東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
NEWS一覧
投稿日時: 2024-11-21 投稿者: Amandancurtis.
みなさん、こんにちは! 特別研究学生のアマンダです。11月14日のゼミ活動では、Leafyさんの関連論文紹介と犬田さんの関連論文紹介と犬田さんのプレイセッションが行われました。
Leafyさん
Leafy introduced two papers on simulation games and their applications in research: “A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems” and “What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game.”
“A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems” explores the use of simulation games as research tools, focusing on limitations, recommendations, and best practices. To do so, the paper reviewed related works, presented case studies, and conceptualized simulation games. It outlined three levels of inquiry: (1) philosophical level, (2) scientific level, and (3) practical level. It then provides a “scientific toolbox”. Simulation games were found to improve decision-making, team coordination, and understanding of complex systems.
“What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game” focused on a game designed to teach participants how to identify phishing attempts. Using a controlled experiment, the authors found that the game was effective at improving phishing awareness, self-confidence, and decision-making in simulated and real-world scenarios. One of her main takeaways is that it is important to combine contextual learning theory with gamification design practices.
Leafyさん then related this to her own research plans.
Leafyさんの発表
Leafyさんは、シミュレーションゲームとその研究での活用に関する2つの論文を紹介しました。
1. 「A Scientific Foundation of Simulation Games for the Analysis and Design of Complex Systems」
2. 「What.Hack: Engaging Anti-Phishing Training Through a Role-playing Phishing Simulation Game」
「A Scientific Foundation of Simulation Games」では、シミュレーションゲームを研究ツールとして使うことについて議論されました。この論文では、他の研究をレビューし、ケーススタディを紹介し、哲学的レベル・科学的レベル・実践的レベルの3つの視点でゲームを分析しました。また、「Scientific Toolbox」を提供し、ゲームが意思決定、チームワーク、複雑なシステムの理解を向上させることがわかりました。
「What.Hack」では、フィッシング詐欺を特定するトレーニング用のゲームが紹介されました。実験では、このゲームがフィッシングへの理解、自信、意思決定力を向上させる効果があることがわかりました。Leafyさんの重要な結論は、文脈的学習理論とゲーム化デザインの実践を組み合わせることが重要だということです。
最後に、Leafyさんはこれらの内容を自身の研究計画に関連付けて発表しました。
犬田さん
犬田さん discussed a paper on gamifying online surveys: “Online research–game on!: A look at how gaming techniques can transform your online research”. It focused on transforming surveys with gamification techniques to make them more engaging and fun. Some key techniques are: personalization, emotion induction, projection (asking participants to take on another perspective), and fantasy scenarios. The study found that gamified surveys improved engagement, with visually rich versions showing higher satisfaction and response rates.
犬田さん emphasized that gamification can make surveys immersive and more enjoyable without compromising data quality. His own research focuses on improving how questions are presented, using visuals and feedback mechanisms to boost engagement.
犬田さんの発表
犬田さんは、アンケート調査のゲーム化に関する論文「Online research–game on!: A look at how gaming techniques can transform your online research」を紹介しました。この論文では、調査をもっと楽しく魅力的にするためのゲーム化の方法が紹介されました。主なテクニックは次の通りです:
• パーソナライズ(質問を参加者個人に関連付ける)
• 感情誘発(質問に感情を引き出す要素を追加)
• 視点の投影(他の視点で考えさせる)
• ファンタジーシナリオ(仮想の状況を想像させる)
この研究では、ゲーム化されたアンケートが回答者の満足度を高め、回答率を向上させることがわかりました。特に、視覚的な要素が多い形式は、テキストのみの形式より効果的でした。
犬田さんは、ゲーム化が調査を没入的で楽しいものにしつつ、データの質を損なわないことを強調しました。また、犬田さん自身の研究では、質問の提示方法を改善し、視覚的要素やフィードバックメカニズムを活用することで、エンゲージメントを高めることに焦点を当てていると話しました。
投稿日時: 2024-11-14 投稿者: snii
東京大学 藤本徹研究室は12月21日(土)に13時~17時30分に「ゲーム×未来の学びフォーラム in 別府」を別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)にて開催いたします🧩🎮✨
ゲームは、楽しさだけでなく、学びに豊かな可能性をもたらします。このフォーラムでは、教育現場でのゲーム活用の実例や今後の展望について、有識者と共に探ります。授業や教育活動に新たなアプローチを求める学校教員、教育事業に携わる方、また教育に関心のある学生も大歓迎です。参加は無料です。
イベントページを公開しましたので、ご興味のある方は以下より奮ってお申し込みください!
https://peatix.com/event/4179572
投稿日時: 2024-11-14 投稿者: osora
皆さん、こんにちは! 修士2年の大空です。
11月7日のゼミ活動では、大空とAmandaさんの発表が行われましたので、ご報告です。
■【大空】KJ法について
大空は、データ分析手法の一つである、KJ法について発表を行いました。KJ法とは、川喜田二郎が、文化人類学の分野で考案した質的データ分析手法で、現在は多様な分野で応用されています。
具体的には、名刺サイズのカードにデータを転記し、それらをグループ化・図解することで、情報をコンパクトかつ視覚的に整理する手法です。混沌とした質的データも、KJ法を用いることで簡潔にまとめやすくなります。
また、ユニークな特徴として、データの分類・図解・文章化の過程で研究者の主観を活用することで、新たな発想や仮説が生まれやすくなります。ただし、その研究利用に゙関しては、エスノグラフィー等とは異なり、利用シーンが発展していない・科学的な手法としての検討が十分ではないため、注意が必要です。
自身の研究においても、このKJ法を部分的に採用しようと思い、KJ法の手順〜上記の注意点まで、マニュアル形式で発表しました。実際に、再来週に研究室内でワークショップを行う予定なので、まずは実践してみて、自分自身、KJ法に対する理解をより深めようと思います。
■【Amandaさん】インクルーシブ・ゲーミングについて
Amandaさんは、インクルーシブ・ゲーミングについて発表されました。
インクルーシブ・ゲーミングとは、インクルーシビティ(バックグラウンドや能力、アイデンティティに関係なく、すべてのプレイヤーがアクセスしやすく、公平で、歓迎されること)を兼ね備えたゲーム体験を指します。
発表では、ゲームにおけるアクセシビリティ、表現と多様性の観点から、複数の事例をご紹介いただきました。単なるゲームプレイのしやすさだけでなく、障がいやマイノリティの方を包括したアプローチが多数見受けられました。
また、誰がインクルーシブな体験をデザインすべきか?というテーマも提示され、本分野におけるステークホルダーの多様さと複雑性が感じられました。最後には、それぞれ身近な例をもとに、このテーマについてディスカッションし、知識をより広げることができました。
Amandaさんの研究は、本分野の解決にも寄与するものであるため、研究室の中でも継続的に議論を深めていきたいテーマとなりました。
以上が、11月7日のゼミ活動報告です。
それでは!
投稿日時: 2024-11-07 投稿者: ziminmo
皆さんこんにちは!M1の莫です。
今回のゼミは、叶さんの関連論文紹介、斉さんの文献研究と広瀬先生の研究員発表の3本立てでした。
それでは、早速報告させていただきます。
叶さん:関連論文紹介
叶さんが「没入感とゲームデザイン」をテーマに関連論文研究を紹介しました。ゲーム体験やナラティブデザインに関する複数の論文を紹介し、没入感の構成要素や内発的動機とナラティブが学習効果に与える影響について発表しました。
まず最初に、ゲーム体験における没入感の要素について「audiovisual quality and style」「level of challenge」「Imaginative Immersion」の三分類(SCI Model)から、これらの要素がゲーム体験の質に与える影響について触れ、プレイヤーの集中力を引き出すと説明されました。
次に、没入感の三分類に基づいて、ゲーム物語デザインの効果と学習効果の高いゲームデザインの特徴について、それぞれ実験・論文を紹介し、詳しく説明しました。
1つ目の特徴として、内発的な動機づけがプレイヤーの学習効果を向上させる事例研究がありました。シューティングゲームにおける「内在・外在・コントロール」要素の区別により、内在的動機が強化されるとプレイヤーが積極的に学ぶ傾向が確認されました。
2つ目の特徴は、共感を通じた臨場感の向上です。アバターに感情移入できると、臨場感が高まることが報告されています。「シンパシー群 vs コントロール群」の比較で、シンパシー群がより高い臨場感を体験したことが示されました。
3つ目の特徴は即時フィードバックで、シナリオ主導のゲームで即時のフィードバックが没入感やコントロール感を向上させることが示され、学習効果と感情的関与を深める役割を果たすとされています。
今回の紹介を通じて、叶さんはゲーム没入感の多面的な構造について詳細な分析を行って、多くの研究について学びました。自分としては、今後のワークショップデザインで、没入感を高めるために、様々な要素の設計に注意を払う必要があると感じました。
斉さん:文献研究
斉さんは「art of the games: Games trough Fiction」を中心に、著者の議論に沿って研究者たちのゲームとビデオゲームの定義理論・研究例を紹介しました。まず、ゲームとビデオゲームの定義について、ビデオゲームは「インタラクティブな関与」を基盤とし、目標達成型(ルーディック)と自由探索型(パイディア)に分類されることが説明されました。
続いて、ゲームとパズルの違いについても紹介してくれました。ゲームは競争や協力を通じて目標達成を目指すものであり、他のプレイヤーと状況が進行する点が強調されました。一方、パズルは複雑さを解消し、安定した解決策を見つけることが目的とされており、プレイヤーは自ら解決策にたどり着くことが求められます。このように、プレイスタイルや目的が異なることが両者の大きな特徴です。
また、ゲームのルールがFictionを通してプレイヤーに提示されることの意義についても触れられました。斉さんは「Portal」というビデオゲームを例としてあげました。Fictionがゲーム体験に密接に関わっていて、プレイヤーがゲーム世界を理解しないとプレイが難しい構造となっています。そして最後に、「マジック・サークル」理論が取り上げられましたが、この理論では現実とゲームの境界が曖昧になるビデオゲームの多様性を十分に説明できないという課題も指摘されました。
広瀬先生:研究員発表
最後に広瀬先生が最新の研究について共有してくれました。広瀬先生は、オレゴンでの研究紹介をはじめに、最近日本で「ライフキャリア支援」をテーマに、エリクソンの生涯発達理論に基づき、越境的な学習環境を活用して、移行期における若者のアイデンティティ確立や中高年の次世代への貢献意識を促進するワークショップを展開しています。
次に、広瀬先生はワークショップの具体的な流れと設計について説明しました。参加者は事前に指定された映画を視聴し、関連する問いについて考えます。当日は、学生と社会人の混合グループで意見を交わし、登場人物の「人生の目的」について話し合いながら、それぞれのキャリア観を広げ、世代を超えた学びの機会を得ることが目指されています。
最後に、広瀬先生は初期の成果を共有しました。参加者のフィードバックによれば、映画とディスカッションを通じて、自身のキャリア設計について深く考えるきっかけを得られ、特に転換期において新たな示唆を受けたとのことです。こうした意見をもとに、今後はワークショップの設計を最適化し、さらに多くの地域での展開も検討されています。
広瀬先生の研究報告は、私たちのワークショップのアイデア発案から設計、そして特に参加者フィードバックからワークショップに活用することまでのプロセスにおいて、多くの参考となる内容でした。また、先生は質問応答の際にも非常に親しみやすく、ネットワーク環境でのワークショップの運営・ネット環境で賑やかな議論の雰囲気を起こし方についても多く勉強になりました。
以上で今回のゼミ活動報告でした!
ちなみに制作展のお知らせです。11月7日~11日には東京大学制作展『付いて離れて』が開催されます!私が参加した『本郷キャンパス謎巡り ーAさんの消失ー』と『心の味わい』の2作品は工学部2ホールと92Bにそれぞれ展示されています。
ご興味がございましたらぜひお越しください^^
投稿日時: 2024-11-06 投稿者: snii
11月7日 (木) 〜11月11日 (月) 11:00 – 19:00(最終日17:00閉場)に東京大学 本郷キャンパス内で開催される東京大学制作展 2024 『付いて離れて』に、本郷キャンパス謎巡り ーAさんの消失ー というタイトルで、藤本研究室修士1年の莫子敏さんも謎解きゲームを出展しています🎨✨
本郷キャンパス内の様々な場所に実際に足を運び、手がかりや答えを探していただきます。
所要時間は約2時間。ご興味のある方は以下のページより来場登録の上、ぜひお越しください!🏫🐾
投稿日時: 2024-11-01 投稿者: snii
片山実咲さん(渡邉英徳研究室・博士課程2年)や濱田璃奈さん(藤本研究室・修士課程2年)らのチームが、マインクラフトを活用した平和ワークショップで2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞にて優秀賞を受賞しました!おめでとうございます🎊✨
詳細は以下のWebページをご覧ください🐈🐾
投稿日時: 2024-11-01 投稿者: snii
2025年度入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで10月30日に開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分をYouTubeで公開しています。
当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。
投稿日時: 2024-10-31 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは! 修士2年の犬田悠斗です。
10月24日のゼミ活動では、莫さんの文献研究と犬田の関連論文紹介、大空さんのプレイセッションが行われました。
■【莫さん】文献研究
莫さんは、"Team-Based Learning A Transformative Use of Small Groups in College Teaching"の第2章 "Getting Started with Team-Based Learning"について発表されました。
この発表では、自分自身の経験を踏まえながら、Team-based Learning(以後TBL)における4つの原則とTBLを実行するプロセスについて主に説明されました。
TBLにおける4つの原則は、以下の通りです。
1.グループは適切に形成され、管理されなければならない(Groups Must Be Properly Formed and Managed)
2.学生には個人ワークおよびグループワークに対して責任を負わせなければならない(Students Must Be Made Accountable for Individual and Group Work)
3.グループの割り当ては学習とチーム開発の両方を促進しなければならない(Group Assignments Must Promote Both Learning and Team Development)
4.学生は頻繁かつ適切なタイミングでフィードバックを受け取らなければならない(Students Must Have Frequent and Timely Performance Feedback)
また、TBLを実行するプロセスは、授業前(Before Class)、初回授業(The First Hours)、主要単元(Major Unit)、学期末(End of the Term)の4つに分かれています。
授業前には、授業を4-7つの単元に分け、それぞれに学習目標を設けます。加えて、成績の評価制度についても定めておきます。初回授業では、TBLの説明を行い、その後グループを作ります。加えて、学生に成績評価制度について説明します。主要単元では、授業内容に対する生徒の理解を深め、チームの結束を高めていきます。まず単元の準備確認からはじめ、その後応用に移っていきます。学期末には、授業内容やチーム内の相互作用などについて振り返りを行います。
この発表を聞いて、教師だけでなく、学生もTBLの原則とプロセスについて知っておくことが、授業を円滑に進めていく上で重要なのだろうなと思いました。
■【犬田】関連論文紹介
私は、下記の論文に基づいて、修士研究で開発したゲーミフィケーションを活用したオンライン調査のデザインプロセスについて発表しました。
Harms, J., Wimmer, C., Kappel, K., & Grechenig, T. (2014). Gamification of online surveys: conceptual foundations and a design process based on the MDA framework. Proceedings of the 8th Nordic Conference on Human-Computer Interaction: Fun, Fast, Foundational. 565–568.
この論文では、ゲーミフィケーションを活用したオンライン調査のデザインプロセスについて論じられています。デザインプロセスは5つに分かれており、それぞれの段階で考えるべきことは以下の通りです。
1.Aesthetics and the Relationship Layer:回答者の属性やフォームの内容に基づいて、感情的な反応やユーザー体験に関する目標を設定する
2.Dynamics and the Conversation Layer:具体的な質問項目に基づいてユーザーとフォームのインタラクション、そしてそれによって引き起こされる行動について検討する
3.Mechanics and the Conversation & Appearance Layers:意図する感情と行動を生み出すために、適切なゲームメカニクスとゲーム要素を採用し、それに基づいて質問内容・質問構成とフォームの見た目を変更する
4.Prototyping, Evaluation and Iteration:アイデア出し、スケッチ、プロトタイピング、評価を3回程度繰り返す
修士研究では、このデザインプロセスに基づいて、ゲーミフィケーションを活用したオンライン調査を作成しました。加えて、この発表では、選択肢をトラッキングする技術的な方法やデバックの方法などについても説明しました。
今回開発してみて、頭で考えてできる事でも実際に開発してみるとエラーやトラブルがたくさん発生することを実感しました。そして、実際に手を動かしながら、地道に開発することの大切さを改めて感じました。
■【大空さん】プレイセッション
プレイセッションでは、大空さんが開発した、会社経営を短時間で疑似体験できるボードゲームを遊びました。このボードゲームは、マーケティング施策を通じて、12ラウンド(1年間)で営業利益を最大化することが目標です。
そして、このゲームの学習目的は、マーケティング、特に3C/4P(※1)の全体感を理解することです。3Cと4Pの要素がゲームメカニクスに組み込まれており、ボードゲームを遊ぶことで、これらを自然と学習することができます。
実際に遊んでみて、上手いプレイヤーは競合のいない場所を見極めるのが早く、ビジネスにおける競合の重要性を感じました。経営シミュレーションゲームはプレイ時間が長くなりがちなので、短時間で経営におけるマーケティングの全体感を把握できるのはとてもいいなと思いました。
※1 3C/4Pともにマーケティングの基礎的なフレームワーク
3C=Company(自社)、Competitors(競合)、Customers(顧客)
4P=Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(広告・販売促進)
以上が、10月24日のゼミ活動報告です。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。
それでは!
投稿日時: 2024-10-17 投稿者: snii
東京大学 藤本徹研究室は12月21日(土)に13時~17時30分に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 別府」を別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)にて開催いたします。詳細は追って告知します。ご興味のある方は奮ってご参加ください!
投稿日時: 2024-10-18 投稿者: keirinkyou
みなさん、こんにちは!研究生の叶馨霖と申します。それでは、10月17日のゼミ活動を報告させていただきます。この度のゼミでは、研究生の進捗報告が行われ、発表者は斉さん、厳さん、アマンダさん、そして叶(私)でした。
斉さん
まず、斉さんは研究課題の変更について説明しました。知識の不足により、文献を読み進めた結果、研究テーマを「第二言語語彙学習ゲームの評価と設計のためのGameFlowヒューリスティクス」へと修正しました。テーマ自体は変わったものの、研究の動機は基本的に変わっていません。
次に、斉さんはフローモデルについて紹介しましたが、このモデルはさまざまな分野で応用されています。ゲーム学習に特化した研究に集中するため、斉さんはゲームにおけるフローモデルの研究に焦点を当てる予定です。
先行研究において、ある学者はゲームフローモデルを用いてリアルタイムストラテジー(RTS)ゲームを分析し、その結果からRTSゲームの評価や設計に役立つ詳細なヒューリスティクスを提案しました。斉さんも同様に、ゲームフローモデルを使って第二言語語彙学習ゲームを分析し、評価と設計に役立つ詳細なヒューリスティクスをまとめたいと考えています。
さらに、斉さんはゲーム分野と教育分野におけるフロー理論の違いについても説明しました。教育ゲームは明確な教育目的を持つため、楽しさと学習のバランスを見つけることが難しくなります。この時にヒューリスティクスがより重要な役割を果たします。
次に、なぜ第二言語学習を選んだのか、その理由を詳しく説明し、今後の研究計画も示しました。
その後、アマンダさんとモさんからいくつかの質問や提案がありました。アマンダさんは、もっと多くのゲームレビューを行うことを提案しました。莫さんは、どの種類のゲームを対象に調査するのか、また、異なる学年の学生に対する研究には多くの外的要因が絡む可能性があると指摘しました。加えて、ゲームの難易度も考慮すべき重要な要素です。
藤本教授からもコメントがありました。言語学習には単語や文法など、さまざまなタイプがあり、またゲームの形式にもパズルやクイズなど多くの種類があるため、これらの実例研究をもっと明確にする必要があると指摘されました。
最後に、フローゾーンの分類がこの研究の焦点となるのか、またそのデータはどのように収集・統計されるのかという点についても議論が行われました。
厳さん
まず、厳さんは自身のビジョンについて説明しました。彼の目標は、ゲームを通じてプレイヤーに経済や金融の知識を学んでもらうことです。その理由として、多くの人が金融詐欺の被害を受けていることが挙げられます。しかし、このテーマに関する背景調査では、いくつかの問題に直面しています。たとえば、被害者が自らの詐欺被害を共有したがらないことや、多くの人が「自分には関係ない」と考え、調査に協力しないという点です。
厳さんは、通常の詐欺防止教育のように「信じないで」と繰り返し説得する方法ではなく、詐欺のシミュレーションゲームを設計し、プレイヤーが詐欺のシチュエーションに参加することで防止策を学べるようにしたいと考えています。ここで重要なのは、被害者がどのようにして詐欺に引っかかる決断をするのか、そして被害の可能性についてです。
次に、厳さんはゲームをどうすれば魅力的にするかについて、プレイヤーの動機を基に説明しました。しかし、これはゲームデザイン理論のサポートが必要であり、今後さらなる文献研究を行い、どのようなゲームデザインやメカニズムがゲームをより説得力のあるものにするかを探っていきます。
その後、厳さんはこの研究が直面する可能性のある問題をいくつか挙げました。たとえば、実験結果の評価方法、ゲーム形式と金融詐欺教育の融合性、このゲームが金融や経済教育の他の側面に応用できるかどうかといった点です。
評価方法については、厳さんはすでに大まかな考えを持っており、質的調査と量的調査の両方を含む予定です。ただし、これらの具体的な方法については、金融詐欺やゲームデザインに関連する文献から答えを見つける必要があります。
最後に、厳さんは今後の研究計画をいくつか提示しました。
その後、藤本教授は「非常に創造的な発表だ」と感想を述べました。アマンダさんは「今後の研究の方向性は科学研究に重きを置くのか、それともゲームデザインに重点を置くのか?」と質問し、厳さんは「前者です」と答えました。続いて、莫さんからは「脆弱性(vulnerability)の定義は何ですか?」と質問があり、厳さんは「具体的に詐欺にかかりやすい人々の特徴や彼らのプロファイリングを指します。そして、詐欺の過程は意思決定の過程でもあります」と答え、私たちは新たな知識を得ることができました。
アマンダさん
まず、アマンダさんはゲームの人気と、それが現代生活に与える微妙な影響について紹介しました。その後、彼女は自身の主張を述べ、ゲームは文化的な芸術作品であると考え、ゲームが日常生活において人々の思考やアイデアにどのように影響を与えるかを探りたいと語りました。
次に、ゲームが思考を形作るメカニズムを探るために、アマンダさんは彼女が行った文献研究を紹介しました。主に以下のテーマが含まれます:ゲームと学習、ゲームと知識構築、意味形成(Meaning-Making)です。
特に「意味形成」について重点的に説明しました。Meaning-Makingとは、プレイヤーが自身の知識や経験に照らしてゲーム内の出来事を解釈し、意味を創造することを指します。これには次の3つのアプローチがあります:
-Knowing through games (e.g., games as group collaboration)
-Knowing by games (e.g., game developers embed their values into the game)
-Knowing with games (e.g., players co-construct knowledge alongside the games)
文献研究に基づき、アマンダさんは次の研究質問を提案しました:
–RQ1: 「知識の実践」はどのようにして、ゲームによって、ゲームを通して、ゲームとともに実現されるのか?
–RQ2: どのようにゲームを設計すれば、知識の実践をよりよく促進できるのか?
アマンダさんの研究の方法論設計は非常に興味深いものでした: 彼女のケーススタディでは、ゼルダの伝説: ティアーズ オブ ザ キングダム、スターデューバレー、スカイリムに焦点を当て、プレイヤーがこれらのゲームとどのように相互作用し、学んでいるかを分析します。
デザイナーインタビュー:ゲーム開発者のデザイン意図がプレイヤー体験にどのように影響を与えるかを探るインタビュー。
プレイヤーインタビュー & 日記:プレイヤーが7日間にわたってゲーム体験を記録し、その学びと反省を明らかにします。
ストリーミング観察:プレイヤーのリアルタイムのゲームプレイを観察し、ゲームとプレイヤーの相互作用を分析します。
データ分析については、テーマ分析とクロスケース分析を組み合わせ、プレイヤーとゲームにおける知識の実践を理解する予定です。
ウォークスルー:研究者が自らゲームをプレイし、ゲームデザインや技術的要素を理解します。
初期の発見として、アマンダさんは次のことを紹介しました:プレイヤーは、ゲームプレイスキルの向上、現実世界の情報(例:植物の識別)の学習、自己認識の向上、創造的なインスピレーションなど、ゲームを通じてさまざまな知識を習得しています。また、ゲームは動的なコミュニケーションの一形態としても機能し、プレイヤーはゲームの「言語」を理解しながら関与しますが、時には誤解が生じることもあります。
その後、莫さんから質問がありました:プレイヤーがゲーム日記の記録を維持し、フィードバックを続けることをどのように保証しますか? これに対してアマンダさんは、重要なのは被験者のコミュニティ意識を強化することであり、データ収集の前に「このプロセスはそれほど難しくない」と伝えることで彼らの自信を高めると回答しました。被験者自身も、ゲーム日記を記録することをゲームコミュニティの一部として共有するプロセスだと感じています。
また、厳さんからも質問がありました:なぜこの3つのゲームを選んだのか?これらのゲームは建築や冒険、経営の要素を含み、非常に面白いですが、ゲームが人の思考を形作るというテーマにおいて、バイアスが生じる可能性はありますか? アマンダさんは、「確かに多少の偏りがあるかもしれない」と認め、3つのゲームの違いを紹介しました。さらに、FPSゲームを追加することが良いかもしれないと述べ、後の研究者がこの研究からインスピレーションを得て、異なるタイプのゲーム研究を行うことも良いと言いました。
叶
まず、私の研究テーマの変更についてお知らせします。VR開発の難しさに加え、マグロの漁獲管理が十分に進み、個体数も回復傾向にあるため、もはや絶滅危惧種保護のゲームテーマとして適切ではなくなりました。今後、研究の焦点を海獺(ラッコ)の保護に置いたゲームデザインに変更いたします。
今回のゼミでは、以下の3つのテーマについて紹介しました:
なぜラッコを選んだ?
なぜゲームやRPG通じて保護意識を高めるか?(メリット)
動物保護テーマのゲームのレビュー
ラッコは絶滅危惧種に分類されており、世界全体の個体数がかつて2000匹ほどまで減少しました。北海道は日本におけるラッコの生息地の一つですが、現在、推定される生息数は50匹を超えないとされています。また、日本の水族館で飼育されているラッコはたった3匹で、そのうち来館者が実際に観覧できるのは2匹のみです。
さらに、ラッコは海底環境の修復にも重要な役割を果たしており、エコシステムの中で欠かせない存在です。私は個人的にラッコを非常に可愛いと感じており、「可愛さ」こそがラッコを研究対象に選んだ大きな理由でもあります。
「ベビーフェイス理論」によると、幼い特徴を持つ動物は人間の保護本能をより引き出しやすいと言われています。また、動物の親子関係や仲間同士の助け合いなどの親社会的行動は、人間に共感を与え、保護意識を促進する要因になります。ラッコは社会性が高く群れで行動する動物であり、この点からも研究対象として適していると考えました。
日常生活であまり接する機会がない動物に対する人々の関心は低くなりがちです。ラッコのように国内で展示されている数が非常に少ない場合、その存在自体が忘れられやすいと言えます。一方で、動きのある映像は学習の没入感を高める効果があり、さらにプレイヤーが自ら選択や行動をすることで、より深い没入体験を提供できます。これらの点から、ゲームは保護意識を高めるための効果的な手段だと考えました。
私はゲームの没入感について文献調査を行い、大きく3つのタイプがあることを確認しました:Sensory Immersion、Challenge-based Immersion、Imaginative Immersion。
複数のゲームを分析した結果、動物保護意識を高めるには、感覚的没入よりもタスクベースの没入と想像的没入のほうが効果的であると感じました。今後の研究では、この2つの没入感と保護意識の育成との相互作用に注目していく予定です。
私の発表後、藤本先生から「研究問題が複雑すぎるため、没入感のどれか一つに絞って進めたほうが良い」というアドバイスをいただきました。これは非常に有益な指摘であり、今後の文献調査では、最も適切な没入感のタイプを選び、それに基づいてゲームを設計する予定です。
プレーセッション
最後に、藤本先生が紹介してくださったのは「Rocksmith」でした。これは音楽の学習とゲーム要素を融合したリズムゲームで、Ubisoftによって開発されました。従来の音楽ゲームとは異なり、『Rocksmith』は本物のエレキギターやベースを使用してプレイすることができ、単なる模擬コントローラーでの操作に留まりません。USBケーブルで楽器をパソコンやゲーム機に接続し、実際の音符やコードをリアルタイムで演奏できる点が特徴です。
藤本先生は実際にこのゲームのプレイを私たちに披露してくれ、その魅力を存分に体感することができました。
待ってください!まだ話は終わっていませんよ!ゼミの後には、新人歓迎会とJonaさんの送別会がありました。場所は学内のレストランで、とても美味しいイタリアンをみんなで楽しみました。食事の間には、たくさんの楽しいおしゃべりやゴシップ話で盛り上がり、とても素敵なひとときでした!
それでは、来週の研究室活動もどうぞお楽しみに!
あ、最後にお知らせです。10月30日には藤本研究室の説明会が開催されます!研究室に興味のある受験生の皆さんは、ぜひご参加くださいね~!
投稿日時: 2024-10-16 投稿者: snii
10月11日放送のラジオ番組”渋谷でDeathラジオ〜生も死もウェルビーイングに”に、坂井特任研究員が出演しました。
死とゲームと成長についてお話しています。アーカイブが公開されましたのでご興味ある方はぜひお聴きいただければ幸いです。
https://note.com/shiburadi/n/ne41354c31f89?magazine_key=m458e51f0078b
投稿日時: 2024-10-14 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士2年の犬田悠斗です。今回は、8月・9月の「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム」で行った<SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ>の報告記事です。ぜひ最後までお読みください。
■企画背景
タンパク質の構造予測を行うパズルゲーム『Foldit』など、遊ぶことで社会貢献できるゲームが開発されています。もしこれらのゲームが流行し、多くの人がゲームを通して世の中の発展に寄与する未来が訪れたとすると、社会ではどのような良いこと・悪いことが起こるのだろうと疑問に思いました。
そこで、SFプロトタイピングという、「サイエンス・フィクション的な発想を元に、まだ実現していないビジョンの試作品=プロトタイプを作ることで、他社と未来像を議論・共有するためのメソッド」(宮本他, 2021)を用いて、参加者の方にそのような未来を創造してもらうワークショップを実施しました。
■どんなワークショップ?
このワークショップでは、参加者の方に、「ゲームを基盤とした社会」をテーマにしたショートショートを作成してもらいました。「ゲームを基盤とした社会」とは、多くの人がゲームを通して世の中の発展に寄与する社会のことです。
このワークショップは、「1.設定資料の作成(20分)、2.ブラッシュアップ(20分)、3.執筆(10分)」の大きく3つのステップに分かれています。設定資料の作成では、まずテーマである「ゲームを基盤とした社会」の説明を行いました。その後、そのテーマを基に、ネタ出しを行っていただき、題材を決定してもらいました。題材が決定したら、それに合ったキャラクターとストーリーの作成を行ってもらいました。
ブラッシュアップでは、まずグループを作ってもらい、その後1人1人設定資料の発表をしてもらいました。各発表後、聞き手には設定資料を褒める、もしくは深堀りしてもらいました。
執筆では、参加者の方に作成していただいた設定資料を、生成AIであるChatGPTに読み込ませ、ショートショートを作成しました。1時間と限られた時間であったため、このワークショップでは1つの作品のみデモンストレーションとして執筆を行いました。以下で、長崎のワークショップを通じてできた作品を紹介します。
■作品
・THIS ゲームコミュニケーション(リアル農夫ホウメイ)
レンは東京の片隅で地道な作業を続ける考古学者だった。社会は完全にゲームに依存し、人々は日々の活動をゲームとして競い合っていた。ゴミ拾いから環境保全、さらには政治活動まで、全てがゲーム化され、その貢献度がポイントとして可視化される世界。高ランクのバッジやメダルを持つ者は多くの尊敬を集め、生活が優遇される。しかし、レンのように泥臭い発掘作業や一次産業を担う者は、ゲームで評価されない「ランク外」の存在として扱われ、軽視されていた。
レンの手はいつも土と埃にまみれていた。古代の遺跡を掘り起こし、かつて人類がどう生き、どう繁栄していたのかを知るための手がかりを探していたが、そんなことに興味を持つ者は少なかった。周囲の人々はレンを哀れむか、侮蔑の目で見つめるだけだった。「そんな無駄なことをして何になる?ゲームでポイントを稼げば、もっと簡単に名声が手に入るのに」と言う者さえいた。
しかし、レンは考古学こそが人類の未来を救うと信じていた。社会が完全にゲームに依存している今、彼はそのゲームの先にある破綻を予感していた。歴史を紐解くことで、かつての文明がどのようにして崩壊し、またどのようにして復興してきたのかを学び、再び訪れるかもしれない崩壊に備えようと考えていた。
ところが、どれだけ調査が成功しても、誰も見向きもしない。逆に、ランク外であることを理由に、レンは危険な目にあうことが多くなった。ある日、遺跡からの帰り道、彼はゲームランカーの一群に絡まれた。「お前のような無駄な人間は社会の邪魔だ」と言われ、追い詰められた。命を奪われる寸前、突然の大きな轟音が街を揺るがした。
空を見上げると、太陽が異常な輝きを放っていた。その瞬間、全てのデバイスが一斉に機能を停止し、世界中のITインフラが崩壊した。ゲームで支えられていた社会は一瞬にして機能不全に陥り、混乱が広がった。
人々は何もできなくなり、パニックに陥った。しかし、レンだけは冷静だった。考古学で学んだ知識を活かし、過去の文明がどうやって自然の力と共存してきたのか、そしてどのように復興してきたのかを伝え始めた。かつて軽視されていた彼の知識は今や価値を持ち始め、人々は彼に助言を求めるようになった。ゲームが支配していた社会は崩壊し、人々はレンの手によって新たな生活を取り戻し始めた。
レンは冷ややかに微笑んだ。
「世界はいつも同じことを繰り返す。だが、今回はどうかな?」
彼の貢献度は、もはやゲームには表示されなかった。それは、実際の世界に刻まれた。
・Under Game(ペンネーム:まさのり)
ケンタは、社会において成功を約束されたエリートだった。ゲームによって社会貢献が測られるこの時代、彼の目標は明確だった。ネオゲームセンターで提供される社会貢献型のゲームをこなし、ポイントを稼ぎ、ランクの高いバッジやメダルを手に入れること。そうすれば、さらに多くの尊敬を集め、社会的地位が揺るぎないものとなる。
ある日、ケンタはいつものようにネオゲームセンターに足を運んでいた。貧困問題を解決するためのパズルゲーム、環境保護をテーマにしたアクションゲーム。すべてが社会的意義を持ち、プレイするたびにポイントが蓄積されていく。しかし、その日はなぜか彼の心が浮かない。ルール通りに生きることがどれだけ正しいのか、自分でも分からなくなってきたのだ。
そんな時、ケンタはふと気づいた。ネオゲームセンターの裏側に、古びた扉がある。妙な好奇心に駆られ、扉を押し開けた。その先には、暗がりの中で静かに動く機械、そして数人の男たち。驚いたことに、それは今では違法とされる、娯楽のためだけのゲームを遊ぶ場だった。
「ここでやってるのは、社会に貢献しないゲームだ。無意味な勝負ごと、ただの時間の浪費だ。」
男の一人がそう言って笑った。
ケンタは不快感を覚えた。この社会では、娯楽のためだけのゲームは無意味であり、禁止されている。人々の時間は社会のために使われるべきであり、それ以外は無駄だと教わってきた。だが、彼は一瞬、躊躇した。そして、そのゲームに手を伸ばしてしまったのだ。
プレイは簡単だった。目の前の画面に次々と現れるキャラクターを倒し、得点を重ねる。それだけだ。だが、そのシンプルさが不思議な快感を与えた。意味もなく勝つだけのゲームなのに、彼の心は激しく動揺した。社会に貢献するゲームとは違い、何の責任もない。ただ達成感と快楽だけが残る。
数日後、ケンタは再びその裏の世界に足を運んでいた。彼の内心は苦悩で揺れていた。自分は今まで何のためにゲームをしてきたのか?社会的な評価を得るために、ポイントを稼ぐために生きてきた。だが、この無意味なゲームは、なぜか深い満足感を与えてくれる。
彼は迷い始めた。社会貢献のためのゲームと、ただ楽しむためのゲーム。一体、どちらが本当に価値のあるものなのか?自分が生きているこの社会は、本当に正しいのか?
そんなある日、ケンタは違法ゲームの場である男に話しかけられた。男は静かに笑いながら、ケンタにこう言った。
「ポイントを稼ぐことで尊敬を得る?バッジやメダルが手に入る?それが君に何を与えてくれるんだ?」
ケンタは凍りついた。社会貢献ゲームがすべてだと思っていた自分が、ただシステムに操られていただけだったことに気づいたのだ。
彼はついに知った。かつて、社会はもっと自由だったことを。ゲームはただの遊びであり、楽しむことが目的だった時代があったことを。しかし、現在ゲームは社会を管理するツールになっている。ケンタはすべてを理解した時、社会から消え去るように、その裏の世界に完全に身を委ねた。
・子の成長(ペンネーム:伊藤大海)
太一は、ゲームが禁止された家庭で育っていた。友達が楽しそうに最新のゲームについて話す中、彼だけがその話題に加われないことが、次第に辛くなっていた。そんな時、「社会貢献ゲーム」というものが流行し、それを通じて様々な社会問題が解決されだした。太一は、ふと良いアイデアを思いついた。
「社会貢献をしながらゲームをするなんて素晴らしいじゃないか!」
太一は、これなら親も納得してくれるだろうと思い、親にプレゼンを行うことを決心した。
「お母さん、お父さん、話があるんだ」
ある日、太一は緊張した面持ちで両親の前に立った。彼の目には強い決意が宿っていた。彼は、社会貢献ゲームのメリットを次々と挙げた。ポイントを集めることで、地域清掃やリサイクル活動に貢献できる。さらには、ゲームのランキングで上位に入ると、学校で表彰されたり、名誉あるバッジがもらえたりする。
「それにね、僕もこれを通じて、他の子と同じように楽しみたいんだ」と太一は言った。
しかし、両親の顔は渋いままだった。
「ゲームはやっぱり良くない。社会貢献ゲームだとしても、それに夢中になって他のことを疎かにするかもしれない」と母親が言う。
「その通りだ。何度も言ってきたが、ゲームなんて時間の無駄だ」と父親も続けた。
太一はがっかりした。しかし、彼は諦めなかった。次の機会に、もっと説得力のあるデータや資料を集めて、もう一度挑戦することにしたのだ。それから数週間、太一はゲームに関する論文やデータを読み漁り、より洗練されたプレゼン資料を作成した。そして再び、両親の前に立つ。
「僕はただ遊びたいわけじゃないんだ。これを通じて社会に貢献したいんだよ。それに、データによれば、社会貢献ゲームをやっている子どもたちは成績が上がる傾向にあるんだ」
プレゼンは以前よりも格段に上手くなっていた。両親も少しは興味を示し始めたように見えたが、それでも決定打にはならなかった。何度も何度も繰り返し、太一は挑戦した。親もその度に応じてくれた。徐々に、彼のプレゼンは緻密で説得力のあるものとなっていき、最終的には両親も深く考え込むようになった。
そして、ついに父親が口を開いた。
「太一、よく頑張った。お前の言うことも一理ある。だが、今度は別の考えが浮かんできたんだ。お前はここまで自分の考えをしっかり持って話せるようになった。それに、社会のことも考えている。これからはもっと高度なことに挑戦してほしいと思っているんだ」
太一の期待は膨らんだ。ついに許される時が来たのだろうか?
しかし、その瞬間、父親は予想外の言葉を続けた。
「ゲームは禁止のままだ。だが、その代わりに、お前のその能力を活かして社会のリーダーを目指してほしい。ゲームなんかに時間を費やすより、もっと大きな貢献ができるだろう」
太一は愕然とした。彼のプレゼンは成功したどころか、逆に両親の期待をさらに高める結果となり、ゲームをする夢はますます遠のいてしまった。そして、社会貢献ゲームではなく、現実での「貢献」を求められる日々が始まったのだ。
・Justice Games(ペンネーム:ロイ・たこやき)
ジャスティス・キングは、教師として、常に子どもたちが社会に役立つ人間になるよう、教育に力を注いでいた。社会貢献のゲーム「Justice Game」が普及し、誰もがゲームを通して社会問題を解決できる時代になっていた。ポイントを稼ぎ、バッジやメダルを獲得することで、社会に貢献した証を得るのだ。ジャスティスもその一人で、教師としての指導や日々の行動でポイントを稼ぎ、既に数々のバッジを手にしていた。
ある日、ジャスティスは放課後の街で、若者が喧嘩をしている場面に遭遇した。殴り合いをしている少年たちをなだめ、諭し、悪い行動を正した。彼はその行動によってさらにポイントを稼ぎ、新しいバッジを獲得した。「これで、また一つ社会が良くなった」とジャスティスは満足げに思い、周囲からも尊敬の眼差しを向けられる。
そんな彼に、突然の出会いが訪れる。トゥルース・クイーンという海外の美しい女性だ。二人は急速に親密な関係になっていった。だが、トゥルースは何も言わずに彼の前から姿を消した。彼女の故郷に帰ってしまったのだ。ジャスティスは困惑し、彼女を忘れることができなかった。そして、彼は決意を固め、彼女を追ってその国へ向かうことにした。
彼はその国に入国するやいなや、突然捕らえられ、投獄されてしまった。訳が分からないまま彼は牢の中で思い悩んだ。なぜ、自分がこんな目に遭うのか。やがて、彼は国のルールを知ることになる。この国では、彼の信じていた「Justice Game」とは全く異なる価値観が存在していたのだ。
その国では、殴ることが推奨され、他者を強くするための行為とされていた。暴力が美徳とされ、社会貢献の一環として行われていたのだ。彼が止めた行為こそ、ここでは正義だった。そして、トゥルース・クイーンは、ジャスティスの信じていた「正義」が、この国では愚かで無意味なものだと理解していたのだ。
ジャスティスは、自らの信じていた「社会貢献」とは何だったのかを問わざるを得なかった。どこまでが正義で、どこからが悪なのか。その境界は、国や文化によってこんなにも変わるのか。彼は初めて、自らの信念が完全に崩壊したことを悟った。
・田中の物語(ペンネーム:H.Y.)
田中太郎は、東京に住むごく普通の学生だった。しかし、彼には大きな夢があった。社会において最も名声高く、尊敬される企業「ブラック」に入ることだ。「ブラック」は、ゲームによる社会貢献で圧倒的な地位を築き上げ、社員は皆が憧れる存在となっていた。
田中も、毎日ゲームを通じて社会に貢献していた。ゴミ拾いや環境保護活動、地域の清掃など、ゲームを介してポイントを稼ぐことができ、それが社会的な地位や尊敬へと繋がる。田中は、ひたむきに努力を重ね、ポイントを積み上げていった。彼の胸には、数々のバッジやメダルが輝いていた。
ある日、田中は偶然、近所のゴミ捨て場で「ブラック」のバイトがゴミをまき散らしている場面に出くわした。彼は目を疑った。あれほど社会貢献を謳う企業の社員が、そんな不正を働いているなんて。「これは誤解だろう」と最初は思ったが、明らかに意図的な行動だった。田中は勇気を出して注意しようとしたが、バイトは冷笑を浮かべた。
「お前、知らないほうが身のためだぞ。」
その言葉が妙に胸に残った。
数日後、田中は「ブラック」の暗い裏側に気付いてしまった。ゴミ捨て場での一件が気になり、調査を進めると、表向きの社会貢献とは裏腹に、企業は闇のビジネスを展開していたのだ。田中が真実を訴えようとしても、「ブラック」の社会的な影響力が強大すぎて誰も信じてくれなかった。むしろ、田中が悪い噂を流していると逆に批判されてしまった。
「このままじゃ、僕が消される…」田中は焦りを覚えた。
田中は5人の仲間を集め、ゲームによるポイント稼ぎに全力を注ぐことを決意した。彼らは災害支援や海外ボランティアにまで手を伸ばし、ポイントを集めていった。だが、その活動は決して順調ではなかった。仲間のうち1人が、ある日突然消息を絶った。彼は「ブラック」の仕業だと噂された。さらに、残された2人の仲間がスパイであることが判明し、田中の活動は大きな打撃を受けた。
「もう何もかも無駄なんじゃないか…」田中は心が折れかけていた。
だが、驚くべきことが起きた。消されたと思われていた仲間が実は生きていたのだ。彼は巧妙に「ブラック」の目を欺き、死んだふりをしていたのだ。そして、その間に「ブラック」の不正行為を記録した動画を撮っていた。その映像は瞬く間に拡散され、田中たちは一気にポイントを獲得した。
その結果、「ブラック」は社会的に破滅した。企業は倒産し、社員たちは街から姿を消した。田中はついに自分の手で正義を成し遂げたのだ。しかし、田中が得たものはほんの一時の達成感だけだった。社会はすぐに新しい英雄を探し始め、田中の功績は徐々に忘れ去られていった。
・HIPPOPOTAMUS(ペンネーム:おーつ)
イオリは長崎県の動物園でカバの飼育員として働いていた。カバたちは彼の生活の中心だったが、最近はもう一つの情熱が加わっていた。それは「ゲーム」。今や、社会全体がゲームを通して社会貢献を行い、ポイントを集めることで報酬が得られる時代。学校や職場でも、誰がどのバッジを持っているかが話題になり、社会的な地位を決めるほどだった。
イオリもその熱狂にのめり込み、夜になるとゲームの世界に飛び込んでいた。カバの世話が終わると、すぐに家に帰り、画面の向こうのモンスターを次々に倒してポイントを稼ぐ。最初は簡単だった。敵は単純で、攻略法もすぐにわかった。
ところがある日、ゲーム内で突然異様に強いモンスターが現れた。これまでのモンスターとは次元が違うほどの力を持っており、どれだけ攻撃してもまるで歯が立たない。そのモンスターに倒されると、ただのゲームオーバーでは済まなかった。現実でも、事故や病気で命を落とすプレイヤーたちが次々と報告されるようになったのだ。
「おかしい…こんなことは聞いていない…」
イオリは恐怖に震えた。ゲームをやめれば安全だろうと思ったが、既に彼はその世界に取り憑かれていた。そして、ただ逃げているだけでは他のプレイヤーたちが危険にさらされる。イオリは意を決して、その恐ろしいモンスターに再び立ち向かう決意をした。
調べを進めるうちに、その強大なモンスターは、ゲームを設計したデザイナー自身が意図的に仕込んだものだと分かった。社会にゲームが浸透しすぎ、世界そのものを操る力を持つまでになっていたゲームデザイナーは、自分自身を最強のモンスターとしてゲーム内に登場させ、誰にも勝てない絶望感を植え付けることで、全てを支配しようとしていたのだ。
イオリは何度も挑んだが、結局彼の力では太刀打ちできなかった。諦めかけたその時、突如ゲーム内に現れた強大なプレイヤーが、モンスターに立ち向かい始めた。そのプレイヤーは誰も知らない謎の存在だったが、その圧倒的な力でデザイナーのモンスターを次第に追い詰めていった。
「いったい、誰なんだ…?」
イオリはその背中を見つめながら、共に戦い続けた。そしてついに、モンスターは倒され、ゲームの支配は終わった。社会は再び平和を取り戻し、ゲームも日常の一部として続いた。しかし、その謎のプレイヤーの正体は明かされないままだった。
現実に戻った彼は、いつものようにカバたちの世話を始めた。その時、ふと自分が飼っているカバを見つめた。何かが違う――彼は確信した。このカバが、あの強いプレイヤーだったのだ。カバは彼に一瞥を送り、どこか満足そうに鼻を鳴らし、黙々と水辺を歩き続けていた。
・ヒエラルキー・ワールド(ペンネーム:トモヤ)
ラッキーは、ゲーム社会の底辺にいた。学生の彼は、授業が終われば家に戻り、小さなデバイスを手に取りログインするのが日課だった。彼が生きるこの世界では、ゲームを通じて社会貢献ができ、その結果として多くの問題が解決されている。プレイヤーはゲーム内で稼いだポイントでバッジやメダルを獲得し、バッジの多さがそのまま社会的な尊敬につながる。ラッキーもいつか、そんな高いランクにのぼりつめたいと思っていた。
だが、現実は甘くなかった。彼はまだLv.1。スキルも乏しく、やっとの思いで小さなクエストをクリアしては、わずかなポイントを稼ぐのが精一杯だった。デバイスを通して周囲の プレイヤーのステータスが見えるが、皆が持つ煌びやかなバッジやメダルがまぶしく感じられ、彼は劣等感を抱くばかりだった。
そんなある日、同じような境遇にいる仲間と出会った。彼らもラッキー同様、下位ランクのプレイヤーで、バッジは一つも持っていない。だが、彼らは明るく、互いに切磋琢磨し合い、いつかこのゲーム社会の頂点を目指そうと決意していた。
ラッキーも彼らと共に少しずつ成長していった。クエストをこなし、ポイントを稼ぎ、バッジも増えた。バッジが増えるごとに、現実世界でも少しずつ尊敬を集めるようになり、彼は自分が変わっていくのを感じた。
しかし、平和な日々は長くは続かなかった。ある日、悪名高い「プレイヤーキル集団」が彼らを襲ったのだ。彼らは高ランクプレイヤーを憎み、無差別に攻撃を仕掛けてくる存在で、ゲーム内での成長を破壊することを楽しんでいた。ラッキーの仲間もその標的となり、一人、また一人とゲーム内で殺されていった。ゲームでの「死」は、現実の評価にも直結する。彼らは尊敬を失い、社会の底辺に転落していった。
ラッキーは絶望した。仲間が次々に消えていく中、自分一人が生き残っても何の意味があるのか?だが、彼は諦めなかった。自分が強くなれば、この悲劇を止めることができるかもしれない。ラッキーは、より困難なクエストに挑み、スキルを磨き続けた。そしてついに、ゲーム社会のトップクラスに到達した。
頂点に立ったラッキーは、「プレイヤーキル集団」を壊滅させ、多くの報酬を手にした。人々からは尊敬され、憧れられる存在となった。彼は仲間を失った悲しみを乗り越え、今や多くの人々に希望を与える存在として成長していた。
■振り返り
このワークショップでは、SFプロトタイピングという手法を用いて、「ゲームを基盤とした社会」に関するショートショートを作成することができました。これらの作品を通じて、「ゲームを基盤とした社会」における様々な問題や人々が持っている価値観などを、具体的に想起しやすくなったと感じます。
また、SFプロトタイピングは、小説家とコラボレーションして行われることが多いですが、このワークショップでは、執筆作業をChatGPTに代替させることで、開催コストの削減を目指しました。個人的な感想としては、この試みも一定の成功を収めることができたと思います。
今後の課題は、テーマをより明確にすることです。「ゲームを基盤とした社会」というテーマが抽象的で、想像の余地がありすぎたため、参加者によって解釈の幅が広くなりすぎました。また、ストーリーの作成方法についても、具体的な作品などを交えてより詳細に説明する必要があったと思いました。
【参考文献】
宮本道人(監), 難波優輝, 大澤博隆(編).(2021). SFプロトタイピング: SFからイノベーションを生み出す新戦略. 早川書房
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以上が、<SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ 報告記事>になります。また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは!!!
