン 代表取締役)
  3. ゲームを通じた交流
    庄山雄二 氏(カミイチeスポーツクラブ 代表 / 上市町eスポーツ大会実行委員会 代表)

モデレータ:藤本徹(東京大学大学院 教授)


702教室

デモ展示(終日常設)

  • Ludix Lab 公開講座『ゲーミフィケーション入門(Moodle)』
  • Ludix Lab『人生の喪失から学ぶゲーム』ほか

【活動報告】坂井特任研究員が Southern Oregon University(SOU)で特別講演をいたしました

投稿日時:   2025-11-14   投稿者:   shokotange

2025年10月29日(現地時間)、坂井特任研究員が米国 Southern Oregon University(SOU)にて特別講演「Solving Problems with Gamification and Playfulness」を行いました。
本講演は学生・教職員に加え地域住民の皆様にも開かれたオープンイベントとして開催されました。

講演の前半では、Ludix Lab の活動を取り上げ、「Learning Through Play: Toward a Playful Society(遊びを通じた学び:プレイフルな社会へ)」という研究理念を説明し、研究室が目指す“Ludic Experience(遊び心と楽しさをともなう経験)”を実現するための教育デザインや教材開発の取り組みを示しました。

続くパートでは、今回のテーマである ゲーミフィケーション について、ゲームが持つ「目標」「ルール」「フィードバック」「任意性」といった基本要素がどのように学習体験の構造をつくり出すのかを解説しました。さらに、それらが学習意欲の向上や行動変容の支援にどのように活用されるかを、教育ゲームの事例や自身が手がけた教材を用いながら説明しました。また、「階段利用を促すアイデア」「高齢者施設での退屈の軽減」「学習意欲の向上」などを題材としたワークも行われ、参加者自らがゲーム的思考を使って課題に向き合う体験型のセッションとなりました。

本講演は、Ludix Labの研究や実践を海外へ発信する大きな機会となりました。

藤本研究室説明会(11/5)動画を公開しました

投稿日時:   2025-11-13   投稿者:   shokotange

2026年度東京大学大学院学際情報学府入試への出願予定者の方を主な対象として、2025年11月5日に藤本研究室説明会を開催しました。

藤本研究室でどのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明しました。
当日の説明会の様子を動画で公開しましたので、藤本研究室への入室を希望する方や、当日やむなく参加できなかった方は、ぜひご覧ください。

藤本教授が「ReHacQ」に出演しました!

投稿日時:   2025-11-06   投稿者:   shokotange

藤本教授が、YouTube番組 「ReHacQ(リハック)」 に出演しました。
今回のテーマは、「学習に革命!遊びながら学ぶ最新の教育とは?」

番組では、ゲームの仕組みを活かした「遊びながら学ぶ」学習デザインについて、最新の研究事例や教育現場での実践を交えながらお話ししました。

近年、教育の在り方は大きく変化しています。AIやデジタル教材の活用が進む中で、ただ知識を覚えるだけでなく、「どう学ぶか」「どう楽しみながら学ぶか」がますます重要になっています。
この対談では、学びをより主体的で創造的なものに変えるためのヒントをお届けしています。

ぜひご覧ください。

🎥 番組はこちら:
👉 ReHacQ「学習に革命!遊びながら学ぶ最新の教育とは?」

桃鉄教育版で授業を開発!ワークショップ

投稿日時:   2025-10-31   投稿者:   shokotange

 本ワークショップでは、『桃太郎電鉄 教育版』を実際に体験しながら、その教育的活用の可能性について考えます。講師には、マインクラフトを活用した授業で世界的に注目を集めた立命館小学校の正頭英和先生をお招きし、ゲームを活かした授業デザインの発想プロセスを参加者とともに探ります。教育現場での活用事例に興味のある教員・学生・教育関係者の方々のご参加をお待ちしています。