投稿日時: 2024-10-11 投稿者: qikeyi
この夏休み、私は「充実した生活+しっかりとした学び」を目標に過ごしました。この期間中、藤本研究室の遠征活動以外で特に印象に残ったのは、東京ゲームショウに参加したことです。
そこで、本報告では興味をテーマに、展覧会に参加した感想をまとめたいと思います。
4日間にわたる2024年のTGSは「ゲームで世界に先駆けろ。」をテーマに、9月29日に無事に閉幕しました。報道によると、今回のゲームショウには27万4739人の来場者があり、44か国と地域から985社の企業や団体が参加し、TGS史上最多の参加者数を記録しました。多くの新作ゲームが新しい予告編やオフラインでの試遊を披露しました。私にとっては、初めての大規模なゲーム展覧会への参加であり、ここで私の体験を共有したいと思います。
【中国ゲームの新たな勢力が輝く】
この夏休み期間中、『黒神話:悟空』が突如登場しました。中国ゲーム界のマイルストーンであり、初のソウルライクアクションRPGとして、中国の伝統文化を宣伝するだけでなく、初のAAA級アクションゲームとしても多くの期待を背負っています。私も50時間かけてこのゲームをクリアしました。中国のネットユーザーが4年間抱いていた期待に完璧に応えていると感じました。音楽、美術、ストーリー、そして挑戦的な戦闘に至るまで、非常に高い完成度を誇っています。
この作品は各界に大きな影響を与え、国内外のメディアでは『西遊記』のストーリーが再び注目されています。さらに、中国の江蘇省のいくつかの都市では関連する観光地が無料開放されるなど、大きな反響がありました。私自身も、この影響で『西遊記』の主要なストーリーを再度振り返ることになりました。ゲームを通じて文化を広めるという体験は本当に感動的です。
今回の展示会では、『黒神話:悟空』のチャレンジブースも設置され、3分以内にボス「黒熊精」に挑むというイベントがありました。私も見事にその挑戦を成功させることができました。
展会では、もう一つの中国ゲーム『影之刃零』が試遊可能でした。『悟空』と同様に、中華武侠をテーマにしたアクションRPGですが、現場での試遊を見る限り(私は試遊の枠を取ることができませんでした)、このゲームのアクションはよりスムーズで爽快感があり、物語の体験に重点を置いているようでした。もし『零』が『悟空』に続く成功を収めることができれば、それは中国ゲーム市場に明るい時代が訪れたことを示すかもしれません。
https://www.cruelmanstudio.com/?lang=zh
【初めての試遊体験:『The First Berserker: Khazan』】
29日、私は早起きして会場にワクワクしながら直行し、すぐに展台に並びました。目標は、展会での試遊初体験となる『The First Berserker: Khazan』です。28日にこの展台を通りかかった際、ゲームのUIがソウルライクゲームとそっくりで、一目で強く惹きつけられました。
このゲームはNeopleが開発中の三人称視点のアクションゲームで、ネットゲーム『ダDungeons & Dragons』のIPを引き継いだ作品です。現在は初期デモしか公開されていません。
私の体験でまず印象に残ったのは、アニメ風のキャラクターとリアルな自然景観が融合しているところです。キャラクターはアニメ調で描かれており、韓国ゲーム特有の美術スタイルが際立っていますが、背景にはリアルな雪山や岩などの自然景観が広がっています。この二つの要素には若干の違和感もありますが、それがこの作品のユニークさでもあると思います。
二つ目のポイントはアクションバトルシステムです。このゲームの重要な要素は「スタミナゲージ」と「マナゲージ」の管理です。攻撃や回避、防御を行うと「スタミナ」が消費され、完璧な回避で「スタミナ」が回復します。主人公には複数の派生アクションがあり、これには「マナ」が消費されます。豊富なアクションをどう使いこなし、各エネルギーを管理し、適切な装備やアイテムを構築することが、このゲームの戦闘の鍵となっています。
ボス戦は非常に難易度が高く、30分間試遊した中で、ボスのHPを半分も削ることができませんでした。とても悔しかったですが、このように硬派で挑戦しがいのある作品を初めて試遊できたことに、満足感でいっぱいです!
【大作の整理券が取れなかったら、インディーゲームを楽しもう!】
2日間の参加で一番感じたのは、長時間並んで大作ゲームを試遊するより、その時間を使ってたくさんの小さなゲームを楽しむほうが良いということです!会場には多彩な作品が並んでおり、クリエイターたちが自分のブースで期待に満ちた表情を浮かべていました。
ここでは、体験した中で特に光るものがあった作品を紹介します。仕事や勉強で疲れたときに、ぜひ遊んでみてほしいです!
【everdeep aurora】2d adventure puzzle
これはレトロ風の2Dアドベンチャー謎解きゲームで、プレイヤーは猫のキャラクターとなり、ドリルを手に地下世界を探索していきます。16ビット時代の美学にインスパイアされたこの物語探索型プラットフォームゲームは、あの時代のクラシックなゲームのシンプルさと興奮を思い出させてくれるでしょう。https://www.everdeepaurora.com
【LOVE ETERNAL】 Side-Scrolling
このゲームの主なプレイスタイルは、重力を反転させながら進む横スクロールジャンプアクションです。操作感が素晴らしく、ステージの設計も巧妙で、次の『Celeste』になる予感がします。特に注目すべきはストーリーと場面のデザインです。主人公が虚構の世界を走っている途中、突然家に戻り、怪物と化した父親と出会います。また、虚構の世界に戻ると背景には巨大な仏像や工業廃墟が現れ、印象的なシーンが展開されます。デモ版はわずか数シーンでしたが、プレイヤーの期待を高め、ドット絵の無限の可能性を見せつけました!https://store.steampowered.com/app/3010610/LOVE_ETERNAL
【sonokumi】top-view high-speed hardcore action game
このゲームは、一度展台を通り過ぎると目が離せなくなる2Dサンドボックスアクションゲームで、全体的なスタイルが非常に独特です!ゲームモードから見ると、作者は『Hotline Miami』のファンであることが伺えます。
プレイヤーはカエルとなり、色とりどりのピクセル空間を移動します。各部屋の独特なモンスター配置に対し、次の数秒でどのスキルを使うかを考える必要があります。ゲームのテンポは非常に速く、セーブポイントの配置も密集しているため、全体としてアクションパズルのような感覚が味わえます。さらに、ゲーム内のラップのバックグラウンドミュージックも非常にノリが良く、印象的です!
これは、熱血で刺激的、原始的な暴力に満ちたアクションゲームで、どこを見ても拳による致命的な近接戦闘が展開され、次の瞬間には粉々になりそうです。このような情熱を核心にした感覚を実現しているのは、ゲームのプレイメカニクスが巧妙に絡み合い、ビジュアルと音楽が相互に作用しているからで、まさにゲームデザインの魅力です!https://www.sonokuni.com
【Blades of Mirage】 top-down Action RPG
このゲームでは、箱庭式のマップ内で一つずつ戦闘ステージをクリアし、道を見つけるための謎解きを行い、最終ボスに挑むことが求められます。主人公は3種類の武器を持ち、それぞれに3つの派生アクションがあります。そのほかに弓もあり、弓を使った操作は非常に扱いにくいと感じたため、スタッフにその問題を伝えました。ボス戦のデザインには謎解き要素があり、特定の武器でエンチャントを破る必要があります。最終的に、私は友達と一緒にデモをクリアし、フィードバックアンケートを記入して、公式のTシャツをもらいました(嬉しい!)。https://store.steampowered.com/app/3227500/Blades_of_Mirage
【美輪美奐のビジュアル体験】
ゲームの相談や試遊だけでなく、展示会での楽しみの一つは、各ブースの装飾を見ることです。それでは、皆さん一緒に楽しんでみましょう!
暗喩幻想のブースでは、鎌倉の仏教僧が経を唱えていて、本当に素晴らしかったです!日本の伝統文化のインパクトは非常に強いですね!
子供の頃から楽しんできたシミュレーション経営ゲーム「カイロソフト」が、今回源コードの展示イベントを開催しました。
パルのブースはとても美しかったです。
私がとても好きなテキスト推理アドベンチャーゲーム『Raging Loop』が、驚くべき無料ギフトを用意していました!
クリエイターたちの熱意を目の当たりにして、心が高鳴りました。以前はネットでTGSの最新ニュースを探していましたが、実際に会場に足を運び、クリエイターと直接交流し、ブースで新しい発見をすることができて、本当に感動しました。
人々が自分の愛するものに集中して研究する時、幸せを感じずにはいられません。いつか、胸を張って皆に研究成果を紹介できる日を楽しみにしています!
投稿日時: 2024-10-10 投稿者: snii
藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が10月26日(土)14時から対面とオンラインのハイブリッドで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
これに合わせて、藤本研究室への入室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2024年10月30日(水)17:00-19:00(希望する面談が終了した方から順次解散)
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/gTYrWgQz76XyzkDW9
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2024-10-10 投稿者: leafyyan
本日のセミナーは、修士研究の計画と進捗報告に焦点を当てて行われました。濱田さん、莫さん、大空さん、犬田さんが、それぞれ熱意を持って取り組んでいる研究を発表しました。
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山内研の李佳誠さんも参加しました!彼は自身の課題に関する紹介で今日のセミナーの幕を開けました。彼の研究課題は、オープン教育資源(OERs)および大規模オープンオンラインコース(MOOCs)を通じて、学習者の自己調整学習を支援することに焦点を当てています。
この研究は、学習者が学習過程で自分の時間を効果的に管理し、学習計画を立て、学習動機を維持することの重要性を強調しています。彼の研究の核心は、「共調整」という方法が学習者の自己調整能力を強化し、学習効果を向上させる方法を探ることにあります。これにより、学習者により効果的な支援方法を提供し、彼らの独立した学習能力の向上を促進することを目指しています。
濱田さんの研究課題は、「Minecraftを使用した英語学習の研究」です。まず、過去の夏に埼玉県の学習塾で小学生を対象に実施したワークショップ実験について紹介しました。このワークショップには、計画を立てる(make a plan)、図書館を建てる(build a library)、図書館を共有する(share your library)などの手順があり、特に英語の使用を奨励するルールが重要視されました。さらに、Minecraft教育版を使って長崎の歴史を学び、ゲーム内で地元の歴史的建物を再現するなどの事例を展示しました。濱田さんが紹介した子供たちの作品は非常に素晴らしく、興味のある方はぜひご覧になるように勧めています。
研究課題の紹介では、Minecraftがどのようにwillingness to communicate(WTC)に影響を与えるかを探討しました。具体的には、以下の2つの側面に注目しました:
1. trait WTC:個人の性格に関連し、長期にわたって安定した意欲。2. state WTC:短期的な状況に応じて変化する意欲。濱田さんは、「再生面接法」やidiodynamic methodの2つの主要な方法を用いて、WTT質問紙、参加者の英語学習歴、Minecraftのスキルレベル、活動中のMinecraft画面の録画などのデータを統合的に使用し、trait WTCを測定する計画です。
アマンダさんからは、co-designというツールの使用が助けになるのではという助言があり、濱田さんに期待されています!๑╹◡╹)ノ
犬田さんの研究課題は、オンライン調査における問題、特に消極的な回答者の対応を、ゲームを活用して最適化することに焦点を当てています。セミナーでは、この方法の心理的効果、ユーザー体験の向上、動機付けの向上、参加率の向上といった、多方面にわたる効果について説明しました。
犬田さんは、先行研究における問題や、現在の実験哲学における複雑すぎる課題が、参加者の消極的な回答を引き起こす原因であることを紹介しました。
彼は、ゲーム制作ツールや画像生成ツール(AI:Midjourneyなど)を使用している現在開発中のデモを紹介しました。犬田さんが披露したデモ作品は非常に興味深く、多くのインタラクションとさまざまなシナリオが含まれており、ユーザーフィードバックも非常に良いものでした。従来のアンケート調査よりも明らかに魅力的であり、彼の今後の作品が楽しみです!
莫さんが今日のセミナーで、「殺人ミステリーゲーム(MMG)を用いてチーム学習を強化する」という課題を紹介しました。彼女は殺人ミステリーゲームの要素と形式を詳しく説明し、昨年の研究計画に基づいてさらに深い補足を行い、MMGを通して教育プロセスに新しい価値を加えることを目指しています。
彼女はチーム学習(Team-Based Learning)という学習方法について説明しました。この方法は、5~7人の学生チームを中心としたもので、構造化されたワークフローを持つグループ学習の形式です。一般的なグループワークとは異なり、読解、証拠収集、分析、投票の4つの段階に分かれ、教師の指導による事前学習から始まり、significant problem, same problem, specific choice, simultaneous report「4S原則」に従います。そして最後にピアレビューで締めくくられます。莫さんは、この学習モデルはチームのコミュニケーション能力を向上させるものの、学習効果に対する影響は未確定であると指摘しています。彼女は、その研究結果を検証するために、対照群と定量的メタ分析(Meta-Analysis)を導入しました。
さらに、莫さんは彼女の研究と密接に関係する資源配分理論について紹介しました。この理論での「資源」とは、MMGゲーム内の情報を指します。彼女は情報サンプリングモデル(Information Sampling Model)を使用して、MMG内でのプレイヤーの情報交換パターンを探りました。最近の研究では、チーム学習を通じて大衆心理教育(Popular Psychoeducation)、すなわち一般向けのメンタルヘルス啓蒙を紹介する部分も追加し、この分野でワークショップを設計・実施することを計画しています。
本学期、莫さんは卒業に必要なコースを可能な限り修了し、その後はワークショップのデザインに集中できるようにする計画です。同時に、修士論文の文献レビューも完了させる予定です。彼女の応援をしましょう!⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ˂̶͈́)۶⁾⁾
大空さんは参加者に向けて、彼の研究計画の時間表を詳しく説明しました。その中には、KJ法を活用した情報整理、計画の策定、そして将来の発表日程や会議参加の予定が含まれています。研究に初めて触れる人々に向けて、「QRP Game」というカードゲームを通じて研究倫理を学ぶ方法について魅力的な紹介を行いました。これには事例確認、評価、発表、そして採点といったプロセスが含まれています。さらに、「Moon Shooter(Moon Shop Project)」についても紹介し、多くの関心を引きました。
また、大空さんは現在進めているワークショップ計画を共有しました。これらの活動は異なる場所で3回開かれ、幅広い参加者情報を集める予定です。彼は長期および短期の目標についても述べ、例えば学習分析スキルの向上やNHKや高等教育機関での研究推進を目指しており、カードゲームを倫理教育に革新的に活用することを意図しています。この一連の計画は彼の最終的な目標に向けた基盤を築いており、期待が高まります!
最後に藤本准教授は藤本研究室が主催する研究発表に関する企画「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム」を紹介しました。次回の開催に向けて準備を進めていますので、今後のお知らせを楽しみにお待ちください!
投稿日時: 2024-10-10 投稿者: qikeyi
みなさん、こんにちは!研究生の斉です。
2024年度Aセメスターの第一回ゼミを報告致します!
今回は、新しいメンバーが加わったので、各メンバー自己紹介と夏休みの活動報告でした。
先ず藤本先生からAセメスターの活動・ゼミ内容・研究段階について紹介しました。
・新メンバーの自己紹介
叶さんと厳さんが外国人研究生として、アマンダさんが特別研究学生として藤本研究室に加わりました。皆さんを心より歓迎いたします!
叶さんは中国出身で、学部では生物工学を専攻し、修士では学科教育(生物)を専攻されました。また、高校で3年間生物の教師を務められていたとのことで、素晴らしいご経験をお持ちです!現在の研究テーマは、マグロに関する知識を紹介するゲームの開発です。生物の知識を学習者に提供しながら、環境保護の重要性も訴える内容となっており、とても楽しみです!
厳さんは中国出身で、最近ご家族と一緒に日本に引っ越されました。学部ではメディアコミュニケーションと映画研究をダブルメジャーとして専攻し、修士ではジャーナリズムを専攻しました。修士論文では女性プレイヤーが直面する性別による差別や障害について研究されました。また、BBC News New Yorkやハーレム地区での地域報道にも従事されました。卒業後、厳さんは中国で5年間、ゲームデザインとマーケティングに関連する職務に従事していました。幅広い経験をお持ちです!現在の研究テーマは、メタ要素を取り入れたゲームを活用して経済関連分野の世界を紹介することです。とても興味深いですね!
アマンダさんはアメリカ出身の特別研究生で、現在オックスフォードインターネット研究所の4年目の博士課程に在籍しています。研究テーマは「遊びを意味づける:ビデオゲーム、知識、社会の絡み合い」です。ゲーム研究、教育、科学技術研究、人間とコンピュータのインタラクションに関する文献を基に、質的研究を行っています。具体的には、ゲームプレイの進行、日記研究、プレイヤーや開発者へのインタビューなどを通じて、ゼルダ、スカイリム、スターデューバレーといった事例研究も行っています。アマンダさんの今後の計画には、日本でのデータ収集の準備や、改造ゲームのプレイヤー体験に関する論文の執筆が含まれています。一緒に頑張りましょう!
・自己紹介と夏休みの活動報告
莫さんは、Murder Mystery Gameに関する研究を行っており、この夏、大阪で開催されたシンポジウムで初めての発表をしました。おめでとうございます!
また、レビュー論文と本郷巡り謎解きの進展についても紹介しました。
私は斉です。中国出身で、研究テーマは「ゲーミフィケーションにおけるフロー体験」です。この夏休み中に、日本語の学習を強化しました。また、スタッフとして2回のシンポジウムに参加し、皆さんの研究発表や研究の進め方について多くのことを学びました。とても貴重な経験でした。さらに、興味を持って東京ゲーム展にも訪れ、様々なゲームを初めてプレイした印象が非常に深く残っています。今学期には、自分の研究テーマをさらに充実させたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします!
犬田さんは夏休み中に、2回の「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム」と「日本デジタルゲーム学会2024年夏季研究発表大会」に参加し、自身の研究成果を非常に充実した形で発表しました。さらに、シリアスゲームジャムにも参加し、日本デジタルゲーム学会の広報委員としても活動しています。本当に充実した時間を過ごされていますね!
大空さんは夏休みの期間中に国際学会「Replaying Japan 2024」に参加し、発表を行いました。無事に発表を終え、世界中の学者からの積極的な反応を得られたことは本当に素晴らしいですね!その間に、アメリカとカナダの研究実験室も訪問しました。大空さんの夏休みの活動報告には非常に詳しい内容が記載されていますので、ぜひ皆さんもお読みください。
木村先生は主にゲーム心理学に焦点を当てて研究を行っています。特にfNIRSなどの生理指標を用いて、プレイヤーのフロー状態や感情の変化を調査しています。この夏休み、木村先生は解説文の校正、シンポジウムでの発表、ゲーム研究の古典の再読、実験データの分析、レビュー論文の執筆など、様々な活動に取り組まれました。今学期のサブゼミでも、ご指導のほどよろしくお願いします。
新居先生はLudix Labに協力している学術専門職員で、研究室の日常の進行を管理し、またメンバーにアドバイスや支援を提供しています。
では、今回の活動報告は以上になります。
新しいメンバーの加入は、研究室に新たな活力をもたらしてくれることでしょう。本学期の皆さんの研究活動や交流をとても楽しみにしています!
来週は、所属学生の研究計画や進捗の発表があります。研究の詳細について聞けるということで今からとても楽しみです!来週の記事もぜひご覧ください。
投稿日時: 2024-10-10 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士2年の犬田悠斗です。今回は、夏休みの活動報告9月編です。
9月を一言で表すと、「遊びと研究のバランス」です。
学会発表や大阪遠征などで研究発表を行う反面、友達と会ったり、ゲームイベントに行ったりと遊びも充実した一ヶ月でした。今回は、その中でも印象に残っている「日本デジタルゲーム学会2024年夏季研究発表大会」、「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」と「遊び」の話について書こうと思います。
■日本デジタルゲーム学会2024年夏季研究発表大会
9月6日(金)と9月7日(土)に、「日本デジタルゲーム学会2024年夏季研究発表大会」が開催されました。私は、下記の2つの発表を行いました。学部3年生の頃から毎回発表することを習慣にしていたので、バタバタしていたのですが思い切って発表しました。
①インタラクティブセッション:クラウドソーシングゲームのプラットフォーム「Meta Crowdsourcing Game」の開発
②ライトニングトークセッション:実験哲学におけるゲーミフィケーションを活用した WEB 調査の開発実践の進捗
今回の学会を通じて感じたことは、「ゲーミフィケーションであっても、ゲームとして評価・判断されることが多い」ことです。ゲーミフィケーションは、「コンピュータゲームのなかで特徴的に培われてきたノウハウを現実の社会活動に応用する行為のこと」です。つまり、必ずしもゲームを開発することではありません。
エンターテインメントを目的としない場合、むしろゲームにしすぎるとその部分がノイズになってしまい、ユーザー体験を損なうことが往々にしてあると思います。メモ帳を開くたびに長々とゲームをするのは億劫ではありませんか。
ゲーミフィケーションの場合は、「ゲーム要素を通じて何を実現したいのか」を見ることが重要だと思います。ユーザーのエンゲージメントを高めたいのか、ゲームのシステムを通じて社会構造を表現したいのか。ゲーミフィケーションと一言にいっても、様々な目的があると思います。
ゲーミフィケーションを活用したものには幅があり、ゲーム要素がしっかり盛り込まれているものもあれば、少しだけゲーム要素を足したものもあります。ただ、1つ言えることは、ゲーミフィケーションに関しては、ゲーム要素の量で評価することはできないということです。つまりゲーム要素が少なくても、目的が達成されていたなら、その制作物は素晴らしいということです。
ゲーミフィケーションを評価する場合には、ゲームとして面白いかではなく、「ゲーミフィケーションを活用することで、何を実現することができているのか」を考えることが良いのではないかと個人的には思っています。
■ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪
9月18日(水)に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」が藤本研究室のイベントとして開催されました。私は下記の4つの発表を行いました。
①SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ(ワークショップ)
②クラウドソーシングゲームのプラットフォーム『Meta Crowdsourcing Game』(デモ展示)
③実験哲学ゲーム『Free Will 自由意志と道徳的責任』(デモ展示)
④英語の勧誘表現を学習できるカードゲーム『Shall we dance? 一緒に踊らないかい』(デモ展示)
今回のイベントは、大学院で培ってきたことが凝縮された良い展示ができたと思っています。デジタルゲーム、アナログゲーム、ゲーミフィケーションを活用したWEBアプリ、ワークショップでできた創作物、グラフィックと多様なものを展示しました。「多様なメディアを用いて表現していく」という自分らしさを出すことができたと思います。
今回のイベントをはじめとして、このような挑戦の機会をいただけているのは、藤本研究室を支えてくださっている皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございます。
■遊び
最後に、「遊び」として、「東京ゲームショウ2024」と「勇気づけられた友人との話」を簡単に紹介したいと思います。
・東京ゲームショウ2024
内定先の企業からチケットをいただき、「東京ゲームショウ2024」に行ってきました。実は、私の東京ゲームショウに行く目的は、「ゲームを遊ぶこと」ではなく、「各企業の展示を見に行くこと」です。どの企業も、ゲームをモチーフとした様々な展示を行っていて、こんな見せ方があるのかと毎回感動しています。人が多すぎて試遊はなかなかできないのですが、展示を見に行くというモチベーションだと、東京ゲームショウも楽しめるのではないかと思います。
・勇気づけられた友人との話
最後に、友人と会った時に話した「研究者のタイプと評価の話」を紹介させてください。
ここから相当ざっくりとした話になりますがご了承ください。話の概要は以下です。
研究者には、「注目度の高い領域で熾烈な競争を生き抜いていく研究者」と「独自の世界観を作り育てていく研究者」がいる。前者は一見華やかで注目されがちだけど、後者はしっかりと時間をかけて世界観を育て続けていったら、競争だけでは辿り着けないより大きくて広い世界に行けるんじゃないか。
私は、完全に後者のタイプなので、本当に勇気づけられました。久しぶりに友人と腹を割って話すのもいいものだなと改めて思いました。
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以上が、犬田の9月の活動報告になります。また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは!!!
投稿日時: 2024-10-08 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士2年の犬田悠斗です。今回は、ゲーミフィケーションに関する研究の調査協力のお願いです。
本調査では、修士研究の一環として開発した、「ゲーミフィケーションを活用したオンライン調査」に取り組んでいただき、その評価を行っていただきます。
下記のURLから調査を開始することができます。調査対象者は、18歳以上の方です。
所要時間は30分程度で、謝礼としてAmazonギフトカード500円分を送付します。
調査URL:https://forms.gle/vsu55euwweA2ckPW9
この研究は、ゲームの社会活用における新たな可能性を探索する取り組みになっています。ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
万が一トラブルが生じた場合は、以下のメールアドレスにご連絡ください。可能な限り早急に対応いたします。よろしくお願いします。
Mail: inuda-yuto760@g.ecc.u-tokyo.ac.jp
投稿日時: 2024-10-06 投稿者: ziminmo
皆さんこんにちは!莫です。
この2ヶ月間、実家に帰りました。
夏休みは4日間に2回も台風が来て水漏れもして、引っ越しや修理にかなり時間がかかりましたが、家族・友達と楽しく過ごせました。
台風で引越しした直後、とても怖がってベッドの下に隠れていた猫ちゃんの写真も皆さんにシェアします🐱
台風のせいで研究はあまり進んでいません(悲)。とはいえ、夏休みの活動の進捗状況を2点に分けて紹介します:
【Murder Mystery Game(MMG)】について
8月中旬、私はMMGに関するレビュー論文の本文を完成させました。現在、翻訳、引用/フォーマットの部分に取り組んでいます。
また9月18日の「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」で、初めて発表しました!今回は私の総説論文に関連した内容について報告します。まだまだ文言が不適切で加筆すべき点が多々ありますが、今後はより良い方向に向けて頑張ります!
【謎解き】について
今年の冬の制作展に向けて、謎解きゲームの下書きが完成しました。ゲームのデジタル化も順調に進んでいます。現在、日本語と英語に翻訳中です。
さらに、復旦大学の謎解き同好会が開発した上海巡り謎解きゲームにも参加しました。ストーリーへの答えを見つけるながら上海の街やランドマークの写真を撮りました。
ゲームをプレイしているときに沢山の美しい景色を見て、とてもいい機会だと思います!今回は自分の謎解きの開発にもインスパイアしました。
以上、私の夏の活動報告でした。
皆様も充実した幸せな秋をお過ごしください〜
投稿日時: 2024-10-04 投稿者: snii
「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」参加者の為田裕行様が、丁寧かつ詳細な参加レポートを全3回に渡り書いてくださいました✨
当日途中から参加された方や、残念ながら都合が合わず参加されなかった方も、ぜひご覧いただけますと幸いです。
No.1
https://blog.ict-in-education.jp/entry/2024/09/26/050000
No.2
https://blog.ict-in-education.jp/entry/2024/09/27/050000
No.3
https://blog.ict-in-education.jp/entry/2024/09/28/050000
投稿日時: 2024-10-03 投稿者: osora
藤本研究室M2の大空です。
今回の記事では、夏休みの活動報告の第二弾として、国際学会に付随して訪れた、アメリカ・カナダの研究所等の様子について、ご共有します。海外の研究事情にご興味のある方は、ぜひご覧ください。
人工知能・データサイエンス研究所(Institute for Artificial Intelligence and Data Science)
まず紹介するのは、人工知能・データサイエンス研究所です。こちらは、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校にある研究所です。
元々、ゲーム学習だけでなく、AIにも興味があったので、海外の研究事情を肌で感じたく、見学ツアーに参加したのですが、アメリカでも最先端の研究所ということで、施設がかなり充実していました。施設は新しく、日々の研究空間と連続する構造で、外部の方を招いた実験も行いやすい設計となっていたのが印象的です。
また、研究所の中でも、私が特に興味を惹かれたのが、National AI Institute for Exceptional Educationという教育研究所です。ここでは、音声言語処理課題を持つ児童の教育サポートとして、AIテクノロジーを駆使した解決策を試みており、多数のアメリカ国内の大学と連携して研究を進めているようでした。
実際に、研究所内には、子ども達を招いて行動を観察できる空間が広がっており、本分野とゲーム学習の組み合わせについても、研究者の方々と話し合うことができ、貴重な時間を過ごせました。
遊び博物館(Strong National Museum of Play)
続いて、「Strong National Museum of Play」という遊びをテーマとした国立博物館のご紹介です。
遊びをテーマとした博物館と聞いても、なかなかイメージしづらいと思うのですが、科学館、キッザニア、ゲームセンター等が融合したような空間でした。
博物館内には、多数の遊び場やゲームが立ち並んでおり、一日あっても飽きないと思えるほど、充実していました。
また、当博物館では、ゲーム保存にも積極的で、ゲーム本体はもちろん、関連資料まで多数の実物が保管されています。ツアーに参加し、特別にその保管室を覗かせていただきましたが、日本のコンテンツも非常に多く、改めて日本が生み出したエンターテインメントの強みを実感しました。
遊びと学びの融合に関する研究を行っている身として、普段自分が考えている理想を具現化したような場でした。ぜひ同分野で研究されている方は、一度訪れることを強くおすすめします。
教育研究所(Ontario Institute for Studies in Education)
学会はアメリカのニューヨークで開催されたのですが、カナダのトロントが近いこともあり、こちらの教育研究所にも訪れました。
通称OISE(オイジー)と呼ばれる研究所は、トロント大学の教育系大学院です。本大学院には、Adult Education & Community Development Programという成人教育を対象としたコースが存在します。
私は大人に向けたゲーム学習をメインに研究しており、企業・大学で活動しているので、成人教育の学び場を見てみたいと思い、実際に施設内を見学させていただきました。
トロント大学には、多様なバックグラウンドを持った学生が多く、それらの背景を活かしたユニークな研究が多いということで、研究自体を目にすることはできなかったものの、情報をキャッチアップし、今後はよりグローバルな目線で研究することを決めました。
メディア論の聖地(Marshall McLuhan Tour)
最後に、教育研究所と同じく、トロント大学にあるメディア論の祖といわれる、マーシャル・マクルーハンの縁の地を訪れました。
マーシャル・マクルーハンの有名な言葉の一つに「メディアはメッセージである」があります。私は、この言葉をきっかけに、ゲーム学習で用いるゲームもメディアであると認識しました。
ゲームならではのメディア特性を活かした情報伝達、他のメディアではできないコミュニケーションを目指し、現在は研究・開発を続けているので、改めて自分の原点に立ち返るきっかけを得られました。
ゲームで学びことを一つの代表的なメディアにできるように、今後も尽力したいと思います。
以上、活動報告の第二弾となります。
今後は普段のゼミ活動に関する記事をUPしていきますので、ぜひそちらもご覧ください。
投稿日時: 2024-10-03 投稿者: osora
藤本研究室M2の大空です。
今回の記事では、夏休みの活動報告の第一弾として、自身が8月に渡航し発表を行った、国際学会の様子について、ご共有します。ゲーム研究の国際学会にご興味のある方は、ぜひご覧ください。
学会発表(Replaying Japan)
今回参加した学会は「Replaying Japan 2024」です。本学会では、世界中から研究者やクリエイターが集まり、日本のゲーム研究を中心に革新的な技術や方向性に関する発表が行われました。
今年は、8/19(月)〜8/21(水)の3日間、アメリカのニューヨークで行われ、過去最大規模での開催だったようです。初めての一人での海外渡航&国際学会でしたが、当日はたくさんの海外の研究者と交流でき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
学会発表では、「ゲーム学習」という観点から、研究倫理教育に資するゲーム学習プログラムについて発表を行いました。
発表内容に関して、本学習プログラムで用いるゲームは、アナログゲーム形式なのですが、そこに新鮮味を感じて興味を持ってくださる人が多かったです。「頭に衝撃が走った」、「もっと世界に向けて発信した方がいい」など、かなりポジティブなコメントをいただけて、研究へのモチベーションが上がりました。
研究倫理というテーマは、世界共通ということもあり、各国の状況について知ることができたのも良かったです。やはり、どの国でも少々退屈、面倒くさいというイメージは変わらない一方で、研究倫理上の問題の捉え方は国の違いもあるのではないかと思いました。
また、ゲーム内容だけでなく、デザイン面についても「海外の人々が親しみやすいように多大な努力を払ったことがわかる」「とても美しくて興味が惹かれる」という声がいただけたのも嬉しかったポイントです。自分が意図していたことが、良い反応として返ってきたことは、自信になりました。
発表枠は2時間ということもあり、当初は無事終えられるかすら不安でしたが、実際に発表を行ってみると、海外の研究者の方々から沢山の好評をいただき、心から楽しかったといえる発表になりました。
その他の発表では、ゲーム文化、人工知能、ビジネス、教育といった幅広いトピックが並び、エンターテインメントの新たな可能性について考えるきっかけとなりました。これまでは、ゲーム学習を中心にゲームや遊びについて考えていましたが、今後はより俯瞰的に捉えていこうと考えています。
学会発表後は、これらの発表を行った研究者とパーティーで連絡先を交換し、彼/彼女らとは、今でもメールのやり取りを続けています。お互いの研究テーマについて、自国の研究事情や流行を共有し合える関係性を築くことができたのが、今回最も参加して良かったことでした。
以上、活動報告の第一弾となります。
次回の記事では、学会終了後を含む、3週間のアメリカ・カナダの滞在中に訪れた「AI研究所」「遊び博物館」「教育大学院」「メディア研究の縁の地」について紹介します。こちらも多くの学びがあったので、ご関心のある方は、ぜひご覧ください。
投稿日時: 2024-10-03 投稿者: ziminmo
皆さんお久しぶりです!M1の莫です。
夏休みの間、皆さんはいかがお過ごしでしたか。
先月の9月18日、関西学院大学梅田キャンパスで「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」が無事に開催されました。
それでは、記者としてこのイベントの様子を紹介させていただきます。
初めのセッションは「ゲームを作る&遊ぶ」から広がる学びの企画セッションでした。
岸本先生が、ゲームを遊ぶことをきっかけにした学びについて紹介しました。学びで得られる能力を自我コントロール力・ゲーム制作力・人生神ゲーム化力の三点に分けて様々な学生に対する授業と人材育成の事例を紹介しました。
小野先生は、現在の教育システムにおける傾向から、ゲーム制作教育の重要性と利点を指摘しました。ゲーム開発教育の高等教育機関における応用と、ゲームデザインの「遊ぶ→作る→他者に体験させる」という三段階モデルを紹介しました。また、ゲームデザインのコースが入院患者の心理状態を改善する事例や、ユーザーの反応を観察してゲームデザインを向上させる大学実習プロジェクトなどを挙げました。
先生たちの企画セッションに通じて、私はゲーム制作が子供向けの教育ツールだけでなく、全年齢層に学習の興味や主体性を引き出せるものだと深く感銘を受けました。また、ゲームは特定のグループの生活の質を改善するためにも活用できる可能性も感じました。
続いて、藤本先生、池尻先生、福山先生、小野先生の「新刊『シリアスゲーム』著者陣が語るシリアスゲームの現状と未来」のセッションが行われました。
このセッションでは、「シリアスゲーム」の構成や内容を紹介し、シリアスゲームが教育や社会問題解決における多重な可能性をどのように引き出すか、特にゲームデザインを通じて複雑な社会現象に対する理解を深める方法について深く議論をしました。
さらに、先生方はシリアスゲーム研究の展望を共有し、様々な技術の応用と伝統的なゲーム形式の活用についても触れました。シリアスゲームの要素は、観光業の促進や学校教育におけるインタラクションと参加の増加など、様々な分野に拡張可能です。これらの展望は、未来のゲームデザインが異なる分野のニーズに応じて不断に革新を求める必要があることを認識させてくれました。
私が特に感銘を受けたのは、シリアスゲームの開発・研究が政府や企業と連携し、社会問題に対応するためのシリアスゲームの活用について言及されたことです。これにより、ゲームは単なる娯楽ツールではなく、効果的な公共教育手段にもなり得ることに気づきました。また、産学連携を通じてシリアスゲーム効果を最大化できることも感じました。将来のゲームデザイン研究において、社会のニーズや教育目標をより良く結びつけ、実際に影響力のあるゲーム作品を作ろうと思います。
次に、莫と木村先生の研究発表でした。
私はマーダーミステリーゲーム(MMG)に関する文献レビューを紹介しました。発表では、MMGの定義・歴史・特徴・教育分野での応用について説明しました。1930年代からデザインされたMMGが、2016年に中国ゲーム市場で再流行した原因への分析により、教育における潜在能力が見えてきました。MMGは教育分野で大きな応用価値を示しているものの、その開発コストや時間の投資が高いため、今後は技術的手段を通じてシナリオ生成を最適化し、操作性をさらに向上させることが期待されています。
その次に、木村先生は未確立の分野である「ゲーム心理学」について紹介しました。この発表では、先生はゲーム心理学の定義や扱う範囲、確立するための要件について説明し、この分野が心理学だけでなく、人文学的なゲームスタディーズ、シリアスゲーム・ゲーミフィケーションなどをテーマとした研究との接点があるということを述べていました。
その後の質疑応答では、参加者から「ゲーム心理学とスポーツ心理学・ギャンブルの研究との違いは何ですか?」という興味深い質問がありました。先生はスポーツ心理学がフローやゾーン、ギャンブル研究がゲーム依存(ICDなど)といった用語の点でテーマが関連することを述べ、ゲーム心理学はそれらを包括する分野であると説明しました。このディスカッションを通じて、ゲーム心理学がゲームデザインと密接に関連しているだけでなく、他の研究分野に新たな視点を提供できることに気づきました。このことが、私の将来の研究方向に対する期待を抱かせ、ゲーム心理学の重要性を深く感じさせました。
また、隣の会場では大空さんさんと犬田さんがそれぞれワークショップも開催しました。自分の発表時間がワークショップと重なったため、参加できなかったのが本当に残念でしたが、ワークショップを皆さんと是非共有したいと思っています!雰囲気がとても良い感じです。次回はぜひ試してみたいと思います。
最後に、桃太郎電鉄教育版の事例研究シンポジウムが行われました。
まず、藤本先生がシンポジウムの概要と桃太郎電鉄教育版の利用状況調査結果について紹介しました。この結果は、教育におけるこのゲームの応用効果に対する興味を引き起こし、ゲームが単なる娯楽ツールではなく、学びを促進する重要なメディアであることを実感させました。
続いて、正頭先生による特別講演がありました。先生は、学校でゲームと教育が結びつく生き生きとした事例を挙げ、教育とゲームの繋がりの可能性を示しました。講演は、ゲームを効果的に授業に取り入れる方法についての思考を刺激し、新しい教育方法への期待を抱かせました。
最後に、藤井先生たちから授業実践事例の共有でした。実際の例を通じて、桃太郎電鉄教育版の多様性を実感し、このゲームが異なる科目や年齢層の学生に活用できることに目を見張りました。ゲームを活用することで、子供たちが遊びながら「学び」を試し、学びへの挑戦を通じて知識への態度が「嫌い」から「すき」になることができ、本当に「遊びながら学ぶ」ことを実現できるのです。
投稿日時: 2024-10-09 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士2年の犬田です。今回は、夏休みの活動報告8月編です。
8月を一言で表すと、「やりたいこと・やらなければならないことに取り組み続けた1カ月」です。
学会発表の予稿提出や倫理審査の提出、大手芸能事務所とのボードゲーム制作など振り返ってみると、盛り沢山だったなと思います。今回は、その中でも印象に残っている、「第10回シリアスゲームジャム」と「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」について書こうと思います。
■第10回シリアスゲームジャム
8月27日(火)~8月29日(木)に「第10回シリアスゲームジャム」が開催されました。今回のテーマは、「ゲームで再定義する新しい防災訓練のカタチ」でした。
私たちのチームは、「わんにゃん避難訓練」というペットとの避難所生活を体験できるシミュレーションゲームを企画しました。結果としては、「The Serious Game Grand Prize(1位)」を受賞することができました。前回は同率2位だったので、嬉しかったです。
あわせて今回のシリアスゲームジャムの感想や考えたことについても書きたいと思います。
今回のゲームジャムの特徴は、「ペーパープロトタイプの制作」までをゴールに設定しているところです。これまで見聞きしたゲームジャムは、「(デジタル)ゲームの開発」までをゴールにしていることが多かったです。しかし、短期間で開発まで行うゲームジャムでは、「開発しきらなければならないこと」が足枷になり、十分に企画を深めることができません。
「開発すること」に重きを置いているゲームジャムではそこまで大きな課題ではないのですが、ことシリアスゲームジャムでは大きな課題だと思いました。なぜなら、シリアスゲームジャムは、「ゲーム開発」だけでなく、「ゲームの企画を構想する中で、社会課題について深く考えること」が重要だと考えているからです。
前提として「短期間で開発できるもの」という足枷があると、企画が小さくまとまってしまい、十分に社会課題についての深堀が行えません。しかし、「ペーパープロトタイプの作成」をゴールにすると、開発にかける時間が少なくてすみ、その分企画で社会課題について向き合うことができます。
シリアスゲームジャムを、社会課題について学ぶ1つのプログラムだと捉えると、ゴールを「ペーパープロトタイプの作成」にするのは、理にかなった良い取り組みだったと個人的に思いました。
■ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎
8月6日(火)と8月7日(水)に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」が藤本研究室のイベントとして開催されました。私は、以下の5つの発表を行いました。「これもやりたい!あれもやりたい!」が積み重なって、いつのまにか5つ発表することになり、準備が大変でした、、、
①クラウドソーシングゲームー遊ぶことで社会貢献できるゲームの可能性ー(研究発表)
②SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ(ワークショップ)
③クラウドソーシングゲームのプラットフォーム『Meta Crowdsourcing Game』(デモ展示)
④実験哲学ゲーム『Free Will 自由意志と道徳的責任』(デモ展示)
⑤英語の勧誘表現を学習できるカードゲーム『Shall we dance? 一緒に踊らないかい』(デモ展示)
基本的には、遊ぶことで社会貢献できるゲームである「クラウドソーシングゲーム」とゲームを通じて多くの人が世の中の発展に寄与している社会である「ゲームを基盤とした社会」に関する発表を行いました。
今回のイベントを通じて、多くの人々に自分の研究を伝える中で、「興味をもってもらうこと」の難しさを改めて感じました。私は、「クラウドソーシングゲーム」や「ゲームを基盤とした社会」のような広く普及していない概念をテーマとして扱っています。これらの知らない概念については、多くの人は無関心です。なので、自分の研究をそのまま普通に紹介をしても興味は持ってもらえません。
そこで大事なのが、「分かりやすい表現で伝えること」と「知っている概念と繋げてあげること」だと思いました。興味を持ってもらえないからいいやではなく、相手の目線に立って分かりやすく伝え、興味を持ってもらうこと。この技術も、研究を続けていくためには重要なのだろうと思いました。
私は、どうしても自分が考えていることをすべて知ってほしいからと、世界観全開で分かる人だけに伝わればよいという発表をしがちです。もしくは、伝えることを諦めて、超絶簡単にしてしまいがちです。そうではなく、しっかりと向き合って、研究テーマを分かりやすく、身近に思ってもらえるように発表をする。その努力を忘れてはいけないなと思いました。これからはうまく使い分けられるように意識したいなと思います。
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以上が、犬田の8月の活動報告になります。また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは!!!
投稿日時: 2024-09-30 投稿者: snii
9月18日「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」の“セッション4:『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウム”の様子が、10月1日(火)朝7:00頃より朝日放送テレビ「おはよう朝日です」内で放送される予定です。客員研究員の正頭英和先生インタビューもあります💡
放送対象地域(近畿広域圏)にお住まいの方はぜひご覧いただければ幸いです📺👀✨
投稿日時: 2024-08-24 投稿者: qikeyi
皆さん、こんにちは!研究生のサイです。
今月6日と7日に長崎市民会館で「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」が開催されました。初日には、魅力的な発表が行われ、来場者との充実した交流が展開されました。2日目のシンポジウムも予定通り進行し、大いに盛り上がりました。
それでは、2日目の活動をご報告いたします。
2日目の活動は、主に5つのセクションで構成されました。
『教育版マインクラフト』特別講演セッション
午前中の講演は、藤本先生が司会を務め、プロマインクラフターとして名高いタツナミシュウイチ先生による講演が行われました。タツナミ先生は、自身の学習体験からマインクラフト教育に携わるきっかけについて語り、現在マインクラフトが教育分野でどのように応用されているかを紹介しました。マインクラフトの教育的可能性は多岐にわたり、言語、情報、化学、歴史、建築、さらには特別支援教育にまで役立っています。これらは、タツナミ先生自身の経験や活動を通じて検証されてきました。
新しいメディアや娯楽の手段がどんどん現れる中で、大人はどのような態度を持って教育者として立つべきかが重要です。マインクラフトを楽しむ子供たちに対して、その探求心と好奇心を応えるために、大人も一緒に取り組むことで、変化する環境に柔軟に対応できる次世代が育つでしょう。
さらに、タツナミ先生は会場の聴衆とともに、マインクラフトを活用した長崎の歴史普及の新たな可能性についても議論しました。マインクラフトの世界で原爆公園を再現し、歴史を体感することは、非常に興味深い体験になることでしょう。
午後の3つセッションは、藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心とした、ゲーム学習研究の最新動向を学べる講演セッションです。
Minecraftを活用した英語コミュニケーション意欲向上のためのワークショップ実践(修士2年 濱田璃奈)
濱田さんは、Minecraftを英語学習に応用する研究に取り組んできました。今回、英語コミュニケーション意欲の向上を目的としたワークショップの設計と実践を行い、その効果を調査しました。調査結果に基づき、参加者の意欲や学習成果の変化を具体的に示し、教育現場での応用可能性について考察を行いました。来訪者はワークショップの具体的な実施状況について濱田さんと多くの交流を行いました。
教育版マインクラフトで創る未来の学び:教育効果と実践事例(修士2年 濱田璃奈)
濱田さんが土井さんの代わりに発表を行い、今回のシンポジウムと連動した企画として開催された。Minecraftワークショップ「教育版マインクラフトで長崎の歴史を学ぼう」やMinecraftカップ全国大会の取り組みなど、これまでのマインクラフトを導入した教育実践の成果について紹介しました。
大人のためのゲーム学習 ーゲーム研修における学習環境デザインー(修士2年 大空理人)
大空さんは修士に在籍しながら、ビジネスゲーム型企業研修を提供する会社で働いており、この経験を通じて、大人の学習者のための学習環境デザインに注力しています。
近年、企業内教育においてゲーム研修が新たな学習手法として注目されていますが、ゲームの性質上、学習とは関係のない「気晴らし的な楽しさ」を提供するものだと誤解され、研修への活用に対して懸念が生じています。
大人の学習者は経験を重視し、経験を効果的に活用することが優れた人材育成の鍵となります。そのため、経験を高める学習環境をデザインするには、経験要因のモデルを学ぶ必要があります。
そこで、大空さんは、従来のイメージから、ゲーム研修をリフレーミングするために、6つの学習理論と実践を結びつけて検討することを提案しました。
次のセッションでは、犬田さんによるワークショップが開催されました。
SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ(修士2年 犬田悠斗)
SFプロトタイピングとは、想像する未来像に基づいた試作品を作成し、それを他者と議論・共有する創造的な手法です。今回のワークショップでは、ゲームを基盤とした社会(GBS)という世界観を共有し、参加者たちはその中で生まれる価値観や発生する出来事、問題について考察しつつ、自分たちのストーリーを創り上げました。
参加者たちは円になって座り、それぞれが新鮮なアイデアを発表しました。否定せずに相手の意見を肯定し、さらに発展させる形で議論が進められ、非常に興味深い視点や意見を数多く共有することができました。
8月7日の活動報告は以上です。
今回のシンポジウムは無事に終了しました。知識と交流に満ちたこの活動で、皆さんが多くのことを得られたことと思います。
このシンポジウムで、皆さんの団結の力が発揮されました。ご尽力いただいた皆さんに感謝申し上げます。
次回の「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」をどうぞお楽しみに!
投稿日時: 2024-08-22 投稿者: jona
皆さん、こんにちは!研究生のジョナです。
今年の夏は、藤本研究室にとって活動豊富で、経験と学びに満ちた夏となりました。
今月の6日と7日に長崎市民会館で開催された「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」は、無事終えることができ、素敵な交流と学びの場となりました。私もスタッフとして参加する中で、皆さんの発表や現場での討論から多くのことを学ぶことができ、この貴重な機会に心から感謝しています。
それでは、開催初日の活動をご報告いたします。
初日のイベントは、大きく分けて4つのセッションで構成されました。
午前のセッションでは、藤本研究室の研究発表が行われました。このセッションでは、研究員と大学院生がそれぞれ発表を行い、坂井先生が司会を務めていただきました。発表は、大空さん、犬田さん、そして坂井先生の順に進みました。
大空さん:シリアスボードゲームの開発と実践~ゲームを活用したデザインリサーチ
大空さんは、ゲーム開発に熟練しており、特にカードゲームの開発において多くの経験を積んできました。その経験を基に、QRPゲームの開発を例として、研修向けのゲームをアイデア段階から評価までどのように設計するかを提案し、継続的なゲーム開発モデルをていじしました。これは企業研修や教育現場で非常に有用なツールとなる可能性があると考えられます。
犬田さん:クラウドソーシングゲーム~遊ぶことで社会貢献できるゲームの可能性
犬田さんは、クラウドソーシングゲームに着目し、ゲームのプレイヤー人口が年々増加する中で、ゲームの課題を現実の課題に結びつけ、それを通じて社会貢献ができる可能性を探求してきました。今回の発表では、これまでに様々な分野で取り組んできたクラウドソーシングゲームや、ゲームを活用したWeb調査の事例を紹介し、専門的な観点から分析を行いました。
坂井先生:死と喪失をテーマにしたゲームの教育効果~学習意欲とWell-Beingに着目して
坂井先生は、『運命のダイス』というゲームを用いた死生観教育の学習効果について発表しました。現代において「死」という概念が人々の生活から遠ざかる中、死生観教育はウェルビーイングに重要な役割を果たすとされています。このゲームでは、大切なものを喪失する疑似体験を通じて、人生を振り返り、喪失に対する理解を深める機会が提供されます。また、チームでのプレイを通じて、他者への思いやりを育むことができるゲームでもあります。
休憩を挟み、午後「桃太郎電鉄教育版」の事例研究シンポジウムが行われました。このセッションでは、藤本先生が司会を務めていただき、最初にシンポジウムの趣旨説明を行いました。
桃鉄教育版エデュテイメントプロデューサー 正頭英和 先生: 子どもの学びを最大化するエデュテイメント
正頭先生は、自身の体験談から始まり、桃太郎電鉄の教育版を開発するに至った経緯をお話しくださいました。ゲーム自体が単独で教育機能を果たすのではなく、教育者によって効果的に利用されることで、教材としての多様な可能性が引き出されると説明されました。現代の教育において、正頭先生が重視しているのは、子どもたちに提供する体験です。過去の体験が学習や問題解決の意欲につながることが多く見られることから、エデュテイメントはその意欲を引き出すための入口としての役割を果たせると述べました。
広島大学 准教授 池尻良平 先生:学習から見た『桃太郎電鉄 教育版』
池尻先生は、変化する社会において『桃太郎電鉄 教育版』が持つ可能性を紹介しました。また、発見学習と直接教育を比較し、ゲーム教育がもたらす効果について詳しく解説しました。特に、プレイスタイルと学習効果の関連性については非常に関心をそそる内容であり、プレイヤーのゲーム習慣が学びにどのように影響を与えることはゲームを使った教材の編成や学習指導の設計にも利用できると考えられます。また、実践共同体における学びとマジックサークルとの関係について知見を共有してくださいました。
講演の後、先生方が現場の参加者からの質問に答えながら、ディスカッションを行いました。
続いてのセッションでは、大空さんと犬田さんがそれぞれの研究成果を来場者に体験してもらうワークショップを行いました。
大空さん:未来の研究について考えよう!カードゲーム「ムーンシューター」を使った対話型ワークショップ
「ムーンシューター」は、プレイヤーが研究者または市民として、提示された研究テーマに対して、社会のさまざまな視点からどのような意見や観点が現れるかを考えるカードゲームです。このゲームを通じて、プレイヤーは国が推進している研究事業について理解を深めるとともに、市民が抱える感情や関心についても考察できると思いました。
犬田さん:SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ
SFプロトタイピングとは、想像する未来像に基づいた試作品を作成し、それを他者と議論・共有する創造的な手法です。今回のワークショップでは、ゲームを基盤とした社会(GBS)という世界観のもとで、どのような価値観が生まれ、どのような出来事や問題が発生するのかを考えながら、参加者たちは自分のストーリーを構築しました。
以上のワークショップと同時に、東京大学渡辺研究室との連携企画である「ミライの平和活動展」のセッションも行われました。このセッションのテーマは「戦争とゲーム」です。まず藤本先生がテーマについての概要を紹介し、その後、木村先生が「平和学習とゲーム」というテーマで事例研究を発表しました。
木村先生:平和学習とゲーム
この事例研究では、戦争をテーマに扱ったシリアスなゲームがいくつか紹介されました。特に例として取り上げられたのが、『This War of Mine』というビデオゲームです。このゲームは、戦争下でのサバイバルをテーマとしたビデオゲームで、プレイヤーは生き延びるために常に選択を迫られます。その選択には、時に非常に残酷なものも含まれています。このような説得的ゲームは、反戦メッセージを伝える手段として注目されており、学校教育においても反戦教育の一環として活用されることが期待されています。
その後、来場者とのディスカッションが行われ、非常に興味深い観点が数多く寄せられました。
8月6日の活動報告は以上となります。引き続き、7日の活動報告もぜひご期待ください。
ご来場いただいた皆さま、そしてこのイベントの開催にあたりご協力いただいたすべての方々に、心より感謝申し上げます。
では皆さん、楽しい夏を!
投稿日時: 2024-08-02 投稿者: snii
東京大学 藤本徹研究室は関西学院大学 福山佑樹研究室と共催で9月18日(水)に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 大阪」を開催いたします。
ゲーム学習(エデュテインメント、シリアスゲーム、ゲーミフィケーション)分野のさまざまな研究成果を共有し、ゲームの遊びと学びを体感できる場を提供します。このテーマに関心のある方々に、次のアクションを起こすための学習や実践の機会を提供します。ぜひご参加ください。
日時:2024年9月18日(水)13:00〜19:45(12:30より1003教室で受付開始)
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス(K.G.ハブスクエア大阪) 10階 1003・1004教室
(大阪市北区茶屋町19-19)
対象:教育関係者、研究者、学生、保護者、関連事業者など(発表テーマに関心のある方はどなたでもご参加いただけます。)
参加費:無料
参加申込期間:8月2日(金)〜9月18日(水)
※当日会場でも受付可能ですが、会場の席数が限られていますので、なるべく事前の参加登録を行っていただくようお願いします。
参加申込方法:こちらのオンラインフォームから
留意事項について
・飲み物は、ペットボトル又は蓋付きカップに限ります。施設内での食事はご遠慮ください。
・会場周辺の廊下は他のオフィスと共有となりますので、廊下ではお静かにお願いいたします。
・朝日放送テレビ「おはよう朝日です」のディレクターの方が当日取材にいらっしゃり、18時からの『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウムの様子を撮影されます。
※9月6日追記<懇親会のご案内>
シンポジウム終了後、20:15から2時間程度の懇親会を会場近くの居酒屋で開催します。基本的に登壇者はほぼ全員参加しますので交流を深めていただければ幸いです。
参加費:4,000円(税込)、飲み放題付きプランです。
参加希望の方は、こちら のイベントページから9月16日までに「懇親会(4000円当日支払)」の無料チケットをお申し込みいただき、かつ「参加申込フォーム」の懇親会参加を尋ねる項目で「参加」ボタンを押してください。キャンセルの場合は下記のお問い合わせ先まで9月16日までにメールで必ずご連絡ください。9月17日以降のキャンセルは不可とさせていただきます。
参加費はシンポジウムの参加受付時に現金で回収させていただきます。
シンポジウムのみ参加の方はGoogle FormでもPeatixからのお申し込みでもどちらでも構いません。
主催:東京大学大学院 藤本徹研究室、関西学院大学 福山佑樹研究室
協力:NPO法人 Educe Technologies、日本デジタルゲーム学会ゲーム教育SIG
協賛(五十音順):株式会社イオンファンタジー、株式会社ギルドヒーローズ、株式会社ケーイーシー、株式会社KEC Miriz、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、一般社団法人日本シングルマザー支援協会
後援:東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構
お問い合わせ: ludix-contact”@”ludixlab.net (ダブルクォーテーションを削除してください)
(予定・敬称略)
(1)企画セッション:『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウム
<セッション概要>
関西エリアで桃太郎電鉄教育版を用いた授業に取り組む教員の方々による実践事例を紹介し、有識者を交えてこれまでの成果と今後の課題を検討するパネルセッションです。
・趣旨説明・利用状況調査結果紹介(藤本 徹)
・特別講演(小学校教諭、エデュテイメントプロデューサー 正頭英和)
・授業実践事例(東大阪市立小阪中学校 学力向上コーディネーター 藤井海、西宮市立山口小学校教諭 恒吉泰行、名古屋市立正色小学校 教諭 青木洸司)
・パネルディスカッション
(パネリスト)
・正頭英和
・藤井海
・恒吉泰行
・青木洸司
・池尻 良平(広島大学大学院 准教授)ほか
(2)企画セッション:新刊『シリアスゲーム』著者陣が語るシリアスゲームの現状と未来
<セッション概要>
「シリアスゲーム」著者陣によるトークセッションです。各著者の担当章の概要や読みたくなるポイントの解説、それぞれの立場から見た「シリアスゲームの今後の展望」について語ります。
(登壇者)
・藤本徹(東京大学大学院 准教授)
・池尻良平(広島大学大学院 准教授)
・福山佑樹(関西学院大学 教授)
・小野憲史(東京国際工科専門職大学 講師)
(3)企画セッション:「ゲームを作る&遊ぶ」から広がる学び
<セッション概要>
日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)ゲーム教育SIGとの連携企画セッションです。ゲーム教育SIGで活動する発表者による「ゲームを作る&遊ぶ」から広がる学びについての話題提供とディスカッションを行います。
・(ゲームを)作ることで学ぶ
・ゲームを遊ぶことをきっかけにした学び
(登壇者)
・小野憲史(東京国際工科専門職大学 講師)
・岸本好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表)
(4)研究発表
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心とした、ゲーム学習研究の最新動向を学べる講演セッションです。
・The history and practice of murder mystery games: from entertainment form to educational tool
・「ゲーム心理学」の構築に向けて
(5)ゲーム体験ワークショップ・デモ展示
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心に、ゲーム学習研究の成果を体験しながら学べるセッションです。
🧩ワークショップ🧩
・「ゲーム(遊び)を基盤とした社会」を創造するSFプロトタイピングワークショップ
・未来の研究について考えよう!カードゲーム「ムーンシューター」を使った対話型ワークショップ
🪧デモ展示🪧
・死と喪失をテーマにしたゲーム『The Dice of Destiny(運命の賽子)』
・金融・投資を学ぶボードゲーム『Riskn × Taken(リスクン・テイクン)』
・実験哲学ゲーム『Free Will 自由意志と道徳的責任』
・クラウドソーシングゲームのプラットフォーム『Meta Crowdsourcing Game』
・研究のグレーゾーンについて考える!カードゲーム「QRP GAME」のデモ展示
・ 英語の勧誘表現を学習できるカードゲーム『Shall we dance? 一緒に踊らないかい』
・Minecraftを活用した英語コミュニケーション意欲向上のためのワークショップ実践
投稿日時: 2024-07-26 投稿者: ziminmo
皆さんこんにちは、修士1年の莫です。
充実した生活を過ごして、いよいよ今学期最終回のゼミ報告になります。今回は研究生たちの活動成果報告と、ゼミ生たちの研究進捗・夏季活動計画発表です。
では、早速ご報告させていただきます!
斉さんは研究計画の検討・深化を続けていきました。前回のサブゼミで先生から投げかけられた質問に基づいて、「なぜTOEICを研究対象に選んだのか」という研究背景を要約して、いくつかの研究質問から掘り下げて文献研究を通じて、デジタルゲームを用いた言語学習(Digital Bame Based Language Learning, DGBLL)の現状をより深く分析することを期待しました。ゲームデザインと妥当性テストについては、プロトタイピングでの要素を挙げて、それに対して解決策も提案しました。夏休みでは、DGBLLの文献調査を中心に活動しながら、研究計画書の作成に取り組む予定です。
今学期、ジョナさんはさらに研究計画をブラッシュアップして、CLD児(Culturally Linguistically Diverse Children)を今後の研究対象として絞り込みました。日本における継承語の問題点から、日本でのモンゴル語教室に質的調査を通して、CLDの子どもたちの言語学習の現状を把握しようとしています。また、その改善策として、継承語のシリアスゲームを開発して、有効性を評価する予定もあります。そして、今学期の活動報告としては、ジョナさんはデザイン関連の講座を多く履修して、Figmaの使い方を学んだり、さまざまなゲームをデザインしたりしていました。
莫のこの夏休みでのメインタスクは、先週のプレイセッションで全員に体験して頂いた本郷巡り謎解きの制作、そして9月の遠征計画で口頭発表される予定のMMGレビューの2本です。この2ヶ月でいっぱい読んだり書いたりするのが必要があるので、自分の計画に従って完了できるように頑張ります!
犬田さんの進捗・活動計画発表は、まず修士研究の中間報告を中心として始ましました。従来のWEBアンケート調査は効率が低下しているという問題があって、ゲーム化は効果を上げることが証明されていました。しかし、これまでの調査ではゲーム開発に多くの時間を必要して、研究対象の問題も単一的であった。先行研究の問題点を解決するために、生成AIを活用したシナリオプロンプト型WEBアンケートを開発し、それを評価することで、先行研究の問題点に対して可能な改善方法を提示しようとしています。 現在、犬田さんの研究は倫理審査の段階で、承認後に調査を開始してデータを分析する予定です。夏休みの活動計画としては、多くの学習プログラムに参加するだけでなくて旅行・ゲーム等も予定されていて、すごく充実した2ヶ月になりそうな予感がします。
大空さんは図表を使いながら、今学期の成果と現在取り組んでいるいくつかの課題を見せてくれました。今学期の成果としては、社会調査とAI倫理の2つの授業で研究倫理に関連するトピックについて研究を行いました。そして、サブゼミで研究要旨と背景を洗練させたことも上げられました。そこから修士研究で使えるデータにより多くサポートできると望んています。また、Replaying Japan、サイエンスアゴラと遠征プログラムの準備も推進しているそうです。
ゼミの後は、福島先生の特任研究員満了と名誉教授就任お祝い会+研究室納涼会で、研究室のみんなで福島先生と合流して食事に行きました。福島先生、おめでとうございます!
それでは、今回のゼミ活動報告は以上となります^^
最後にお知らせですが、8.5~8.8の長崎シンポジウムでは、斉さん・ジョナとん・莫が一緒に、最前線記者として最新情報をお届けします。是非ともラボニュースをご一読ください。
皆さん、お疲れ様でした!
投稿日時: 2024-07-19 投稿者: jona
皆さんこんにちは!研究生のジョナです。
今回のゼミでは、坂井先生の研究員発表と莫さんのプレイセッションの2本立てで行いました。それでは早速、ゼミ活動のご報告に移りたいと思います。
坂井先生:研究発表
坂井先生は「死と喪失をテーマにしたゲームの影響」について研究発表を行いました。若者の自殺は他の年齢層に比べて多く、近年では増加傾向にあります。その一因として、自分の命に対する態度、すなわち死生観の欠如が挙げられます。このため、死生観に影響を与える要因の検討は極めて重要です。
従来、死生観の空洞化については、伝統儀礼からの離脱や大衆娯楽文化の影響が指摘されており、特に死を繰り返すことができるゲームが死生観を揺るがしているのではないかという意見がありました。しかし、ゲームでの死の繰り返しが現実世界との混同を引き起こすという指摘に対しては、ゲームは現実世界と切り離された空間であり、若者は混同していないという反論もあります。
坂井先生は自身の研究で、ゲーム(殺傷表現のあるゲーム)がどのように死生観に影響を与えているかを検討しました。そして、適切な使用モデルを提示することで、若年層のWell‐Beingに貢献することを目指しました。この研究では大学生と短期大学生を対象に、バトルロイヤル形式のゲームのプレイ時間と死生観の関係を分析しました。その結果、殺傷表現のあるゲームのプレイ時間が長い若者は、短い若者に比べて死への恐怖・不安が低く、人生の目標意識が低い、死後の世界観が希薄であるという結果が得られました。
このことから、ゲーム自体が死生観に影響を及ぼすのではなく、ゲームとの接し方が関連していると推測できます。適切な指導を行い、現実世界での習慣や活動への参加を推進することで若者の死生観を育み、自殺予防につなげることが可能と考えられます。
発表後、ゼミメンバーで活発な討論が展開され、プロゲーマーなど異なる背景を持つ対象者についての検討、死を積極的にとらえるゲームの効果についての検討など、様々な見解が提示されました。
莫さん:プレイセッション
莫さんからは、自分の設計した室外謎解きゲームのテストプレイを行いました。このゲームはキャンパス内の建物やスポットでヒントを探し、チームで協力して謎を解く内容でした。
私はこのゲームを通じて、学校に関する新しい知識や今まで知らなかったスポットを知ることができました。建物を観察し、歴史などの関連知識を得ることもでき、校内をゆっくり散歩するには最適なゲームだと思いました。
今回のテストプレイを通して、レベルデザインや安全性の確保、言語の適切性などについて先生方から非常に有益な意見がありました。この経験を基に、進化したゲームの完成が楽しみです。ゲームの完成版は来学期の制作展で公開されるとのことです。皆さんもぜひお楽しみください!
今回のゼミ活動報告は以上となります。
お読みいただきありがとうございました!
投稿日時: 2024-07-11 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!修士2年の犬田悠斗です。
7月4日のゼミ活動では、斉さんの関連論文紹介と研究室企画「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」のミーティングが行われました。
今回は、報告内容が2つだけと短くなりそうなので、余った紙幅を使わせていただいて、はじめに私の研究関心について書かせてください。
私は、「ゲームを基盤とした社会(Game Based Society)」を目指して研究を行っています。
え、「ゲームを基盤とした社会(GBS)」ってなに?と多くの人が思われたと思います。
この「ゲームを基盤とした社会(GBS)」とは、多くの人がゲームを通じて社会貢献している社会のことを指しています。具体的には、多くの人がゲームをすることで、研究やボランティア活動に貢献し、社会を支えているような世界のことです。
このビジョンを目指そうと思ったきっかけは、ジェイン・マクゴニガル著の〈幸せな未来は「ゲーム」が創る〉で紹介されていた『Foldit』というゲームでした。『Foldit』とは、遊ぶことでタンパク質の折りたたみ構造の解析に貢献できるゲームです。このゲームを知った時に、「ゲームを遊んでいたら、勝手に社会貢献に繋がるってめっちゃ面白いな」と思いました。しかし、このゲームを実際に遊んでみると、「あまり面白くない」(個人的に)。そこで、より面白い、社会貢献のゲームを作り、この考えを広めたいと思い、「遊んでいたら勝手に社会貢献に役立つゲーム(クラウドソーシングゲーム)」の研究を始めました。
そして、現在、この社会貢献に役立つゲームの開発などを通じて、「ゲームを基盤とした社会(GBS)」の実現を目指しています。「ゲームを通じて社会をデザインする」って、すごく魅力的じゃないですか。
ただ、これだけでは、「ゲームを基盤とした社会(GBS)」や「社会貢献に役立つゲーム(クラウドソーシングゲーム)」について何を言っているかわからないという方も多いと思います。
「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」では、これらについてより具体的な話をしたいと考えています。そして、開発したゲームの試遊もできます!少しでも興味のある方は、ぜひ現地でお話させてください!
「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」の参加は、こちらから!
さて、長々と語ってしまいましたが、以下からゼミ活動の報告に移ります。
■【斉さん】関連論文紹介
斉さんは、下記の論文を紹介されました。
Govender T, Arnedo-Moreno J. (2021) . An Analysis of Game Design Elements Used in Digital Game-Based Language Learning. Sustainability, 13(12), 6679. https://doi.org/10.3390/su13126679
この研究では、デジタルゲームベースの言語学習(以後、DGBLL)における5つのリサーチクエスチョン(以後、RQ)が立てられています。そして、それらをもとに、ゲームデザイン要素に関して、DGBLLに関する論文のレビューが行われています。
1つ目のRQは、「 DGBLLにおいて最も頻繁に使用されるゲームデザイン要素は何か?」です。このRQについては、フィードバックシステム、テーマと物語、ポイントまたは経験値、レベルと進行度合いの可視化が 最も頻繁に使用されていることが示されていました。
2つ目のRQは、「特注のゲーム、市販のゲーム、娯楽用ゲーム、教育用ゲームの間でゲーム要素にはどのような違いがあるか?」です。このRQについては、娯楽用ゲームと教育用ゲームで、ゲーム要素の量に大きな違いがあり、前者の方がゲーム要素が多いことが示されていました。また、特注のゲームと市販のゲームでは、前者の方がゲーム要素が多いことが示されていました。
3つ目のRQは、「特注のゲームと市販のゲームで、特定の年齢層における結果への影響に違いがあるか?」です。このRQについては、小学生以外では、市販のゲームの方が多く使用されていることが示されていました。ただし、年齢層で論文数に大きな違いがあるため(就学前、中学生が少ない)、就学前、中学生に対するより多くの研究が必要であることが指摘されていました。
4つ目のRQは、「言語技能に関するデザイン要素の間には違いがあるか?」です。このRQについては、語彙の獲得と保持でゲームの使用が最も多く、インプットとアウトプットでゲームの使用が少ないことが分かりました。また、コミュニケーションスキルで使用されたゲームが、最も多くのデザイン要素(ソーシャルディスカバリーなど)を含んでいることが分かりました。
5つ目のRQは、「DGBLLアプリケーションで潜在的な効果を示したあまり使用されていないゲームデザイン要素は何か?」です。このRQについては、評価のためのボスバトルや収集・交換などが挙げられていました。
斉さんは、この論文のRQをもとに不明瞭な箇所を分析し、より精緻なRQを立てられていました。この論文はDGBLLにおけるゲームデザイン要素のレビュー論文であり、今後の斉さんの研究で大いに役立つだろうと思いました。
■研究室企画「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」
8月6日(火)・8月7日(水)に長崎市中央公民館で開催する「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」のミーティングを実施しました。ミーティングでは、プログラム概要や会場の設備などについて話し合いました。
「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」では、ゲーム学習分野を中心にさまざまな研究成果を発表します。特に注目のセッションとしては、小学校教諭で、エデュテイメントプロデューサー の正頭英和氏と藤本徹先生らがパネルディスカッションを行う〈『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウム〉やプロマインクラフターのタツナミシュウイチ氏を講師としてお招きする〈『教育版マインクラフト』特別講演セッション〉があります。
加えて、〈教育版マインクラフトで創る未来の学び:教育効果と実践事例〉という題目で、Minecraftカップ運営委員会ディレクターの土井隆氏に講演を行っていただきます。もちらん藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心とした、興味深い発表もご準備しております。
「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」の参加は、こちらのフォームから!
また、8月4日〜8日に長崎市役所で開催される「ミライの平和活動展 in 長崎 〜テクノロジーでつながる世界〜」に連動した企画セッション「戦争とゲーム」を8月6日(火)15:30〜16:30に長崎市役所多目的ホールで行います。
ミライの平和活動展 in 長崎の詳細についてはこちらのウェブサイトをご覧ください。
みなさんとともに、「ゲームの遊びと学びの未来」について考えられることを心から楽しみにしております。では長崎で!
以上が、7月4日のゼミ活動報告です。ぜひ、来週のゼミ報告記事もお読みください。
それでは!
投稿日時: 2024-07-09 投稿者: snii
藤本徹研究室は8月6日(火)・8月7日(水)に「ゲームの遊びと学びの未来シンポジウム in 長崎」を長崎市中央公民館にて開催いたします。
ゲーム学習(エデュテインメント、シリアスゲーム、ゲーミフィケーション)分野のさまざまな研究成果を共有し、ゲームの遊びと学びを体感できる場を提供します。このテーマに関心のある方々に、次のアクションを起こすための学習や実践の機会を提供します。ぜひご参加ください。
日時:2024年8月6日(火)10:30〜17:00、8月7日(水)10:30〜16:30
場所:長崎市中央公民館(長崎市民会館内)2階 視聴覚室・第5研修室(長崎県長崎市魚の町5番1号)
対象:教育関係者、研究者、学生、保護者、関連事業者など(発表テーマに関心のある方はどなたでもご参加いただけます。)
参加費:無料
参加申込期間:7月9日(火)〜8月7日(水)
※当日会場でも受付可能ですが、会場の席数が限られていますので、なるべく事前の参加登録を行っていただくようお願いします。
参加申込方法:こちらのオンラインフォームから
主催:東京大学大学院 藤本徹研究室
協力:NPO法人 Educe Technologies、東京大学大学院 渡邉英徳研究室
協賛(五十音順):株式会社イオンファンタジー、株式会社ギルドヒーローズ、株式会社ケーイーシー、株式会社KEC Miriz、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、一般社団法人日本シングルマザー支援協会
後援:東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構、日本デジタルゲーム学会ゲーム教育SIG
お問い合わせ: ludix-contact”@”ludixlab.net (ダブルクォーテーションを削除してください)
(タイトルはいずれも仮)
(1)企画セッション:『桃太郎電鉄 教育版』事例研究シンポジウム
<セッション概要>
桃太郎電鉄教育版を用いた授業に取り組む教員の方々による実践状況調査の結果を紹介し、有識者を交えてこれまでの成果と今後の課題を検討するパネルセッションです。
・趣旨説明(准教授 藤本徹)
・講演(小学校教諭、エデュテイメントプロデューサー 正頭英和氏)
・関連研究動向、事例研究(広島大学大学院 准教授 池尻 良平氏)
・パネルディスカッション
(2)『教育版マインクラフト』特別講演セッション
<セッション概要>
プロマインクラフターのタツナミシュウイチ氏を講師にお迎えして、これまでのマインクラフトの教育実践の取り組みや、最新のJAXAが開発した「Lunarcraft」の事例について話題提供していただき、今後の展望をディスカッションします。
(3)研究発表
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心とした、ゲーム学習研究の最新動向を学べる講演セッションです。
・死と喪失をテーマにしたゲームの教育的効果 ー学習意欲とwell-beingに着目してー (特任研究員 坂井裕紀): 通常、喪失は強いストレスであり、心の健康を損ねる原因です。しかし、強いストレスが心の成長につながることもあります。他方、ゲームを教育や仕事に応用する「ゲーミフィケーション」の効果に注目が集まっています。これらのことから、喪失をテーマにしたゲームの体験が心の成長に及ぼす影響を検討しました。本発表では、大切な物事の喪失をテーマにしたゲームを用いたワークショップの実施結果を報告します。
・クラウドソーシングゲーム ー遊ぶことで社会貢献できるゲームの可能性ー(修士2年 犬田悠斗) : クラウドソーシングゲームとは、遊ぶことで、勝手に社会貢献に役立つゲームです。例えば、ゲームをしていたら、勝手に科学研究やボランティア活動に貢献できていた。そんなことが、実際に可能になってきています。この発表では、クラウドソーシングゲームの面白い事例を紹介し、このゲームの持つ可能性についてみなさんとお話したいと思っています。ぜひ一緒に考え、話し合いましょう!
・シリアスボードゲームの開発と実践 ーゲームを活用したデザインリサーチー(修士2年 大空理人) : 国内外において、教育目的のボードゲームの開発が盛んに行われています。ボードゲームは手軽にプロトタイピングから実装まで行える一方で、ゲーム制作のプロセスが見えない状態では、ハードルを感じたり、困難が生じたりする場合があります。そこで、その制作プロセスをより一般化するために、インストラクショナルデザインに基づくゲームデザインについて検討します。本発表では、シリアスボードゲームの『QRP GAME』を事例に、ゲームを作って終わりではなく、学習プログラムとして継続させる工夫について報告します。
・大人のためのゲーム学習 ーゲーム研修における学習環境デザインー(修士2年 大空理人) : 近年、企業内教育においてゲーム研修が、新たな学習手法として注目を集めています。しかし、ゲームという性質上、学習とは関係のない「気晴らし的な楽しさ」を提供するものだと思われ、研修への活用に懸念が生じています。また、カスタマイズ性のない画一的なものであるという誤解もあります。そこで、従来のイメージから、ゲーム研修をリフレーミングするために、6つの学習理論と実践を結びつけて検討します。本発表では、ゲーム研修が提供する本質的な「やりがいのある楽しさ(hard fun)」について報告します。
・Minecraftを活用した英語コミュニケーション意欲向上のためのワークショップ実践(修士2年 濱田璃奈) : 本発表では、Minecraftを用いた英語学習ワークショップの設計と実践事例を紹介します。特に英語コミュニケーション意欲の向上を目的とした活動を中心に、ワークショップの効果を調査した結果を共有します。調査データを基に、参加者の意欲や学習成果の変化を具体的に示し、教育現場での応用可能性について考察します。
・教育版マインクラフトで創る未来の学び(土井隆氏):教育効果と実践事例 : 本シンポジウムとの連動企画として開催したMinecraftワークショップ「教育版マインクラフトで長崎の歴史を学ぼう」やMinecraftカップ全国大会の取り組みなど、これまでのマインクラフトを導入した教育実践の成果について発表します。
(4)ゲーム体験ワークショップ・デモ展示
<セッション概要>
藤本研究室の研究員や大学院生の研究成果を中心に、ゲーム学習研究の成果を体験しながら学べるセッションです。
・実験哲学ゲーム「Free Will 自由意志と道徳的責任」(修士2年 犬田悠斗): 哲学の問題に関する人々の直感を明らかにするゲームである『Free Will 自由意志と道徳的責任』のデモ展示を行います。このゲームでは、自由意志と道徳的責任に関するシナリオを進めてもらい、最後にいくつかの質問に答えてもらいます。このゲームでの回答が、哲学の問題の解明に役立てられるかも!
・クラウドソーシングゲームのプラットフォーム「Meta Crowdsourcing Game」(修士2年 犬田悠斗): 遊んでいたら勝手に社会貢献に役立つゲームであるクラウドソーシングゲームのプラットフォームを展示します。プラットフォームの中には、科学研究やボランティア活動に役立つゲームがたくさんあります。実際にこれらのゲームをプレイすることで、社会に貢献してみましょう!
・SF作品を作ろう!「ゲームを基盤とした社会」を創造するワークショップ(修士2年 犬田悠斗) : 「ゲームを基盤とした社会」と聞くと、どのような社会を思い浮かべますか。今回のワークショップでは、「多くの人がゲームを通して社会貢献している社会」について一緒に考え、創造してみます。また、「SFプロトタイピング」という、フィクションを用いて、まだ存在しない未来を想像する手法についても解説します。SF(サイエンス・フィクション)の力を使って、妄想を爆発させ、まだ見ぬ社会を一緒に形作りましょう!
・未来の研究について考えよう!カードゲーム「ムーンシューター」を使った対話型ワークショップ(修士2年 大空理人): 「ムーンシューター」は、“未来の研究”をテーマにしたカードゲームです。未来の研究を考えることは、研究者に限らず、私たち一人ひとりにとって重要です。しかし、いざ未来の研究について話し合ってくださいと言われても、なかなか難しいのではないでしょうか?そこで、この話しにくさを払拭し、楽しみながら対話を深めるために、このゲームを開発しました。未来を生きる私たち全員が、それぞれの立場で科学技術と社会の繋がりについて考える必要があります。個々の体験や意見を混ぜ合わせながら、どんな期待があるか / 懸念があるかを一緒に探究することで、新たな視点や考え方を身につける機会をつくります。
・研究のグレーゾーンについて考える!カードゲーム「QRP GAME」のデモ展示(修士2年 大空理人) : 倫理規範、コンプライアンスと聞くと、ややこしい、面倒くさいという印象を持つ方も多いのではないでしょうか?そこで、こうしたネガティブなイメージを払拭し、楽しみながら倫理に対する考えを深めるために、このゲームは開発されました。「QRP GAME」は、“疑わしい研究行為(通称QRP)“をテーマにしたカードゲームです。研究のグレーゾーンを判断することは、大学・企業等の研究者だけでなく、レポートを執筆する学生や自由研究を行う児童生徒にも必要なスキルです。多様な世代が、個々の体験や意見を混ぜ合わせながら、どんな研究行為が良いのか/良くないのかを一緒に探究することで、より良い研究成果のアウトプットと科学界全体の発展に寄与します。
・英語の勧誘表現を学習できるカードゲーム「Shall we dance? 一緒に踊らないかい」(修士2年 犬田悠斗): 英語の単語カードで口説き文句を作り、相手に「この人いいな!」と思わせるカードゲーム『Shall we dance? 一緒に踊らないかい』のデモ展示を行います。このゲームでは、英語でキザな口説き文句を面白おかしく言い合いながら、英語の助動詞や勧誘表現、依頼表現を学習することができます。英語力を駆使して、より多くの気になる人から好感度を獲得しましょう!
(5)連動企画セッション:「戦争とゲーム」
<セッション概要>
・セッションテーマについて(准教授 藤本徹)
・事例研究「平和学習とゲーム」(特任研究員 木村知宏): ゲームには他のメディアとは異なる特性があります。本発表では、戦争をテーマとしたゲームの事例を紹介します。近年は反戦のメッセージが込められたゲームや、一般市民の側から戦争を体験するゲームなど、様々なものがあります。これらの事例とゲームの研究の理論をもとに、平和学習にゲームを活用することのメリットについて検討します。
・ディスカッション
8月4日〜8日に長崎市役所で開催される「ミライの平和活動展 in 長崎 〜テクノロジーでつながる世界〜」に連動した企画セッションを8月6日(火)15:30〜16:30に長崎市役所2階多目的スペースで行います。戦争をテーマとしたビデオゲームの事例を紹介し、平和学習にビデオゲームを使用することのメリットについて検討します。シンポジウムの開催場所である長崎市中央公民館から長崎市役所までは徒歩2分ほどの距離です。
なお、この展示会ではデジタルツイン・VRなどのテクノロジーを活用した新世代の平和活動コンテンツとともに、ウクライナ・ガザ地区など、世界の紛争地域の被災状況を伝える展示、日本原水爆被害者団体協議会による原爆写真展、長崎国際テレビによる平和コンテンツなどを体験できます。シンポジウムと合わせてぜひご参加ください。
ミライの平和活動展 in 長崎の詳細についてはこちらのウェブサイトをご覧ください。
皆様とこの夏、長崎でお会いできることを楽しみにしています。
投稿日時: 2024-07-04 投稿者: osora
こんにちは、修士2年の大空です。
今週のゼミ活動について、報告いたします。今回は、莫さんによる文献研究、ジョナさんによる研究関連論文紹介、犬田さんによるプレイセッションの3本立てでした。
どの発表からも皆さんの研究進捗が伺える素敵な内容だったので、以下でそれぞれについて紹介したいと思います。
莫さん
莫さんは、チームの共有情報と未共有情報のバイアスにおけるInformation Sampling Modelの文献研究を行われました。
文献のテーマは「Information Sampling and Adaptive Cognition」のChapter 13「Information Sampling in Group Decision Making:Sampling Biases and Their Consequences」というものです。
専門的な内容ではありましたが、金魚すくいにおけるチーム戦を例に、分かりやすく解説していただき、当分野について、研究室メンバーの理解も深まったと思います。こうした分野の話はなかなか触れる機会がないため、個人的に学びの多い内容でした。
この文献から、莫さんは、自身の研究テーマである未共有情報を実体化とする手段としてのMMG(マーダーミステリーゲーム)について考察され、着実に研究が進んでいる様子が伺えました。ゲームデザイン時における厳密な設計のアイデアとして上手く使えそうです。
また、共有情報と未共有情報の配分については、ゲームデザインの観点から、研究室メンバーでディスカッションも広がり、今後の莫さんの研究にも寄与する内容が話し合われたので、今後の進捗も楽しみです。
ジョナさん
ジョナさんは、CLIL(Content and Language Integrated Learning)という概念に着目し、関連論文発表を行われました。
関連論文のテーマは「Content and language integrated learning through an online game in primary school: A case study」というものです。
CLILとは、教科科目やテーマの内容(content)の学習と外国語(language)の学習を組み合わせた学習(指導)の総称を指します。これは、ジョナさんの研究をより一層充実させる理論的枠組であるような印象を抱きました。
また、このCLILとGBL(ゲーム学習)の関係について、ジョナさんは考察されていました。具体的には、GBLは外国語学習に効果的で学生のエンゲージメントと動機づけを高めることができ、CLILも同様に、言語使用に目的と意味不安を軽減し興味と動機づけを高めるとされているため、共通の部分があることがわかりました。
その上で、では学習環境をどう設計すればいいのかという観点で、言語学習ゲームのインストラクショナルデザインが他分野とどう違うのかについてディスカッションが深まりました。ジョナさんは理論と実践の両方を行われているので、それらが上手く紐づいていくことが楽しみです。
犬田さん
犬田さんは、修士研究で開発中のゲーム「Free Will 自由意志と道徳的責任」を実践されました。
これは、実験哲学におけるゲーミフィケーションを活用したWEB調査で、ゲームを楽しんでいるうちに自然と社会課題解決に寄与するクラウドソーシング型のゲームです。
プレイセッションでは、内容は同一である、従来のWEB調査とゲームによる調査の比較を行いました。研究室メンバーを2つのグループにわけ、従来のWEB調査→ゲームによる調査を行う群と、その逆の群で行い、お互いの感想をシェアしました。
率直に、体験としてゲームの方がより豊かで、没入感あるものだったということが共通の感想として見出されました。また、これまでの発表で行われたゲームデザインやUIの内容が盛り込まれていたことも良かった点で、個人的に犬田さんのこれまでの研究活動が詰まった内容だったと思います。
これから犬田さんは修士の中間報告会がありますが、十分魅力的に感じる研究だと思うので、ぜひ頑張っていただきたいです。また、今後、外部の発表において、このゲームを触れられる機会があるので、関心のある方はぜひ引き続き情報をチェックしていただければと思います。
今週のゼミ報告は以上となります。それでは!
大空
投稿日時: 2024-07-04 投稿者: snii
株式会社コナミデジタルエンタテインメント様との共同研究の一環として、「桃太郎電鉄 教育版」の利用状況や実践事例を把握し、今後の情報提供や開発に寄与するためのアンケート調査を開始しました。回答期限は7月26日(金)です。詳細は下記のWebページをご覧ください。
https://www.konami.com/games/momotetsu/education/index.php
ご協力のほど、よろしくお願いいたします!
投稿日時: 2024-07-01 投稿者: hamada
渡邉英徳研究室と藤本徹研究室は、8月5日(月)- 6日(火)に、Minecraftワークショップ「教育版マインクラフトで長崎の歴史を学ぼう」を長崎市役所にて開催します。本イベントは、「ミライの平和活動展 〜テクノロジーでつながる世界〜」(8月4日(日)〜8日(木))の一環として行なわれます。
イベント概要
かつて長崎にはどのような街があり、それが原爆によってどのように変わってしまったのか。
原爆投下日の8月9日を迎えるにあたり、世界の子どもたちに支持されている「Minecraft」を通して長崎の歴史について理解を深めるワークショップイベントを実施します。参加費は無料です。
教育版マインクラフトを使って、 参加者全員でマルチプレイで街をつくりましょう。
テーマは「原爆投下前のナガサキの暮らしと街並み」 です。
みなさんの想像力を最大限発揮してください!
講師にはプロマインクラフターのタツナミシュウイチさんをお招きします。
参加者全員で協力しながら、グループになって一緒に考え、ワールドを作ってみましょう! ※マルチプレイでの作業となりますので、他の参加者への迷惑行為が見受けられた方にはご退出いただく場合がございます。
※定員が超過した場合は抽選となります
①Minecraftカップ全国大会への参加登録 → こちらから
②申し込みフォームから申し込み → こちらから
※申し込みフォームには、ワークショップへの参加登録時に登録したメールアドレスと同じアドレスを入力してください。
③問い合わせ :こちらから
主催:東京大学大学院 渡邉英徳研究室・藤本徹研究室、Minecraftカップ全国大会運営委員会
協力:NIB長崎国際テレビ
投稿日時: 2024-06-24 投稿者: hamada
こんにちは、修士2年の濱田です。今週も充実したゼミが行われましたので、報告いたします。今回は、大空さんによる関連論文研究、犬田さんによる事例研究、木村さんによる研究員発表の3本立てでした。
大空さんは、「技術者倫理教育におけるケーススタディの有効性」をテーマに発表してくださいました。大空さんは先日、自身が研究で設計している倫理教育のためのゲームを使って研修を行ったそうなのですが、果たしてそれが本当に教育に有効なのか疑問に感じ、文献を通してその有効性を学ぶことを目的として、倫理教育の手筈や導入方法について説明しました。
倫理教育は、倫理学の歴史や様々な倫理理論の知識に加え、ケーススタディによる学習が重要となるようです。大空さんは、特にこのケーススタディの部分をゲームによって楽しく学べるようにできればとおっしゃっていました。
今回の文献研究によって、大空さんの研究の位置づけを再度明確にするような発表だったと感じました。
犬田さんは、「アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉」というゲームを事例研究として取り上げて発表してくださいました。このゲームは、3Dのゲーム世界を探索し、謎や仕掛けを解きながら、ストーリーを進めていくゲーム(アクション×ノベル)だそうです。
今回の発表では、このゲームのUIデザインに着目し、プレイヤーの視線を集める背景のフレームや、キャラクターの会話エフェクト、選択肢選択時のインタラクションについて詳しく解説してくださいました。犬田さんは、このゲームのUIを参考に、自身の研究で制作しているゲームのUI設計を進めています。ゲームのデモも披露してくださいました。完成が楽しみです。
木村さんは、「ゲーム心理学」をテーマに発表してくださいました。ゲーム心理学という言葉はあまり学術的には一般化していないそうですが、木村さんはゲーム心理学を確固たる研究分野にすべく、研究を行ない、そしてこれからも研究をひろげていきたいとのことでした。発表の中では、ゲーム心理学を、ゲームスタディーズと心理学を融合した学問分野で、ゲームのプレイヤーの心と行動を実証的に扱う科学的な分野と定義していました。この分野では、ゲームとは何か、ゲームはプレイヤーにどのように影響するのか、ゲームが私たちの生活にどのように役に立つのかという3つの問いを掲げ、それらに応えることを目指すとのことでした。
ゲーム心理学というテーマに対してゼミ生から質問や意見があがり、木村さんも有意義な発表になったとおっしゃっていました。
今週のゼミ報告は以上となります。では、また来週!
投稿日時: 2024-06-20 投稿者: qikeyi
皆さんこんにちは、研究生の斉です!
今週のゼミでは、研究の進捗報告を行いました。
M2 犬田さん
犬田さんは、「実験哲学におけるゲーミフィケーションを活用したWEB調査の開発と評価」に関する研究計画を発表しました。また、犬田さんは研究過程で実践を非常に重視しています。「MDAモデルに基づいたフォームデザインプロセス」に基づいて、自身の研究内容に合わせて、以下の研究ステップをまとめました:
1.シナリオを考える
2.シナリオから画面構成を考える
3.画面構成からゲーム要素を考える
4.画面構成とゲーム要素から必要な素材を考え、作る
5.必要な素材から成果物を構築する
6.都度修正、ブラッシュアップ、デバッグ
第4ステップにおいて、ChatGPTの使用に関して、藤本先生は著作権問題に特に注意するよう指摘しました。また、藤本先生は犬田さんに計画を順調に進めるように励まし、研究計画にもっと理論的な支援を加えることを期待しています。
M2 大空さん
大空さんから研究の進捗をシェアしていただきました。
QRPゲームを題材として研修活動を開催し、「R&D従事者に必要とされる倫理感やリスクマネジメントについて再認識を図る」と「R&D従事者として知見と視野を広げる」ことを目的とした活動を行いました。この研修活動では、「著者の追加」、「生成AIを用いた調査」、「研究予算の申請」という三つのテーマを取り上げて、それぞれのケースを開催しました。
そして、実施中評価、事後評価、遅延評価の三つの評価方法を使用しました。この研修の評価手法は非常に豊富であり、量的および質的な要素がうまく組み合わされています。また、大空さんは今後の計画についても詳細に説明してくださいました。
大空さんの研究は、研究の現場だけでなく、多様な分野での論理教育においても、重要な意義を持つと思いました。
研究生 斉
今週発表した内容は英語学習ゲームのアイデアです。このゲームでは、魅力的な美少女キャラクターをデザインし、同時にroguelikeゲームのランダム性を活用し、プレイヤーがランダムなユニットと主人公との対話を通じて彼女を知り、英語を学ぶことができるようにしたいと考えています。
研究室の皆さんから多くのアドバイスをいただきました。木村先生と藤本先生は、現在のこのモデルは伝統的なroguelikeゲームとはあまり似ておらず、ランダム性のデザインは必要ではないように見えると指摘されました。プレイヤーに繰り返しプレイしてもらうためには、さらなる努力が必要であるとのことです。
莫さんはいくつかのクラシックな肉鳩ゲームを例に挙げました。ジョナさんはTOEICの知識を目標にするのが適切だと考え、具体的なアドバイスもいただきました。
このアイデアにはまだ多くの課題がありますが、皆さんの助言を得て、前進する方向が見えてきました。
M1 莫さん
莫さんはMMG(Murder Mystery Game)の研究進捗について説明しました。
莫さんはまず研究の背景部分を調整しました。実証研究のサポートが不足していると考え、そのために実証データを含む文献を追加しました。
研究の設計において、莫さんは自身の初めての試みとして、読んだ実験の流れを基に初めてのワークショップを設計する予定です。このワークショップは、外部要因と心理的健康との関連を理解するために開かれる、一般向けの研究会です。莫さんは文献の流れは変えず、内容だけを変更するつもりであり、これにより研究の適切性も高められるでしょう。莫さんは同時に研究計画を更新し、心理学教育を焦点として、謎解き、防災教育TRPGの開発に取り組んでいます。
藤本先生は、研究計画のタイトルに医学用語が含まれていることを指摘し、科学普及効果の負担が増える可能性があるため、適切に調整するよう助言されました。
莫さんのゲームを本当に楽しみにしています!