日時: 2025年11月30日(日)14:00〜17:00

会場: 東京大学本郷キャンパス 情報学環・福武ホール 福武ラーニングスタジオ1-3

主催: 東京大学 藤本徹研究室

協力: NPO法人 Educe Technologies、株式会社コナミデジタルエンタテインメント

後援: 東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構

対象: 『桃太郎電鉄教育版』利用登録教育機関の教職員
(ゲーム体験や資料作成ができるご自身のタブレットやノートPCをご持参いただける方)

定員: 30名

参加費: 無料

参加申込:こちらから

文化・人間情報学コース入試説明会と藤本研究室説明会のお知らせ(2026年度入学)

投稿日時:   2025-10-15   投稿者:   shokotange

藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が11月3日(月)14時から福武ラーニングスタジオ&Zoomで開催されます。
学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/20250929event2

これに合わせて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。

日時:
2025年11月5日(水)17:00-19:00(希望する面談が終了した方から順次解散)


※5日の個別面談が定員に達したため、7日の16:00-19:00の枠になります。

会場:
Zoom開催(事前登録をした方にオンライン開催情報(zoom会議室へのリンク)等をお送りします。)

内容:
17時00分〜17時30分:研究室の説明/活動紹介と質疑応答
17時30分〜19時00分:藤本教授との個別面談(希望者のみ)
研究室所属の大学院生やスタッフとの面談(希望者のみ)

申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。
https://forms.gle/smwjxKwArrDrYLyD7

藤本研究室の活動や、どのような研究で指導を受けられるかなど、入試に関連した説明を行います。来年度から学際情報学府に入学して藤本研究室での活動を希望される方は、どうぞご参加ください。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。
折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
皆様のご参加をお待ちしています。

坂井特任研究員がDiGRAで研究発表を行いました

投稿日時:   2025-09-19   投稿者:   shokotange

2025年9月13日〜14日に開催されたDiGRA JAPAN 夏季研究発表大会において、坂井特任研究員が研究発表を行いました。

発表テーマは「人生における喪失をテーマにしたダイスゲームがプレイヤーの自己成長感および人生満足度に及ぼす影響」。
本研究では、喪失体験を題材にしたシミュレーション型ボードゲーム『Dice of Destiny(運命の賽子)』を用い、プレイヤーが大切なものを失う体験を疑似的に経験することで、自己成長感や人生満足度にどのような影響を与えるのかを検証しました。
その結果、ゲームの中で人生における大切な物事を喪失する体験は、 プレイヤーの自己成長感と人生満足度を増加させることを示しました。

今後は、今回の成果を基盤に、効果の持続性や心理変化の要因を検討していく予定です。
ゲームが人生を見つめ直す「学びの場」としての可能性を広く共有し、次なる研究展開へとつなげていくことが期待されます。

【参加報告】日本心理学会 第89回大会

投稿日時:   2025-09-11   投稿者:   shokotange

2025年9月5日(金)~7日(日)、東北学院大学にて開催された日本心理学会第89回大会において、藤本徹教授、坂井裕紀研究員、木村知宏研究員が研究発表を行いました。

発表タイトルは、
「プレイフル状態とシングルマザーの経済的自立との関連 -自立支援プログラムを通して就職したシングルマザーの調査-」
母子世帯の経済的自立をめぐる現状を踏まえつつ、支援プログラムの利用経験と「プレイフル状態(楽しさや面白さを感じられる心理的状態)」との関連を明らかにすることを目的とした研究です。

本発表では、2024年12月に実施した53名のシングルマザーを対象とする調査データをもとに、経済的自立感・自立意識の変化・プレイフル状態の関連について報告しました。分析の結果、経済的自立感とプレイフル状態の間に有意な関連があることを明らかにし、支援プログラムを「楽しい」「面白い」と感じながら利用することが自立の促進につながることを示しました。また、質疑応答では活発な議論が行われ、今後の福祉やキャリア支援のあり方を考える上でさらなる重要な知見が得られました。