研究生 ジョナさん
Jonaさんはモンゴル語教育の研究を進めています。Jonaさんは今学期の文献発表とゲーム活動の経験をまとめ、現在は「動物なまえゲーム」と「文字ゲーム」の設計を改良しています。Jonaさんは継承語を学習する理由について常に考えており、文字の学習だけでなく、言語と文化の交差点を感じることを目的としています。また、モンゴル語ゲームのデジタル版についても探索中です。
先週のプレイセッションでは、研究室の皆さんと一緒に「文字ゲーム」を体験しました。本当に素晴らしい思い出であり、新バージョンの発表を楽しみにしています。
みなさん、それぞれ研究テーマに向けて頑張っていますね。
今後の時間がスムーズに進展することを祈っています!
投稿日時: 2024-06-13 投稿者: jona
皆さんこんにちは、研究生のジョナです!
今回のゼミ活動は、プロマインクラフターとして名高いタツナミシュウイチ先生のゲストセッションでした。前半は講義と質問コーナー、後半は教育版マインクラフトでの実況プレイを通じて、タツナミ先生はマインクラフトが教育にどのように活用されるかを具体的に示してくださいました。
前半:講義&質問コーナー
講義部分では、タツナミ先生が自己紹介をし、マインクラフトとの出会いや現在の仕事に至った経緯を話してくださいました。マインクラフトはCave Gameというゲームから始まり、後に様々な機能も拡張され、教育と深く関わるようになりました。マインクラフトの教育上の可能性は多岐にわたり、言語、情報、化学、歴史、建築、更に特別支援にも役立っています。これらはタツナミ先生自身の経験や活動を通じて検証されてきました。
従来の教育は暗記中心でしたが、これからは思考して応用できる教育へと変わっていくでしょう。学びを将来に繋げることは非常に重要であり、子供の頃にはその価値が分かりにくいため、楽しいものにする必要があります。また、マインクラフトをただの消費で終わらせず、子供の創造性に繋げることも非常に重要です。
タツナミ先生は自身のいくつかのプロジェクトを紹介してくださいました。例えば、JAXAとの共同プロジェクト「Lunacraft」では、マインクラフトで月面の環境を模擬したワールドを作成し、現実に即した重力や環境、月面での活動条件が再現されています。月面のリアルさが高いため、全世界で有名になったそうです。特に驚いたのは、月の表面に存在するレゴリスのブロックがなかったため、新たに作ったという点です。タツナミ先生はどのプロジェクトでも「誰かのために何かを作る」という心を持って行動しており、その心が教育の最も重要な部分だと私は感じました。
新しいメディアや娯楽の手段がどんどん現れる中で、大人はどのような態度を持って教育者として立つべきかが重要です。マインクラフトを楽しむ子供たちに対して、その探求心と好奇心を応えるために、大人も一緒に取り組むことで、変化する環境に柔軟に対応できる次世代が育つでしょう。タツナミ先生の教育者、プレイヤー、プロマインクラフターとしてのご知見を拝聴できたことは、とても大きな学びと経験になりました。
質問コーナーで特に興味深かったのは、マインクラフトやマインクラフトでのモノづくりに慣れていない子供たちに対して、どのように興味を引くかという質問への回答です。YouTubeやショートビデオが日常生活に溢れる中で、子供たちの好きな配信者がマインクラフトを使って何かをすると、それは一つの入口になることができます。このような導きにより、まずはプレイヤーとしての楽しみを体験し、次第に創造性を発揮し、さらには学びへと発展していくことが可能となるでしょう。
後半:「教育版マインクラフト」実況プレイ
実況プレイ部分では、タツナミ先生のプレイを現場で観るという機会に恵まれ、マインクラフトでどのような偶発的学びが生じるか、また学習ワールドではどのように学びがアレンジされているかを体験しました。例えば、以前ゼミでも紹介された化学ワールドでは、元素を構成したり化学物を作成したり、物質を元素に還元することなどができます。同じ成分と思われがちなダイアモンドと石炭は実は還元されると違う成分になっていました。このように、マインクラフトでは非常に細かく現実が再現されており、それが遊びを通して自然に身につく知識となります。
また、タツナミ先生は教育版マインクラフトで「脱酸素ワールド」と「金融学習ワールド」の2つのワールドを紹介してくださいました。いずれのワールドからもマインクラフトの膨大な可能性が感じられました。ゼミ後のお食事の際にも、タツナミ先生からいろいろなお話を聞けることができ、非常にありがたい時間を過ごせました。
今回の講演で紹介された内容を皆さんにもシェアしたいと思い、以下にURLを共有します。興味深い内容ばかりですので、ぜひご覧ください!
Lunacraft:https://edu.jaxa.jp/contents/other/game/LUNARCRAFT/
脱炭素ワールド:https://cn-tokushima.jp/
金融学習ワールド:https://www.promise-plaza.com/qof/
最後、金曜日に参加した講演会について少しご紹介できればと思います。東京大学B:AI Global Forumから主催したインタラクティブ講演会で、トロント大学のPaolo Granata氏がMarshall McLuhanのメディアの法則をご紹介し、後半ではMcLuhanの理論を用いたボードゲームを体験させてくれました。McLuhanのメディアの法則では、あらゆるメディア(人工物)には強化(EXTEND)、衰退(OBSOLESCE)、回復(RETRIEVE)、反転(FLIP/REVERSE)という4つの内在があります。メディアをこの四つの角度で分析することもあれば、四つの角度から新たにメディアを考え出すことも可能であるのがとても不思議でした。
この法則をボードゲームに具現化したものがPaolo Granata氏のThe MediuMです。プレイヤーはカードに書かれたメディアをいずれの側面で分析し、チームメイトがその中心となるメディアを当てるというルールです。具体的に言うと、私はVRというカードを引き、「このメディアは【場所】の回復である」と発言します。チームメイトはそれをヒントに「そのメディアはVRだ」と答え、チャレンジに成功します。ゲームの結果、チームの皆様と協力しながら優勝し、McLuhanの名言「The Medium is the Message」が書かれたTシャツをいただきました。
さて、ここまでお読みいただき、大変ありがとうございました。今回のゼミ報告は以上になります。
暑い日が続きますが、皆さんお体に気をつけてください。
では、Bayartai!
投稿日時: 2024-06-13 投稿者: snii
3月発売の書籍を東京大学大学院情報学環・学際情報学府Webサイトでもご紹介いただきました📗📕✨
【マイブック】メディアテクノロジーシリーズ5 『シリアスゲーム』(藤本 徹 准教授) – 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
投稿日時: 2024-06-06 投稿者: ziminmo
みなさんこんにちは!M1の莫です。
5月30日に行われたゼミ活動をご報告させていただきます。
今回は濱田さんの進捗報告+関連論文紹介、大空さんの文献研究とショナさんのプレイセッションでした。
濱田さん:進捗報告+関連論文紹介
濱田さんは先週主催したMinecraftワークショップについて、感想と学びを共有してくれました。Minecraftを通じで小学生ができる限り英対話をすることを試みましたが、単にMinecraftをプレイするだけでは英語を話す動機付けが不十分であることが分かりました。これを解決するために、具体的に「何が達成されるのか」を示す・明確に基準を設定することで、生徒たちに動機づけを向上させながらコミュニケーションに迫ると考えられました。
関連する論文も紹介しました:
Çeliktürk, H., & Bektaş-Çetinkaya, Y. (2023). The impact of a digital game on EFL students’ willingness to communicate in English. Eurasian Journal of Language Teaching and Linguistic Studies, 3(1), 317-333.
この論文では、Minecraftを通じて高校生の「英語で話す意欲(Willingness to communicate, WTC)」が対面とオフラインの両方で向上することが実証されていました。続いて、WTCの分類と要素についても解説してくれました。論文研究とワークショップでの実体験を比べた結果、論文では学生の英語を話す意欲が高まったのに対し、ワークショップではそうならなかった理由として、実験対象の英語レベルの差・Minecraftの利用方法・環境なと、様々な要素の違いが考えられました。研究室のメンバーとのディスカッションを通じて、ワークショップで学生たちの「英語で話す意欲」を高めるための改善策も提案されました。
大空さん:文献研究
大空さんは、福島先生の「正統的周辺参加」の概念をゲームデザイン理論と結びつけ、企業内教育における実践的な方法について考察ました。文献「ルールズ・オブ・プレイ:ゲームデザインの基礎」の「魔法円」と「主要図式」を通じて、学習とゲームの関連性を明確に示しました。
正統的周辺参加とは、社会的な実践共同体への参加を増すことが学習であるという考え方です。これに対して、現場では学習に必要な「ゆとり」「タイムリーな教授」「失敗への寛容」が欠如しているため、効果的な学習が困難であるという論点があります。今回大空さんが紹介した文献は、ゲームが提供する「魔法円」での学びは、この課題を解決する一つの案として考えられます。
「時間的制約」「経済的制約」「法的制約」の制約を取り除く手法として、シミュレーションやゲームを活用することの重要性を強調しました。特に、ゲームの「魔法円」は、特定のルールから特別な空間を提供し、プレイヤーが失敗を怖くないで学べる環境を作り出します。また、ゲームデザインの図式における「ルール」「遊び」「文化」の関係性を通じて、企業内教育における学習の実験的領域を検討しました。福島先生の「正統的周辺参加」理論を具体的な企業内教育の文脈に応用し、ゲームデザイン理論との関連性を明確に示したことですごく勉強になりました。
ジョナさん:プレイセッション
ジョナさんが紹介したボードゲームは、モンゴル語の授業で遊んだボードゲームです。モノポリーのメカニズムを参考にしていて、「他人が購入したアルファベットを避ける」をゴールに単語を思い出して、自分のアルファベットを購入するというゲームです。
特に面白い点は、時間制限の中で、つい他のプレイヤーが購入したアルファベットを使ってしまい、ポイントを支払わなければならないことと感じました。また、どうやって他のプレイヤーを誘導し、彼らに自分の購入した英語の単語を言わせるかと、ほどんどのアルファベットが購入された後にどうやって自分の損失を最小化するか、ゲーム戦略性も非常に高いと思います。
このようなブレインストーミングの中で、参加者全員が非常に多様な英単語を思いつきました。遊びとして楽しむだけでなく、英語の語彙力を増やし、クリエイティブな思考も生み出せると思います。ジョナさんの紹介から、言語学習の新しいアプローチとして、このゲームの可能性を感じました。
これで、今回のゼミは以上になります……?
まだです!
そして、いよいよ研究室のみんなが準備した秘密のサプライズイベントです!
🎉藤本先生、お誕生日おめでとうございます!!🎉
投稿日時: 2024-06-05 投稿者: snii
2024年3月9日(土)、10日(日)の2日間、「INSTeMコンベンション2024 Spring」が東京大学本郷キャンパスの福武ホールにおいて開催され、院生の大空さんはブース出展&ミニワークショップを実施されました。
その様子もレポートの冒頭の写真に掲載されています✨是非ご覧ください🌼🌼
うまく表示されない方はこちらをご覧ください。
投稿日時: 2024-06-03 投稿者: snii
大空理人さん(文化・人間情報学コース修士2年・藤本徹研究室)の研究が日本教育工学会2024年春季全国大会で学生セッション優秀発表賞を受賞しました。東京大学大学院 情報学環・学際情報学府Webサイトに掲載いただきましたのでぜひご覧ください🎉✨
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2024060320808
投稿日時: 2024-05-31 投稿者: snii
2025年度入試に向けて、5月20日(月)17時より藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分の動画をYouTubeで公開しています。
当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。
埋め込み動画が上手く表示されない方は下記のリンクを参照してください。
https://youtu.be/aiDuqSH4Yq4
投稿日時: 2024-05-30 投稿者: osora
こんにちは、M2の大空です。
今週はゲストセッションとして、福島真人先生にお越しいただき、「ハイリスク環境での学習」というテーマで、ディスカッションを行いました。
福島先生には、とても刺激的な発表を行っていただき、新たなアプローチで自分たちの研究分野および研究テーマを考えるきっかけになりました。
本記事では、その内容を少しご紹介できればと思います。
福島先生の発表では、切り口の一つとして「正統的周辺参加」を提示していただきました。
正統的周辺参加とは、社会的な実践共同体への参加の度合いを増すことが学習であると捉える考え方のことを指します。
この考え方には、課題として、現場(特にハイリスク環境)では、学習に必要な「ゆとり」「タイムリーな教授」「失敗への寛容」がないため、人は学べないのではないか?という指摘があります(ベッカーの難問)。
しかし、「正統的周辺参加」における、その周辺には、実験的施行が可能になるような領域があるのではないかという議論も同様にあります。
福島先生は、これを\”学習の実験的領域\”と呼んでいます(著書『学習の生態学』でもご紹介しています)。
より具体的に、この学習の実験的領域を成り立たせるためには、3つの制約を取り除く必要があるとされています。
①時間的制約
現実では実験的試行を十分に行う時間がない
②経済的制約
試行そのものやそれによる失敗にはコストがかかる
③法的制約ー免責構造
責任を免除して失敗を学習資源として活用できない
これらの点をクリアする手法として、リスクの高い多くの組織が導入しているのはシミュレーションによる教育です。
擬似的な空間で学ぶことは、現実ではできないような失敗も許容されることが大きなメリットで、これはゲームにもつながる話題だと感じました。
もちろん、シミュレーションやゲームでの学びと現場で活動にギャップはあります。とはいえ、これらの学びが意味ないわけではないと思います。
この感覚を言葉にして体系的にまとめたいなと感じたため、次回の発表では、本ゼミでの福島先生のお話を踏まえ、自身が考えたことをゲーム学習と結びつけつつ、アウトプットしたいと思います!
改めて今回、福島先生には、大変貴重なお時間をいただき、素敵な発表および対話を行っていただきました。私自身、本分野でのモチベーションがさらに高まるきっかけとなりました。
こうした機会をいただけていることに感謝しつつ、積極的に経験を活用していこうと思います。
今週のゼミ報告は以上となります。では、また来週!
P.S.
ゼミ終了後に、みんなでご飯を食べに行きました!
投稿日時: 2024-05-24 投稿者: qikeyi
みなさん、こんにちは!今年からLudix Labに入りました研究生の斉可意と申します。
今週は、斉による文献研究・犬田さんによる文献研究・大空さんによるプレイセッションの3本立てでした。
斉:文献研究
この論文を紹介しました:
Perttula, A., Kiili, K., Lindstedt, A., & Tuomi, P. (2017). Flow experience in game based learning–a systematic literature review. International Journal of Serious Games, 4(1), 57–72.
この論文は、過去10年間のゲームベースの教育に関するフロー理論の研究レビューです。フロー理論の研究計画を改善したいと思い、この論文を参考に選びました。この論文には具体的な例が非常に豊富に含まれており、フロー理論の研究は主に以下の側面に焦点を当てていることが明らかにされています:
1.シリアスゲームの文脈におけるフローの意味
2.フローと学習の関係
3.フローの発生に影響を与える要因
4.フローの具体化の方法
この論文は19件の実証研究を収録し、比較に重点を置いています。この論文を通じて、研究者たちがフローのレベルを定量化する方法には多くの違いがあり、現在のところ統一された枠組みがないことを認識しました。そのため、研究を進める際には適切な選択を行うことが重要です。
今後も関連する実証研究を読み続け、研究計画を改善し、ゲームデザインとフロー体験の関係を探求していきます。
犬田さん:文献研究
「ゲームデザインバイブル第2版」の第17章と第20章を紹介しました。この本は、ディズニーVRスタジオの元クリエイティブディレクターで、テーマパーク用アトラクション、MMORPG、VR、シリアスゲームなど、さまざまなゲームの開発を経験してきたトップクリエイターによって書かれたゲーム開発の指南書です。
犬田さんは、この論文を読んでゲーム開発に必要な前提知識を学びたいと思っています。最も重要な収穫は、「ゲームデザイナーの目標は、ゲームデザインをすることではなく、体験を創り出すことである」ということです。
第17章「ストーリーも体験の一種」では、2つの異なる開発手法が紹介されています。パールのネックレス(川と湖)の手法で成功する秘訣は、「事前に一本道のストーリーを作っておくストーリーマシン」です。一方、ストーリーマシンの手法で成功する秘訣は、「事前に用意するストーリー部分を最小限に抑える」ことです。
また、文章は夢のゲームデザインの問題点も紹介し、これらの問題に対するいくつかの提案を行っています。
第20章「世界にはキャラクターが含まれる」では、ゲームキャラクターの種類や特徴、魅力的なキャラクターの創造方法、さまざまなキャラクターの関連性を利用して世界を充実させる方法などが主に紹介されています。犬田さんは、キャラクターを創造するための10のヒントを挙げました。
皆さんは犬田さんが持ち込んだ内容に非常に興味を持ち、細部について多くの議論を展開しました。
大空さん:プレイセッション
大空さんが企画した協力交流ゲーム【プレゼンテーションを考え、実践するワークショップCommand L&R】が開催されました。
参加者は二人一組に分かれ、大空さんが提示したテーマに基づいてプレゼンを準備します。まず、プレゼンの感情スタイルを選ぶためにエモーションカードから選択し、次にロジックカードで提示されたヒントに基づいてプレゼン内容を書きます。最後に、ロジックを整理してミニプレゼンを行います。
スコア集計の段階では、各人が「logic」と「emotion」という名前の票を持ち、最優秀のプレゼンチームを選びます。
このゲームでは、「藤本研のここがすごい!」というテーマに沿ってプレゼンテーションを行います。
莫さんと犬田さんが情熱的な猫のコンテンツで全参加者の「エモーション」票を獲得し、藤本先生と木村さんは充実したロジック内容で一歩及ばずとなりましたが、敗れても名誉あると言えます。
ゲーム終了後、参加者からはゲーム内容について多くの提案がありました。ゲーム内のヒントカードのデザインが非常に素晴らしいと考えています。プレイヤーが「point」から出発し、「reason」と「sample」を探すことで発言内容を見つけるというこの方法は、非常に面白い活動です。
以上が5月16日ゼミのご報告となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。
投稿日時: 2024-05-17 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!M2になりました犬田です。
今年は東京の桜の名所に行って花見をしようと決意していたのですが、気がついたらすべて散っていました。悲しいです。あと、就職活動も無事終了しました。
さて、5月9日に行われたゼミ活動の報告をします。発表内容は、莫さんの関連論文紹介とジョナさんの文献研究です。
■【莫さん】関連論文紹介
莫さんは、以下の2つの論文を紹介されました。
①Folz, H. N., Black, J., & Thigpen, J. (2023). Evaluation of a murder mystery activity to teach patient communication interviewing skills. Currents in pharmacy teaching & learning, 15(6), 581–586.
②Kavanaugh, R., Pape, Z., LaTourette, B., & Lehmier, S. (2022). Who killed Mr. Brown? A hospital murder mystery in a pharmacy skills course. Medical teacher, 44(10), 1151–1157.
2つの論文はどちらも、マーダーミステリーゲームを用いて医学生のコミュニケーション能力を向上させることを目的としています。研究結果としてはどちらも、医学生がコミュニケーションスキルを学ぶ上で、マーダーミステリーゲームが効果的であることを示唆していました。ただ、どちらの文献にも、マーダーミステリーゲームの定義や学習効果を高めるメカニズムについての言及がなかったので、今後行っていきたいと仰られていました。
発表の後のディスカッションでは、患者の症状から病気を特定する行為や限られた情報から死因を推測する行為は、与えられた情報から犯人を推理するようなマーダーミステリーゲームと相性がよいという意見が出ました。与えられた情報から何かを推測する活動とマーダーミステリーゲームを組み合わせることで、意義のある体験を生み出すことができるのではないだろうかと思いました。
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■【ジョナさん】文献研究
ジョナさんは、今年2024年3月に発売された藤本先生が編著の「シリアスゲーム」の「第3章 シリアスゲームのデザイン」を紹介されました。第3章は、情報学環にいらっしゃった池尻良平先生が執筆を担当されています。第3章では、シリアスゲームのデザイン論、特に学習領域に合わせたゲームデザイン論について、多くの事例とともに説明されています。
本書ではまずゲーム学習のフレームワークとして、スタールダイネン&デフレイタスの「ゲームをベースにした学習のフレームワーク」が紹介されています。このフレームワークは、「学習→インストラクション→評価」の3段階で構成されています。個人的には、2段階目のインストラクションにおいて、ゲーム要素を「文脈、表現、教育学、学習特性」に分けているところに面白さを感じました。
また、学習に効果的なゲーム要素として、「競争」、「協力」、「探究発見」などが紹介されていました。そして、学習領域に合わせた効果的なシリアスゲームのデザイン手順として以下が提案されていました。
1.学習領域ならではの目的、要素、キー概念を発見する
2.キー概念との親和性の高いゲーム要素を同定する
3.キー概念を絡めたメインルールをデザインする
4.学習を促す追加ルールをデザインする
5.シリアスゲーム外の学習をデザインする
感想としては、一般的なゲームデザインの指南書を読むだけでなく、開発するジャンルに特化したゲームデザインの本を読むことで、より適した思考法やデザイン手法を学習することができるなと改めて思いました。
以上が、5月9日のゼミ活動報告です。ぜひ来週のゼミ報告記事をお読みください。
それでは!
投稿日時: 2024-05-02 投稿者: hamada
こんにちは、M2の濱田です。あっという間に学年が上がっていました。
では、今週のゼミ報告です。
今週は、濱田による事例研究・大空さんによる事例研究・夏休みの出張ゼミ企画検討セッションの3本立てでした。
今回の事例研究では、「トド英語」というアプリを紹介しました。このアプリは、動画や本、ミニゲームなどを使いながら英語を学ぶというもので、すべてクリアすると幼稚園~小学2年生レベルの英語をマスターできるとのことです。私はMinecraftを使った英語学習をテーマに、英語コミュニケーションが促進されるようなワークショップの開発をしているのですが、「トド英語」で使われている手法がワークショップでの英単語の導入などに使えるのではないかと思い、事例研究の対象としました。
今回の事例研究で、学習対象の単語に繰り返し触れること、そして綴りを画像や動画とともに学習することの2点が重要で、それはどちらもMineecraft上で実現可能であるとわかりました。
ここまでが事例研究の目的でしたが、研究室メンバーからのフィードバックで議論が進み、ワークショップにゲーミフィケーションの要素をどのように入れることができるかにまで話が広がりました。今後の研究のためになる発表となり、とても良かったです。
大空さんも事例研究として、『フードデザイン 未来の食を探るデザインリサーチ』という書籍を紹介していました。この書籍の中で『キャット&チョコレート』というゲームの事例が取り上げられており、それがどのように大空さんの研究に活かせそうかという観点から発表してくださいました。
大空さんは、疑わしい研究行為に関する新たな事例を作るために、『キャット&チョコレート』の手法を用いるとのことでした。このゲームは例えば、「大きな岩が転がって来た」といった非日常なお題に対して、「ガムテープ」や「マッチ」といった与えられた選択肢を使ってどのようにうまく乗り切るかを考えるゲームです。
この手法をとりいれることで、普段であれば思いつかない斬新なアイデアが期待できるそうです。これは「ジェネラティブ・リサーチ」と呼ばれます。
また、「なぜなぜ5回」という人の行動の背後にある理由を掘り下げて根底に潜む重要な理由を明らかにする手法や、「What ifシナリオ」という「もし~したらどんなことか?」のようなあらゆる事態を想定し、システムがうまく構築されているかを確かめる手法も研究に取り入れるとのことでした。
このような事例をふまえて、最後に大空さんの今後の研究の方向性について発表してくださいました。
企画検討セッションでは、夏休みに行う出張ゼミ企画について検討しました。
今年度は、長崎や大阪で研究室メンバーの発表の機会が設けられるそうです!研究室メンバーはそれぞれやりたいことが決まっており、とても有意義で楽しい企画になるのではないかと思いました!
今週のゼミ報告は以上となります。では、また来週!
投稿日時: 2024-05-02 投稿者: jona
皆さん、お久しぶりです!研究生のジョナです。
木曜日は晴れ渡った天気になり、駅まで自転車で走るのがとても気持ちよかったです。
今回の記事で、まずサブゼミについて少しご紹介できればと思います。
今学期より木村先生から、研究に必要な統計法やデータ収集法、またゲーム教育論に関連する知識を教える学びの場としてサブゼミを開講してくださいました。
オリエンテーションの後、科学とは何かという内容から始まりました。科学は:実証性、論理性、再現性、反証可能性がある必要があります。研究を行う上であれば、それらの性質が自身の研究に揃われているかを常に問い続けなければなりません。
サブゼミは学習だけでなく、振り返りや討論の場としてもありがたい機会だと思いました。
以上簡単な紹介となりますが、今後のサブゼミがとても楽しみです。
さて、ここからゼミのご報告に入りたいと思います。
本日のゼミでは、莫さん、斎さんの研究計画発表と大空さん、犬田さん、ジョナの研究進捗報告でした。では発表順にご報告いたします。
研究生 ジョナ
私は春休みに自身の研究テーマを見直しました。継承語教育では、学習者がコミュニティーベースで学習を行うことが多いため、子供たちが興味を持つのが難しいなど、様々な課題が存在します。私はゲームを通して、どのように継承語の教育現場を支援できるかに関心を持っています。
当初はデジタルゲームの設計を考えていましたが、それが実際の学習現場のニーズに適合するかどうかについて疑問を持ちました。その結果、アナログゲームの方が試行錯誤を繰り返しやすく、改善しやすいかと考えるようになりました。これから解決すべき課題や決めるべきものは多くありますが、体験や学習を通して視野を広げ、理解を深めていきたいと思います。
研究生 斎さん
斎さんはFlowの研究に深い関心を持ち、特定のゲーム要素がどのFlow要素と対応するかを、具体的なゲーム事例を基に研究したいと考えています。現時点では、「Baba is you」と「Keep Talking and Nobody Explodes」の二つのゲームを事例として取り上げることを検討しています。
「baba is you」は広く知られたインディーゲームで、そのゲームシステムはプログラミング思考にも関連しています。斎さんはこの要素を活用し、対象学習者の学習を促進する方法を探求しています。一方、「Keep Talking」は、二人で協力して爆弾を解除することを目的としたゲームで、論理的思考や協同作業などを学ぶことが期待されるようです。
斎さんが取り組んでいる研究からはゲームの要素とFlow体験の関連性を深く理解したいという強い思いを感じました。
M1 莫さん
莫さんは、Murder Mystery Game(MMG)を活用して、チームベース学習(Team-Based Learning)を向上させるゲーム設計について研究しています。前回の記事でも紹介されたMMGは、近年非常に人気があり、多くの人々が楽しんでいるようです。
MMGは、形式的には人狼ゲームに似ていますが、独自のシナリオとロールプレイング要素によって、より深い没入感を体験できるゲームです。共有知識(Shared Knowledge)と非共有知識(Unshared Knowledge)の差を利用して、チーム内の交流を深めるという莫さんのアプローチは非常に興味深いと感じました。
M2 大空さん
大空さんからは研究進捗をシェアしてくださいました。QRPゲームを題材として、いろんなところで実践を行っているようです。
現在、生成AIの倫理について多くの場所で議論が行われており、今後大空さんの研究倫理ゲームでも取り扱うことがあるため、研究室で活発な討論が行われました。AIの進化とその利用、そしてその正しい利用は、人々がAIを活用するにつれて避けて通れない課題となっています。大空さんの研究は、研究の現場だけでなく、多様な分野での論理教育においても、重要な意義を持つと思いました。
M2 犬田さん
犬田さんからは進捗報告と今後の予定の発表を行いました。犬田さんはクラウドソーシングゲームの研究を行い、今後の研究でナーミアの自由意志を取り扱った内容を用いて、ゲームの具体的な開発に取り組む予定だとのことです。
Stable DiffusionやMidjourneyなどの画像生成AI技術を研究に活用し、この分野のゲームを新たな手法で拡張することを目指しています。
ゲームの画面や、完成したゲームがどのようになるのかをシェアしてくださいました。完成後のゲームが楽しみです。
以上が4月25日ゼミのご報告となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後に少しだけ、個人の活動報告として、ゲームマーケットに行った体験を共有したいと思います。
ボードゲームの大規模なイベントとして、ゲームマーケットでは多くのメーカーや個人開発者が出展していました。驚くほど多くのテーマやメカニズムを目にして、実際に遊ぶことで、ゲームの幅広さに改めて感銘を受けました。
平安時代の色や歴史上の戦争などを扱ったゲーム、また、ルールの大部分を自分で決定するゲームなどあり、いろんな方にも説明してもらい、充実な一日を過ごせました。文化や歴史をテーマにしたゲームも非常に多く、学びとのつながりも様々だなと感じました。
私は、「じゅもんじ」という文字遊びのゲームと「ワンナイト人狼-狂気ver」という少し変わった人狼ゲームを購入しました。早く遊びたくてたまりません!
今後もこのようなイベントに参加することで、ゲームとの接触を深めて行きたいと思います。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
楽しい毎日を!Bayartai!
投稿日時: 2024-04-25 投稿者: ziminmo
みなさん、こんにちは!今年からLudix Labに入りましたM1の莫と申します。
研究テーマは「Enhancing Team-Based Learning with Murder Mystery Game: Design and Evaluation of an Interactive App」です。
Murder mystery gameは、チームの中にそれぞれの脚本をに基づいてキャラクターを演じながらストーリーを推理するボードゲームです。学部時代の卒論研究はそれをインスピレーションとしてチームに関する研究していましたが、その際にメンバー間の情報共有に問題があることが見つかりしました。今後、このゲームの特徴を活用して、チーム学習のエンゲージメントを高めるために取り組みたいと思います。
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では早速、今年度の第一回ゼミを報告致します!
今回は、オリエンテーションとして各メンバーの自己紹介と春休みの活動報告でした。
先ず藤本先生からSセメスターの活動・ゼミ内容・研究段階について紹介しました。
とても充実なセメスターになりそうな予感で、ゲストセッションも楽しみにしています!
新メンバーの自己紹介
私の自己紹介と関心している研究内容が前↑に述べましたが、ここでもう一言あります。Murder mystery gameは、今学期でゲーム脚本を日本語に訳してみんなと一緒に遊ぶことを目指しています!
斉さんは、私と同じ今学期研究室に入る新入生で、ゲーミフィケーションについてのフロー体験を研究趣味として取り組んでいます。学部時代で教育工学を学んでいで、すごいデザインがたくさんありました。これから一緒に日本語を勉強しましょう!
広瀬先生は地域活性化やライフデザインなど研究領域は多岐にわたり、私たちの日常生活や学習に直接関連しています。特に越境学習が成人のキャリアライフ発達に与える影響に焦点を当てた研究は、私は日本への越境留学生として深く共感を感じています。これからも広瀬先生に多くのご指導をお願いいたします!
自己紹介と春休みの活動報告
ジョナさんは内モンゴル出身で、ゲームを通じて少数言語や文化に興味を持っています。春休みには、色んなゲームを体験しただけじゃなく、山登りもして千葉でのモンゴル教室でモンゴル語の教育経験も積みました!次回のモンゴル語教室の先生に担当すると聞きました。私もジョナ先生のモンゴル語教室に通いたいです!
犬田さんは春休み中色んなゲーム学会やシリアスゲームジャムに積極的に参加し、ゲーム開発や教育に関する取り組みも行いました。また、ポートフォリオサイトを拡充しながら、将来のキャリアに向けて準備も進んています(ゲーム会社の内定おめでとうございます)!
濱田さんはMinecraftに関する研究を行い、Minecraftに関するハンドブックを創作者の一名として出版しまして本当にすごいと思います。さらに、小学校の英語教育にMinecraftを活用するワークショップのスライドからも勉強になりました。プレイヤーとして、私もMinecraftからでたくさんの英語を学びました(特に鉱石に関する単語が覚えやすいです)。また、滨田さんは今年の秋にカナダへ留学する予定だそうで、羨ましいです!
大空さんは今年の春にボードゲームをテーマにした企業内での研究倫理に関するワークショップを主催しました。ゲームを用いた研修プログラムを開発する会社で働きながら、大学院での研究生活を両立させることは、本当に素晴らしいと思います。今学期もよろしくお願いします!
木村先生は主にゲーム心理学に焦点を当てて研究を行っています。特にfNIRSなどの生理指標を用いて、プレイヤーのフロー状態や感情の変化を調査しています。ゲームに関しては、「グラブル」シリーズをよくプレイしていることを紹介しています。今学期のサブゼミでも、ご指導のほどよろしくお願いします🐱
坂井先生は、自身の研究関心や共同研究の内容を紹介しました。研究関心には、シリアスゲームの開発に基づく生活支援・社会福祉・死生学など、さまざまな分野が含まれています。また、最近の研究分野での関心の変化(死の回避から福祉の向上へ)についても紹介しました。さらに、社会に関連する複数の共同研究プロジェクトについても紹介し、研究の中にの面白い話も共有しました!
新居先生はLudix Labに協力している学術専門職員で、研究室の日常の進行を管理し、またメンバーにアドバイスや支援を提供しています。これからもよろしくお願いします!
では、今回の活動報告は以上になります。
今後とも、よろしくお願いいたします!
投稿日時: 2024-04-26 投稿者: snii
藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が5月18日(土)14時から対面とオンラインのハイブリッドで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/20240425event
これに合わせて、藤本研究室への入室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2024年5月20日(月)17:00-19:00(希望する面談が終了した方から順次解散)
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/VhXVo4tAeyfwBYDJ9
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2024-04-24 投稿者: snii
株式会社コナミデジタルエンタテインメント(本社:東京都中央区、代表取締役社長:早川 英樹)と国立大学法人東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区、学環長:目黒公郎、藤本徹研究室(准教授:藤本徹))は、『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』(以下、『桃太郎電鉄 教育版』)の教育的価値の評価に関する共同研究を開始しました。
■共同研究の目的
この共同研究は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントが「桃太郎電鉄」を教材として無償で提供する『桃太郎電鉄 教育版』の教育的価値の評価を行い、今後の導入支援や普及促進のための学術的知見を提供することを目的としています。
導入校での授業等の教育活動への導入状況を調査し、『桃太郎電鉄 教育版』が教育現場で活用されることによる教員や生徒の教育的インパクトを多面的に評価します。導入が活発な学校の状況や効果的な活用事例を整理して、教育ニーズごとの導入ガイドや補助教材の制作など、『桃太郎電鉄 教育版』を軸とした教育リソースの拡充や利用促進に寄与する研究を実施します。
■「桃太郎電鉄」のエデュテイメントに関する取り組み
「桃太郎電鉄」は、1988年に第1作が登場して以来、35年にわたって幅広い年代の方々に楽しまれている国民的ボードゲームです。「日本全国を巡って物件を買い集め、資産総額日本一を目指す」というゲーム性を活かして、2023年からノートPCやタブレット端末で動作する『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』を、学校教育機関へ無償提供しています。各地の名産・名所などを遊びながら身につけることができるほか、難読地名の書き取りや収益率の計算など、幅広い学習に活用されています。7,000を超える導入校のうち、約4,000校は小学校となっており、これは全国の小学校のおよそ20%に相当します。(※導入数は、いずれも2024年3月時点)
『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』 概要
対応プラットフォーム: Windows PC, Chromebook, iPad
対応インターフェース: キーボード、タッチパネル
プレー人数: 1~4人 (オンラインプレー:非対応)
公式サイト: https://www.konami.com/games/momotetsu/education/
(※導入のお申し込みやお問合せは、こちらよりお願いいたします)
クレジット: ©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment
■研究代表者コメント
株式会社コナミデジタルエンタテインメント シニアプロデューサー 岡村 憲明
「桃太郎電鉄」が、地理や漢字の学習に役立っているのではないか、という漠然とした感触を頼りに、手探りで送り出した『桃太郎電鉄 教育版』ですが、多くの先生方に受け入れて頂き大変感激しています。一方で、教育現場にゲームを導入することに懸念を持たれている方も、まだまだいらっしゃると思いますので、この研究によって、『桃太郎電鉄 教育版』の学習効果が示されることで、「エデュテイメント」への理解が広がることを願っています。
東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
『桃太郎電鉄 教育版』のように市販の人気ゲームタイトルの教育版が開発されて、これほど大規模に導入される例は世界的にも数は限られており、とても興味深い事例です。学校現場の先生方の教育実践がさらに充実して、これから導入したい方たちを後押しできるような研究を行いたいと考えています。調査に協力してくださる学校の先生方、この研究に参画したい研究者や学生の方々と連携して活動しますので、ご関心がある方はぜひご連絡ください。
【本件に関してのお問い合わせ】
〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目11番1号
株式会社コナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部
kde-j_publicity”@”konami.com (ダブルクォーテーションを削除してください)
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
ludix-contact”@”ludixlab.net (ダブルクォーテーションを削除してください)
投稿日時: 2024-02-07 投稿者: snii
坂井裕紀特任研究員が取材を受けた記事がベネッセ様の教育情報サイトで公開されました💡
ゲームの教育効果とは?ゲーミフィケーションって?成績UPにつながる活用術を専門家が解説【体験談あり】
https://benesse.jp/kyouiku/202402/20240207-1.html
「そもそもゲームって勉強の妨げにならない? 教育的効果はあるの?」「ゲーム的要素を家庭学習に取り入れて楽しく勉強するにはどうしたらよい?」といった疑問に、坂井特任研究員がお答えしています。
ぜひご覧ください😊☃️❄️
投稿日時: 2024-02-01 投稿者: snii
藤本研エースの大空さんが、日々の学びやご自身の研究成果を月に一度ご発信くださるとのこと🙌主にご自身の研究テーマである「ゲーム学習」について、人材開発や組織開発といった視点でご紹介くださる予定です。
大空さんは社会人学生としてご活躍されていらっしゃり、以下の通りたくさんの肩書きをお持ちです。
東京大学ELSI Game Lab 代表|東京大学大学院 学際情報学府 修士課程在籍|株式会社NEXERA ボードゲームクリエイター|「遊び」と「学び」に関するコンテンツ開発や教育デザイン方法論について研究中
大空さんの記事を読めるのはnoteだけ!🗒️✨是非ご覧ください🥳🎈https://note.com/masato_ednote/n/n20b60d2ce41d
投稿日時: 2024-01-26 投稿者: snii
昨年度の藤本研修了生の升井友貴さんが、日本旅行様のツアー『ムンディ先生と行く!加賀百万石ゲーミフィケーションツアー』発案~準備~運営を一気通貫でご支援され、成功裏に終えたそうです🧳✨
升井さんが執筆された、株式会社セガエックスディー公式noteの記事を共有しますので、ぜひお読みいただければ幸いです。
歴史色の高いツアーにゲーミフィケーションを組み込むことで、学びにつながる旅行をエンタテインメント化することができたとのこと、素晴らしいご活躍ですね!
今後も藤本研では社会で活躍する修了生を輩出していきます🌸
投稿日時: 2024-01-26 投稿者: hamada
みなさん、こんにちは。M1の濱田です。
1月18日に行われたゼミの活動の報告です。
今回のゼミは、以下の3本立てでした。
・春口さんによる修士研究発表
・ジョナさんによる研究生活動成果報告
・大空さん、犬田さん、濱田による春季研究活動計画
春口さんは、修士論文口述試験の練習も兼ねて、2年間の研究成果をまとめた発表を行ってくださいました。先行研究からゲーム開発、分析に至るまで丁寧にまとめられており、これまで春口さんが積み重ねてこられた研究成果が伺える発表でした。修士研究お疲れさまでした。ジョナさんは、研究テーマをより具体的にし、継承語に焦点を当ててモンゴル語学習のためのゲームを作られるとのことでした。プロトタイプも作られていて、モンゴル語とモンゴルの文化が同時に学べるように上手く設計されていました。完成がとても楽しみです。大空さん、犬田さん、濱田は、研究に加えて、仕事や就活、学会発表など、それぞれ春休みみの活動計画を発表しました。各自やりたいことが明確にあって、それに向かって着実に進む姿は勉強になる部分が多くあります。
さて、今回が今年度最後のゼミとなりました。時間が過ぎるのはあっという間ですね。
ふり返るとこの1年は、大学院入学もさることながら、Minecraftカップでインターンをさせていただくなど、自分の研究を大きく進める年になったと思います。その一方で、新たな環境に慣れつつ、次々と目の前に現れてくる経験や情報を処理するというのは、なかなか大変な面もありました。新しい世界が見えるにつれて当然疑問も増えていくもので、常に頭の中が?だらけだったような気がします。
ただ、この自分が持っている疑問に対して真剣に考える時間があるということ、そして一緒に考えてくださる方々がいるというのは、非常にありがたいことだと思っています。研究などなど、悩みつつとりあえずの答えを出しつつで来年度も頑張っていきたいと思います。
以上が今回の活動報告です。また次回!
投稿日時: 2024-01-26 投稿者: hamada
みなさん、こんにちは。M1の濱田です。
1月11日に行われたゼミの活動の報告です。
今回は、大空さん、犬田さん、濱田による研究進捗発表と、犬田さんによるプレイセッションでした。
研究進捗発表では、各自が今学期行ってきた研究の成果を発表しました。修士研究に関しては、それぞれ紆余曲折ありながらも研究手法が具体的に固まってきた印象です。その他、研究に関するワークショップの開催や学会発表の準備など、これまで行ってきた活動についても報告しました。来年度も頑張りたいです。
プレイセッションでは、犬田さんが制作したゲーム「Shall we dance? 一緒に踊らないかい?」をプレイしました。このゲームはその名の通り、英語で口説き文句を作るゲームです。ルールは、口説かれる1人が場面設定のカードを引き、それに対して他のプレイヤーは英語の助動詞や主語、動詞などが書かれたカードを組み合わせ、英語とその日本語訳を言いながら口説きます。そして、その中でNo.1口説き文句に認定された人が勝ちというゲームです。カードはランダムなので、どのような文章になるのかわからないという運の要素もあります。
作った口説き文句は、例えば、交差点で信号待ちの人に対して「車でカフェにいきませんか?」という少し怪しげなものから「猫と一緒に宇宙に行きませんか?」といった突拍子のないものまであり、どれもおもしろいものばかりで、いちばん良い口説き文句を選ぶのが大変でした。
そして、今回のゲームは、ゴールが「助動詞を学ぶ」ではなく「口説き文句を作る」という、学習とは少し離れた位置に置かれており、楽しみながら意識せず助動詞の疑問文を学べるゲームでした。機会があればまたプレイしたいです。
以上が今回の活動報告になります。また次回!
投稿日時: 2024-01-18 投稿者: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(1/19 9:15追記)
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室は『貿易ゲーム体験ワークショップ2024 at 東京大学』を開催いたします。
「貿易ゲーム」とは、「貿易」を中心に、世界経済の動きを擬似体験することによって、そこに存在するさまざまな問題について学び、その解決の道について考えることを目的としたシミュレーションゲームです。
未経験の方も大歓迎ですので、ご参加をお待ちしております。
<開催概要>
日時:2024年3月3日(日)14:00〜16:30
開催場所:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
アクセスはこちら https://openstudio-utokyo.com/access/
集合場所:東京大学 本郷キャンパス正門
※各開催時間の20分前集合
対象:小学校4年生〜中学生のお子様。
※お子様1名に保護者様1名の同伴が必要です。
定員:16名
応募期間:1月18日(木)〜2月7日(水)
お申し込みの受付は先着順とし、定員になり次第終了となります。
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/QEH5LP3Bb2ZwYx1u9
主催:東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
問い合わせ先:東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室 特任助教 財津康輔 ludix-contact@ludixlab.net
<ワークショップの特徴>
①体験を通した学びの機会
「貿易」というテーマを軸に、頭と身体をどちらも動かして目標達成を目指します。アクティブラーニングを取り入れた学びです。
②グループで協力
ゲーム中は、グループを作って仲間と協力します。お互いに意見を交わし、コミュニケーションを取りながら進めます。
<こんなお子様におすすめ>
・世界の問題をちょっと身近に感じたい・考えてみたい
・面白いゲームをやってみたい
・論理的思考、コミュニケーション力、創造性を試したい、高めたい
・日常では得られない学び・体験をしたい
<講師紹介>
財津 康輔
東京大学大学院情報学環 特任助教。ボードゲームを用いた学びの研究を行っている。
坪内 康将
愛知県豊田市でボードゲーム教室1098を開校。貿易ゲーム講師として小学校などでも多数開催。日本ボードゲーム教育協会理事。
<実施補助>
鈴木 弘太
愛知教育大学教育学部1年次学生。貿易ゲーム講師経験多数。
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ここ最近ではイベントの募集開始早々に定員が埋まっていますので、ご興味をお持ちいただきましたらぜひお早めにお申込みいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
投稿日時: 2024-01-15 投稿者: inuda
みなさん、あけましておめでとうございます!M1の犬田です。
みなさんは年末年始をどのように過ごされたでしょうか。私は、ボードゲーム制作をしたり、論文を整理したりと中々手を付けられていなかったことに取り組んでいました。年末年始感は全然感じられなかったのですが、実家でのんびりと過ごして英気を養っていました。今年も楽しく充実した1年にしたいなと思います。
今年もみなさんどうぞよろしくお願いいたします。
さて、1月4日に行われたゼミ活動の報告をします。発表内容は、大空さんの事例研究と濱田さんの研究関連論文紹介です。
【大空さん】事例研究
大空さんは、食肉倫理をテーマにしたシリアスカードゲーム『マナーな食卓』について紹介されました。『マナーな食卓』とは、異なる種族が互いを食べ合いながらも共存する世界で、他種族に配慮した食事マナーを考えるカードゲームです。このゲームは、食材となった命にどのように敬意を払うかを考えることで、プレイヤーに命をいただくという行為について再考してもらうことを目的としています。
大空さんは、感想として、テーマ「食肉倫理」とゲームメカニクス「大喜利」の相性があまり良くない点を指摘されていました。一方で、今回の事例研究を通じて、役割カードの重要性と専門家レビューの大切さについて学習されていました。
私はこの発表を聞き、シリアスゲーム開発において、表現したいシリアスさとメカニクスによって起こされる感情が上手く嚙み合わないと、込められたメッセージが十分にプレイヤーに伝わらないのだなと思いました。この点については、自分がボードゲームを制作するときも意識したいと思います。
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【濱田さん】研究関連論文紹介
濱田さんは、以下の2つの論文を紹介されました。その後、その2つの論文を受けての、研究計画についても発表されました。
①Macintyre, P. D. (2012). The Idiodynamic Method: A CloserLook at the Dynamics of Communication Traits. Communication Research Reports, 29(4), 361–367.
この論文では、研究方法に焦点を当てて紹介されました。この研究では、 “Idiodynamic Method”という、コミュニケーションにおける情意の変動を学習者自らに評価してもらう方法が取られています。具体的には、会話を録音・録画し、それを視聴してもらいながら自己評価してもらう。そして、インタビューを行い、それを解説してもらうという方法が取られています。
②Pawlak, M., & Mystkowska-Wiertelak, A. (2015). Investigating the dynamic nature of L2 willingness to communicate. System, 50, 1-9.
この論文の目的は、コミュニケーション意欲(WTC)の変動のパターンとその要因を分析することです。研究方法では、「参加者にペアで即興の対話をしてもらい、その様子を録音する。そして、その対話のなかで30秒ごとに、WTCの自己評価を行ってもらう。その後、その変化の要因を質問紙で回答してもらう。さらに、録音を聞きながらその変化の詳細な説明を参加者に説明してもらう。」という手法が取られています。結果としては、WTCは話を聞いているときは低下し、意見を述べるときには増加するなどが分かっています。
濱田さんは、この2つの先行研究を受けて、Minecraftを複数人でプレイしながら英語でコミュニケーションをとったときのWTCの変化とその要因を研究していきたいと発表されていました。
以上が、1月4日のゼミ活動報告です。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。
それでは!
投稿日時: 2024-01-04 投稿者: jona
皆さん、こんにちは。研究生のジョナです。
12月21日に行われたゼミ活動のご報告をさせていただきます。
今回は犬田さんの事例研究と春口さんの修論チェック大会でした。
事例研究(犬田さん)
犬田さんはGamified Surveyを開発するに必要な参考事例として、プレイヤーのデータを収集し分析するゲームを2つ紹介しました。
1.Refind Self: 性格診断ゲーム
このゲームでプレイヤーは感情を持つロボットとなり、自分を作った博士との思い出の場所をたどりながら、ストーリーを進めていきます。プレイヤーのゲーム内での行為は主人公の性格要素と対応しているので、合計された性格要素で性格診断をすることができます。
また、ゲームを繰り返しプレイすることで秘めた性格や遠い性格がわかり、性格診断結果を他者と比較することもできるなど、独特な要素が含まれていました。
2.The Trolley Game
このゲームはトロッコ問題(Trolley Problem)をシミュレーションしたものです。トロッコ問題は「ある人を犠牲にして、より多くの人を救うのは許されるか」という論理学の思考実験であり、この問題には様々なバリエーションもあります。プレイヤーはレバーを引くかを判断し、自分の選択結果が反映されるのを、ゲームによってリアルに感じることができます。
以上のゲームはプレイヤーのデータをゲーム内で活かしています。特にRefind Selfは質問回答にかかった時間のログデータや他人との即時的比較データなど、とても細かいデータを利用し、プレイヤーの分析をしていました。また発表後には、データが何を反映しているのか、またその背景に科学的根拠をどう設置するかについて討論も行われました。
修論チェック大会(春口さん)
春口さんから修士論文のドラフトをGoogle Driveでゼミメンバーに共有し、ゼミの残りの時間を利用して、みんなでコメントや考えを書き込みました。修論チェック大会は論文の構成、フォーマットなど注意すべき点を身近で学ぶ貴重な機会にもなると考えました。
今回のゼミ活動報告は以上になります。
2024年も、どうぞよろしくお願いします!
投稿日時: 2023-12-11 投稿者: osora
皆さんこんにちは、M2の大空です。
皆さんはどのような趣味をお持ちですか?私は趣味というものがないのですが、最近は何か夢中になれそうなことを探そうと色々と考えています。
今のところは、趣味としてカメラが良いかなと思っているのですが、どんなカメラが良いのか全く知らないので、まずはカメラについて学ぶことから始めています。いつ購入できるかわかりませんが、こんな感じなので、今のところはカメラ探しを趣味にしようと思います。
さて、12月7日に行われたゼミ活動の報告をいたします。
発表内容は春口さん、犬田さんの研究関連論文紹介です。
【春口さん】研究関連論文紹介
春口さんは「歴史の因果関係を現代に応用する力を育成するカードゲーム教材のデザインと評価(著:池尻良平)」の紹介を行っていただきました。
論文の選定理由としては、春口さんの修士論文におけるデータ分析方法と結果の書き方の参考にするためということでした。本論文では、知識テスト、アンケート、感想・フィードバックのデータを取っており、春口さんも同様のデータ取得を行っていたため、修論執筆にダイレクトで参考となるものだなと感じました。
春口さんは、論文からデータごとに5つの観点(目的、テスト内容、目的の評価法、評価法の裏付け、結果)を抽出し、自身の研究と照らし合わせる形で整理されていました。
結果の書き方は、私自身もとても参考になることが多く、論文の書き方のお手本的に活かせそうだなと感じました。また、データ分析に関しては、著者のオリジナリティが出る部分であるため、池尻先生の論文をベースにしつつ、春口さんがどのような分析を行うか非常に楽しみです!
【犬田さん】研究関連論文紹介
犬田さんには、下記3つの論文を紹介いただきました。どれも犬田さんの研究が必要な理由を裏付けたり、研究をさらに進めていくための材料となっていたりする論文で、私もとても学びになりました!
①Gamification of Online Surveys: Design Process, Case Study, and Evaluation(著:Johannes Harms , Stefan Biegler, Christoph Wimmer, Karin Kappel, and Thomas Grechenig)
本論文では、10代と若年成人を対象にした既存の調査にゲーミフィケーションを適用し、ゲーミフィケーションの心理的および行動的結果に関して60人の参加者を対象に評価しています。結果として、ゲーミフィケーションがユーザーの楽しさの認識、平均滞在時間、そして調査の使用および推奨意欲を増加させたことを示した一方で、全体的な応答率は低下したということが明らかとなっています。犬田さんは、この研究から、研究方法としての活用や実験における技術的な部分の参考にされるとのことでした。
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②The rise of motivational information systems: A review of gamification research(著:Jonna Koivisto a, Juho Hamari)
ゲーミフィケーションの概念に関する既存の文献を包括的にレビューした論文になっています。本論文では、現代におけるゲーミフィケーションの特徴や課題が示されており、ゼミ生全員の参考文献としても活用できそうな内容でディスカッションも深まりました。こちらの文献は、犬田さんの研究の背景として大いに活用できそうだなと感じました。
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③実験哲学入門(編著:鈴木貴之)
こちらは「実験哲学」に関する内容整理を行ったものです。犬田さんの研究テーマは「ゲーム的手法を用いたデータ収集法の開発と評価」ですが、それを考える上で実験哲学の話は切り離せません。なぜ犬田さんがこの分野でゲームを用いる必要があるのかを説得する材料になるものだと感じました。今回の発表を聞いて、ゲームであるからこそできる、これまで実現できなかった結果が期待できそうだと思いました。
以上が12月7日のゼミ活動報告です。
それでは!
投稿日時: 2023-12-20 投稿者: osora
皆さんこんにちは、M2の大空です。
12月になって、本格的に寒くなってきましたね。特に朝は冷え込むので、布団から起き上がるのも一苦労です。皆さんは布団から出たくない時の解決法はありますか?
私はなかなか起き上がれないタイプなのですが、実は一発で布団から出る方法を隠し持っています。それが「Another Day of Sun」という曲をかけることです。これをかけると条件反射的に起き上がれます。皆さんの布団から出るための解決の一助になれば幸いです笑
さて、12月14日に行われたゼミ活動の報告をいたします。
発表内容は大空の研究関連論文紹介、濱田さんの文献研究、坂井先生のプレイセッションです。
【大空】研究関連論文紹介
大空は「研究者を目指さない学生に研究倫理は必要か」をテーマに、研究関連論文の紹介を行いました。
テーマの背景としては、自身の開発したゲーム/ワークショップのターゲットに「研究倫理を受講する学生」が含まれており、その中には当然研究者にならない方もいるということで、そうした学生に対してどういう意味付けができるのかということを探索するために設定しました。
関連論文から、大学生が結果を捏造する行為は悪いと認識していてもそれがなぜ悪いのかを理解していない可能性があると考えられること、社会人のコンプライアンス研修においても判断と行動は異なると言われていることが分かりました。
これらを踏まえ、今後、自身の研究倫理ゲーム/ワークショップの方向性として、市民や社会人としての基盤をつくるという視点を入れることにも取り組めればと考えました。一旦、それをゲームやファシリテーションに落とし込むことも行いつつ、さらなるバージョンアップデート進めていく予定です!
【濱田さん】文献研究
濱田さんは、文献『ルールズ・オブ・プレイ』を用いて、Minecraftをどのように定義するべきか(そもそも定義する必要はあるのか)について発表されました。
Minecraftは、一般的にゲームとして見られますが、ゲームの定義に沿うと、はたしてゲームと表現して良いのか?という疑問が生まれます。
ゲームの定義は、研究者によって様々な捉え方があります。濱田さんの発表では、それらの定義を紹介しつつ、どれに合いそうなのか/そもそも定義する必要はあるのかという観点から、研究室のメンバー含めてディスカッションを行いました。
Minecraftをどのように使うか、Minecraftの持つゲームとしての余白部分をどう捉えるかによって、その見方が異なるということが分かりました。また、文献『ハーフリアル』、ゲーム『Second Life』の時に起きた議論も参考になりそうとの声もありました。
いくらでも考えられるテーマですが、今後、濱田さんがどのようなポイントに着地してMinecraftを紹介していくか非常に興味深いです!
【坂井先生】プレイセッション
プレイセッションでは、坂井先生が開発に携わられたボードゲーム「Riskn * Taken(りすくんていくん)」をプレイしました。
“金融や投資を楽しく学ぶ”がテーマのボードゲームで、実際にプレイ中はとても盛り上がり、同時に個人のお金の捉え方や動かし方が見えて学びにもなりました。
こうした普段は学びづらいような内容をテーマにしたゲームは、学習の入り口にぴったりだなと改めて実感したとともに、ゲームをきっかけにその分野への興味の幅が広がっていけば良いなと思いました。
ゲームでは、私は犬田さんとチームを組んで、濱田さんとジョナさんを相手にプレイしたのですが、過激なお金の使い方をして無事負けてしまいました笑
ただ、このような失敗経験も現実ではできないことなので、貴重な学びになりました。またゼミの空いた時間等でプレイしたいです!
以上が12月14日のゼミ活動報告です。
それでは!
投稿日時: 2023-12-18 投稿者: snii
藤本研究室修士2年の大空 理人さんの調査研究課題「研究倫理教育に資するカードゲーム型学習プログラムの開発と評価」が公益財団法人科学技術融合振興財団の補助金助成事業に無事に採択されました。
おめでとうございます!🎉㊗️✨
採択された研究課題一覧はこちらからご覧いただけます。
http://www.fost.or.jp/images/pdf/subsidies/FOST-2023_hojo-kekka.pdf
投稿日時: 2023-12-14 投稿者: snii
本日、12月14日(木)20時00分より、TBSラジオ番組『荻上チキ・Session』の特集「社会をどう設計していくか?ゲーミフィケーションと社会課題解決」に坂井裕紀特任研究員が出演します!
ぜひお聞きください📻✨🎧🌟
https://www.tbsradio.jp/articles/78220/
(12月18日 追記)先週木曜日に坂井裕紀特任研究員が出演したTBSラジオ番組のアーカイブがYouTubeでお聴きいただけます🎶📻坂井&井上先生のお話が分かりやすく、これからの社会においてゲーミフィケーションが世の中に広まっていくのだという希望が見えて嬉しくなりました。必聴です🥳
投稿日時: 2023-12-13 投稿者: snii
藤本研究室は10月29日(日)に株式会社イオンファンタジー主催の「第1回 ゲームカレッジLv.99カレッジミーティング2023 at 東京大学」に協力し、藤本徹准教授と財津康輔特任研究員(※職名は当時)による、保護者様向けセッションを行いました。
本イベントは、同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の一環として、同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」に普段通う生徒に対象を限定したオフラインミーティングとして開催されました。
普段のレッスンで生徒が親しむ「マインクラフトの教育版」を使用してチーム対抗のバトル大会が行われ、いつもはオンラインでしか会えない講師の先生や他の生徒の仲間にオフラインで対面できたということもあり、コミュニケーションも活発に行われ、大いに盛り上がっていました。
保護者様向けセッションにおいては、財津特任研究員よりマインクラフトと創造性に関する研究の紹介を行った後、保護者の方々からゲームと教育に関する質問をいただく時間を設けました。
そこでは予定時間を超えるほど多くのご質問をいただき、これまで行われてきた研究・調査結果を踏まえて、財津特任研究員からは学童保育施設で実践活動を行うアナログゲーム分野について、藤本准教授からは専門のデジタルゲーム分野について回答しました。いただいた質問の一部を以下の通りご紹介します。
・子どもたちとゲームで遊ぶときにどんな指導をしているか?
・親子で一緒に遊ぶのにお勧めのゲームは?
・ゲームで遊ぶ時間はどの程度であれば大丈夫か?
ワークショップ後には子どもと保護者の方にそれぞれアンケートに回答していただきました。子どもたちに「今回のマイクラチャレンジは楽しかったですか」と尋ねる設問では、93.3%から「楽しかった」と回答がありました。また、保護者の方に「今回のワークショップの満足度を教えてください」と尋ねる設問では、“満足”または“やや満足”と回答した方が全体の100%を占めました。
自由記述のコメントでは子どもたちから
「めっちゃ楽しかった!」
「先生にあえてうれしかった。けど、ゲームはくやしかった」
「もう3時間くらいやりたい」
との声が聞かれるとともに、保護者の皆様からも
「我が子だけでなく、大勢でマイクラを楽しんでいて、いいなと思いました。」
「親に対しての説明もあり、子供も楽しんでおり、プレゼントもあったので、思い出に残る経験となると思います。また、一番は先生に会えたことかと思います。」
「ゲームを教育の一環として生かそう、使おうと思うのではなく、ただ楽しむ事が一番大事で意味があるとの研究結果は意外でした。少し考えを改めようと思いました。」
「ゲームをやらせるのに罪悪感があったのですが、先生のお話を伺い、ゲームの良い側面を認識することが出来た」などといった感想をいただきました。
子どもたちと保護者の方々ともに充実した時間を過ごしていただけたことが伺え、安堵しました。
ゲームカレッジLv.99のWebサイトでも当日の楽しそうな写真がたくさん掲載されていますので、ぜひご覧ください。
https://www.fantasy.co.jp/level99/collegemeeting2023
藤本研究室では、今後もゲームに関するワークショップやイベントを開催していきます。
引き続き当研究室の活動にぜひご注目ください!🎁🎄✨
投稿日時: 2023-12-08 投稿者: snii
子どもたちに「英語・プログラミング・金融リテラシー」を総合的に学ぶ環境を提供するDr.Tech(ドクターテック)井川由紀様がインタビュアーを務められるYouTubeチャンネル「あなたの未来履歴書」に坂井裕紀特任研究員が出演しました。教育について、ゆるく&熱く語っておりますのでぜひご覧ください📢✨
波瀾万丈の中学・高校時代や富山で独立時にお世話になった方とのエピソードや、現在取り組んでおられる博士論文のテーマである死生観についても語っております。
藤本研究室随一の常軌を逸したコミュ力おばけ👻(褒めてます)、坂井裕紀特任研究員の今後の躍進にご期待ください!
投稿日時: 2023-12-06 投稿者: snii
昨年度の藤本研修了生の升井友貴さんが、埼玉県立大学にてゲスト講師として健康領域のゲーミフィケーションの授業を実施されたとのこと🧑🏫✨升井さんが執筆された、株式会社セガエックスディー公式noteの記事を共有しますので、ぜひお読みいただければ幸いです。
修了後も研究室の飲み会にほぼ毎回顔を出してくださるナイスガイです。
升井さんの益々のご活躍に乞うご期待🌈
投稿日時: 2023-12-01 投稿者: haruguchi
こんにちは。M2の春口拓人です。
11月30日に行われたゼミ活動の報告を致します。
発表内容は大空さんと濱田さんの研究進捗報告と大空さんのプレイセッションです。
大空さんの進捗報告では11月18日に開催されたサイエンスアゴラの出展内容とその際に行ったアンケートの集計結果についてでした。
12名の参加者がおり、それぞれの方からのゲーム内容のフィードバックについて発表されました。
特に印象的だったのが研究者や大学学部生とビジネスパーソンの間にある評価の違いです。
前者の方はゲームに好印象な意見が多いのに対して後者の方は批判的な意見が多く、研究が身近にある人ほど意欲的に取り組める内容である印象でした。この点を、学びを消化する場所が見つけられなかったからではないかと考察されており私も同様の考えでした。ほかにもゲームの進行時間が長く途中で飽きが来るため、対象によって事例をカスタマイズするべきという考察もあり、ゲームの面白さや有効性が確認できたのと同時に改善点も多く発見できていたと感じました。
浜田さんの進捗報告では前半がサイエンスアゴラの活動報告で、後半は研究内容についてのお話でした。
Minecrafと英語学習をテーマに関心のある分野が徐々に絞り込まれてきており、ワークショップの経験から研究の方向がしっかりと定まってきていると感じました。卒業後のキャリアについてのお話も少しされており、様々な方をロールモデルとしながら濱田さん自身のキャリアを決めていかれると良いのではないかと感じました。
プレイセッションでは大空さんが準備されたMOONSHOOTERという国の事業について告知を行いながら科学技術コミュニケーションを促進させる、科学技術と社会の接続に資するボードゲームのプロトタイプを遊びました。MOONSHOOTERに採択されている研究を知りながら様々な視点からその研究を考える事ができる良いゲームだと感じました。研究に対する市民の期待と不安を考えるというテーマにピッタリだと思います。
以上が11月30日のゼミ活動報告です。
投稿日時: 2023-11-28 投稿者: inuda
こんにちは、修士1年の犬田です!
ゼミ活動報告の前に、今月あったイベントの報告をさせてください。11月16日から20日にかけて、東京大学制作展が開催されていました。私は、プロデューサーとして全体の方向性の決定をしながら、個人で作品の制作を行いました。様々な背景を持った人たちと協力しながら、1つの展示会を作り上げる経験は、今後の大事な財産になったと思います。また一方で、面白い人たちと関わる中で、自分の強みと弱みを考える良い機会になったなと思います。今後の人生で何を武器にして生きていくのか、そしてどのようなキャリアを歩んでいくのか、制作展が終わった今改めて考えてみる必要があるなと感じています。制作展にご来場いただいた皆様本当にありがとうございました。
さて、11月16日のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん、犬田)と研究員発表(坂井先生)になります。
■研究進捗発表(春口さん)
春口さんは、修士論文の進捗について共有されました。「通信プロトコルと階層の学習を支援するシリアスゲームの開発と評価」という題目で修士研究を進められています。現在は、シリアスゲームの評価に関する実験と並行して、論文の執筆も進められています。実験参加者は20名を目標とされていて、徐々に集まりだしているそうです。現在集まっている参加者の属性はばらばらで、大学学部生や教育関連企業、薬品会社勤務など多様な職業の方が実験に参加してくださっているようです。もし、参加可能な方がいらっしゃれば、こちらのフォームからご参加ください。
■研究進捗発表(犬田)
私は、質問紙調査のゲーム化に関する研究の進捗を共有しました。ゲーム化する質問紙の研究分野を、実験哲学に決定し、ゲーム化に適した既存の研究を探していることを報告しました。また、Gamified Surveyのデザイン・評価に関する論文や問題点がまとめられたレビュー論文が見つけられたので、今後精読していきます。加えて、制作展でゲーム要素を加えた、クラウドソーシングゲームのプラットフォームを開発したので、今後こちらも学会で発表できればと考えています。制作展を無事終えることができたので、今後は研究に集中して取り組みたいと思います。
■研究員発表(坂井先生)
坂井先生は、”Ephemeral games: Is it barbaric to design video games after Auschwitz?”(G.Frasca,2000)という論文を紹介されました。その後、プレイヤーに恐怖や不安を与えるテーマ(例えば,死)を扱うシリアスゲームを開発・利用する是非とその際の注意点についてディスカッションしました。紹介された論文は、ゲームにおける多くの行動は可逆的であるため、死などの概念は倫理的、歴史的、社会的価値を失うことになるが、死などを扱うシリアスゲームをデザインする上では、不可逆的で、刹那的であることが鍵となってくるといった内容でした。その後のディスカッションでは、恐怖や不安を与えるテーマ(例えば,死)を扱うシリアスゲームを開発・利用する是非について賛成か反対かで分かれ、意見を共有し合いました。そのようなゲームを開発・利用する際の、倫理的側面や効果について活発な議論が展開されました。
以上で、11月16日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは。
投稿日時: 2023-11-20 投稿者: snii
財津特任助教や「貿易ゲーム体験ワークショップ2023 at 東京大学」で講師を務めてくださった坪内康将さん・伊與田一成さんらがメンバーを務める日本ボードゲーム教育協会が、
この度「ボードゲーム教育概論Ⅰ」という<ボードゲーム✖️教育>の理論と実践をまとめた本📗を制作し、12月9日(土)ゲームマーケット2023秋@東京ビッグサイトで1,000円で頒布します。後日通販も。
ぜひお越しください⛄️🌟🎲
https://gamemarket.jp/game/181764
詳細や取り置き予約フォームへのリンクは上記のページをご覧いただければ幸いです🥳
投稿日時: 2023-11-17 投稿者: jona
こんにちは。研究生のジョナです。
段々と寒くなっているこの季節ですが、外で食べる暖かい焼き芋の美味しさなど、この時期ならではの幸せも多く感じ取っています!みなさんはいかがお過ごしでしょうか!
早速ですが、先週のゼミ活動のご報告に入りたいと思います。今回のゼミ活動は文献研究(M2大空さん、M1濱田さん)とプレイセッション(木村先生)でした。
文献研究 M2大空さん
<教育デザイン研究の理論と実践> 第6章 評価と省察
文章では評価と省察の全体像からはじめ、それぞれがどういうものか(評価はデザインとプロトタイプについて洞察を得るため用いる、省察は評価から得たものを振り返って考察する)、またそれらを行う理由及び効果、実施する際のポイントなどが紹介されました。
評価は計画、フィールドワーク、意味づけという3つのステップで構成されます。省察は有機的な省察と構造化された省察の2つのステップで構成されています。
大空さんは自分の研究の各段階が文章でどのステップと当てはまるかを詳しく説明してくださいましたので、内容を非常に具体的に理解することができ、今後自分の研究を進める参考にもなりました。
発表後の討論では「自分の研究を他人に伝える際にちゃんとしたフレームに従って文書化する必要性」や、「brush upを繰り返し行う開発研究では、経験をリソースとして次の開発に繋ぐ時に必要」、「実験ノートの必要性」などと、先生方から多くの貴重な意見がありました。
文献研究 M1濱田さん
Reinders, H. & Wattana, S. (2014). Can I Say Something? The Effects of Digital Gameplay on Willingness to Communicate. Language Learning & Technology, 18(2), 101–123.
この論文はEFL(English as a Foreign Language)に関する論文で、コミュニケーション意欲(WTC, Will to Communicate)の調査方法などを取り扱った、濱田さん自身の研究ととても関連性の高い内容でした。
この研究ではオンラインゲームをプレイすることが英語学習者のコミュニケーション意欲にどんな影響を与えるかを調査し、特別に設定されたクエストを行うことでWTCにどんな変化が生じたのかをアンケート調査で測定しています。結果、学生の英語への自信や言語不安、コミュニケーション能力などの領域で明らかな改善が見られたことで、ゲームベース言語学習の教育効果が肯定されています。討論の段階では、論文で扱う調査方法の適切性についての議論が行われました。
プレイセッション 木村先生
<トラベル島のニャンコ>
今学期の始まりに一度木村先生が紹介してくださった<トラベル島のニャンコ>という農場経営ゲームをメンバーでプレイしました。自分のペースで「適当に遊ぶ」組(5人)と何かを目的にして「頑張って遊ぶ」組(5人)に分け、ゲーム内で自由に活動しました。プレイ前後にはFlowの研究調査として事前テストと事後テストを行いました。
このゲームは農作物や畜産物を収集又は加工し、島を訪れる猫たちに売ることで、経験値と財産を増やしていく流れとなっています。私は頑張って遊ぶ組でしたので、ゲーム内でコインを多く集めることを目標とし、時間ギリギリまで挑戦しました。ゲーム内で得た成果をみなさんで共有した結果、頑張り組のランクがやや高いとなりました。
討論の段階ではFlowに関して、ゲームをやっている最中にデータを取れない点、個人差が存在する点、<トラベル島のニャンコ>は適切なゲームになるかどうかなどについて議論されました。木村先生によると、Flowの研究で最も多く扱われているゲームはTetrisだそうです。Tetrisを思い出すとなんとなくその理由がわかる気がしました。
以上が11月9日のゼミ報告となりますが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
では、また次の記事でお会いしましょう!
投稿日時: 2023-11-14 投稿者: snii
今週金曜日、サイエンスアゴラ2023 前夜祭というラジオ形式の音声のみのYouTube Liveに、我らが大空さんがパネリストとして参加します!👏
ラジオ形式のPR番組で、QRPGAME ワークショップについて簡単にご紹介される予定です📻
第2部(20:00~)の一発目です。ぜひお聞きください🎧✨
プログラム(抜粋)
(第2部) 20:00~20:30
・18-5E11 研究のグレーゾーンについて考える!カードゲーム「QRP GAME」を使った対話型ワークショップ(東京大学 ELSI Game Lab&藤本徹研究室(Ludix Lab))
前夜祭:出展者に聞いてみる企画のココが面白い!
https://youtube.com/live/QRh6IHMza3c
投稿日時: 2023-11-14 投稿者: snii
2024年度入試に向けて、11月10日(金)16時より藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分の動画をYouTubeで公開しています。
当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。
投稿日時: 2023-11-14 投稿者: hamada
こんにちは。M1の濱田です。11月2日のゼミ活動報告です。
今回のゼミは、以下の3本立てでした。
・春口さん 文献研究
・犬田さん 文献研究
・木村さん 研究員発表
春口さんは、「私たちはどう学んでいるのか」第2、3章の発表でした。
第2章は、知識とは伝えることができるものではなく、人の中で創発されるものであるという構成主義についての話でした。私たちが知るという経験をするとき、あらゆる感覚(味、食感、重さ、香りなど)や感情を複合して、私たちの経験を作り出し、知識を形成します。また、知識は環境や状況に依存しており、それらと互いに影響しあうことで、知識は構築されていきます。このように、知識は誰かが直接伝えることができるものではなく、主体の持つ認知的リソース、環境が提供するリソースの中で創発されるものであると筆者は述べていました。
第3章は、練習による上達についての話でした。練習によってマクロ化(別々の動作が一連のまとまりを持つ)、並列化(いくつかの動作を同時に行える)、環境の再構築(身体の動きを仮想的なイメージの中で再現する)が行われます。これらにより、徐々に上達していくのですが、スランプというものも存在します。このように、上達とは直線的なものではなく、うねりを伴うものです。しかし、このうねりが次の飛躍へと繋がると述べられていました。
犬田さんは、「デジタルゲーム研究」第9章の発表でした。
内容は、ゲームをメディア論の観点から捉えるというものです。「すべてのメディアは人間の感覚の拡張である」というマクルーハンの主張を軸に、ゲームは人々の集団意識や社会慣習をコード化し、拡張するという意味で、ゲームもメディアであると説明されていました。そして、どのメディアも他のメディアですでに表象されたものに過ぎないという再媒介化の概念を取り上げ、デジタルゲームも他のメディアを再媒介化したものであると述べられていました。
木村さんは、Ryan&Deci(2006)のコンピュータゲームに自己決定理論を適用した研究についての発表でした。これらの研究では、精神的幸福につながるとされる自律性、コンピテンス、関係性に着目して実験、調査が行われ、ゲームのプレイ動機やその違い、ゲーム内の満足度がその幸福にどのような影響を与えるかについて調査されていました。全体的な結果としては、ゲームプレイによる自律性やコンピテンスと精神的幸福の間には肯定的な関連が認められるとのことでした。
以上が今回のゼミ報告です。
投稿日時: 2023-11-09 投稿者: snii
当研究室M2春口さんの「通信プロトコルと階層の学習を支援するシリアスゲームの開発と評価」実験に参加しませんか?🧠🌞🎇 オリジナルのゲームをプレイし、その前後にアンケートに答える、というものです。
場所は本郷キャンパス福武ホールで、所要時間は1時間から1時間半程度です。謝礼としてAmazonギフト券1500円(交通費を含む)もお渡しします。
詳細・お申し込みは以下のフォームをご覧ください。
https://forms.gle/piRuw8Pf3keJhExK6
ぜひともご協力のほど、よろしくお願いいたします!🎮🌟
投稿日時: 2023-11-08 投稿者: snii
藤本研M1の犬田さんが、テクノロジー × アートの展示会である東京大学制作展2023に『Meta Crowdsourcing Game』という作品を出展されます✨
<作品説明>
ゲームで社会課題を解決することができたらと考えたことはないだろうか。電車内を見渡すと、多くの人々がスマートフォンを持ち、カジュアルゲームで暇つぶしをしている姿を見ることができる。私は、この暇つぶしに当てられているエネルギーを社会のために活用することはできないだろうかと考えていた。そんな折に出会ったのが『Foldit』というゲームだ。『Foldit』は、タンパク質の構造解析をパズルゲームにして市民に解析作業を手伝ってもらうゲームである。このような社会課題の解決のために必要な作業を市民に手伝ってもらうゲームのことをクラウドソーシングゲームと呼ぶ。私は、このクラウドソーシングゲームを普及させることで、社会がより楽しく、より豊かになると信じている。今回は、このような想いから、みなさんにクラウドソーシングゲームを知ってもらうためのプラットフォームを開発し、展示した。このプラットフォームで遊ぶことで、ゲームを基盤とした社会に思いを馳せてみてほしい。
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クラウドソーシングゲームと言えば、マンホールを撮影・レビューすることでポイントや特典を得る社会貢献型の位置情報ゲームが有名ですね💡このようなゲームで社会がより楽しく、より豊かになるはず🙋
また、同じくM1の濱田さんがメンバーの一人として制作された『水滴の彫刻』という作品も展示されています。
東京大学制作展2023は11月16日から20日まで開催されます。ぜひお越しください🐾
https://www.iiiexhibition.com/
投稿日時: 2023-11-02 投稿者: snii
本日、東京大学基金ウェブサイトにおいて藤本研究室の「プレイフル社会の理論構築と社会実装プロジェクト基金」への寄付募集を開始しました。詳細は以下のプロジェクトページをご覧ください。
https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt173
本プロジェクトへのご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿日時: 2023-11-02 投稿者: osora
こんにちは、修士2年の大空です。
皆さんはどうしても譲れないものはありますか?色んな切り口があると思いますが、例えばそれがダーツだとしたら、僕は一つ譲れないものがあります。ブルを狙うことです。ブルとはダーツボードの中心部を指します。しかし、ゲームルールによっては、必ずしもそこを狙う必要はなく、ブルに入れることで負けてしまう状況もありえます。ただ、僕はどうしてもブルを狙いたくなってしまうんです。ブルに入る嬉しさ>ゲームに勝つ嬉しさなのかもしれません。ゲームに負けたとしても、僕は今後もブルを目指していきたいと思います。
さて余談はこれくらいにして、10月26日のゼミ報告を行います。
発表者は大空、濱田さん、ジョナさんの3人です。
大空の発表では、修士研究で開発中の「QRP GAME」で参考にしたゲームの事例紹介を行いました。
「QRP GAME」を開発してちょうど1年が経ったのですが、これまでそのデザインプロセスを他の人にお伝えできるかたちで整理していなかったので、このタイミングでまとめるとともに、参考にしたゲームの紹介を行いました。
主に参考にしたゲームは、「Dixit」「キャットアンドチョコレート」「宝石の煌めき」という3つのゲームで、それぞれからコアとなるメカニクス、サブとなるメカニクスを抽出し、オリジナルの要素も加えて制作しました。また、制作前に行ったゲームの課題発見・定義やアプローチ選定等についてもご紹介しました。
現状、一旦プロトタイプですが、教育デザイン研究における「分析と探求」「デザインと構築」のフェーズは終わったので、今後は「評価と省察」「実装と普及」に向けて動いていこうと思います。まずは、11/18(土)にサイエンスアゴラというイベントでワークショップを行うので、そこで良い成果が出せるように努めます!
濱田さんの発表では、教育版Minecraftで実装されている化学の機能を使って、楽しみながら化学を学ぶことができる「Minecraft 化学のチュートリアル」の事例紹介を行われました。
この機能では、そもそも元素の概念が既に存在しており、化合物作成器(元素を組み合わせて30を超える化合物を作成できる)や実験テーブル(元素や化合物を組み合わせ新たな物質を作成することができる)といったアイテムが使用可能となっています。
ゲームならではの学びとして、即時的なフィードバックがありますが、このゲームでは機器を操作すると物質ができる / 誤った操作をすると爆発して廃棄物ができるというように、その結果がすぐに出るようになっています。だからこそ、現実では不可能なこともゲーム内では可能で、失敗から学ぶことができます。また、ゲームによるビジュアル化で複雑な概念の理解を促しやすいというメリットも挙げられます。
今回の発表をうけて、改めてMinecraftと科学教育の相性の良さを実感しました。濱田さんの研究では、英語教育におけるMinecraftの活用ですが、他分野の事例として紹介できるとともに、実際の教材づくりの参考にできそうな点も多いなと感じました!
ジョナさんの発表では、研究計画のより詳細な内容と今後の方向性について発表を行っていただきました。ジョナさんの研究では、モンゴル語学習を例に、小学生を対象とした少数言語・文化の学習を促すゲームの設計や開発、使用者調査を行い、デジタルゲームが少数言語・または文化の習得にどんな効果をもたらすかを明らかにすることを目的としています。
この研究目的を達成するために、参考になりそうな講義やゲーム「天穂のサクナヒメ」をご紹介いただくとともに、実際にどのようなゲームが良さそうかということも発表いただきました。モンゴル語に焦点を当てたゲーム案ではモンゴル語構造を列車のメタファーを使って表現する方向性を、文化の習得に焦点を当てたゲーム案ではモンゴル独自のチーズ作りを「天穂のサクナヒメ」のように表現する方向性を提示されました。
特に前者のモンゴル語に関しては、日本語とも英語とも構造が異なっており、純粋に言語として面白いなと思いました。そして、それを列車というメタファーを使って表現されることも感覚的でわかりやすいと感じました。今後のジョナさんの研究進捗が楽しみです!
以上が10月26日のゼミ報告となります。
それでは!
投稿日時: 2023-10-31 投稿者: snii
藤本研究室修了生の張さんが在学中にインターンでお世話になったカレイドソリューションズ株式会社さんが、新作の企業研修向けのゲーム教材を続けてリリースされていますので、告知に協力させていただきます🎉✨
まず一つ目は『リア王』をご紹介します👑傾聴スキルの中でも特に「反応(リアクション)」にフォーカス。他者の発言に対し「尊重・共感」を示すリアクションの方法を段階的に反復訓練するカードゲームです。
このゲームで、目指せリアクション王!!!!👒 ⚔️ 🍊 🌊https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000041275.html
続きまして、『聴衆力』をご紹介👂✨
傾聴の姿勢にフォーカスした簡単なゲームを通じて、「聴いている姿勢(傾聴姿勢)」「聴いていない姿勢(非傾聴姿勢)」の理解を促し、傾聴のための適切な動作を行えるようになることで、相手への敬意や共感を態度で示せるようになることが期待できます。
聞き上手な方とお話しすると、ついつい気持ちよくなって話が弾んでしまいますよね🥳
傾聴をマスターして、コミュニケーション力アップ!⤴️⤴️ ✨
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000041275.html
最後は『ボスは貧弱』をご紹介します🌳🍁
「逆パワハラ(パワハラの一類型で、部下から上司へのパワハラのこと)」をテーマにしたカードを用いた研修ツールでして、カードには個性豊かなキャラクターとコミカルなイラストで「これってパワハラ?」と意見が分かれるような状況が描かれています。それらを用いてゲームをしながら参加者間の感じ方の違いを顕在化させ、意見交換を通じてハラスメントに対する学びを深められます。
パワーハラスメントの防止に関する法律(改正労働施策総合推進法)が施行され、研修の実施等が企業に求められていますが、このようなゲーム教材を使うことで、よりリアルなハラスメントの状況をイメージできるようになりそうです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000041275.html
以上、3つのゲーム研修教材をご紹介しました。ぜひプレイしてみてください🃏🎰 🌟
投稿日時: 2023-10-31 投稿者: snii
ベストセラー『統計学が最強の学問である』シリーズなどの著作で知られ、データサイエンス分野で活躍されている西内啓先生を講師にお招きした特別セミナーを本日学内限定で開催しました。
西内先生のユーモア溢れる分かりやすい語り口に魅了され、楽しくも学びの多い時間となりました✨🥳✏️
投稿日時: 2023-10-25 投稿者: haruguchi
こんにちは、修士2年の春口です。
10月19日に実施されましたゼミの活動報告をさせて頂きます。
発表者は春口、犬田さん、財津さんの3人です。
春口の発表では、Amazon社が公開している「AWS CloudQuest」というゲームの事例紹介を行いました。
このゲームはAmazon社が提供しているAWSというサービスを扱えるようになるためのゲームで、実際のAWSのコンソールを使いながら課題を作る事でAWSの使い方が学べるようになっています。ゲームはRPG形式でクラウド島という仮想の島の課題を探すパートと課題解決を通してAWSの使い方を学ぶ学習のパートに分かれています。
学習のパートは、「Learn」「Plan」「Practice」「DIY」という4つのSTEPで構成されており「Learn」「Plan」でAWSの使い方の座学を「Practice」「DIY」で基礎的な課題と応用課題の作成をそれぞれ行います。座学では資料を読む事が中心となっていますが、AWSサービスの構造や専門用語の解説がしっかり行われておりわかりやすい内容でした。課題の作成ではAWSコンソールを使って課題を作成しますが、こちらもしっかりとした解説があり詰まる事なく課題を作成することができました。
総じて内容が分かりやすく、ゲーム形式で取っつきやすいためAWSをこれから触るという学習者にピッタリの内容だと感じました。
犬田さんの発表では、ゲームによってデータ収集をしている事例を調べるという目的で「Skill Lab Science Detective」というゲームの事例紹介が行われました。
「Skill Lab Science Detective」はScience At Homeによって作成された認知スキルを試す様々なミニゲームを遊ぶことができるゲームです。ゲームの目的は、よりよいゲーム体験の開発やより効果的に科学問題に貢献させる方法の検討、認知マップ・認知指標の作成、認知スキルの正常な理解などとなっています。
ゲーム内では様々な認知スキルを試すミニゲームを遊ぶ事ができ、これらを遊ぶ事で自分の認知スキルについての認知マップが作成されます。このゲーム単体でどのようなデータが取れるのか、個人の継続的なデータを取るのが目的なのかなど様々な議論が行われましたが、継続的なデータの収集が目的だろうという結論に落ち着きました。
また、このゲームの紹介を通して犬田さん自身の研究についての整理も行われたためとても有意義な発表であったと思います。
財津さんの発表では、「Board Games Enhance Creativity: Evidence From Two Studies」という論文についての発表でした。
論文では、創造性が従来の教育法ではなかなか育たずゲームのような代替的で強力な方法を用いる事は理にかなっているがボードゲームと創造性の関連性を調べた研究はほとんどないとして、ボードゲームのプレイ頻度と創造性に関するいくつかの指標との関連を探るアンケート調査とボードゲームをプレイすることが創造的パフォーマンスに及ぼす影響を調べる実験的手法の2つの研究の結果が示されていました。
アンケート調査の方では、ボードゲームのプレイ頻度と創造的潜在能力及び創造的パフォーマンスの2つに関連性が認められており、ボードゲームを定期的にプレイすることがより高い潜在的能力と関連することが示唆されました。実験的手法では、創造的なボードゲームをプレイすることが被創造的なボードゲームをプレイすることよりも独創性の改善につながる事が示唆される一方で、この独創性の改善は事前の創造的潜在能力が低いほど強くなるという仮説が否定されました。
発表後の意見交換では、ボードゲームのプレイ頻度が創造的パフォーマンスと関連がある点はとても納得ができる一方で、独創性の改善について事前の能力が低いほど強くなるという仮説が否定された点には、チーム組みの方法やチーム内の創造的潜在能力の偏りが影響がでたのではないかなど様々な意見がありました。私もより中長期的な創造性の熟達の部分にはボードゲームはどのような効果を発揮するのかが今回の実験では明らかではなかったため気になる所でした。ボードゲームと創造性の関連については、財津さんがご自身の研究でデータを蓄積されている所のためこれからの財津さんの研究結果が気になる論文紹介の時間となりました。
以上が10月19日のゼミ報告となります。
投稿日時: 2023-10-20 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!M1の犬田です。
もうすっかり秋となり、寝るときには布団が恋しくなる季節になってきました。今年も大好きな厚手のパーカーを着ることができるようになり、テンションが上がるなーと思っているこの頃です。
今週のゼミ活動報告の内容は研究生活動計画発表(ジョナさん)と研究計画発表(濱田さん、犬田)、研究進捗発表(大空さん、春口さん)になります。
■研究生活動計画発表(ジョナさん)
ジョナさんは、モンゴル語学習を例に、小学生を対象とした少数言語・文化の学習を促すゲームの設計や開発、使用者調査を行い、デジタルゲームが少数言語・または文化の習得にどんな効果をもたらすかを明らかにする研究をされています。この研究を進めるにあたり、5つのことを計画されています。1つ目は、内モンゴルと日本のモンゴル語教室に訪問し、授業の相違点と共通点を見つけること。2つ目は、言語学習ゲームの事例研究。3つ目は、モンゴル語教師へのインタビュー。4つ目は、C#などゲーム開発に必要な能力を磨くこと。5つ目は、授業デザインについて学習することです。今後研究を進めるにあたって、必要なアクションがしっかりと計画されていて、自分も頑張らないとなと思いました。
研究計画発表(濱田さん)
濱田さんは、夏休みに運営として参加したワークショップを通じて得た気づきや学びをもとに、研究計画を考えられていました。「英語学習における言語不安と動機付け」を研究テーマに、日本人中学生の言語不安の要素を測定する計画を立てられていました。方法としては、マインクラフトを利用したPBLを行った中学生とマインクラフトを利用しないPBLを行った中学生とを比較検討する計画をされていました。今後の計画としては、渋谷区の学校に研究協力していただけないか交渉に行くことと、英語学習の評価法を調べることを挙げられていました。様々なアクションを積極的に起こされていて、見習わないとなと思いました。
研究計画発表(犬田)
犬田は、「ゲーム的手法を用いたデータ収集法の開発と評価」をテーマに研究を進めています。具体的には、WEB調査におけるSatisfice行動、質問内容を理解していない回答者の存在、動機づけの欠如という課題を解決できる、ゲーム手法を用いた新たな調査法を開発・検討しています。今後の計画としては、10月-11月で調査で扱うテーマを決定し、11月後半、12月からゲーム作成に取り掛かる計画を立てています。調査法の開発と並行してエンゲージメントやユーザー体験を測れる既存の尺度がないか調べようと思っています。
研究進捗発表(大空さん)
大空さんは、研究倫理教育のカードゲームの作成とそのカードゲームを用いたワークショップの開発を研究としてされています。ゲームもワークショップもほとんど完成されていて、今後はワークショップ形式の予備的実験と学会発表を重ね改良を重ねていく計画を立てられていました。具体的には11月にサイエンスアゴラでワークショップを行い、2-3月にDiGRAJでポスター発表、時間があればJSETで口頭発表もされるそうです。さらに、来年5月に科学技術IP養成プログラムへの出願、来年8月にDiGRAJで口頭発表とGENSEKIでピッチすることも計画されていました。かなり先まで綿密に計画されていて、本当にすごいなと思いました。
研究進捗発表(春口さん)
春口さんは、夏休み期間でプロトコルの階層化を学習することができる、トロッコで荷物を運ぶゲームを作成されました。今後は、知識テストの作成、評価の手続き、時間配分の決定、実験参加者の募集、ゲーム内部で取得する情報の決定をされる予定です。その後このゲームを用いて実験を行い、得られたデータを分析・評価されます。ゼミ生も今後実験参加者になるので、詳細については知ることができませんでした。実験に参加することが楽しみです。デジタルゲームを作成し切り、実験内容まで考えられていてさすがだなと思いました。
以上で、10月12日のゼミ活動報告は終了です。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
投稿日時: 2023-10-16 投稿者: snii
藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が11月3日(金・祝)14時から対面とオンラインのハイブリッドで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/231012event
これに合わせて、藤本研究室への入室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2023年11月10日(金)16:00-18:00(希望する面談が終了した方から順次解散)
16時00分〜16時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
16時30分〜18時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/juRzd1T2EaEJmnUVA
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2023-10-13 投稿者: snii
科学と社会を考えるイベント、サイエンスアゴラ2023が11月18日(土)と19日(日)にお台場・テレコムセンタービルで開催されます。
当研究室の院生二人がそれぞれイベントを出展しますので、ぜひ遊びにいらしてください✨
⭐️大空さんの企画:
研究のグレーゾーンについて考える!カードゲーム「QRP GAME」を使った対話型ワークショップ
An interactive workshop using the card game “QRP GAME” to think about gray areas in research.
ワークショップへの参加申込は不要ですが、20名ほどの参加者が集まることを期待しています。ゼミでこのゲームをプレイしましたが、ナチュラルに研究倫理について考え、他の参加者と対話するデザインになっており感動しました。研究倫理に興味がある方もそうでない方も、ぜひ気軽にお越しください☘️
詳細はこちらのサイトをご覧ください。
⭐️濱田さんの企画:
Minecraftで発想力を鍛えよう!電気の未来をつくりだせ! Train your imagination to change the future with Minecraft! Challenge to create a power generation park using Minecraft!
18日(土)は先日藤本准教授と<ゲーム✖️教育>というテーマでインスタライブを行った立命館小学校の正頭英和先生、そして19日(日)は当研究室院生の濱田さんが講師を務めます。要事前申し込みで定員がありますのでご興味のある方はぜひお早めにお申し込みください。
詳細はこちらのサイトをご覧ください。
なお、合わせてサイエンスアゴラへのご来場の事前登録をお願いいたします。
ご来場当日、会場での受け付けも可能ですが、混雑が予想されますので事前登録をお勧めいたします。
⇒実地開催11/18(土)ご来場登録
⇒実地開催11/19(日)ご来場登録
投稿日時: 2023-10-11 投稿者: jona
Sain Bainuu(こんにちは)!
皆さん、初めまして。研究生のジョナです。
中国内モンゴル出身で、今学期から研究室でお世話になります。
先週10/5に行われたAセメスター初のゼミの報告を担当することという、ありがたい機会をいただきました。
早速ゼミ活動のご報告をしていきたいと思います。今回のゼミ活動は私(ジョナ)の自己紹介と皆さんの夏休み活動報告でした。
最初に、藤本先生から研究室の紹介をしていただきました。活動報告では自分が取り組んでいる教科書の出版や事例研究のゲームなどを紹介しました。その中、ポケモンスリープについて、メンバーで何人か遊んでいるようで、使いやすさなどについて面白い討論もありました。
続いて、私から挨拶と自己紹介、研究関心について発表しました。
私の研究テーマは少数言語学習・文化体験ゲームのデザインです。具体的に説明しますと、モンゴル語学習を例に、ゲーム内で言葉や文化の環境を体験することで、いかなる学習効果を得るかについての研究です。大学では情報科学・技術を専門としていました。言語学習にも以前から興味を持ち、これからは今まで学んだ知識を活かしながら、少数言語学習に役立てるゲームをデザインしたいと思っております。
引き続き、夏休みの活動について発表順にご報告したいと思います。
M2春口さん:いくつかの会社から内定をもらい、その中で、とある会社で就職することがお決まりになったそうです。おめでとうございます!友達との東京観光や修士の皆さんでお食事など活動もいろいろあったようで、とても思い出の残る夏休みだと思いました。
M2大空さん:研究ではDIGRAでの発表、ゲームのテストプレイ、デザインの完成、FOST申請、論理審査申請など、研究以外にも親子ゲームジャムや関連論文と事例の研究など多くの活動を行ったようです。今後の履修登予定や日程の計画をはっきり立てていることが非常に勉強になりました。
財津先生:八月末に行われた親子ボードゲームジャムとその調査などについての報告を行い、実験の準備や論文執筆などを進めたようです。過去のデータと合わせて、今後の論文化や発表を目指しているとのことです。研究外活動で上方から撮ったアローラナッシーの写真は面白かったです!
M1濱田さん:多くのワークショップに参加し、自分でも企画したとのことを聞いてとても憧れました。この夏は広島に行って、Minecraft Eduのワークショップに参加したそうです。歴史や平和教育にゲームの活躍する可能性について新たな知識を得ることができました。
M1犬田さん:発表や学会活動以外にフロントエンド言語やphotoshopなど勉強し、就活にも力を入れたようです。自分で作ったゲームプラットフォームをお見せしました。研究や学習以外も美術館や映画など豊富な活動をしていて、とっても充実な夏休みの過ごし方が参考になりました。
坂井先生:家族、仕事、そして研究活動、全てに「Mission Complete」という印象的なマークをつけたかっこいい報告でした。特に、論文の文字数の変化には驚きを感じました。また、下鴨神社の御手洗祭については初めて知りましたが、その紹介を聞いて、ぜひ訪れてみたいと感じました。
新居先生:夏休みにはユニバーサルスタジオで楽しい時を過ごされたとのことです。キュートなポケモンの食べ物の紹介もしていただき、非常に興味を引かれました。楽しく遊べるための経験談もいっぱい共有していただき、ユニバーサルに行くときは参考にしたいと思いました。
木村先生:基礎文献紹介の記事の執筆、心理学の主要な概念の整理、研究メモのノート作成などの内容で報告をしました。事例研究で二つのゲーム(トラベル島のニャンコ、グラブル)を取り上げ、それぞれのゲームについて様々な情報を共有してくださり、大変興味深かったです。
以上がゼミ報告となりますが、不十分も多くあると思いますので、次からは皆さんが発表する際に十分な記録をして、知らないものを検索し、多様な感想を出せるようになりたいと思います。
また、藤本先生の冒頭の研究室紹介で、InputとOutputを重視していることを知り、これからは両方も欠かせないように、Inputしているもの(論文、事例研究)をよく整理し、Output する力(発表、文章作成)を高める方面で頑張っていきたいと考えました。
今回のゼミ活動の記録もまた、Output の力を高める一つの機会であり、大切にしたいという気持ちで書きました。
ゼミの後、メンバーの皆さまから温かい歓迎会を開催してくださり、美味しい料理と飲み物を沢山ご馳走になりました。お腹も心も幸せに満たされ、楽しい時間を過ごしました。OBの方(升井さん、池尻さん)も参加してくださり、いろんな話を聞くことができました。皆さんといろんな共通話題を見つけることができて、うれしい限りです。
次のゼミでは、研究計画について発表することになっており、研究室の皆さんの貴重なアドバイスや意見をお聞きできることが楽しみです。
これからは研究に限らず、いろんな方面でメンバーの皆さんから学ぶことになると思います。人間としての成長を得られることが楽しみです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。これから、どうぞよろしくお願いいたします。
また次の報告記事でお会いしましょう!
Bayartai(さようなら)!
ジョナ(卓娜/Jona Honuud)
投稿日時: 2023-10-05 投稿者: snii
財津特任研究員の補佐を務めてくださる学生アルバイトの方を1〜2名募集します。
詳細は以下の通りです。
・待遇:時給1,120円
・勤務内容:主に財津特任研究員の研究プロジェクトの補佐。具体的には、30分から1時間のインタビュー9回分の音声データの文字起こしを行っていただきます。在宅勤務での作業です。
・納期:10月末日
・求める人物像:学部または大学院生で、「子どもと関わること」や教育に関心がある方が望ましいです。
・募集期間:10月5日(木)〜10月11日(水) ※採用者が決まり次第、募集締切
書類審査後、Zoomでオンライン面接を予定。
・応募方法:履歴書(様式自由)をPDFファイルにして以下宛先までメール送付
ludix-contact@ludixlab.net
ご応募をお待ちしています🌷🍁🦊✨
投稿日時: 2023-10-05 投稿者: hamada
こんにちは。M1の濱田です。
8/4, 5に開催された「教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう」ワークショップに参加してきました。このワークショップは、Minecraftカップ、広島テレビ、東京大学大学院の渡辺英智研究室、そして藤本徹研究室の共同で開催されました。
ワークショップの目的は、原爆投下前の広島の暮らしや街並みを子どもたちに理解してもらうことでした。広島平和公園レストハウスや広島テレビの展示、事前に準備した当時の写真、原爆を経験した田中稔子さんの講演をもとに、子どもたちは当時の暮らしを想像しながらマインクラフトで再現していきました。お寺や幼稚園、商店街などをテーマとし、グループに分かれて作業をしました。
さらに、セリフを追加できるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)を制作した建物に設置し、ワークショップを通じて感じたことや考えたことをNPCに話させたり、当時の人が何を思っていたかを想像してセリフを追加したりしました。
今回のワークショップで最も印象に残っているのが、田中稔子さんがおっしゃった「当時、芝生なんてほとんど生えていなかった」という言葉です。今回使用したマインクラフトのワールドは、地面が全て緑色の草ブロックで覆われていました。普段マインクラフトをプレイしていると、地面が緑色なのは当たり前のことで、子どもたちも全く意識していないポイントでした。この言葉を聞き、子どもたちはさっそく、地面の色を茶色に変えていました。これは田中さんと子どもたちの何気ない会話の一部でしたが、マインクラフトというゲームが、当時暮らしていた人の記憶を蘇らせるツールにもなるし、マインクラフトを通して被爆者の方の当時のイメージが子どもたちにも共有されるのだということを知り、マインクラフトの可能性に感動しました。
私は、このワークショップに企画段階から関わらせていただき、とても貴重な経験となりました。子どもたちに伝えたいことは何か、どうしたらわかりやすく伝えられるかをメンバーのみなさんとひたすらに考え、形にすることができました。このことで、ワークショップを企画する際の核の部分が何となくつかめたような気がします。これから自分で企画し運営していく機会が増えていくと思うので、今回の経験を糧に精進していきます!
最後に、ワークショップ開催にあたり、非常に多くの方のご支援をいただき、子どもたちの新たな学びにつながる機会を作ることができたと思います。この場をお借りして感謝申し上げます。ぜひ、機会があればまた開催したいです。
ワークショップの詳細については、こちらにわかりやすくまとめてくださっているので、ぜひご覧ください。
『「教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう」ワークショップ開催報告(2023年8月4,5日)』
投稿日時: 2023-09-30 投稿者: osora
皆さんこんにちは。大空からの活動報告です。
今月は、9/2(土)に行われた<日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会>についてご報告します。
自身もライトニングトークセッションで参加したので、その振り返りを行いつつ、どのような発表があったかもご紹介していきます。
本研究発表大会のテーマは「拡大するゲーム空間 発展するゲーム研究」でした。そのテーマ通り、ゲームが貢献する領域や空間をさらに拡大できるような発表や企画が多くありました。
また、今回は新型コロナウイルスの感染拡大以降、2回目の対面での開催でした。オンラインではなかなか感じづらい雰囲気や対面だからこそできるゲームのデモ機も見せつつ行うポスター発表が行われ、普段出会えない人と交流を深める機会となりました。
そして、基調講演では「新しい文化としてのeスポーツ」として、東京都eスポーツ連合会長の筧 誠一郎氏に語っていただきました。eスポーツへの注目が集まっている中、あらためてeスポーツとは何か、その魅力、面白さ、可能性について考える機会を得ることができました。
eスポーツに関しては、これまで研究対象として見ていなかったのですが、今回の講演を聴いて、自分のテーマとも結び付けられるのではないかと考えることができ、「拡大するゲーム空間 発展するゲーム研究」というテーマに沿う学びが得られました。
そして、発表に関しては本当に様々なテーマがあり、聴く側も非常に有意義で学びの多い時間となりました。
個人的には、今回の研究発表大会では、普段あまり触れていない分野・領域の理解を深めようと考えており、「中国におけるゲームの在り方」や「ゲーム資料の保存」に関する発表を中心に聴いていました。
大会予稿集やプログラムに関しては、こちらのURLから確認できますので、ぜひ御覧ください!
https://easychair.org/cfp/DiGRAJAPAN-2023Summer
最後に、冒頭でもお伝えした通り、大空はライトニングトークセッションにて発表を行いました。
今回が初めての学外での発表ということもあり少し緊張していたのですが、藤本先生、財津先生、坂井先生、犬田さんが会場に来てください、リラックスしていつもの調子で発表を行うことができました。
様々な分野の方から意見や質問をいただけたことは、自分の研究を前に進めてくれることにも繋がり、自分自身にとっても良い経験になりました。
今後も、日本デジタルゲーム学会をはじめ、他の学会にも積極的に参加して発表というアウトプットを重ねて行きたいと思います。まずは、2月頃に次回の日本デジタルゲーム学会が開催されるため、そこに向けて準備を進めていきます!
以上が、報告となります。
夏休みも終わり、10月からAセメスターが始まりますが、体調には気をつけて、引き続き研究を進めていきたいと思います。
それでは!
投稿日時: 2023-09-30 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
夏休み活動報告の9月版をご報告致します。
活動報告と言っても夏休みで行った事の大半は研究で作成しているゲームの改修作業でした。
ですので、ここでは私がゲーム制作で使用しているUniRxとObserverパターンの簡単な紹介をしたいと思います。
UniRxは、リアクティブプログラミングというプログラミングの手法をUnityで利用するために使用するライブラリです。リアクティブプログラミングがゲームプログラミングと相性が良いため、Unityで使用できるようにライブラリとして開発されました。
リアクティブプログラミングは、「データを通知すること」と「データを受け取って処理すること」を扱ってプログラミングを行う手法です。「キャラクターが敵の攻撃に当たりHPバーが減少する」という処理を実装する場面を例に取ると、攻撃に当たったという事が「データを通知すること」HPバーが減少する事が「データを受け取って処理すること」に相当します。
UniRxではリアクティブプログラミングの実装のためにObserverパターンを導入しています。Observerパターンでは、SubjectとObserverという2つの概念を取り扱います。Subjectは何か通知したいデータ(あるいは通知したいイベントなど)を持っている側が作成します。Subjectは自身に登録したObserverに対してイベントメッセージを発行できます。先ほどの例だと、攻撃に当たったというイベント(データ)をキャラクターはSubjectを通して通知します。Observerは登録されたSubjectからのイベントを受信できます。HPバーはキャラクターのSubjectからの通知をObserverを使って受信し、受けたダメージによってHPバーを減らすという処理を行います。UniRxではSubjectのイベント通知にSubject.OnNext();、SubjectへのObserverの登録にIObservable.Subscribe()を使用するようになっています。
こうした機能を使用する事で、イベント通知が必要な様々な場面でスマートな実装を行う事ができます。また、インゲームの実装だけでなくMVRPというデザインパターンを利用してUIの実装も行う事ができます。このようにObserverパターン及びUniRxは使い方を覚えると色々な場面で助けてくれる頼もしい存在です。是非Unityを使ってゲーム開発をされる際は勉強してみてください。
投稿日時: 2023-09-28 投稿者: snii
直前の告知で恐縮ですが、当研究室の藤本准教授と「世界TOP10ティーチャー」でお馴染みの正頭先生が、9/29(金)21時からインスタライブで<子どもとゲームの可能性>について語り尽くします!
時代にあった新しい勉強法、ゲームとの向き合い方など日頃の疑問点をぜひご質問いただければ幸いです。
以下の①または②から正頭先生をフォローしていただき、時間になりますとライブ視聴いただけます。
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴
①正頭先生アカウントURL
https://instagram.com/shoto..sensei/
②正頭先生アカウントユーザーネーム: @shoto._.sensei
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴
たくさんのご視聴・ご質問をお待ちしています♬
投稿日時: 2023-09-28 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士1年の犬田悠斗です。今回は夏休みの活動報告9月版です。
私は、夏休みのテーマの1つとして、「たくさんのコンテンツに触れること」を掲げていました。夏休み期間に、美術館、博物館、ギャラリーを回ったり、映画やアニメ、漫画を見たり、もちろんゲームもたくさんしました。その中で、今回はゲームの展覧会である「Cygames展 Artworks」について書きたいと思います。
「Cygames展 Artworks(以下、Cygames展)」とは、2023年9月2日(土)~10月3日(火)に上野の森美術館で開催されている展覧会です。この展覧会では、Cygamesがこれまでに開発したゲームのイラストや設定資料、映像などが展示されていました。最後には現在開発中のゲームの設定資料や映像も展示されていました。たくさん見どころがあったのですが、今回の報告記事では自分がいいなと思った3つの展示を紹介したいと思います。
1つ目は、『Shadowverse』エリアにあった、ゲーム内のすべてのカードがタッチパネルで表示されていて、それらのカードをタッチすると進化するという展示です。1つのスペースに膨大な量のカードが展示されていて、その多さに圧倒されました。また、カードをタッチするとかっこいい演出とともにそのカードが進化するというインタラクティブ要素も、子供心がくすぐられ面白かったです。
2つ目は、『ワールドフリッパー』エリアにあった、アナログのドット絵を重ねることで、デジタルのゲーム画面を再現した展示です。ドット絵のゲームをアート作品としてアナログな手法で表現するときに、このような見せ方があるのかと驚きました。単にドット絵を展示するのではなく、部分的にドット絵を重ねる箇所を作ることで立体感を表現することができるのだと勉強になりました。
3つ目は、ARカメラでかっこいい写真を撮ることができる『バハムート像』です。バハムート像自体が非常に大きく、かつ精密に作られており、像だけでも見ごたえがとてもありました。さらに、専用アプリのARカメラを使用することで、黒い煙と雷を背景にした超絶かっこいいバハムートを撮ることができ大興奮でした。
Cygames展に行き、もっとゲームのアート的な側面に光が当たってほしいなと改めて思いました。そして、ゲームのアートとしての価値が高まり、多くのゲームに関係する人々が美術館やギャラリーで展覧会を開けるようになったら面白いだろうなと思いました。2026年にみなとみらいにゲームアートミュージアムが建てられることもあり、今後ゲーム×アートは日本でもますます注目されていくだとうなと思います。
以上が、犬田の9月の活動報告になります。また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは!!!
投稿日時: 2023-09-25 投稿者: snii
☆募集期間を10月25日(水)午前10時まで延長します!
(10/20追記)オンライン参加で実験協力いただける方を限定2名、追加で募集します。参加者説明会を10月26日(木)19:30または27日(金)19:00以降にオンラインで開催します。以下の参加者募集情報で10月7日と記載されているところは、読み換えていただくようお願いします。
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室は「実施環境の違いによるボードゲームを用いた学習効果に関する検討」という研究の一環として、「ボードゲーム教室」を開催いたします。つきましては、研究協力者として参加してくださる小学3年生から中学生までの方を募集いたします。
詳細は以下のチラシをご覧ください。
本研究につきまして、参加者募集概要をお読みいただき、内容についてご理解いただいた上でお子様の参加を希望される保護者の方は、以下の申込フォームへご記入・ご送信ください。https://forms.gle/ZGkPqRXMJ4CfHsZq9
たくさんのご応募をお待ちしています!♟️🎲⭐️
投稿日時: 2023-09-15 投稿者: snii
8月26日(土)、27日(日)の2日間、夏休み親子ゲームジャム2023@東京大学が開催されました。
ゲームジャムとは、参加者同士で即席のグループを作り、さまざまな経験や背景を持つ人々が協力してテーマに応じたゲームを制作するワークショップです。
開催の様子は、院生の大空さんの書いてくださったこちら、そして財津特任研究員の書いたこちらの記事、そして情報学環オープンスタジオのアーカイブをご覧ください。
この記事では、ワークショップで制作されたボードゲームをご紹介します。
紹介したゲームの中には、カードのデータなどをご家庭のプリンターで印刷し、100円均一ショップに売っている用具を準備することで、ご自由に遊んでいただけるものがあります。ぜひ、この夏、子どもたちが作ったゲームを体験してみてください!
🌏 地球神の見えざる手 🌎
プレイヤーは地球型惑星の神となり、さまざまな天災や技術革新を通じて人口を増やし、温度を適正に保つことを目的とします。ゲーム後に感想戦を言い合うと、自分の星がどういう歴史をたどって滅びたのかなどを語るのが楽しいです。ゲームの成績よりいかに美しい歴史を語れるかといった楽しみ方の幅広さが魅力です。
・ 地球神の見えざる手_ルール
・地球神の見えざる手_カード
・地球神の見えざる手_ボード
🗼 東京水没 🌊
台風側と人間側に分かれて攻撃側(台風役)は東京を水没させる、守備側(人間役)は水没する前に逃げ切りたい。
サイコロ運で決まるアクションの爽快感がポイントです。
・東京水没_ルール
🐧 ペンギンレスキュー ⛑️
マイバック持参や節水など日常のちょっとした行動が地球温暖化の抑制(ゲーム内ではペンギンを救うこと)に繋がっていることを体験できる競りゲームです。レスキューに参加しないとペンギンを助けることは出来ませんが、参加してばかりでも行動カードがなくなってしまいます。 みんなでたくさんペンギンを助けましょう!
・ペンギンレスキュー_ルール
・ペンギンレスキュー_手札
・ ペンギンレスキュー_カード裏面
・ ペンギンレスキュー_得点カード
🧊流氷と二酸化炭素(仮)🐧
上のペンギンを落とさないように、流氷をアイスの棒で押してゴールまで導くアクションゲームです。ただし自分以外は「二酸化炭素のアクマ」で、二酸化炭素の塊を打ち出してジャマをしてきます。いかに素早く、かつペンギンを落とさないよう慎重に、動かせるかが重要です。
・流氷と二酸化炭素_ルール
・流氷と二酸化炭素_プレイ動画
💡 東京エコ発電プロジェクト⚡️
温暖化に配慮しながらエコな発電所を建設する”リアルタイム協力型シミュレーション&バランスゲーム”です。 プレイヤーは制限時間内にできるだけ高いタワーを建てることを目指します。
・ 東京エコ発電プロジェクト_ルール
・東京エコ発電プロジェクト_icon
・東京エコ発電プロジェクト_ボード背景
✏️チキュウのかだい!📚
自分自身の点数のみを考えていると地球が温暖化してしまうので、そこをうまく切り抜けるかという点が表現されています。
・ チキュウのかだい!_ルール
・ チキュウのかだい!_カード
投稿日時: 2023-09-06 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!
修士1年の犬田です。今回は夏休みの活動報告です。
私は、8月11日に研究室の有志のメンバーで「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023横浜みなとみらい」に行ったことについて書きたいと思います。ポケモン世界大会に初めて参加したのですが、想像以上に大規模で驚きました。幼少期をポケモンゲームやアニポケ、ポケモン指人形に囲まれて過ごし、現在もアルセウスやスカーレットを楽しんでいる身からすると、大興奮の1日でした。
集合時間が15時だったので、早めにみなとみらいに付近に着き辺りを散策していました。すると、みなとみらいの至る所にポケモンがいました。赤レンガ倉庫には、ミジュマルバスやヤドンタクシーなどが置かれていて、近くの乗船場には海上に浮かぶ等身大ラプラスがいました。また、すれ違う人の多くがポケモングッズを身に着けていて、ポケモン愛に溢れているなと思いました。
散策をしていたらあっという間に時間が過ぎ、15時になりそうだったので、急いで集合場所であったパシフィコ横浜の「ポケモンアクティビティゾーン」に向かいました。研究室の方々と無事に合流することができ、世界大会の観戦スペースに向かいました。途中に、等身大のカビゴンがいて、とてもかわいかったです。観戦スペースはほぼほぼ満席でポケモンの人気の凄さをまざまざと見せつけられました。観戦後に、パシフィコ横浜内を散策していたところ、「はらぺこベトベター」というベトベターのゴミ箱がありました。缶やペットボトルを入れると、ベトベターの鳴き声を聞くことができ、ゴミの種類で聞こえる鳴き声が変わっていました。初期のゲーミフィケーション事例でゴミを捨てると面白い音が鳴るゴミ箱がありましたが、それのアレンジかなと思いました。また、ポケモンによる地方創生の活動を展示するスペースもありました。8つの県に各県に合ったポケモンが割り当てられており、多くのコラボグッズが販売されていました。ポケモンというIPの力を使うことで、地方まで盛り上げることができるのかと感動しました。
アクティビティゾーンを散策した後は、ポケモンアート巡りをしました。「ポケモンカード151イラストコレクション」という赤・緑に登場する151匹のポケモンたちのポケモンカードイラストが展示されているスペースや「Pokémonカード伝説の回廊」という1m近くありそうな伝説のポケモンのポケモンカードが展示されているスペースなどを順々に見て回りました。他にも、各地に各世代の御三家の銅像が置かれていたり、屋外の至る所にポケモンカードの展示があったりしました。近年ポケモンカードが高騰していますが、これだけ魅力的なイラストが載っているとなると、価値が上がっていくのも納得だなと思いました。展示方法も、一か所に集めるのではなく、展示スペースが点在しているような形をとっており、みなとみらいを観光しながら展示も楽しめるような構造になっていました。はじめて横浜に来た自分からすると非常に面白かったです。インスタレーション作品や絵画作品など多様な作品を見ることができ、大満足でした。
一通り見終わった後、夕食を食べ、「We move!!」というダンスとドローンによるパフォーマンスを見に行きました。ダンサーの方々のダンスも、光とBGMの演出もすごくかっこよかったのですが、何よりドローンによるパフォーマンスが圧巻でした。ドローンを効果的に用いることで空中で立体的な表現をすることが可能になっていて、立体的でかつ自由に操作できる花火を見ているようでした。パフォーマンスを見終わった後、興奮冷めやらぬ中、帰路につきました。
総じて、ポケモンというIPの凄まじさを体感する一日になりました。そして、これだけ多くの人がポケモンというコンテンツを愛しているのだと実感した日でもありました。ゲームから生み出されたものがこれだけの影響力を持つ時代になったことに、興奮と感動を感じつつ、ゲーム研究を頑張ろうと改めて思いました。
以上が、犬田の8月の活動報告になります。また次回の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは!!!
投稿日時: 2023-08-31 投稿者: osora
皆さんこんにちは。大空からの活動報告です。
今月は、先週末に行われた<夏休み親子ゲームジャム2023@東京大学>についてご報告します。
2日間どのような活動が行われたのか振り返りつつご紹介していきます。
※ゲームジャムとは、初対面の人と一緒に短時間でゲームをつくるというイベントです。
【1日目】ゲームプレイによるインプット
1日目は、実際にゲームをプレイすることがメインでした。
ここで、共通のゲームプレイの体験を経ることで、共通言語を持った状態でゲーム制作に取り組むことができます。ゲームを通してお互いを知る機会でもあるので、ゲームを楽しんでいるうちに、徐々に緊張が解けていった様子も見られました。
またゲームプレイの合間に、親御さんにはゲーム制作や創造性に関する導入講義を、お子さんにはチャレンジゲームに取り組んでいただきました。本ワークショップは、財津さん(研究員)の研究としての面もあり、その効果や新たな発見に関しては、今後報告される予定です。
ちなみに、僕はチャレンジゲームの進行も務めたのですが、子ども達の豊かな創造性や感性に触れることができ、自分にとっても学びが多かったです。
最後に、本ワークショップでつくるゲームのテーマ「地球温暖化」が発表され、皆さんどのようなゲームをつくろうかとお話されながら1日目を終えました。
【2日目】ゲーム制作によるインプット
2日目は、いよいよゲームを作る本番です。外部からゲームデザイナーの方もお招きし、2〜3組の親子でグループを結成し制作に取り組みました。
午前中は、どのようなゲームをつくるか全く見えない状況から「地球温暖化」というテーマに対する課題を発見し、その中から具体的にコンセプトをつくることを目指して、付箋やフローチャートを使いながらアイデアを整理していきました。
どんな内容を知ってほしいのか、それをどの程度学んでもらいたいのか、どのような場面で遊んでもらいたいのかなど、具体化させていくことで、ゆるぎないコンセプトをつくることに励みました。
午後からはどのグループも、そのコンセプトに従って、昨日プレイしたゲームに基づいたルール構築とプロトタイプの制作に移りました。
しかし、ここで最も多くぶつかる課題がゲームが面白くない、現実っぽくならないということです。ここからは、改めてコンセプトに立ち戻り、ゲームと照らし合わせながら改良を加えていく必要があります。
かなりハードは作業ですが、親御さんはもちろん、お子さんもしっかり改善のアイデア出しを行い、どんどんブラッシュアップされていきました。
制作したゲームの発表時間になる頃には、どのチームもテストプレイを繰り返し、しっかりと遊べる状態になっていました。
実際に、他のグループのゲームを遊んだ子ども達からは「楽しかった」「もう一度遊びたい」という声もあり、すべてのチームがゲーム制作を行うことができました。
丸一日、普段使わない頭を使って皆さんかなりお疲れのようでしたが、しっかりとやりきった達成感に満ちた表情をされていました。
以上が、報告となります。
僕個人としては、2年目の参加ということもあり、よりオペレーショナルな部分でもさらに良くなったと実感しています。
また来年行われることが楽しみですし、藤本研究室では親子ゲームジャム以外にもマインクラフトを使ったワークショップも行っています。
こうした場で皆さんとぜひ直接お会いできればと思うので、研究室ブログもときどきチェックしてみてください。
それでは!
投稿日時: 2023-08-31 投稿者: snii
財津特任研究員が、先日開催した<夏休み親子ゲームジャム2023@東京大学>の開催報告をnoteに書きましたのでご紹介します☺️
https://note.com/saikorojuku/n/na4cf700e768e
アクションゲームあり、カードゲームあり、6グループでそれぞれ個性あふれるゲームが完成し、盛会となりました✨
当日できあがったゲームのルール等の詳細については追って別の記事でご報告いたします。
取り急ぎのご報告となりますが、参加いただいた皆様、そしてファシリテーターとして参加いただいたゲームデザイナーの皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。どうもありがとうございました!🎲🌟
投稿日時: 2023-08-30 投稿者: snii
東大新聞オンラインで日本シングルマザー支援協会様と藤本研究室との共同研究を取り上げていただきましたのでご紹介します📰✨🏝️
投稿日時: 2023-08-25 投稿者: snii
財津特任研究員が理事として所属する「日本ボードゲーム教育協会」のメンバーで取材を受けた記事「【専門家に聞く】ボードゲームで子供の思考力UP! 楽しく遊ぶコツとおすすめゲームも紹介」が公開されましたのでお知らせします。
ボードゲームに期待できる教育効果や、おすすめのボードゲーム、親子で遊ぶ際の注意点について書かれています。ぜひお読みください🌻🌺🐈✨
投稿日時: 2023-08-23 投稿者: snii
東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室と藤本徹研究室は、8月4日(金)- 5日(土)に、広島テレビ本社で行われるMinecraftワークショップ「教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう」を開催しました。当研究室からは藤本准教授とM1の濱田さんが参加しました。
そのワークショップの開催報告が渡邉英徳研究室のWebページで公開されましたので共有いたします。ワークショプの様子が丁寧に書かれていて、読み応えがありました。ぜひご覧ください🧱⚒️✨
投稿日時: 2023-08-17 投稿者: snii
一般社団法人日本シングルマザー支援協会(本社:神奈川県横浜市、代表理事:江成 道子、以下「日本シングルマザー支援協会」)と国立大学法人東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区、学環長:山内祐平、藤本徹研究室(准教授:藤本徹)/以下、東京大学)は、シングルマザー自立支援教育プログラムの開発と評価に関する共同研究を開始しました。
■共同研究の目的
この共同研究は、日本シングルマザー支援協会が推進する”シングルマザーの自立支援プログラム”(「MES(ミーズ)」・「ひとり親コンシェルジュ®」)によって、「シングルマザーの経済的・精神的自立を確立し、こどもを笑顔にできる自立した親で溢れる社会」を実現するために、プログラムの学術的な評価と改良・システム化を確立することを目的としています。
■共同研究の内容
・「ひとり親コンシェルジュ®」及び「MES(ミーズ)」を個人の状況に合わせて提供し、効果を高めるための基本モデル構築
・ シングルマザーの個人の特性把握を行う診断ツールの開発
・ ひとり親コンシェルジュ®育成の体系化、システム化に向けたプログラム改訂案の検討
■研究代表者コメント
東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
本共同研究プロジェクトでは、プレイフルな学びや楽しい経験を成長に活かす研究からの知見を、シングルマザーの自立支援に応用し、個々人の状況に応じた自立支援の基盤をアップグレードするための研究に取り組みます。性格傾向や行動特性の評価手法や学習支援の個別化などの仕組みを提供し、社会復帰を目指す人々の個性やポテンシャルに応じた付加価値を高める支援の充実や、将来の成長につながる楽しい学びの入口を創ることに貢献し、研究成果を広く社会に発信したいと考えております。
一般社団法人日本シングルマザー支援協会 代表理事 江成道子
設立から10年、シングルマザーの自立支援に特化した活動をしてまいりました。数千人の相談から見えてくる情報を分析することで、難しく考えることなくシングルマザーが自立へと歩める仕組みを構築していきたいとの願いを持っていました。本共同研究プロジェクトにて、藤本先生方のお力を借りることで、更なる可能性を引き出せることと思います。シングルマザーの自立は、シングルマザー家庭のこどもの未来に大きく影響を及ばします。この研究を経て、ひとりでも多くのこどもたちの可能性を拡げていけると信じています。
■日本シングルマザー支援協会について
概要:女性が子どもを育てながら働きやすい社会を目指し、2013年に設立。就職・転職がうまくいく「年収アップ」の支援、仲間が増える「コミュニティ」、人間関係が円滑になる「コミュニケーション力」を提供しています。それを体系化し「M E S(ミーズ)」というシステムの基、女性の経済的、精神的自立を支援しています。
代表理事:江成道子
会員数:10600 名(2023年6月時点)
事業内容:シングルマザー自立支援、女性起業支援、企業コンサルティング、各種研修事業
行政受託事業、地方移住支援
URL:https://シングルマザー協会.com
■東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
東京大学 大学院情報学環 藤本研究室は、人の学びや成長につながる「楽しい経験(Ludic Experience)」を創り出す学習コンテンツの開発や、教育プログラムのデザイン方法論を研究しています。
研究室ウェブサイト:
https://ludixlab.net/
【本件に関してのお問い合わせ】
〒221-0835
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-12-10千菊ビル301
一般社団法人日本シングルマザー支援協会
担当:副代表 山木三千代
yamaki@mother-support.org
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
担当:特任研究員 坂井 裕紀
ludix-contact@ludixlab.net
投稿日時: 2023-08-16 投稿者: snii
藤本准教授が先日取材を受けた朝日新聞EduAの記事が配信されましたので、ぜひご覧ください💫
本誌の冊子版の方では「教育的観点からのゲームレビュー」のマインクラフト🍎⛏️や桃鉄🍑🚃のレビューが紹介されています。
投稿日時: 2023-08-02 投稿者: haruguchi
修士2年の春口拓人です。
夏季休業中の活動報告について、まだ8月が始まったばかりですが行わせて頂きます。
昨日の8月1日に、研究員の財津さんとUnityの勉強会を行いました。
財津さんから、Unityを使ったゲームの製作について教えて欲しいと要望を頂いたため開催した勉強家になります。内容はごく一般的なブロック崩しの制作を通してUnityの使い方を学んでいくというものです。参加者は私と財津さんの2人でした。
基本的に私の作った資料を使って要件定義から完成までを一緒に行っていくという形で進めましたが、以下のようなチャレンジ課題をいくつか用意して要所の部分で財津さんご自身で考えて頂く場面を作りました。
内容そのものは基礎的なものですが、C#やUnityが初めての経験だった事やプログラミングも現在勉強途中との事でしたので、チャレンジ課題はほど良い難易度のものになっていたかと思います。
ご自身で考えて実装したものがきちんと動くかを祈るように確認し、上手くいって喜んだり、上手く行かなくて考え直したりする場面も度々有り、まさにゲーム作りの楽しさを一緒に感じられたのではないかと思います。
実に6時間にも及ぶ長丁場となりましたが、財津さんには集中を切らす事無く気になった所を適宜質問して頂きながらお付き合い頂きました。大変お疲れさまでした。
実際の開発ではUnityに元からある機能だけでなく外部のアセットやライブラリを使いながらより複雑な機能の実装を行いますが、そこまでの内容を入れる事が出来なかったため今後はそうした部分にも触れて行けると良いなと考えています。
以上が春口の8月の生存報告になります。
投稿日時: 2023-07-26 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!M1の犬田です。
先日「ボードゲームアリーナ」というオンラインでボードゲームを楽しむことができるプラットフォームで友達と一緒に遊びました。「ボードゲームアリーナ」では、682種類ものボードゲームがオンラインで実装されています。実際に遊んでみて、オンラインで実装することで直感的に次の動作をプレイヤーに提示することができ、スムーズにプレイすることができるなと思いました。また、オンラインでプログラムされた行為しかできないので、ルール違反も防ぐことができるなと思いました(ゲームとしての面白さの1つが欠落している気もしますが)。そして、何より遠隔地にいる友達とも一緒に遊べるところがいいなと思いました。今後も定期的に遊ぶことができたらなと個人的には思っています。
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(犬田&濱田さん)とプレイセッション(財津先生)になります。
■研究進捗報告(犬田)
私は、修士研究のこれまでの進捗を発表しました。私は、WEB調査の動機付けの欠如や質問内容を読まない回答者の存在、Satisfice 行動といった問題を、ゲーミフィケーションを導入することによって解決する研究を行っています。特に現状ゲーミフィケーションを取り入れたWEB調査は、ポイントやバッジシステムを単に導入した構造的ゲーミフィケーションにしかなっておらず、結果としてSatisfice 行動を助長する結果になっています。なので、WEB調査をノベルゲームにすることで、内容のゲーミフィケーションとなり、WEB調査の問題を解決することができるのではないかと考えています。M1のSセメスターでは、この研究の研究背景、研究目的の明確化とプロトタイプの作成を行いました。
研究室の方々から、題材とゲームの相性をもう一度精査し、ノベルゲームと相性の良い題材を再度考えてみる必要があるのではないかという指摘が出ました。相性のよい題材の要素を書き出し、それに適した題材を再度検討してみようと思いました。
■研究進捗報告(濱田さん)
濱田さんも、修士研究のこれまでの進捗を発表されました。濱田さんは、Minecraft Eduを利用して英語教育を行うためのプログラム開発をされています。現在は、研究目的を英語4技能、語彙力、文法力のうちどの能力の向上にするのか、そしてその教育効果をどのように評価するのかについて先行研究を踏まえて検討されています。
濱田さんは現在課外活動に積極的に取り組まれていて、Minecraftについてのオンラインイベントを企画・運営されています。Minecraftの学術的な知見を発信する場の構築にも関心を持たれているとのことでした。他にも、わくわくするような計画があり、濱田さんの動向を要チェックだなと思いました。これらの課外活動で得られた知見を研究にも活用しようと考えられています。
■プレイセッション(財津先生)
財津先生のプレイセッションは、2本立てでした。前半にボードゲームを用いた創造力測定の検査を、後半は財津先生が考えられている新作ボードゲームの試遊をしました。前半のボードゲームを用いた創造力測定の検査では、あるボードゲームで遊び、そこで用いた創造力についてプレイヤー自身が評価しフォームに回答しました。後半では、惑星の掟をメンバーと合意形成して定めるという財津先生の新作ボードゲームを試遊しました。どちらも楽しくかつ、着眼点やゲームデザインなど学びになることが非常に多くあり、有意義で、贅沢な時間だなと思いました。
ちなみに、今回の記事執筆担当は前回のプレイセッションのゲームの勝ち負けによって決まっており、犬田は3位になったため担当することになりました笑
以上で、7月20日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
投稿日時: 2023-07-18 投稿者: osora
皆さん、こんにちは。M2の大空です。
最近は暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
気づけばもう7月も中旬ということで、今年は夏らしいこともしたいなと思う一方で、この暑さだと外に出るのも少し億劫になります。室内でできる、夏っぽいことができたらいいなと日々考えています笑
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(木村さん)になります。
■研究進捗報告(春口さん)
春口さんは、7/18(火)〜19(水)に学府全体で行われる、修論中間報告で発表する内容で進捗報告を行っていただきました。
この修論中間報告とは、修士2年生が必ず行うもので、他研究室の先生を含めて、研究の進捗を発表する場となっています。中間報告では、ゲーム学習論が専門ではない先生もいらっしゃるため、限られた時間の中で、いかに分かりやすく自身の研究を伝えるかがポイントとなります。
今回、春口さんは、その練習として発表を行われました。私たちメンバーもどのような質問が当日来そうかということを意識しながら聞き、様々な意見交換を行いました。各人が感じた感想やアドバイス、質問などによって、さらに発表もブラッシュアップされていくと思うので、当日の春口さんの発表を楽しみにしています!
■研究進捗報告(大空)
大空も、春口さんと同様に、研究進捗報告を行いました。ただし、私の場合、長期履修を行っており、今年度の修論中間報告では発表しないため、あくまでこれまでの進捗を共有しました。
まずは、自身が開発したカードゲームを活用したワークショップ実現に向けて動き出していることを共有しました。幸いにも、ワークショップを行えそうな場を見つけることができたので、今はそれを目標に研究に取り組んでいます。
また、倫理審査の提出や助成金の申請など、構想段階よりもやることも増えてきたので、全体のバランスを見つつ、今後も進められればと考えています。早く公の舞台で発表したいという気持ちがあるので、その時にはこの記事でもご紹介させていただきます!
■プレイセッション(木村さん)
今回のプレイセッションでは、東大の生協で販売されている『有機大富豪』をプレイしました。
有機大富豪とは、高校範囲の有機化学を題材としたカードゲームで、有機化学の基礎的な反応系統・原理を覚えることができます。
実際にプレイしてみたところ、全員ほとんど初学者でしたが、体験を通して有機化学の言葉を覚えられそうだという感想が多く寄せられました。また、ゲーム形式が大富豪に近いので、繰り返しプレイすることで、知識の定着も図れそうです。
ゲームルールの説明はやや難しい方ですが、一度プレイすればすんなりと入ってきて、ゲームとしての楽しさがあったので、東大を訪れた際はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか?
ちなみに、今回の記事執筆担当はゲームの勝ち負けによって決めたのですが、大空は大敗(4位)してしまったため、担当となりました笑
以上で、7月13日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
投稿日時: 2023-07-18 投稿者: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(7/18 16:00追記)
昨年、大好評を博した<夏休み親子ゲームジャム>を今年も藤本研究室で主催します🌻🍉✨
プロのゲームデザイナーの方々と一緒に、ボードゲームを制作してみませんか?初めての方も大歓迎です!
<開催概要>
日時:8月26日(土)13:00-17:00、8月27日(日)9:00-18:00
会場:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
対象:小学3年生〜中学生と、その保護者
定員:18組
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/cLqdkehhQhgM7UbR9
<開催趣旨>
夏休み親子ゲームジャム2023は、親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたボードゲームを制作するワークショップです。
ボードゲーム制作を通して、子どもたちの日常生活において何かを良くするための新しいアイデアを考える創造性を育てることを目指します。創造性には、歴史的な大発見、社会を変えるような新製品、素晴らしい芸術作品などだけでなく、日常生活において、レシピを工夫してこれまでと違った美味しい料理を作ること、模様替えをして快適な部屋にすること、趣味として新しい素敵な音楽やダンスを作ること、学習のやり方を工夫することなども含まれます。特に後者のものを「日常生活における創造性」(mini-c)と呼びます。『日常生活における創造性』によって作り出されるものは、その本人にとって役に立つ新しいものであればよく、他の人にとって役に立つ新しいものであることもありますが、必ずしも他の人にとって役に立つもの、新しいものである必要はありません。こうした創造性は、その後に続く大きな創造性の端緒であるとされ、子どもたちの未来を拓く大切なものです。
今回のワークショップは、こうした考えに則り、成果物であるゲームの目新しさを問題にするのではなく、そのプロセスで子どもたちにモノゴトの新しい見方や関わり方を発見してもらうことを目的として開催するものです。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
当研究室の院生の一部も運営として参加します。ふるってご応募ください!♟️🎲⭐️
投稿日時: 2023-07-06 投稿者: osora
皆さん、こんにちは。M2の大空です。
先日プライベートで、はじめて「スプラトゥーン」をしっかりプレイしました。一人称視点のアクションゲームなので、なかなかプレイヤーの視点を合わせることに苦労しましたが、気づいたらあっという間に時間が経っているほど面白かったです。
今回は、友人と音声をつなぎながらオンラインで一緒にプレイしたのですが、やはりこうしたゲームは友人と一緒にプレイするのが楽しいなと感じました。ただ、デジタルゲームに関しては、自分はハマると結構な時間を使ってしまうため、時間の制限をするようにしているのですが、そうするとレベルが一向に上がらないので、友人との差は大きくなるばかりです笑(レベル上げもコツコツ頑張ろうと思います)今後も、研究や仕事以外のプライベートでも色々なゲームに触れていこうと思っています。
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、文献研究(大空)、事例研究(春口さん)とプレイセッション(濱田さん)になります。
■文献研究(大空)
大空は、ピーター・グレイの『遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる』について発表を行いました。
今回取り上げた章は、第6章「好奇心、遊び心、社会性 インドで見る子どもたちの自己教育力」、第7章「遊びのパワー 心理学が解き明かす学び、問題解決、創造性」になります。
選定理由としては下記2点で、文献研究を通して、それらをクリアにすることができました。
①直近、自分が研究で制作しているゲームのテストプレイを行っており、なぜゲーム形式にしたのか、それを理論を用いて簡単に説明したい→「好奇心」「遊び心」「社会性」が学習に作用する。特に、研究倫理教育は、“しなければいけない教育”になる傾向が強いため、この3つの特徴が働くことによって、ノンストレスで楽しく学ぶことができ、高い学習効果が期待できるのではないか。
②そもそも自分が既存のワークに対して直感的に感じた、遊びの萌芽は何だったのか確認したい→研究倫理のワークの多くは、事例共有+ディスカッションという形式。そこに、「探索的な遊び」「社会的な遊び」を感じた。それぞれに色をつけて形どったものが『QRP GAME』。
本書の特徴は、ゲームデザインからの視点から「遊び」を捉えるのではなく、ごっこ遊びやスポーツなどを含むより広い視点から「遊び」を捉えていることです。自分の研究で、なぜゲームを採用したのか(遊び要素を加えたのか)をわかりやすく説明する際の材料として、論文等にも引用して反映させていきたいと思います。
■事例研究(春口さん)
春口さんは、Ciscoが開発し提供しているネットワークシミュレーター「Packet Tracer」を紹介してくださいました。
「Packet Tracer」とは、Cisco製品の利用方法・ネットワークの構築をソフトウェア上でシミュレーションできるもので、主にネットワークの勉強をしたい人が使う事が多いツールになります。また、Ciscoが行っている技術者認定試験のCCNA向けの講座でも使用されており、無料で使うことができます。
様々なネットワーク構築に対応でき、抽象化されている要素が一切ないため、「Packet Tracer」で行ったことがそのまま実務に使えるというメリットがある一方、覚える事が多すぎて学習負荷が高く、教える側にもかなりの知識・スキルが求められることから、初学者には向かないというデメリットがあります。
春口さんの研究では、初学者に焦点を当てたシリアスゲーム開発となるため、ターゲット層が異なりますが、内容に関しては共通する部分も多く、ディスカッションの中で「もしも、このパケトレをゲーム化するならどうするか?」という話題も上がり、春口さんのゲームにも反映できそうなアイデアも生まれました。
徐々に中間発表の時期が近づいていますが、さらにブラッシュアップされた春口さんのゲームと発表が楽しみです!
■プレイセッション(濱田さん)
プレイセッションでは、『教育版マインクラフト』をプレイしました。
マインクラフトをテーマに研究されている濱田さんがワールドを作ってくださり、その中で建物を立てたり、素材を集めたりと、自由に活動しました。
久しぶりにプレイする人〜よくプレイする人までいたため、分からないことがあれば、研究室メンバーで助け合いながら進めることができました。明確なゲーム目標がないため、自分たちで自発的に何かをしようという意思が必要になるのですが、実際にやってみると「これがしたい、あれがしたい」という気持ちが出るようになりました。
近年は、Youtube等で気軽にプレイ動画や解説を見ることができるため、一人プレイでも分からないことがあれば、それを参照してできそうです。チュートリアルがないことは、不親切なようにも感じられますが、情報を集める過程も含めて楽しむこともできると思います。
事例や論文で『教育版マインクラフト』を扱うことは多いですが、こうしてしっかり時間をとって、研究室でプレイできたことは非常に貴重で楽しかったです!
以上で、6月29日のゼミ活動報告は終了となります。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
投稿日時: 2023-06-27 投稿者: snii
東京大学大学院情報学環 渡邉英徳研究室と藤本徹研究室は、8月4日(金)- 5日(土)に、広島テレビ本社で行われるMinecraftワークショップ「教育版マインクラフトで広島の歴史を学ぼう」を開催します。
▶️イベント概要
かつて広島にはどのような街があり、それが原爆によってどのように変わってしまったのか。
原爆投下日の8月6日を迎えるにあたり、世界の子どもたちに支持されている「Minecraft」を通して、広島の歴史について理解を深めるワークショップイベントを実施します。
教育版マインクラフトをつかって、 参加者全員でマルチプレイで町をつくりましょう。
テーマは「原爆投下前のヒロシマの暮らしと街並み」 です。
みんなの想像力を最大限発揮してください!
講師にはプロマインクラフターのタツナミシュウイチさんをお招きします。
参加者全員で協力しながら、グループになって一緒に考え、ワールドを作ってみましょう!
▶️日程・開催地
開催日時:2023年8月4日(金)13:00〜17:00 / 8月5日(土)10:00〜15:00
参加対象:Minecraftの基本作業が行える小学4-6年生とその保護者 定員20組
※定員が超過した場合は抽選となります
会 場:広島テレビ本社 (広島県広島市東区二葉の里3-5-4)
持ち物:筆記用具,お弁当,飲み物,熱中症対策グッズ(パソコンはこちらでご用意します)
申込締切:7月15日(月)17:00まで
申し込み方法・問い合わせ:以下のWebサイトをご覧ください。
https://minecraftcup.com/3863/
藤本准教授や当研究室の院生が現地でお迎えします。ぜひ奮ってご応募ください🍎⛏️🏡🌟
投稿日時: 2023-06-14 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!M1の犬田です。
近頃は、7/7-7/10に開催される東京大学制作展EXTRA2023の準備で、充実した日々を過ごしています。多様な専門の人たちと共同で取り組む経験は、刺激的だなと感じています。研究活動をこつこつと進めながらも、研究以外の活動にも全力で取り組んでいきたいと思います。そして、東京大学制作展EXTRA2023の一般予約が開始されたので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!
さて、今週のゼミ活動報告に移りたいと思います。今回の内容は、研究テーマ関連論文紹介(大空さん、春口さん)とプレイセッション(犬田)になります。
■研究テーマ関連論文紹介(大空さん)
大空さんは、以下の4つの論文を紹介してくださいました。
1)山根悠平ら:国内の研究倫理教育の実践に関する研究動向(2019)
2)鈴木大助:ジグソー法を用いた研究倫理教育(2020)
3)有江文栄ら:看護研究倫理の課題: 研究倫理教育に焦点を当てて(2017)
4)札野順:技術者倫理教育, その必要性, 目的, 方法, 現状, 課題(2006)
発表では、研究倫理教育の体制は整ってきているが、研究倫理教育の評価や初等中等教育における研究倫理教育の実践が不十分であること、ジグソー法を用いた情報リテラシー教育の実践事例などを紹介してくださいました。特に「国内の研究倫理教育の実践に関する研究動向」については、日本の研究倫理教育が網羅的にまとめられており、今後の大空さんの研究の基盤となる論文だと思いました。
研究倫理教育というと、大学生もしくは大学院生を対象にするものが真っ先に思い浮かびますが、自由研究などで研究に近い活動を行い始める初等中等教育から研究倫理教育が今後行われていくようになるのではないかと思いました。また、レビュー論文を読むことによって、対象とする研究分野の全体像を俯瞰することができ、効率よく研究を進めることができるというお話を聞き、自分の研究分野のレビュー論文を探してみようと思いました。
■研究テーマ関連論文紹介(春口さん)
春口さんは、以下の3つの論文を紹介してくださいました。
1)Dave, F.:Teaching Simplified Network Protocols(2010).
2)飯塚正明:情報ネットワーク通信プロトコルの理解を深める教材,千葉大学教育学部研究紀要 第66巻 第1 号,pp. 405~408 (2017).
3)Shaoqiang, W. DongSheng, X. ShiLiang,Yan.: Analysis and Application of Wireshark in TCP/IP Protocol Teaching (2010).
これらの論文では、高校生、中学校の教員免許取得者などにプロトコルと階層化を教えた実践例が紹介されていました。具体的には、各階層のプロトコルの役割を様々なメタファーで表現した事例や実際にネットワーク機器を用いて実習を行った事例を紹介されていました。春口さんは、今回の論文を読み、プロトコルと階層化の効果的な教育事例では「各階層の役割」を教えるフェーズと「プロトコルの役割」を教えるフェーズ、その後に「2つの対応」を教えるフェーズの3つの段階で構成されていることに気づかれていました。
これまでの事例を聞くと、実際にコードを書いたり、ネットワーク機器を使用したりとプログラミングやネットワークに関する知識を前提とする事例が多く、初学者にとってはハードルが高いなと思いました。一方で、春口さんの研究はゲームを用いたプロトコルと階層化の教育なので、この分野の初学者にとっては、とっつきやすいだろうなと思いました。
■プレイセッション(犬田)
プレイセッションでは、『刑法ポーカー』を行いました。刑法ポーカーは、犯罪を構成する要件が書かれた5枚のカードを上手くそろえて、最も重い犯罪を作るドローポーカーを基にしたボードゲームです。今回は、最初に全員でルールを確認した後、ゼミ内で刑法ポーカー王決定戦を行いました。このゲームは東京大学法科大学院生が開発したボードゲームで、東京大学生協でも販売されています。
ゲームとしては、運の要素が強いものの、重い役を作るのかある程度の役で抑えておくのかなど駆け引きをすることができ、とても楽しかったです。一方で、学習については、構成要件と犯罪の対応など刑法についてしっかりと学ぶことができたとは言えませんでした。原因としては、法律に詳しい人がいなかったことや刑法について学ぼうという意識が低かったことが挙げられると思います。学習効果を高める方法としては、法律に詳しい人と一緒に行うことや最後手札を公開する際に構成要件と成立した犯罪を読み上げることなどが話として上がりました。他にもゲームデザインについて様々な意見が出ていました。
以上で、6月8日のゼミ活動報告は終了となります。今週のゼミは藤本先生の海外出張でお休みです。ぜひ来週のゼミ報告記事もお読みください。それでは!
投稿日時: 2023-06-12 投稿者: snii
2024年度入試に向けて、6月2日(金)17時より藤本研究室を希望する方を対象とした説明会をオンラインで開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分の動画をYouTubeで公開しています。
当日参加できなかった方も、参加したけどもう一度聞きたいという方も、ぜひ動画をご覧いただき、出願を検討する際の判断材料の一つにしていただければ幸いです。
投稿日時: 2023-06-08 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
6月1日のゼミ活動報告を致します。今回は犬田さん、濱田さん、坂井先生の3名の発表でした。
犬田さん:進捗報告
データの評価とデータの収集についての、2つに分けて報告されました。
データの評価については、「ゲーミフェイケーションによって収集したデータに誤差が生じる」という批判を取りあげ、むしろ深層心理に近いデータが取れるのではないかという考えを示され、同時に、ゲームによって没入・集中している状態であるフロー状態に入る事ができるため余計な思考が消えるため、という点を根拠として取り上げられました。ただ、この点については質疑の時間で研究員の木村さんから、「フロー状態はあまり特殊な状態で無く、質問紙を書いている時もフロー状態にあると言ってよいと思う。そのため、フロー状態を以て深層心理に近いデータが取れるという考えは当たらないのではないか」という意見があったため再度考察してみる必要がありそうです。
データの収集についてはあまり進んでいないとの事でした。行動経済学の本を読んで、ちょっと思っていたのと違ったため社会心理学の方面で探してみるそうです。質疑の時間で、社会心理学の本を読むよりは質問紙法自体の課題に関する論文を読むと良いという意見も合ったため、様々な方面からアプローチを取る事になりそうです。
濱田さん:進捗報告
現在はMinecraftを使った学習の論文を読み漁っている所との事でした。主にSTEAM教育や英語教育がテーマのものを当たっているそうです。
研究に関する活動として、本校の渡辺研究室主催の平和学習ワークショップやマイクラカップWSに参加しているそうで、ワークショップの設計や運営から論文執筆までの流れが学べる良い機会になりそうです。広島にも行けるとの事でとても羨ましいです。
坂井先生:研究員発表
坂井先生の発表は現在執筆されている博士論文の研究内容についてのお話でした。ノベルゲームを使った死生観教育について実施した研究の結果について説明を頂きました。このゲームについては授業の方で触れさせて頂く機会があったため、その時の経験と照らして聞いたため理解しやすかったです。授業で触れた部分は研究の一部分だけであったため、その前後に何を行ったのかや回答した質問紙がどのような背景で作成されたかを聞く事で研究としての全体の流れを学ぶ事ができ、自分の研究でも真似できる部分は取り入れようと思いました。
以上が6月1日のゼミ報告です。
投稿日時: 2023-06-03 投稿者: osora
皆さんこんにちは、M2の大空です。
先日、ゲームマーケットという国内最大規模のアナログゲームイベントに行ってきました。自分自身、研究とは別でカードゲーム開発を行っているのですが、実際に現地に行ってみることで、来年は出展側として出ようと決心することができました。現在開発中のゲームについても、またどこかのタイミングでご紹介できればと思います!
さて、先週のゼミ活動報告を行います。今回の内容は、研究進捗報告(春口さん&大空)とプレイセッション(犬田さん)になります。
■研究進捗報告(春口さん)
春口さんは、研究で開発しているゲームのテストプレイを受けて、ゲームの改善策や今後の計画を共有してくださいました。
具体的には、①各ステージ内容の変更、②キャラクターのリファイン、③プロトコルの説明機能の実装の3点について修正を行われているようです。ステージの難易度を易しい→難しいへ徐々に上げていく調整、より親しみやすいキャラクターの設定、ゲームと学習を接続するパートの実装など、修正するポイントが明確になっており、それぞれの進捗もしっかりと管理されている印象を受けました。
現在、就活や学内での中間発表に向けて大変な時期かと思いますが、ご自身で研究のペース調整ができているので、大変素晴らしいことだと思います。先日のテストプレイ時点でも、かなり完成度が高かったので、今後さらにブラッシュアップされたものができるのが、自分も楽しみです。
また、研究進捗報告と併せて、実際にデジタルゲームを作るまでのプロセスもご共有してくださいました。特に、自分はアナログゲームを専門にしておりデジタルの開発には疎いので、大変学びになることが多かったです。自分もデジタルゲームの開発に挑戦しようと思ったときは、ぜひ春口さんにご相談させていただきたいです!改めて、藤本研究室は多様な知識や技術を持った人と一緒に学び合うことができる素敵な環境だなと思いました。
■研究進捗報告(大空)
大空も、春口さんと同じく、テストプレイを通して得た気付きや改善策について共有を行いました。
先日の藤本研究室でのプレイセッションが、2回目のテストプレイだったのですが、大体完成形が見えてきたので、細かなデザインの修正、より学びと接続しやすくなるような設計をゲームに組み込みました。現在取り組もうとしている改善策は、ある意味アナログとデジタルの融合でもあるので、自分自身新しい取り組みとして楽しみながら研究を進めることができています。
また、自分の場合、ゲームを用いた学習プログラムの開発になるので、ゲームの前後や間で行う講義パートも設計を進めていました。そこで、テーマとなる「研究者倫理」について文献調査を行った結果も共有しました。まだ日本においては整理が行われていない分野の印象を抱いているので、自ら分類や定義を行う気持ちでまとめています。ゲームそのものについてはもちろん、周辺の講義設計やワークショップ全体のデザインもこだわって研究を進めていこうと思っています。
最後に、今後のテストプレイ予定、販売するとなった時の販路の作り方、印刷方法についても共有を行いました。これまでは、藤本研究室でのテストプレイや発表がほとんどでしたが、これからは外部の方(研究倫理の専門家)などにも共有を行い、テーマと手法の両方においてさらに磨きをかけていく予定です。
■プレイセッション(犬田さん)
今回のプレイセッションでは、犬田さんが『Chat GPT』を活用したゲームについていくつか共有を行っていただき、実際にみんなでプレイをしてみました。
主に下記URLのゲームをプレイしましたが、その他にも『Chat GPT』自身がつくった「数字当てゲーム」「じゃんけんゲーム」「ブロック崩し」「スネークゲーム」も遊んでみました。
探偵とメイドさん version1.3 安定版
https://note.com/gearbun/n/n2774105c0353
戦国ChatGPT
https://note.com/ai_devao/n/n065601b9a3a9
新しいテクノロジーをどのようにゲームに活用するかであったり、『Chat GPT』の登場によって今後ゲームデザインがどう変化してくかなど、様々な視点でディスカッションを行うことができました。
今回のプレイセッションを通じて、改めて『Chat GPT』の強みと弱みを理解し、自分もゲームに混ぜることができないか考えてみようと思いました。今後もこうした最新テクノロジーには、積極的に触れるようにしたいです。
以上で、先週のゼミ活動報告は終了となります。それでは!
投稿日時: 2023-05-29 投稿者: hamada
こんにちは。M1の濱田です。早速、ゼミ活動の報告です。
今回は、文献研究(犬田さん)、事例研究+進捗報告(濱田)、研究員発表(木村さん)の三本立てでした。そして、ゼミ終わりに台湾料理を食べに行く会が開催されました!
犬田さんは、ゲームを使用したデータ収集法について研究されていて、その基盤となる枠組みについての紹介でした。
文献はこちらです。
・Harms, J., Wimmer, C., Kappel, K., Grechenig, T. (2014) “Gamification of online surveys: conceptual foundations and a design process based on the MDA framework” . In: Proceedings of the 8th Nordic Conference on Human-Computer Interaction: Fun, Fast, Foundational. pp. 565–568. ACM
・Hunicke, R., LeBlanc, M., and Zubek, R. (2004) “MDA: A formal approach to game design and game research”. In Proc. AAAI-04 Workshop on Challenges in Game AI ,1–5.
・Jarrett, C., and Gaffney, G. (2008) “Forms that work: designing web forms for usability”. Morgan Kaufmann,pp5-6
発表によると、ゲーミフィケーションを用いたオンライン調査では、MDAモデル(ゲーミフィケーション)、アンケートフォームデザイン、調査領域の3つの軸をもとに、それぞれをどのように組み合わせるかについて考えながらデザインしていく必要があるとのことでした。
また、WEB調査にゲーミフィケーションを組み込むことで、回答者のモチベーションやエンゲージメントといった心理面・行動面の両方に対して効果が期待できるが、一方で、ゲーミフィケーションの要素が回答の統計誤差につながる可能性もあるとのことでした。
私(濱田)の発表では、ケンブリッジ大学英語検定機構が開発した『English Adventures with Cambridge』という英語が学べるMinecraftゲームを紹介しました。私の目指すゲームも今回の事例のように、Minecraft内でのNPCとの対話や与えられたタスクの遂行によって付随的に英語が学べるような仕組みにしていきたいと考えています。しかし、具体的な設計図が全く見えない…という相談も兼ねての事例研究発表でした。
藤本先生をはじめ、みなさんからのフィードバックにより、今後の方針として、まずはMinecraftの論文を読み漁り、教育の場面でMinecraftがどのような使われ方をしているかを調査するという結論に至りました。最終的にどのようなゲームにしたいのか決めてから文献調査などを行っていくというより、調査を行っていく中で作りたいものが見えてくるというボトムアップ的なアプローチもあると気づき、個人的にとても有意義な発表となりました。
木村さんの発表は、科学とは何か、相関関係と因果関係とは何かというところから始まり、「AならばBである」という命題において、「Aである」からといって「Bである」とは限らないという後件肯定の誤謬についてのお話がありました。
これをふまえて脳機能イメージングについて考えたときに、脳機能イメージングは行動(木村さんの研究の場合はゲームプレイ)と脳活動の相関を見ているにすぎず、相関関係があるからといって因果関係があるということにはならないということでした。
また、脳科学的な説明を加えると、たとえそれが良くない説明だったとしても一般人は信頼しやすくなるという興味深い研究を紹介してくださいました。言葉に踊らされず、その相関関係・因果関係をきちんと理解しようということを改めて肝に銘じました。
参加できる人のみで新居さん一押しの台湾料理を食べに行きました。今回は昨年卒業された叶さん、升井さんも参加してくださいました。おいしい台湾料理を食べながら、藤本先生や先輩方からのありがたいありがたいお話を聞くことができ、とても楽しい会になりました。ぜひまた行きたいです!
投稿日時: 2023-05-19 投稿者: inuda
みなさん、こんにちは!M1の犬田です。
今週になり最高気温が30度を超える日が出てきて、いよいよ初夏がやって来たなと感じます。キャンパス内でも半袖を着る人が多くなってきて、私が長袖のパーカーで授業に行くと友達に「よくそんな暑そうなの着れるな」と言われるようになってきました。そんなこんなで、最近はそろそろ衣替えをせねばとぼやーと考えています笑
さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。
今回は、文献研究(春口さん)と、事例研究(大空さん)、プレイセッション(大空さん)という内容でした。
■文献研究(春口さん)
春口さんは、『学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザイン理論とモデル』という書籍の「8章 学習のためのゲームデザイン」について発表してくださいました。
8章では、学習のためのゲームデザインの普遍原理として、「ゲームのビジョンを作る」、「ゲーム空間の設計」、「教授空間の設計」の3つが挙げられていました。
「ゲームのビジョンを作る」では、学習ゴールを設定すること、ゲーム内の要素と現実のものの特徴が一致している真正性があること、徐々に難しくなるような難易度構成にすることなどが書かれていました。「ゲーム空間の設計」では、ゴール、ゲームの仕組み、ルールといったゲームの構成要素を設計する方法が書かれていました。「教授空間の設計」では、教授空間を設計する上で、難易度の調整やヒントを与えるコーチング、フィードバック、例示、練習機会の提供について考慮する必要があると書かれていました。
春口さんは、この普遍原理を、自身が作成されている「通信プロトコルと階層の学習を支援するゲーム」にも適用し、よりよい学習用ゲームを作成するためにはどこを新たに磨くべきか検討されていました。具体的には、プロトコルについての解説機能の実装と、その解説機能とゲーム機能の連動について考えられていました。
今回の春口さんの発表は、ゲームデザインの理論を実践にどう用いるかについて、わかりやすくまとめられていて、理論を実践に移す際に大変参考になるなと思いました。
■事例研究(大空さん)
大空さんは、事例研究として防災シミュレーションカードゲーム『クロスロード』を紹介してくださいました。
このゲームの目的は、2つあります。1つ目は、災害対応に関する様々な意見や価値観を参加者同士で共有すること、2つ目は災害に対して誠実に考え対応するために、災害が起こる前から考えておくことです。
ゲームのルールは、カードに書かれた災害時に起こりがちなジレンマ(例:ペットを避難所に連れていくか)に対して、参加者はYesかNoのどちらかを選び、その選択肢のカードを伏せます。そして、一斉にオープンし、参加者同士で意見交換を行います。多数派とオンリーワンの人は座布団をもらうことができ、ゲーム終了時に最も座布団の多い人が優勝です。
現在大空さんが作成されている研究倫理教育のカードゲームとクロスロードの共通点は、答えのない問題に対して意思決定をする点です。研究では、研究不正とは言えないが責任ある研究活動とも言えない、「疑わしい研究活動」が生じています。この「疑わしい研究活動」の是非という問題と災害時のジレンマは、答えを出すことが難しい、もしくは答えがないという点で共通しています。
大空さんは、この類似性から、クロスロードのゲームデザインの一部を自身の研究倫理教育のカードゲームに応用できないか検討されていました。
大空さんの発表で、事例研究を通じて実際に自身のゲームに使えそうな部分を見つけだす方法について学習することができました。
■プレイセッション(大空さん)
プレイセッションでは、大空さんが現在作成されている『QRPゲーム(仮)』というボードゲームをゼミのメンバーで遊びました。
このゲームのルールについて簡単に説明します。まず、親と子に分かれます。そして、上記でも述べた「疑わしい研究活動(QRP)」の具体的な事例が与えられます。子はその事例が研究倫理的に問題があるかないかを5段階で評価し、一方で親は子が5段階のうちのどれを選ぶ人が多いかを当てにいきます。そして、それぞれがどれを選んだのかを見せ、そう評価した理由について話し合います。親は、同じ評価を選んだ子の人数分だけポイントを獲得することができます。この一連の流れが終わる度に、親を交代していきます。
すごいなと思ったポイントは沢山あるのですが、今回は3つ紹介します。1つ目は、遊ぶ前に見る研究倫理の背景知識に関するスライドの完成度の高さです。研究不正の全体像からはじまり、疑わしい研究活動まで網羅的に、そして端的に分かりやすくまとめられていて、すっとゲームを始めることができました。2つ目は、遊ぶ際に使うカードのデザインの美しさです。必要最小限の文章量と人物の絵がプレイヤーに見やすいように配置されていて、ストレスなく遊ぶことができました。3つ目は、不正防止のための工夫です。このゲームはチーム戦なのですが、ゲームが始まる段階では誰とチームかは分からず、ゲーム終了後に公開されます。そのため、勝つために点数をわざと下げるような行為が起きないようになっています。
実際にゲームプレイをしてみて、とても楽しく、そして多くの学びを得ることができました。特に先生方と一緒にプレイすることで、研究倫理に関する持つべきスタンスを学ぶことができました。一方で、答えがないとは言え、学生のみでプレイすると明らかに誤った結論になってしまう危険性も少しあるかなと思いました。ただ、この点については、考え方の指針をヒントとして示すことで解決できる問題だろうなと思いました。
今回の報告は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。来週の記事もぜひお読みください!
投稿日時: 2023-05-17 投稿者: snii
10年・20年先にも続く自信を育てる教育指導の研究・実践のリーディングカンパニーへ
子どもの成長の可能性を拡げるプレイフルな教育の研究
KECグループ【学習塾を運営する株式会社ケーイーシー(本社:奈良県生駒市)、教育コンテンツの開発と販売・コンサルを行う株式会社KEC Miriz(本社:大阪市)】と国立大学法人東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区、学環長:山内祐平、藤本徹研究室(准教授:藤本徹)/以下、東京大学)は、遊びと学びに関する理論を応用した心理測定尺度の開発と評価に関する共同研究を開始しました。
■共同研究の目的
この共同研究は、KECグループが推進する“エンターテインメント”と“テクノロジー”と“エデュケーション”をかけ合わせた造語“エドテックテインメント”によって、「子どもたちがわくわく学び、夢や目標をもってやり抜く力を身につける教育コンテンツの提供」を実現するために、理論的枠組みや実践方法を確立することを目的としています。
■共同研究の概要
● 子ども向け性格テスト『スタディ・ドクター』をより教育に役立つ観点で再構築した改良版の設計
● 学習者がプレイフルに学ぶEdTech(教育×テクノロジー)コンテンツ・授業の開発
● プログラミング教材「プロクラ」の教育効果の検証
● 調査・分析・開発研究を通した中長期的な研究開発構造の検討
■研究代表者コメント
-KECグループ 代表 小椋義則
私自身、会社経営を通して、塾の運営を通して、人(生徒)のやる気が大きく変わり、組織(教室)が活気づくことに力を注いでまいりました。
そしてKECグループはスタッフのモチベーションの高さにおいて評価をいただき様々な賞をいただいてきました。
少し相手に寄り添った話し方をすること、組織にちょっとした仕掛けを組み込むことで、人や組織は別人・別組織のように変わる姿を何度も目にしてきました。
今回の共同研究によってこれまでの教育手法や育成手法の効果検証を行い、学術的に体系立てることでより一層効果的な教育環境の提供ができると考えています。
-東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
本共同研究プロジェクトでは、子どもたちの遊び心や好奇心を活かした学びの場作りや、個々人の状況に応じた学習支援の基盤となる、学習者の性格面・意欲面の評価手法や学習支援の個別化などの仕組みの研究に取り組みます。テクノロジーによってエデュテインメントのあり方をアップグレードすることで、多くの人々の将来の豊かな学びにつながる楽しい学びの入口を創ることに貢献し、研究成果を広く社会に発信したいと考えております。
■KECグループ
-株式会社ケーイーシー
奈良県・大阪府・京都府にKECゼミナール・KEC個別のブランドを中心として学習塾を展開。
ゲーミフィケーションを取り入れた組織運営を行い、リンクアンドモチベーションが主催する従業員モチベーション調査において全業種の中で、2017年全国4位、2022年中小企業部門全国7位を受賞。
● 先生が自ら仕事を楽しみ熱く語ることで生徒のやる気を引き出す指導者の理念実践教育
● オリジナル計画手帳を活用した生徒指導・楽しく学べる教室環境
● 上記を徹底してサービスする仕組み作り
これらが評価され、2022年度関西経営品質賞ゴールドを受賞。
奈良県を本社とした企業、教育サービス企業としても初めてのゴールド受賞となる。
-株式会社KEC Miriz
KECグループで実践された教育ノウハウを活用し、エドテックテインメント(教育×エンターテインメント×テクノロジー)を体現した教材やコンテンツを開発し、全国の教育機関に提供している。
プログラミング教室「プロクラ」、英会話教材「CHATTY」、子ども向け性格テスト「スタディ・ドクター」を開発、全国の教育機関へ販売している。
プログラミング教材「プロクラ」(全国500教場以上で展開)は、子どもたちから人気のゲーム”マインクラフト”を活用した教材で、まさにゲームで学びを作り出している。
■東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
博士(Ph.D in Instructional Systems)専門:ゲーム学習論、教育工学。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」(共編著・ミネルヴァ書房)、訳書に「テレビゲーム教育論」(東京電機大学出版局)、「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
研究室ウェブサイト:
https://ludixlab.net/
【本件に関してのお問い合わせ先】
株式会社ケーイーシー
〒6300-0253奈良県生駒市山崎新町2-37 エミネンス生駒1F
経営企画課
担当:藤本 夕紀
keieikikakushitsu@kec.gr.jp
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
担当:特任研究員 坂井裕紀
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
ludix-contact@ludixlab.net
・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。
東京大学大学院情報学環の以下Webページにも同内容が掲載されています。
これまでの継続した研究プロジェクトに加え、今年度から新たに開始した共同研究プロジェクトが複数進められています。
ますます充実していく藤本研究室の研究活動に、どうぞご期待ください!
投稿日時: 2023-05-11 投稿者: haruguchi
こんにちは、修士2年の春口です。
4月27日のゼミ活動報告をさせて頂きます。
今回は、犬田さん、濱田さん、財津さんの発表でした。
濱田さんの発表は事例研究で、「マグナと不思議の少女」についてでした。
英語しか分からない少女と日本語しかわからない少年と英語・日本語両方分かるスライムをメインキャラクターにしたRPGのようなゲームです。
特徴的なのが、ゲーム内で英語の発声を求められその発音をAIが評価してくれるという点です。
例えば敵に攻撃する時は「Attack」の発声が求められ、その発音の良さによって攻撃の威力が変わる等です。
この機能によって一人でも英語のスピーキングの練習ができるゲームになっています。
濱田さんは、本ゲームの学習要素の部分について「学習要素を細かく分解して、一つのステージにある学習要素を少なくしている」といった点を挙げられ、ご自身の研究でも先に学びの部分を細かく分割して後で遊びに対応させていくといった手法を取りたいといった分析をされていました。
また本ゲームの長所と短所について、フィードバックがすぐに来る所が長所でプレイヤーの自由意志で会話できない点が短所だと分析されていました。
犬田さんの発表も事例研究で、色々なノベルゲームを遊んだ結果を報告されました。
送電灯のミメイ、ありすえすけーぷ、きみの偽物に恋をする等のノベルゲームを紹介され、ノベルゲームの分類軸として「分岐があるかどうか」「プレイヤーのインタラクションがあるかどうか」の2つの軸を提案されました。
またこの軸を前提とした上でご自身の研究では、選択肢を増やして結果を複数用意するとデータ収集が大変になる事ため選択肢を複数用意しても結論は同じになるようにするといった点や、ゲームそのものの面白さはインタラクションの量で変わってくるといった点の分析を活かしたいとの事でした。
Q&Aでは、インタラクションの種類も分類できるのではという指摘や、分岐したという事実があればプレイヤーは遊んだ気持ちになるため、どの選択肢でも同じ結論に至るというアプローチは良いと思うという指摘、研究を方法論として位置付けるかどうかで研究内容が大きく変わるといった指摘がありました。
財津さんの発表は東京大学で主催されたマインクラフトを用いたワークショップの分析についてでした。
ワークショップの始まる前と終わった後に取ったアンケート内容を分析し、相関の有無等を見つけるという内容でした。
今回のアプローチは、事前に仮説を立ててワークショップで検証するという形ではなくワークショップという実践を先に行いそこから意義のある結果を見つけ出すという形のアプローチでした。このため、結果を見つけ出すのに大変な努力が必要との事で、結論を見つけ出すのに苦労されているというお話でした。
研究は仮説を最初に建てるモノという先入観があったため、実践が先にあるという今回のような研究方法はとても新鮮に思えました。
以上が前回のゼミの活動報告です。
投稿日時: 2023-05-11 投稿者: snii
藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が5月27日(土)15時からオンラインで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/230502event
これに合わせて、藤本研究室への入室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2023年6月2日(金)17:00-19:00(希望する面談が終了した方から順次解散)
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/LFgZkpYYBCK8kQsA9
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2023-04-27 投稿者: osora
皆さんこんにちは。M2の大空です。
春学期がスタートして少し経ちましたが、今学期は講義等で本郷に来る機会が増えたので、周辺のおいしいご飯屋さんをめぐりたいなと思っています。先日友人から、ご飯なら根津駅の方がおすすめと伺ったので、ぜひ一度足を運んでみたいです。個人的におすすめな場所を見つけられたら、またここで共有しようと思います!笑
さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。
今回は、事例研究(春口さん&大空)とプレイセッション(春口さん)という内容でした。
■事例研究(春口さん)
春口さんは、「天穂のサクナヒメ」というゲームを紹介してくださいました。
このゲームは、「和風アクションRPGシミュレーション」というゲームジャンルになるのですが、特徴的な点はゲームの過程でリアルな田植え体験を行うことができることです。
実際に、農林水産省公式HPが攻略サイトと言われる程、その作り込みや完成度は高いものとなっています。
本ゲームを、春口さんはゲームデザイナー視点で分析し、その内容も併せて共有してくださいました。
春口さんが注目されていたことは「遊びの手段としての学習要素」がゲームの肝になっているということです。学習ありきではないゲームデザインの考え方は、現在春口さんが制作されているゲームにも反映されているようです。
実際、同日に行ったプレイセッションでは、春口さん制作のゲームをプレイしたのですが、この事例研究で得られた学びがしっかり活きているなと感じることができました。
春口さんが紹介されるゲームは、どれも魅力的なので、自分も空いたタイミングでプレイしてみようと思います!
■事例研究(大空)
大空は、研究倫理教育で使用されている教材2点「THE LAB」「日本学術振興会eラーニング」をご紹介しました。
この2つに共通する点は、どちらも物語中心のゲーム(ノベルゲーム)に近い形式であることです。
研究倫理の教材は、主にガイドブックやドラマ型の映像教材が中心で、なかなか学習者が主体的にアクションするような教材は多くありません。その中でも、今回の事例は参加を促す仕組みが入れられています。
そもそもこの2つを事例研究として分析しようと思ったきっかけは、自身が制作を行っているゲーム教材とそれ以外の教材を比較し、まずは差別化ポイントを浮かび上げたかったためでした。
実際に発表を行い、ゼミの皆さんとのディスカッションを行うことで、それは「学習の到達目標」「定義レベルでのゲーム要素の有無」であることが明らかとなり、今後の文献研究を進める上での指針を得ることができました。
論文を構成するパーツを集める感覚で、文献を読み進めていきたいと思います!
■プレイセッション「春口さん制作_情報セキュリティゲーム」(春口さん)
プレイセッションでは、春口さんが制作された「情報セキュリティ」のゲームをプレイしました。
こちらは、完全なデジタルゲームとなっており、プレイする前からでもゲームの作り込みの細かさ、わくわくするようなデザインに惹かれました。
実際にプレイをしてみると、感覚的に操作しやすく、誰もが抵抗感なくプレイできるゲームだなと思って、純粋に楽しむことができました。
私は、昨年度から春口さんの研究テーマや構想しているゲーム像を伺っていたので、それが実際に形となり、そしてこれまで発表されてきた内容が詰まっていることが本当にすごいなと終始感心をしていました。
ゼミでのテストプレイは初ということで、このゲームがどのように進化していくかは、一人のユーザーとして楽しみです。今後のさらなる発展を期待しています!
今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!
投稿日時: 2023-04-26 投稿者: snii
藤本研究室は2023年3月に東京大学情報学環オープンスタジオをお借りして、2つのワークショップを開催しました。
その報告レポートが東京大学情報学環オープンスタジオのWebサイトに掲載されましたので、ぜひご覧ください☺️✨
レポートはこちら▶️▶️▶️
投稿日時: 2023-04-20 投稿者: hamada
はじめまして。今年度から藤本研究室でお世話になります、濱田璃奈と申します。
研究テーマは、「Minecraft Eduを用いた英語指導」です。Minecraft Eduとは、教育を目的として開発されたMinecraftのことで、プレイヤー(生徒)の統制が取りやすいようなシステムが用意されています。私は学部時代、第二言語習得論を勉強してきたので、その理論を応用して、Minecraft Eduを使った英語の指導ができないかという研究です。
私自身、Minecraftにはとても思い入れがあります。中学生のころ、勉強がとにかく嫌いでゲームに逃げていた時期があり、そのときにMinecraftに出会いました。そこからのめり込んでいったのですが、さすがに罪悪感がわいてきたので、ゲームの言語設定を英語にしてプレイしていました。そこで偶然、ゲーム内のアイテムである石炭(coal)という単語を覚えたのですが、学校の授業でその単語が出てきて、「もしかしてMinecraftで英語を学べるのでは?」と思い、今に至ります。
今回のゼミで、ゼミメンバーの方からMinecraftである必要があるのかという質問をいただいたのですが、そこは何があろうとも揺らぎません笑 が、今後、この点も論理的に説明できるようしっかり考えていきたいと思っています。
さて、今回のゼミでは以下の2つを行いました。
・M1研究テーマ発表(犬田さん、濱田)
・M2 研究構想・進捗発表(大空さん、春口さん)
そして、ゼミ終了後に、新メンバー歓迎会を開催していただきました。
犬田さんの研究テーマは、前回の記事で紹介されていたように「ノベルゲームを用いたアンケート調査法の開発と効果検証」です。犬田さんは、従来の質問紙による調査に疑問を持っていらっしゃるようで、ゲーム内でプレイヤーが行った選択を調査することで、彼らの意識や価値観をより深いレベルで把握しようという試みだそうです。たしかに、ゲームのキャラクターの作り込み一つでもプレイヤーの性格が色濃く反映されるので、理論的枠組みに基づいた意識や価値観が調査できれば、とてもおもしろいなと思いました。
私(濱田)の研究テーマは、本記事の冒頭でも少し述べましたが、「Minecraft Eduを用いた英語指導のための学習ワールド開発・効果検証」です。私は、せっかく授業で英語を学習しても実際に使えないということが英語教育の問題だと感じてきました。そこで、Minecraftの中で何かを作り上げながら、授業で習ったことが使えるような活動を考案したいと考えています。
大空さんの研究テーマは、「研究倫理教育に資するカードゲーム型教材・学習プログラムの開発と検討」です。研究の捏造や盗用が繰り返される中で、従来の研究倫理教育の内容などに問題意識を持っていらっしゃり、研究倫理が学習できるカードゲームやカリキュラムを開発されています。私も学部時代、研究倫理に関する説明を受けたのですが、教授の説明を聞いて知識を得るだけだったので、ゲームを通してグループで考えながら学べるというのがとても画期的だなと思いました。
春口さんの研究テーマは、「通信プロトコルと階層の学習を支援するシリアスゲームの開発と評価」です。高校での情報1必修化に伴い、情報技術の初学者が苦手意識を持たずに学習できるようなシリアスゲームを開発されています。プロトタイプを少し見せていただいたのですが、プロトコルの特徴に合わせて動く親しみやすいキャラクターが登場し、映像と知識を繋げて学習することができるので、とても理解しやすいなと感じました。私は情報1の学習内容が確実に苦手だと思うので、ゲームが完成したらぜひプレイしてみたいです。
今回のゼミでは、自身の研究に関連する事項を一つずつ論理的に突き詰めていく作業が必要だなと感じました。「ゲームである必要はあるのか?」や「楽しい学習の楽しさとは何か?」など、自分の中ではなんとなくわかっているつもりでも、きちんと説明できない部分もあり、これからの課題が明らかになりました。
また、研究室の皆さんが圧倒的な知をもとにいろいろな意見を出してくださるので、ほんとうにありがたかったです。自分では考えが及ばなかった部分などを指摘していただき、まだまだ知らないことがたくさんあるなと、とてもわくわくしました。
新メンバー歓迎会では、ゲームや研究についてだけでなく、日常生活や就活のことについて、食事をしながら歓談しました。ところどころにゲームの話が入るのが、さすが藤本研究室のみなさんだなと感じました。ゼミでは見られない一面をたくさん見ることができて、とても楽しかったです。余談ですが、藤本先生がお店でキープしているボトルを惜しげもなく研究室のメンバーにふるまっていて、かっこいいなと思いました。
研究室のみなさんに温かく迎えていただき、とてもうれしかったです。これからも健康第一で研究に全力を尽くしていきます。どうぞよろしくお願いします!
投稿日時: 2023-04-13 投稿者: inuda
はじめまして、今年度から藤本研究室に所属することになりましたM1の犬田です。
研究テーマは、「ノベルゲームを用いたアンケート調査法の開発と効果検証」です。具体的には、特定のテーマのノベルゲームでのプレイヤーの選択をトラッキングすることによって、意識や価値観を把握することができるような仕組みを開発し、効果検証する予定です。学部では、「クラウドソーシングゲーム」というプレイヤーに社会課題の解決のために必要なタスクを手助けしてもらうゲームの理論的研究を行っていました。大学院では、この理論的な背景をもとに、上記のようなクラウドソーシングゲームの開発や効果検証を行っていきたいと考えています。
藤本研究室の皆さんは、「ゲーム」という共通の軸はあるものの、アナログゲームからデジタルゲームまでほんとうに様々な事柄について研究されています。このような多様な研究関心を持った方々が集まる場に所属することができることに感謝しつつ、貪欲に学習して自身の研究に活かしていきたいと思います。加えて、藤本研究室の皆さんに少しでも刺激や学びを届けられるように、精進してまいります。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
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併せて、4月6日に開催されました、ゼミ活動について報告いたします。
本ゼミでは以下のような発表がありました。
・オリエンテーション(自己紹介)
オリエンテーション(自己紹介)
新年度になり初めてのゼミということで、オリエンテーションとして自己紹介がありました。
濱田さんは、私と同じく今年度から藤本研究室に参加される方で、マインクラフトを用いた研究をされるとのことでした(次回の記事で研究内容の詳細を紹介してくださると思います)。学部では、ペルシャ語について研究されていたそうです。趣味は音楽と絵で、海外のアーティストにも造詣が深い方でした。海外に対してもアンテナをしっかりと張られていて、自分も見習わなければと思いました。
私は、冒頭の自己紹介でも述べたのですが、学部では「クラウドソーシングゲーム」の理論研究を行ってきたので、大学院ではそれを基にゲーム開発も行っていきたいと思います。好きな食べ物は、セブンイレブンのミートソースパスタです。
坂井先生は、武蔵野学院大学で教鞭をとられており、今年度から藤本研究室に参加される先生です。これまでは、ストレス・メンタルヘルスに対するゲームの効果について研究されてこられました。日本教育工学会で論文を多数投稿されていて、国際学会での発表も経験されています。また、公共機関や大企業など様々な組織に対して、ゲームを用いた研修も行われてきました。現在は、ゲームと死生観をテーマに研究されているとのことでした。ゲームでは、疑似的な死に触れる機会が多いので、とても興味深いテーマだなと思いました。研究者の傍ら、お父さんとしても家族を支えられており、尊敬だなと思いました。
春口さんは、「情報Ⅰ」の学習を支援するシリアスゲームの開発について研究されています。春休みは、就職活動とゲーム開発をして過ごされていたそうです。就職活動では、ESを書いて、WEBテスト・適性テストを受けてを何社も繰り返されていたそうです(大変そう、、、)。プログラミング技術に精通されていて、趣味もプログラミングとおっしゃられていて、根っからの開発者なのだなと思いました。また、「Live2D」という2Dイラストを3Dにするソフトウェアについても紹介してくださいました。新たな技術に積極的に触れられている姿を見て、自分も見習わなければと思いました。
大空さんは、研究倫理教育のカードゲーム型学習プログラムの開発に関する研究をされています。現在、ボードゲームを用いた人材育成・研修プログラムの開発をする企業で働きながら、大学院に通われています。春休みは、めちゃくちゃに働いたそうです。さらに、学校などと連携しながら、ボードゲームのワークショップを開催されるなど、ボードゲームを主軸に様々な活動をされています。積極的に活動されていることがビシビシ感じられて、もっと自分も行動せねばと思いました。また、自己紹介では、人生の節目ごとの選択を紹介いただいたのですが、どれも細かく言語化されていてすごいな!と思いました。
財津先生は、ボードゲームを通じてプレイヤーはルールに対する態度を学習しているのでは、という仮説を主軸に研究を進められています。デジタルゲームでは、ルールの部分が自動化されている一方で、ボードゲームはルールの部分も人間が行わなければならないので、ルールに対する態度を学習できるという考えは、ほんとうに興味深いなと思いました。また、サイコロ塾というサークルも運営されていて、最近ではクラウドファンディングによるボードゲームの開発を行われました。加えて、ボードゲームジャムなどのワークショップの開催なども積極的に行われています。研究者として、従来の学問の枠組みに閉じるのではなく、社会と接点を持ちながら協力してプロジェクトに取り組む姿勢も学んでいかなければと思いました。
木村先生は、心理学の知見を基に、生理指標を用いたゲーム研究をされています。これまでには、対戦格闘ゲームとほのぼのゲームの活力感の変化を比較する研究などをされています。現在は、fNIRS(機能的近赤外分光法)という血液中のヘモグロビンの酸素化状態の変化を非侵襲的に計測できる機器を用いてゲーム研究をされていらっしゃいます。ゲーマーの側面もお持ちで、『グランブルーファンタジー』をこよなく愛しているとのことでした。藤本研究室では、唯一の生理指標を用いた研究をされていらっしゃる方で、貪欲に研究手法や考え方を学習していきたいと思っています。
新居さんは、学術専門職員の方で、藤本研究室の運営をサポートしてくださっています。台湾が好きで、よく行かれるとのことでした。もし話したいことがあれば、いつでもチャットをくださいとおっしゃられていて、心強いなと思いました。
藤本先生は、みんな知っているだろうということで簡単な自己紹介をされた後、今年度の夏までの活動計画について説明されました。藤本研究室のゼミ活動は、楽しみながらも、着実に研究の素養を学習することができるように設計されていて、これからのゼミ活動が楽しみです。このような場所に所属できることを感謝しつつ、改めて研究、学習に励もうと思いました。
以上が本ゼミの活動報告です。
来週は、所属学生の研究構想や進捗の発表があります。研究の詳細について聞けるということで今からとても楽しみです!来週の記事もぜひご覧ください。
投稿日時: 2023-04-06 投稿者: snii
藤本徹准教授も専門家の一人として対談に参加している、“松丸くんが教育界の10人と考える 答えがない時代の新しい子育て”という本が3月29日に発売されました。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09389114
ゲームをしたほうが勉強の役に立つ?などお話ししています。ぜひご覧ください🎉🎉✨
〈 書籍の内容 〉
松丸くんと専門家が教育・子育てを考える!
謎解きクリエイターで東大生の松丸亮吾氏が、教育界の10人のカリスマたちと語り合う。
「良い大学を出て良い企業に就職すれば安泰」というモデルが通用しなくなった現代は、「正解」がどこにもない時代。
そのなかで、自己肯定感の高い子に育てるための親のかかわり方、、これからの学習のかたちなど、教育や子育てについて納得の話が飛び出します。
実際に、教育の現場で子どもたちを相手に活動し、世界中の実証データを研究する専門家ならではの説得力ある教育論が満載です。
【10人の先生たち】高濱正伸さん(花まる学習会 代表)/宝槻泰伸さん(探究学舎 代表)/藤本徹さん(ゲーム学習論研究者)/石戸奈々子さん(CANVAS代表)/齋藤孝さん(教育学者)/中島さち子さん(数学者・ジャズピアニスト)/工藤勇一さん(横浜創英中学・高等学校校長・)/中室牧子さん(教育経済学者)/小宮山利恵子さん(スタディサプリ教育AI研究所所長)/篠原菊紀さん(脳科学者)
投稿日時: 2023-04-05 投稿者: snii
財津特任研究員の補佐を務めてくださる学生アルバイトの方を2〜3名募集します。
詳細は以下の通りです。
・待遇:時給1,080円、自宅から勤務地までの往復交通費(首都圏在住の方を想定)
※大学院生の場合、経歴やスキルによって時給が上がる可能性があります。
・勤務時間:毎週火曜日 16:00-19:00
・勤務地:隔週で変わり、以下の2箇所へ交互に勤務いただきます。
(1)ナナカラ流山おおたかの森(最寄駅:流山おおたかの森)
千葉県流山市おおたかの森 南一丁目 3番地の1 こもれびテラス3F
(2)ナナカラ南流山(最寄駅:南流山)
千葉県流山市南流山2丁目23-10 ラソンプレ南流山1・2F
・任期:2023年4月から1年間
・勤務内容:主に財津特任研究員の研究プロジェクトの補佐(学童保育においてボードゲームの授業を行う際の授業の補助、ビデオ録画、データ整理等)。また、データ入力などの作業や、必要に応じて業務が増えることもあります。
・求める人物像:学部または大学院生で、「子どもと関わること」や教育に関心がある方が望ましいです。
また、基本的に毎週休まず必ず勤務できること。ただしテスト期間中や、就活等で出勤できない場合は応相談。
・募集期間:4月5日〜4月14日(金) ※採用者が決まり次第、募集締切
書類審査後、Zoomでオンライン面接を予定。
・応募方法:履歴書(様式自由)をPDFファイルにして以下宛先までメール送付
ludix-contact@ludixlab.net
ご応募をお待ちしています。
投稿日時: 2023-03-11 投稿者: snii
※現在は募集を停止しています。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
当研究室の木村知宏特任研究員の“ゲームに没入しているときの脳活動を調べるための実験”に参加しませんか?🧠🌞🎇
機能的近赤外分光(fNIRS)装置という機器のセンサーを額の部分に取り付け、キーを押すだけの簡単なゲームをプレイしていただきます。
場所は本郷キャンパスで,所要時間は1時間半程度です。謝礼として図書カード 2,000円分(交通費を含む)もお渡しします。
詳細・お申し込みは以下のフォームをご覧ください。
https://forms.gle/z5qEDyoqd79xpxU47
ぜひともご協力のほど、よろしくお願いいたします!🎮🌟
投稿日時: 2023-03-09 投稿者: snii
松丸亮吾さんが塾長をつとめる学習塾「リドラボ」がこの4月より開校し、当研究室の藤本徹准教授もカリキュラム監修者として参加します。
この度、リドラボの開校を記念し、オープニングセレモニーが開催され、松丸亮吾さんと藤本徹准教授の特別対談や、「ひらめき学習プログラム」の先行体験授業が行われますので、お知らせします。
■開催概要
日時:2023年4月1日 15時20分 〜 17時30分
※開場は15時00分から
場所:ビジョンセンター田町 4F
〒108-0014 東京都港区芝5-31-19 対象:新小学1〜4年生
※お子さま1名につき、保護者の方1名までご参加いただけます。
料金:1組につき5,000円(税込)
*.○。・.: * .。○・。.。:。○。:.・。.○。・.: * .。○
詳細・お申し込みはこちらのリドラボ公式ページからどうぞ✏️🧩🌟
投稿日時: 2023-03-09 投稿者: snii
大人の女性のためのファッション&生活雑誌「STORY」2023年4月号に、財津特任研究員が取材を受けた特集記事が掲載されています。
https://storyweb.jp/lifestyle/270218/
「ゲーム✖️育児」を実践されている小藪千豊さん、釈由美子さんのお話しもあります。(余談ですが、財津特任研究員のところには”釈さんと同じ誌面に載って羨ましい”という声が数件寄せられたそうです)
ぜひご覧ください!🙌🗼🌼🌸
投稿日時: 2023-03-06 投稿者: snii
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室は『貿易ゲーム体験ワークショップ2023 at 東京大学』を開催いたします。
「貿易ゲーム」とは、「貿易」を中心に、世界経済の動きを擬似体験することによって、そこに存在するさまざまな問題について学び、その解決の道について考えることを目的としたシミュレーションゲームです。未経験の方も大歓迎ですので、ご参加をお待ちしております。
<開催概要>
日時:2023年3月26日(日)
午前の部:10:00〜12:30
午後の部:14:00〜16:30
(同一内容を午前・午後の2回開催します)
開催場所:東京大学情報学環オープンスタジオ
(〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
※アクセスはこちら
https://openstudio-utokyo.com/access/
集合場所:東京大学 本郷キャンパス正門
※各開催時間の20分前集合
対象:小学校4年生〜中学生のお子様。
※お子様1名に保護者様1名の同伴が必要です。
定員:各回18名、計36名
応募期間:3月6日(月)〜3月23日(木)
お申し込みの受付は先着順とし、定員になり次第終了となります。
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/8qVgumySXNN1ArXRA
主催:東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
問い合わせ先:東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室 特任研究員 財津康輔 ludix-contact@ludixlab.net
<ワークショップの特徴>
①体験を通した学びの機会
「貿易」というテーマを軸に、頭と身体をどちらも動かして目標達成を目指します。アクティブラーニングを取り入れた学びです。
②グループで協力
ゲーム中は、グループを作って仲間と協力します。お互いに意見を交わし、コミュニケーションを取りながら進めます。
<こんなお子様におすすめ>
・世界の問題をちょっと身近に感じたい・考えてみたい
・面白いゲームをやってみたい
・論理的思考、コミュニケーション力、創造性を試したい、高めたい
・日常では得られない学び・体験をしたい
<講師紹介>
財津康輔
東京大学大学院情報学環 特任研究員。ボードゲームを用いた学びの研究を行っている。
坪内康将
愛知県豊田市でボードゲーム教室1098を開校。貿易ゲーム講師として小学校などでも多数開催。日本ボードゲーム教育協会理事。
伊與田一成
伊與田塾塾長。 思考力育成教材としてボードゲームを多数活用中。
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ここ最近はイベントの募集開始早々に定員が埋まっていますので、ぜひお早めにお申込みください。
以上、よろしくお願いいたします。
投稿日時: 2023-02-10 投稿者: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(2/10 17:15追記)
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室は株式会社イオンファンタジーとの共催で、『第2回 親子で楽しむマイクラチャレンジ2023 at 東京大学』を開催いたします。同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」の講師陣によるリアル参加型ワークショップで、同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の研究成果として、多くのお子さまに大人気の「マインクラフトの教育版」を使用して実施するものです。
<開催概要>
日時:2023年3月4日(土)、5日(日) 各日11時~12時30分、14時~15時30分
(同一内容を計4回開催します)
場所:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
※アクセスはこちら
https://openstudio-utokyo.com/access/
内容:マインクラフトを使って講師や仲間たちと遊ぶことで論理的思考力や創造性を育むことができます。ゲームの持っている特性を最大限活かし、子どもたちの持つ能力を引き出すワークショップです。
対象:小学校2年生〜小学生6年生のお子様とその保護者の方
定員:各回10組、計40組
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/5Z7BAo4rSrvqb24KA
主催:東京大学 大学院情報学環 藤本徹研究室
共催:株式会社イオンファンタジー
問い合わせ先:株式会社イオンファンタジー ゲームカレッジLv.99 カスタマーサポート
lv99.af80@gmail.com
<ワークショップの特徴>
①デジタルゲームの学び体験
教育版マインクラフトの特徴を活かした学習プログラムを体験できます。東京大学の会場とオンラインの講師を接続して、ゲーム空間での遊びから楽しく学ぶ力を育みます。
②多人数でのマルチプレイ
チーム対抗チャレンジを取り入れたレッスンです。チームメンバーで助け合いながら、オリジナルの建築物などをマイクラワールド内で制作します!
<講師紹介>
藤本徹 東京大学大学院情報学環 准教授
信田大輔 ゲームカレッジLv.99 トレーナーリーダー
2022年10月に実施したワークショップが大変好評でしたので、再度開催する運びとなりました。皆様のご参加をお待ちしております。
投稿日時: 2023-02-06 投稿者: snii
昨年末に財津特任研究員が朝日新聞の記者の方から取材を受けました。その内容が記事として公開されておりますのでご紹介します。どちらも有料記事ですが、もしご興味あればぜひお読みいただければ幸いです。
📕(ボードゲームで学ぶ:下)ルール理解し、身につく柔軟性
https://www.asahi.com/articles/DA3S15507802.html
📙(取材考記)教育現場で活用 ボードゲーム、社会を学べる
投稿日時: 2023-01-25 投稿者: masui
お世話になります。M2の升井です。
早いもので本日が2022年度秋学期の最終ゼミとなりました。
私の方は、修士論文の提出が完了し、論文審査を残すのみとなります。この2年間はあっという間に過ぎましたが、藤本ゼミのおかげで充実した院生生活が送れたように思います。ゼミの皆さんには本当に感謝です。
さて、本日は
以上の2本立てでした。
研究生、M1からの進捗報告では、それぞれが日々積み重ねてきた成果を発表してくれました。研究生のヨウさん、サイさんは自身がこれからやっていく研究の方向性を固め、先行研究を深めたりプロトタイプを製作したりと、しっかり前に進んでいる印象です。M1の大空さんと春口さんは、A2セメスターの授業のレポートや学校外の活動など、とても忙しいとは思いますが、春以降の研究について色々と動いているようで感心します。
プレイセッションでは、叶さんが「Goose goose duck」という人狼パーティーゲームを扱ってくれました。「Goose goose duck」は私が昨年度の秋学期に事例紹介で取り上げた「Among Us」のようなオンラインゲームで、「Among Us」より複雑な役割があったりと、+αされています。私は速攻で〇されて、皆が楽しんでいる姿を眺めていました。人狼要素があるので、頭を使って推理力やコミュニケーション能力が育成されそうなゲームです。「Among Us」は低予算のゲームですが、「Goose goose duck」は思い切り予算をかけてスピード開発したと思われます。市場で勝つためには、こんな開発方法も正解なんだとじみじみ思いました。
2年間を振り返って、自分は何がしたくてこのゼミで学んだのかを再確認しました。多分、自分は「面白いものをもっと面白くする」ということよりも「面白くないものを面白くする」ということに興味があるのだろうなと思います。だからこそ、ゲーミフィケーションをテーマに選んだのだと。正直、他のゼミ生は自分でゲームを作ったり、市場にあるゲームを分析したり、どちらかというとゲームゲームしていて羨ましいと思ったこともあります。でも、地味だけどゲーミフィケーションはこれからの世の中にきっと役に立つ、そう信じてこれからの自分の人生を送っていこうと思います。
投稿日時: 2023-01-18 投稿者: osora
皆さんこんにちは。
HPデザインがアップデートされてテンションの上がっている大空です。
1月12日のゼミの活動報告をします。
今回は、修士2年のお二人による修士研究成果発表と、サブゼミで学生メンバー全員が参加して作成したゲームをプレイするプレイセッションを行いました。
升井さん 「修士研究成果発表」
升井さんの研究テーマは「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」です。研究の背景〜結論と考察まで一連の流れを15分間で発表いただき、升井さんのビジュアルを用いながら構造的に伝えるスキルが光った発表でした。今回の修士研究成果発表は、後日、学際情報学府内で行われる修士論文の口頭諮問の練習としての意味合いもあります。自分の研究をいかに分かりやすく伝えるかという点でもとても参考になりました。
叶さん 「修士研究成果発表」
叶さんの研究テーマは「ゲームプレイヤーの第二言語学習のプロセスに関する探索的研究ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー」です。叶さんの研究では、エスノグラフィーによって収集されたデータをM-GTAという質的手法を用いて分析する内容なのですが、そこで生成された概念を丁寧にご説明いただきました。質的調査においては、記述の厚さや丁寧な分析が求められますが、これらが叶さんの研究で十分に行われたことが伝わる内容でした。来年は、自分も研究発表をゼミ以外の場で積極的に行っていく必要があるため、研究のまとめ方については非常に勉強になりました。
ゼミメンバー全員「プレイセッション」
今回のプレイセッションでは、ゼミに所属する修士学生と研究生が参加するサブゼミ(担当指導員:財津さん)で作成したシリアスゲームのテストプレイを行いました。シリアスゲームのテーマは、「SNSによる炎上問題」です。テーマ選定の理由としては、全員が身近に感じている問題であること、学際情報学府での必修講義で理論的に学んだ内容であることの2つの理由で決まりました。このゲームの目的は、情報リテラシーの授業で中高生が炎上の怖さを身をもって体感することです。その目的の達成に向けて、ゲームデザインをAタームから進めて、財津さんからのアドバイスをいただきつつ、藤本先生、木村さん、新居さんに今回プレイしていただきました。
結果としては、目的をある程度達成することはできたかたちとなりました。今回は限られた時間の中で作成したプロトタイプということもあり、着手できていなかったゲームデザインの部分もあるので、いただいたフィードバックを元に改善し、最終的に綺麗な形でまとめることができればと思います。また、サブゼミを通してゲームデザインのプロセスで得られる気づきや発見もあったので、それは言語化して、今後のそれぞれの研究活動にも反映していければと考えています。
以上が1月12日のゼミ活動報告になります。
投稿日時: 2023-01-17 投稿者: haruguchi
こんにちは。春口です。
新年一回目、1月5日のゼミ報告を致します。
大空さん 事例研究 DilemmaGame
今回の大空さんの事例研究発表は、エラスムス・ロッテルダム大学が開発した研究倫理を学習するゲーム「DilemmaGame」についてでした。
DilemmaGameは研究倫理の授業で使われる事を念頭にしたゲームです。ゲームの内容は、様々な研究倫理に関する問題に対して、4択で提示される行動を参加者が選び一定時間後にそれぞれの選択肢の投票率が開示されるという内容です。勝ち、負けの要素が無く議論を活発に行う事が目指されています。
大空さんはこの事例に対して、倫理問題に対する選択を学習の対象とするのではなく、問題そのものを倫理的にどう評価するのかという点に着目するとして独自性を確立されていました。
質疑の時間では、勝ち負けの要素がないなどゲームというよりはゲーミフィケーションに近いとしてゲームでは無いといった意見やゲームではないが授業で使う教材としては完成度が高く議論の活発化には有用だといった意見がありました。
春口 研究関連論文紹介
今回私が紹介した論文は情報通信についてロールプレイを通して学習させる教授法の実験と評価についての論文と、コンピュータサイエンスアンプラグド(CSアンプラグド)についての論文についてでした。
ロールプレイを通した教授法の論文では、私の研究でも既存の問題集等のテストを用いてゲームの有効性の評価を行おうと考えていたため、特に評価の方法が参考になりました。
CSアンプラグドについての論文では、特にCSアンプラグドの主要原則として規定されている項目が参考になりました。遊びを通して情報技術を学ぶ際の原則として「学ぶ事が目的ではなく、概念で遊ぶ事が重要」「男女ともに魅力的な遊びであること」などはこれからゲームを作成する上で常に頭の隅に置いておこうと思います。
春口 プレイセッション 新春!ポケモン書き初めゲーム
今回のプレイセッションではポケモン書き初めゲームを行いました。書き初めと付いていますが字を書く事は無く、シルエットと名前が提示されたポケモンを手元の画用紙に書いてもらうというゲームです。書かれた内容が正解のポケモンのモチーフにどれだけ近いか、一緒に提示された色が正解のポケモンに使われているかを採点基準として3問行った結果を競いました。3問それぞれのお題は、「ドオー」「ガーメイル」「ネオラント」でした。
優勝は全3問すべて満点を獲得しての勝利で大空さん、楊さんチームでした。ポケモンの種類は1008種類との事で流石に全部を覚えている人は居ないだろうと考えていましたが、大空さん、楊さん共に覚えていたようで驚きました。優勝したお二人にはOIOIで買ったチョコレート、ほかの皆さんにはブラックサンダーが送られました。
今回のプレイセッションを通してポケモンの名前の奥深さを改めて感じました。とても簡単に見える名前でも、2重にも3重にも意味を重ねて考えられており、ポケモンのネーミングセンスの凄さを感じます。
以上が1月5日のゼミ活動報告になります。
投稿日時: 2023-01-16 投稿者: snii
ご覧の通り、藤本研究室のWebサイトがポップなテイストを基調としてリニューアルしました。とても素敵ですね〜!!!!!
まだ工事中や英訳が怪しい箇所がありますが、今年度中に公開できて良かったです。
今年も藤本研の活動にご期待ください。
投稿日時: 2022-12-22 投稿者: yangxiao
みんなさん、こんにちは。研究生ヨウです。
天気がだんだん寒くなってきて、皆様はお元気でいらっしゃいましょうか。
さて、早速今週のゼミ内容を報告に移りたいと思います。よろしくお願いいたします。
今回は文献研究(升井さん)とプレイセッション(財津さん)という内容でした。
文献研究(升井さん)
著者の紹介と論文は下記をご覧ください
Richard N. Landers (John P Campbell Distinguished Professor of I-O Psychology, University of Minnesota)
Gamfication Science, Its History and Future: Definitions and a Research Agenda.
升井さんはRichard N. Landers 氏の研究文献に記載されている、①現代のゲーミフィケーション研究の哲学的基盤を説明し、②ゲームとゲーミフィケーションの関係を定義して、③ゲーム科学の下位分野としてゲーミフィケーション科学を定義して位置づけ、ゲーミフィケーション科学における主要な関心事項の六つ要素(予測因子構成、基準構成、メディエータ構成、モデレータ構成、設計過程、研究方法)の枠組みを目的提起として解説いただきました。
ご研究の結論は次の通りです。
①ゲーミフィケーション科学とは、ポスト実証主義の認識論の中で、ゲーミフィケーションデザインに関する理論の開発と実証的評価を行うことを指す。
②ゲーミフィケーション科学者・実践者の目標は、ゲーミフィケーションの介入策の設計を通じて、ゲーミフィケーション科学とゲーム研究の両方から得られた洞察を広く活用し、組織の目標を達成する最善の方法を理解することであるべきである。
ゲームとゲーミフィケーションの科学的な定義は、もっと深く追求されるべき問題ですが、こうした文献研究をきっかけに、私自身もゲーミフィケーションの科学の定義についてより深く考えるようになりました。
プレイセッション(財津さん)
今回のプレイセッションは研究室みんなが力を合わせて二つのボードゲームでした。一つは、「JUST ONE」、もう一つは「DIXIT」でした。
「JUST ONE」は、ひとりずつ交代で回答者となり、他の人が出したヒントをもとに、自分だけが見えない秘密の言葉を推理するゲームです。ただし、出したヒントが誰かと同じ内容だと、そのヒントを回答者が見ることはできなくなります。そして、今回はインターネットからランダムに単語を使用することで、より難易度を上げました。このゲームでは、なるべく他の人と同じヒントを出さないように、お互いに考えて協力し合う必要があり、たいへん楽しかったです。
次の「DIXIT」というゲームでは、ひとりずつ交代で語り部となり、自分の手札を一枚の絵柄から連想される言葉を言い、他のプレイヤーは自分の手札の中からその言葉に最も関連していると思うカードを一枚選びます。全員で選んだカードはシャッフルして展示し、語り部以外のプレイヤーは「語り部の出したカード」だと思うカードに投票し、全員当たり、または全員外れの場合は、語り部の得点はゼロ、それ以外は語り部と当たる人の得点となります。つまり、語り手は選んだカードを的外れたりバレたりしにくい曖昧な言葉で表現する必要があるのです。ルールは簡単ですが、ゲームのアイデアは天才的だと思います。
ボードゲームには、創造力・想像力、また魅力があふれています。お正月にみんな様のご家族と一緒にボードゲームをするのは、きっと楽しい時間になされると思っています。もちろんこの二つのゲームはどちらもおすすめします。
今回の報告は以上になります。最後にお読みいただきありがとうございます。
歳末寒気いよいよ厳しき折、皆様のご健康何よりですから、どうぞ、ご自愛ください。よき年を迎えられますことを心より祈念しております。
それでは、また来週!
投稿日時: 2022-12-15 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは、M2の叶です。
最近おすすめのスポットは三四郎池です。論文執筆期間の気晴らしの良い場所です。(雨天は足元を注意すべき)
早速今週のゼミ内容を共有します。今週は関連研究と文献輪読の回でした。発表者は叶、M1の大空さんと特任研究員の木村さんでした。
「Introduction」と「Literature Reivew」の書き方(叶)
自分は今回、少し変わったテーマではありますが、論文執筆時の「Introduction」と「Literature Reivew」の書き方について共有しました。最近は英語論文の書き方について色々調べた情報を整理しました。南カリフォルニア大学図書館の論文執筆ガイド(①)とユーチューブでの論文執筆に関する動画(②③)を参照して、この2章の書き方と構成などを以下の図にまとめました。
参考文献
インストラクショナルデザイン理論とモデル(①)(第1章&第8章)(大空さん)
第1章は「学習者中心の教育パラダイム」です。「学習者中心」とは、個々の学習者と学習そのものに焦点を当てる立場であり、「指導者中心」の反対とも言えます。その普遍的原理には、①達成基盤型のインストラクション、②課題中心型のインストラクション、③個人に合わせたインストラクション、④役割の変化、⑤カリキュラムの変化があります。
第8章は「学習のためのゲームのデザイン」です。ゲーム型基盤の教育アプローチは、豊かで没入型の経験を通した学習促進を目指しています。その普遍的原理には、①ゲームのビジョンを創造する、②ゲーム空間の設計、③教授空間の設計があります。
大空さんは、今回紹介した理論から自分の研究の気づきを得て、研究に「学習者中心」というキーワードを導入して説明し、また、ゲームのデザイン上はレベル分け、カードのカスタマイズ性の活用、ミルフィーユ型プログラムなど、デザイン上のアイデアを共有しました。今後の大空さんの研究のゲーム型ワークショップデザインのさらなる具体化を楽しみしています。
参考文献
ビデオゲームの活用と脳活動に関連する実証的研究の紹介(木村さん)
特任研究員の木村さんは、①医療のシリアスゲーム研究、②高齢者の認知制御トレーニングのシリアスゲーム研究、③ビデオゲームトレーニングと報酬系の研究という3本の論文を紹介しました。
その中で、自分が最も面白いと思ったのは②です。この研究は『ニューロレーサー(NeuroRacer)』という視覚運動追跡課題と同時に知覚弁別課題に取り組む型のシリアスゲームの実証実験です。この研究は、「ニューロレーサー」を60歳〜85歳までの高齢者46名を毎週3時間の頻度で、1か月の間にプレイしてもらいました。プレイしていない対照群と比較すると、実験群は1か月後でマルチタスクのパフォーマンスが有意に向上しました。しかも驚くことに、実験効果は6か月後も持続していました。簡単に言いますと、脳はマルチタスクのシリアスゲームのトレーニングにより活性化できることが証明されました。
最後に、木村さんはビデオゲーム研究の現状についての所見を述べました。
参考文献
今回の報告は以上になります。最後にお読みいただきありがとうございます。
投稿日時: 2022-12-08 投稿者: osora
皆さんこんにちは。M1の大空です。
気づけば12月で、急に冷え込んできたことに冬をひしひしと感じています。本郷キャンパスでは、いちょうの葉が落ちて一面黄色の風景が写真映えするのですが、毎回写真を取ろうか暖かい室内へ急ごうか悩んでしまいます。結局、自分はいつも暖かさを優先してまうので、いつか写真を取りたいと思っています笑
さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。
今回は、研究進捗発表(春口さん&大空)とプレイセッション(升井さん)という内容でした。
■研究進捗発表(春口さん)
春口さんは、情報セキュリティをテーマにしたシリアスゲーム(デジタル)の開発と検証をテーマにこれまで研究をされてきました。
そして、今回はそのテーマがより具体化し、高校で学ぶ「情報 Ⅰ」の範囲である「情報通信ネットワークとデータの活用」の分野で活用できるゲームの開発を行われるとのことでした。
活用シーンとしては、学校以外のインフォーマルな場で使用されることを想定されており、実験の方向性も提示していただきました。
現状の課題としては、実験を行う際の対象者である高校生をどのように集めるかということで、その点はゼミでのディスカッションの中で協力してくれる、関心がありそうな関係者の方々のご紹介がありました。
自分自身、春口さんの研究テーマはとても興味深く、開発されるゲームも楽しみなので、今後の実験(ゲームプレイ)を通して、ゲームの有効性が証明される結果が出ることを期待しています!
■研究進捗発表(大空)
大空は、今回は2部構成で発表を行いました。
1部では、前回の進捗発表で、現在の研究テーマとは別で、他の研究テーマにも検討してみたいとゼミの皆さんにお伝えしており、そのテーマが具体的に4つできたので、まずはそれぞれの内容を発表しました。
その中で、最も自分が関心をひかれる研究テーマをあらかじめ決めており、そのテーマと、なぜそのテーマにしたのかという理由もあわせて、ゼミの皆さんへご共有しました。
そして、2部では、新たなテーマである「研究倫理教育に資するカードゲーム型学習プログラムの開発と検討」の紹介を行いました。
ゲームのプロトタイプ自体はできており、今後はそれを授業に組み込む際の学習設計や理論との紐付けを行い、ゲームプレイによる評価を行っていく予定です。
研究倫理の分野における学習手法の1つとなるよう、研究による効果の証明を行い実際の実装までを修士の間で行っていきます。
■プレイセッション「ソクラテスラ」(升井さん)
プレイセッションでは、「ソクラテスラ」というカードゲームをプレイしました。
この「ソクラテスラ」は、様々な偉人の身体のパーツを組み合わせ、最強の偉人を作り出して戦わせるゲームです。
エンターテインメント性の強いゲームではありますが、内容が日本史や世界史に関わることで、プレイする中で偉人の顔と名前が一致したり、分割された偉人の名前からどの人だろうと考える瞬間が多々ありました。
ゲームでは、偉人の名前を組み合わせることで、上記の画像のような新たな偉人を作り出すのですが、この語感の面白さのようなものは留学生の方にも伝わるのかということもテーマに話し合いました。
結論としては、留学生の場合、偉人の名前を知っていることが面白さにつながっているのではないかという話になりました。
全国の書店などで販売されているゲームのため、また別の機会で遊んでみようと思います!
今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!
投稿日時: 2022-11-27 投稿者: caijinwei
皆さんこんにちは。外国人研究生の蔡です。
今週のゼミ記事も私によりご報告させていただきます。
よろしくお願いいたします。
今回は研究進捗(叶さんと升井さん)と研究員発表(財津さん)でした。
・研究進捗 「進捗報告」 叶さん
叶さんは、現時点での研究進捗と成果などをご紹介してくださいました。
①洗練された概念、カテゴリーと結果図
②考察
③論文のアウトラインと進捗
叶さんは、ゲームプレイヤーの第二言語学習の過程での概念をより深く洗練することを通じて、統計の数に合う合理的な概念で、ゲームプレイヤーの学習過程のフローチャートが出来上がりました。その図を見ると、ゲームプレイヤーがゲームをするとき、面白さと効率の重視の差ため、心理的な変化と行動の変化になるということをよく納得できました。
そして、叶さんは、研究の過程で考えた面白いアイデアなどをご紹介してくださいました。例えば、
①図の違う点いて、異なるプロセスを経る
②一般化しきれない部分がある
最後に、叶さんは、現時点での論文のアウトラインと進捗をご紹介してくださいました。
叶さんの今後の研究成果を期待しています。
・研究進捗 「進捗報告」 升井さん
升井さんは、研究のテーマと内容、そして、現時点での進捗と今後のスケジュールをご紹介してくださいました。筆者が新入生のため、升井さんは特に研究のテーマと内容をご紹介してくれまして、感激します。
①章立て
②執筆方内容の修正
③今後のスケジュール
升井さんは論文の構成、もらったアドバイスによる修正した執筆方内容などを紹介してくれまして、升井さんの進捗をわかりました。そして、升井さんの今後の論文スケジュールを見ると、升井さんが順調に論文の作成を進めていることをわかりました。升井さんの今後の研究成果を期待しています。
・研究員発表 「小学校高学年向けのゲームジャム型ワークショップの実践とその教育的効果に関する研究ー創造性に着目して」 財津さん
財津さんは、ずっと行われている研究の成果をご紹介してくださいました。
財津さんは、ゲームジャムに関する教育的効果の測定は少ないことがきっかけを紹介して、「ゲームジャム型ワークショップの参加者の創造性への影響」と「小学校高学年の子どもたちを対象にゲームジャム型ワークショップを開発・実施する」を注目し、「新しい家事」という子供向けの親子ゲームジャムを設計しました。
ゲームジャムの時間設定は二日間の12時間です。実施した場所は第一回の福岡県福岡と第二回の東京都文京です。具体的な内容を以下のリンクをご参照ください。
夏休み親子ボードゲームジャム2021in福岡(2日目)を実施しました!https://note.com/saikorojuku/n/n78feccfbf3ad
【制作ゲーム公開】夏休み親子ゲームジャム2022
そして、財津さんは、実施されたゲームジャムから様々な面白いデータを収集していたので、それをよく分析し、紹介してくださいました。
まず、財津さんは、ワークショップ実施前、実施直後、実施1ヶ月後の三つの時期に分けて、評価のプロトコルと測定指標を設定し、主要な従属変数「子どもの創造的自己効力感」、「行動変容ステージ尺度」を決めました。
次に、結果として、行動変容ステージの変化は「ステージ移行(-)」予想以外の結果が出てきました。そのほかには、「家事」より、「ゲームを作ること」に対するmini-cがたくさんあったので、最初に設定された目的とちょっと違い、今後の研究の方向性になりました。
最後に、結論は、統計的有意差が見られなかったため、教育的効果があったとは言えないということです。
そして、みんなさんはなぜ予想通りのデータが出ていないかと今後の研究の方向などディスカッションを行うことができました。財津さん今後の研究を期待しています。
今回の報告は以上になりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!
投稿日時: 2022-11-24 投稿者: caijinwei
皆さんこんにちは。外国人研究生の蔡です。
最近、寒いですが、いよいよ秋の感じが強くなりますよね。
東京大学本郷キャンパスの正門に入って、銀杏並木の黄葉は綺麗です。
葉を散らしている
さて、今週のゼミ報告に移りたいと思います。今回は文献研究(升井さん)と事例研究(春口さん)とプレイセッション(木村さん)でした。
・文献研究 「研究テーマ関連論文の概要紹介」 升井さん
升井さんは、研究テーマ関連論文2つをご紹介してくださいました。
一つは、英語文献「Toward Truly Accessible MOOCs For Persons With Cognitive Impairments A Field Study」です。障碍者と非障碍者の離脱率の違いを測定することで、ビデオ学習においてユーザーにカスタマイズの権利があることが大切だということをわかりました。これも、升井さんの修論と同じ主張をしています。
そして、論文の実験結果から見ると、障碍者と非障碍者による履修の脱落率の違いはなかったという結果をわかりました。
もう一つは、「日本における自己調整学習とその関連領域における研究の動向と展望」です。この論文を通じて、自己調整学習という今後の研究の方向性を明らかにする概念をわかりました。
自己調整学習とは、
①メタ認知:獲得したカスタマイズアイテムを俯瞰して学習履歴を認知
②動機づけ:自己決定理論にもとづくモチベーションの維持
③学習方略:自分に適したシステムデザインで自らの学びに責任を持つ
それで、今後の自己調整学習研究の方向性は以下の2つが有力である。
①理論をもとに実践を創る研究
②理論をもとに実践を切り取る研究
最後に、升井さんは、「Readable」というpdf翻訳工具をご紹介してくださいました。とても便利なので、助かりました。
・事例研究 「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」 春口さん
春口さんは、任天堂より製作された『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』という言語を使わずにゲームプログラミングのゲームをご紹介してくださいました。
このゲームに対して、学習の観点から見ると、良いところは、
①言語感の無いシステム
②アイデアを思いつくから完成までのプロセスが早い
一方で、悪いところは、
①ゲーム作成に必要なテクニックは学べない
②ゲームの規模に制限がある
以上のようにまとめると、みなさんがよく注目のポイントは、ゲーム自体で自己完結しているのでその後への繋がりをどうするかが学習ゲームとしての課題である。
・プレイセッション 「手続き記憶としてのコマンド入力」 木村さん
木村さんは、記憶の種類の中で、非宣言的記憶の一種としての手続き記憶をテーマにして、今回のプレイセッション「格ゲーのコマンド入力の習得に挑戦!」をいただきました。
手続き記憶とは、自転車の乗り方、キーボードの入力、ビデオゲームの操作など繰り返し訓練することによって自動化や無自覚化が進んで、いったん十分な水準で獲得されると長期間にわたって忘却されにくいということです。
これによって、今回のプレイセッションで、『ソウルキャリバー V』という格闘ゲームの中で、みなさんは「波動拳!」(↓↘→+ボタン)というスキルの入力を一緒に挑戦してみるという感じになりました。
プレーするルールは、「波動拳!」の練習と挑戦を10回ずつで、可能な限り技を繰り出します。そして、皆さんは二つのチームに分けて、達成数が多いチームは勝利になります。
プレーする時間は早いですけど、非常に楽しかったです。
このように、結果を見ると、やったことがある人とやったことがない人も、コマンド入力は意外と難しいです。そして、操作の方法の説明も伝わりにくいということを感じました。最後に、「↓↘→+○ボタン」を手続き的記憶として定着させたプレイヤーは「↓↘→↓↘→+○ボタン」などのより複雑なコマンド入力をより早く習得すること、つまり、正の転移があるということをわかりました。
今回の報告は以上になりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!
投稿日時: 2022-11-22 投稿者: snii
藤本研究室は株式会社イオンファンタジーとの共催で“親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学”というワークショップを10月22日(土)、23日(日)の2日間で開催しました。その報告レポートを東京大学情報学環オープンスタジオのWebサイトに掲載いただきましたので、ぜひご覧ください🏠⚔️💰✨
レポートはこちら▶️https://openstudio-utokyo.com/archive/20221116-1876/
投稿日時: 2022-11-17 投稿者: yangxiao
皆さんこんにちは。研究生ヨウです。
11月10日ゼミ活動の報告をさせていただきたいと思います。
今回のゼミ発表では、イェさんの文献研究と大空さんの「遊びの教授手段としてのロールプレイ」に関連した論文の研究&紹介とヨウの進捗報告でした。
Ⅰ 文献研究 M-GTA「質の研究への誘い」(15章、17-19章)(イェさん)
イェさんの文献研究は、木下先生の著書の十五、十七、十八、十九章に基づいて、以下の①②③④の四つの部分を中心に詳しく、明らかに紹介していただきました。また、文献を読むため作ってくれたマインドマップのおかげで、読みにくい本がわかりやすくなりまして、大変勉強になりました。
① 分析ワークシートの完成と概念の精緻化
② カテゴリーの生成
③ 結果図とストーリーラインの作成(分析のまとめ方)
④ 論文執筆前と執筆中の要点
Ⅱ 文献研究 理科教育へのロールプレイに関して取り扱う論文(大空さん)
大空さんは、理科学習におけるロールプレイの導入の可能性と効果を中心に、三つの論文(「理科教育におけるロールプレイとその可能性」、「理科学習へのロールプレイの導入とその教育的効果」、「ルールプレイによる知識の定着と保持に関する一考察 ――小学校第6学年『人の体のつくりと働き』における実践から――」を通して、以下の三点によって、理論と実践面の両方面からご紹介くださいました。
① ロールプレイとは(理科教育における)
② ロールプレイの分類(ゲーム;プレゼンテーション;メタファー的ロールプレイ;アナロジーロールプレイ;シミュレーション;劇場ロールプレイ)と具体例
③ ロールプレイによる教育的効果(理科学習への理論上と実践上)
結論としてのまとめは、
ⅰ. ロールプレイは学習手段として有効、
ⅱ. アナロジーロールプレイは高い記憶定着率誇る、
ⅲ. その背景には当事者意識の醸成構造的理解の把握がある、となります。
理科学習へのロールプレイの導入、非常に興味深い研究論文と思います。興味をそそられただけでなく、自分の研究の方向性を考える上でもとても役に立ちました。
Ⅲ 研究方向についての進捗報告 (ヨウ)
前学期のゼミ発表で、教育用ARGの構造と応用は、デザインパターンから一般的なパターンを抽出できるかどうか、またすべでの教師が自分のARGゲームをデザインすることは可能なのか、という問題提起の部分を中心に、以下の三点の通して、今後の研究方向についてご報告いたしました。
① 教育用における代替現実ゲーム研究の目的・意義、
② サポーターとしての代替現実ゲームの実現の可能性、
③ 教育用の代替現実ゲームへのAI技術導入の可能性とそのデザイン・制作
ゼミで、先生と皆さんに貴重なご指導ご意見をたくさんくださいまして、自分の未来の勉強にも研究にもたいへん役立つになります。本当にありがとうごさいます。
今回の報告は以上の通りです。最後までお読みいただきありがとうございます。また来週!
投稿日時: 2022-11-17 投稿者: snii
藤本准教授の報道番組への取材協力がここ最近2件ありましたのでご紹介します。ぜひご覧ください🌰🍁
・読売テレビ「かんさい情報ネットten.」
エデュテインメントの特集コーナーでコメントが紹介されました。
放送日時:11月3日(木) 15:50-19:00
・KTSライブニュース 11/2(水)18:09~ 特集コーナーでオンラインインタビューに協力しました。
下記動画の記事です。
漁協組合長が教える「eスポーツ」 ゲームを通した学びとは【鹿児島発】|FNNプライムオンライン
私も上記リンクの記事を読みましたが、以下のコメントに完全同意です。
岩元良祐さん:
1人でインターネットサーフやゲームをしても、見つけられる発見は1人分。共同スペースにいると、たくさんの友達から情報や新しい発見が生まれることもある。
1人でポケモンユナイトをプレイしていても上手くなるのには限界がありますが、上手い人にプレイを見ていただいてコーチングいただくと、自分のプレイのどこが悪いのか指摘をいただけたり、表には出てこない情報(仲間にゴールを踏んでもらうとゴール時間が早くなる、など)が発見されて驚いたりした記憶があります。
ポケモンの新作が明日発売されるので、楽しみです🔥💧🌱✨
投稿日時: 2022-11-15 投稿者: snii
起業に興味のある全国の学生を対象にした「超起業学校スタートアッププログラム(IESSP)」の成果発表となる最終ピッチイベントが10/1(土)に開催されました。当研究室M2の升井友貴さんが所属するチームが、自己研鑽×ギャンブルという新発想の目標達成アプリ「がんばろっと」をプレゼンし、最優秀賞である超教育賞を受賞しました🙌㊗️🎉✨
詳細は以下の情報学環のWebサイトに掲載いただきましたので、ぜひご覧ください。
投稿日時: 2022-11-08 投稿者: osora
皆さんこんにちは。M1の大空です。
先日、ゲームマーケットというアナログゲームイベントに参加してきました。開催されるたびに足を運ぶようにしているのですが、年々イベントの規模や出店しているジャンルの多様さも増しているように思え、ボードゲーム業界の盛り上がりを感じました。また一方で、会場で偶然、特任研究員の財津さんにお会いして、世間の狭さも感じました笑
さて、それでは今週のゼミ報告に移りたいと思います。今回は文献研究(春口さん)と事例報告&プレイセッション(大空)という内容でした。
■文献研究「ルールズ・オブ・プレイ 第12章/第14章」(春口さん)
春口さんは、2つのトピックについてご紹介してくださいました。
一つは、「3つの水準のルール」についてです。ゲームのルールは3つの水準に分けられ、ゲームの同一性は①と②の関係から生じ、ルールの特異性は①と②と③の関係から生じるということを端的にまとめていただきました。
①操作のルール:説明書に書いてあるルール
②構成のルール:定石や数学的な正しさ
③暗黙のルール:空気を読むという事、マナー
もう一つは、「創発システムとしてのゲーム」です。創発システムとは少数の限られたルールから複雑性を生み出すシステムを指すのですが、ゲームが創発システムであるとプレイヤーの遊びの幅が大きく広がるといわれています。ゲームやシステムをデザイン・理解する上で必要となる知識であるとともに、本当にそうなのか?と改めて問い直すいいディスカッションを行うことができました。
■事例報告「ひみつの研究道具箱」(大空)
大空は、科学技術表現論という授業の中でプレイした、東大の生産技術研究所が開発したカードゲームを事例として紹介しました。
本ゲームは、「キャット&チョコレート」のような、いわゆる大喜利ゲームのようなゲームシステムですが、自由な回答をしていいからこそ、参加者の心理的なハードルが下がってラフに科学技術に触れられる点がポイントです。
サイエンスコミュニケーションにおいて、科学者と市民の認識のギャップを埋めること、科学をわかりやすく伝えることが課題として挙げられますが、本ゲームはそのギャップを埋めるためのハブとしてとても有効であると感じました。言い換えると、コミュニケーションツール、メディアとしてのカードゲームであると表現できます。
また、HP(http://cardgame.iis.u-tokyo.ac.jp/)を見ると、回答のアーカイブ化も行われているようで、ゲームをプレイするだけで完結しない取り組みも行われています。これにより、科学者に市民の声が届くというゲームを超えたコミュニケーションが生まれているようです。
こうしたゲーム内だけのコミュニケーションで完結しない、コミュニケーションツールとしてのメディアとしてのゲーム制作を自分も目指したいと思います。
■プレイセッション「研究倫理ゲーム」(大空)
プレイセッションでは、新たに開発した研究倫理ゲームを皆さんにプレイしていただきました。今回が、本ゲームの初のテストプレイだったので、若干不安があったのですが、無事楽しんでいただけてよかったです。
本ゲームは、現在自分が履修している「研究倫理」の授業において、もっと課題を自分事にできるツールを開発したいと思ったことがきっかけで制作しました。基本的に研究倫理では講義が中心であり、アクティブラーニングの観点で見ても、ワークシートやシミュレーション型の動画教材が多いため、新たな学習手法として提案できるのではないかと思っています。
ゲームでは、課題に対するそれぞれの価値観が鮮明になるように、ゲーム内 / 外で話し合いができるようにデザインしました。テストプレイをして、自分が思っていた以上に、そこが大きく浮き彫りになったので、個人的に嬉しかったです。今後、改善を重ねて世に出せるように進めていこうと思います。
今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、また来週!
投稿日時: 2022-11-01 投稿者: osora
皆さんこんにちは。M1の大空です。
今回は、先日開催された『親子でマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』についてご報告します。当日は、自分もスタッフとして一部参加したのですが、大盛況で親子揃ってマイクラを楽しみつつ、学びを得られている姿を見れたので、その様子をたっぷりとお伝えいたします!
そもそも『親子で楽しむマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』とは
株式会社イオンファンタジーとの共催で開催された本イベントは、同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」の講師陣によるリアル参加型ワークショップです。同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の研究成果として、多くのお子さまに大人気の「マインクラフトの教育版」を使用して実施するものでした。
本ワークショップの特徴は以下の2点です。
①デジタルゲームの学び体験
教育版マインクラフトの特徴を活かした学習プログラムを体験できます。東京大学の会場とオンラインの講師を接続して、ゲーム空間での遊びから楽しく学ぶ力を育みます。
②多人数でのマルチプレイ
チーム対抗チャレンジを取り入れたレッスンです。チームメンバーで助け合いながら、オリジナルの建築物などをマイクラワールド内で制作します!
今回は10月22日(土)〜23日(日)にかけて全4回の開催でしたが、とても好評だったので、早速第2弾も近々発表されるとか…!応募枠の関係で、今回参加できなかった方々も、ぜひ第2弾にご期待ください。
さて、概要をお伝えできたところで、当日の様子についてご報告いたします。
まず、会場は以下のような形式となっていました。子どもたちはPCの前に座って実際にマイクラをプレイするのですが、親御さんもその隣でタブレット端末から接続し、お子さんと同じ世界で同じものを見れる工夫がなされていました。
ただ、こうして見ると、コミュニケーションの時間はしっかりあるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、安心してください。本ワークショップでは、しっかりとその点もフォローされています。具体的には、以下の3点がなされていました。
①2種類のチームワーキング
先程の画像ではわからないのですが、実は子どもたちは2つのチームに分かれています。そして、ゲームでは、相手チームが隠した宝石を探して見つけ出すチーム対抗戦の宝探しを行います。ただし、ただの宝探しをするのではなく、その過程において通常とは異なるポイントがありました。一つが、マインクラフトと聞いてまず想像する、協力して建物をつくる要素です。もう一つが、いきなりゲームスタートするのではなく建物を立てたら、どこに宝石を隠すのか、どのようにして勝つか戦略を考える要素です。
それぞれのチームで、この協力して建物をつくる+協力して勝利のための戦略を考える時間がしっかりと設けられていることで、コミュニケーションの時間が取れ、子どもー親の間のコミュニケーションだけではなく、子どもー子ども間も自然と発生する仕組みができていました。
②Zoom接続&アバター
では、写真を見る限り、子ども達はPCの前にいるので / ヘッドフォンをしているので、子どもー子ども間 / 子どもー親のコミュニケーションは本当にできるの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。その解決策として、皆さん現地にはいるのですが、PC上でオンラインWeb会議ツール(Zoom)にも接続して、お互いの声をクリアに聞くことができるようになっておりました。
また、先程2つのチームに分かれていることをお伝えしましたが、それぞれのチームには専用のアバターが用意されていました。一つはアニメ『鬼滅の刃』で、もう一つもアニメ『呪術廻戦』のキャラクターのオリジナルアバターだったのですが、これにより、初めましてでお互いの名前が明確にわかっていない状況でも、例えば「炭治郎(鬼滅の刃のキャラクター)の子」のような形でお互いを認識、呼び合うことができていました。
③オンライン&現地のファシリテーター
本ワークショップでは、ゲームの進行役兼、学習のサポート役として、Zoom・現地両方にファシリテーターがいらっしゃいました。もちろん、はじめてPC版マイクラに触れるお子さんやそもそもPC操作に不安があるお子さんでも、プログラムの進行上でフォローは行われるのですが、ファシリテーターによる個別の丁寧なサポートもあるため、最初はちょっと動かし方がわからない!というお子さんでも、30分もすれば完全にマスターできるようになっていました。
では、最後に当日スタッフとして参加した自分の感想をお伝えしようと思います。
まず驚いたのは、子ども達の吸収力の高さです。前述したとおり、PCに不慣れなお子さんでもプログラムやスタッフのサポートがあるので安心だったのですが、それ以上に一人ひとりのお子さんのスキルの習得の早さによるものが大きいと感じました。
私もそもそもマイクラが初だったので、軽くプレイさせていただいたのですが、正直自分よりもお子さん達の方がマスターするまでのスピードは早かったと思います。
また、これは自分の性格的なところなのかもしれませんが、プレイのスタイルとして、マニュアルをまずは見ながら建物を立てていったのですが、一方で、子ども達は大体の感覚が掴めたら、自分が頭の中で思い描いているものをアウトプットする形で自由に建物を作っていっていたのも印象的でした。
論理的思考力やコミュニケーション力以外で、こうした子ども達の創造性を肌で感じることができました。それもやはり、マインクラフトというゲームシステムの強さだと思います。当日は、親御さん達も夢中になっていらっしゃったので、お家でもマイクラを楽しんでいただきたいです。
さて、最後にはなりますが、また第2弾の企画も進められているということで、この記事をご覧になった方は、ぜひ次回ご参加いただきたいです。スタッフとして、皆様とお会いできることを自分自身、楽しみにしております。それでは、また来週!
投稿日時: 2022-10-27 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M2のイェです。
最近は寒くなってきて、本郷の並木は黄色に染まっているところです。
今回のゼミは、初めて情報学環本館の教室で行われました。
高層なので秋の午後の青空と日暮れを満喫しました。
教室から眺められた景色!きれい!
本題に戻りますが、今回のは升井さんと自分の事例紹介とサイさんの進捗報告でした。
・「桃太郎電鉄教育版」(升井さん)
升井さんは自分のTGS2022とEDIXオンラインの経験を踏まえて、長年に日本で愛されてきた「桃太郎電鉄」シリーズの教育版を紹介しました。今冬リリースする予定で、その特徴としては、ブラウザ環境、教育現場に導入無料、普通版と比べて学習に適している内容や機能の追加(*)などが挙げられます。
* 具体的には①地方を限定してプレイ、②情報の補足的表示、③先生側のコントロール、④「貧乏神」の排除などがあります。
升井さんは、一般人と社会科教員の意見のレビューも共有してから、最後にはゼミがチームに分けて、「教育版ならではの新たな機能を追加するなら何を入れるか?」というテーマでディスカッションをしました。提案のまとめは以下になります。
・「Disco Elysium」(叶)
夏休みの時にプレイした積みゲーであり、110万ワードがある刑事物語アドベンチャーRPGの「Disco Elysium」をメイン事例として紹介しました。
自分的に思う本作の良い点としては、芸術性が高い、テキストベースのわりにはインタラクションが多くて自由度が高い、サイコロを振るという運的な判定で即時的なフィードバックをもらえるなどが挙げられます。
また、(研究テーマ的に)最も重要なのは多国語対応で言語学習のためにも役立つという点です。「L」ボタンで簡単に言語を切り替えられる、英語のフルーボイズ付いているといった機能がゲームの学習効果を高めたと考えられます。
私はプレイする時には中国語をメインでプレイし、時々原文の英語に切り替えて照らし合わせるようにしていました。ゼミでは今までの研究でM-GTAで生成した概念を自分の体験で説明してみました。
・蔡さんの進捗報告
蔡さんは「歴史教育ゲームの開発 -洛中洛外図屛風絵のシリアスゲーム化-」という新たな研究テーマを提案しました。
洛中洛外図屏風は、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や風俗を描いた屏風絵です。蔡さんは、洛中洛外図屏風をモチーフにしたゲームで遊ぶことを通じて、歴史場所や歴史人物などの知識を勉強すると考えています。そのアイデアに基づき、ゲームのデモを制作して建築と人物のモデリングを報告しました。ゼミメンバーがその制作の素早さと完成度の高さに驚きました。
その後のディスカッションでは、皆さんが蔡さんの研究テーマに対して問いを投げました。「誰かにどのような場面でプレイするのか」、「どのような内容を勉強するのか」、「ゲームをどのようにプレイするのか」、「それがどのように学習と繋がるのか」など、研究計画をさらに明らかにする際に答えなくてはならない質問がたくさん挙げられました。これらの問いに対して、蔡さんの今後のご報告を楽しみしております。
今回の報告は以上でした。最後までお読みいただきありがとうございます。また来週!
(ちなみに、「Disco Elysium」はSTEAMでセール中ですので興味がある方はどうぞ…
投稿日時: 2022-10-21 投稿者: snii
藤本研究室が所属する文化・人間情報学コースの入試説明会が10月29日(土)13時からオンラインで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトに告知されていますので、ご確認ください。
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/221029culturalexam
これに合わせて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2022年11月7日(月)17:00-19:00(希望する面談が終了した方から順次解散)
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/cgCLjN1iWMjLomvB9
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2022-10-20 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
10月13日のゼミ活動報告をさせて頂きます。
今回のゼミでは、M1:研究計画発表、M2:研究進捗発表の形で行われました。
以下がそれぞれの発表内容についてです。
M1:研究計画発表 春口
今回報告したのは2点です。
1点目は、作成するシリアスゲームテーマとして、情報通信分野の通信プロトコルを題材としたいということ。2点目は研究としてどういった測定を行うのかを模索しているということです。
通信プロトコルはゲームにしやすいテーマであることや、様々な特徴を持ったプロトコルの理解が初学者には難しいといった点からゲームテーマとして選びました。しかし、そこから研究として何を測定するのかという点で行き詰ってしまったといった報告でした。
この報告に対して、研究員の財津さんからの「ゲームにしやすいから選んだ、ではなくほかに何か課題を感じるから選んだのだろう」という指摘や藤本先生からの「なぜゲームにするのか一度立ち返って考えてみるとよい」といった助言などを頂きましたので、今一度学習という観点から通信プロトコルを考え直す事としました。3歩進んでは2歩下がるような事ですが、研究においてもっとも重要な部分ですのでじっくり考えていきたいと思います。
M1:研究計画発表 大空さん
大空さんが報告された内容としては4点です。
1点目は、研究背景となる文献調査について。2点目は、ゲーム内容のブラッシュアップについて。3点目は、オンライン版への展開について。4点目は、研究テーマについての報告でした。
オンライン版の報告内で、当初はWebなどの形式を考えていたが企業の方からセキュリティの都合でGoogleスプレッドシートかExcelが望ましいと言われたためそちらで作成する事となった、という経緯が話されておりゲーム制作の隠れた壁を感じました。また研究テーマについての報告では、夏休み中に参加されたボードゲームジャムで経験や授業での経験などから研究テーマとしての方向性を見出されていて、ボードゲーム制作者としての大空さんの能力の高さが垣間見えました。私も見習っていきたいです。
M2:研究進捗報告 升井さん
升井さんの進捗報告は大きく分けて2点です。
1点目は論文の章立てについて、2点目は夏休み中に行った研究の結果についてです。
1点目は論文の章立てについて、全6章として整えたとの報告でした。いよいよ修士論文作成の話題が上がってきました。後輩として来年のためにも参考にさせて頂きます。
2点目では、夏休みに行った研究結果の集計結果を報告されました。研究で作成したシステムの有効性や各機能と個人の特徴との関連性など、おもしろい結果が多数報告されていました。どのように論文としてまとめられるのかがとても楽しみです。
M2:研究進捗報告 叶さん
叶さんの進捗報告は3点でした。
1点目がインタビュー内容の報告、2点目が概念分析の結果報告、3点目がこれからの予定についてです。
インタビューについては、最終的には18人まで対象が増えたとの事で素人目からはとても多い人数だと感じました。インタビューだけでなく概念分析もそれぞれに行うためとても体力の使う活動だったかと思います、お疲れさまでした。
概念分析からカテゴリーの試作や結果図の作成などを行われていましたが、結果図が少しシンプルすぎるとのことで、これから詰めていく事になりそうでした。私はシンプルで分かりやすくて良いなと感じていただけに、思わぬ所で自分の勉強不足を感じました。
以上が13日のゼミ内容の報告です。
皆様お疲れさまでした。
投稿日時: 2022-10-08 投稿者: masui
M2の升井です。お世話になります。
秋学期がスタートしました!初回ゼミの報告です。急に寒くなったり、衣服の調整が難しい時期になりましたね。本郷キャンパスは毎年恒例の銀杏の臭いが充満しており、すっかり秋を感じています。
■サイさんの自己紹介
ゼミに新メンバーがやってきました。中国から外国人研究生として在籍するサイさんです。サイさんの詳しい研究内容や経歴は本人の記事に任せるとして、凄かったのはゲーム開発を複数していることです。今回、そのデモムービーを見せてもらいました。中国風の趣のある背景や凝ったドットキャラなど、練りに練られていました。
■夏季休暇期間の報告
ゼミ生と研究員の方が夏季休暇期間の報告をおこないました。ゼミ合宿で会っていたのである程度内容は把握していましたが、他にも色々とアクティブに活動されていたようで何よりです。特にボードゲーム領域の大空さんや財津さんはボードゲームジャムや熊本遠征など、外部の人との交流が充実した夏になったのではないかという印象でした。私個人としては、お陰様で無事にビデオ学習システムの実験を終えられたことが一番の収穫です。とても面白いデータが集まったのではないかと思っています。ご協力いただいた方々、ありがとうございました。
■ゼミ合宿(施設調査)の報告
9/29-30にかけて研究室のみなさんと大阪での施設調査に行ってきました。
① REDEE
https://redee.game/
REDEEはゲームでデジタルを学ぶ体験施設で、プログラミング体験やe-sports体験などができます。実は、春学期に事例紹介で私が取り扱った施設でもあります。スケール感が大きく、遠足や修学旅行などでも大人気で、このような施設の存在があることでゲームと教育が対立関係ではなく、シナジーのあるものだと世間に認識されていくのではないかと思いました。
② ボードゲームホテル MIMARU大阪 難波STATION
https://mimaruhotels.com/jp/hotel/namba-station/boardgame/
ボードゲームに特化したホテルに泊まりました。ホテルのあらゆるところがボードゲーム要素に飾られていて、ボードゲームのためのホテルだなと感服しました。部屋の机やソファーもボードゲームがしやすい設計になっていて、夜遅くまで楽しめます。テラスでのBBQも楽しかったです!
③ アクティブラボ
https://kc-i.jp/facilities/the-lab/active-lab/
アクティブラボは、企業や大学などのエキサイティングな技術や活動を、大人から子どもまで、楽しく、わかりやすく紹介する展示エリアとのことです。体験型で、色々な技術に触れることができます。一番驚いたのは、藤本先生がダンスゲームで一曲全部踊り切ったことです。まさにアクティブでした。
最後に…
現在は鋭意、修論の執筆で忙しい日々を送っています。今後は、新メンバーのサイさんの記事もあると思うので、お楽しみに!
投稿日時: 2022-10-06 投稿者: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(10/6 20:35追記)
株式会社イオンファンタジーとの共催で、『親子で楽しむマイクラチャレンジ2022 at 東京大学』を開催いたします。同社運営のオンラインスクール「ゲームカレッジLv.99(レベルキュウキュウ)」の講師陣によるリアル参加型ワークショップで、同社と当研究室が行っている共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の研究成果として、多くのお子さまに大人気の「マインクラフトの教育版」を使用して実施するものです。
<開催概要>
日時:2022年10月22日(土)、23日(日) 各日13時~15時、15時30分~17時30分
(同一内容を計4回開催します)
場所:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
※アクセスはこちら https://openstudio-utokyo.com/access/
内容:マインクラフトを使って講師や仲間たちと遊ぶことで論理的思考力や創造性を育むことができます。ゲームの持っている特性を最大限活かし、子どもたちの持つ能力を引き出すワークショップです。
対象:小学2年生~小学6年生までのお子様とその保護者の方
定員:各回14組、計56組
参加費:無料
参加申込:https://forms.gle/12R5CaK29p7Fbq9A9
主催:東京大学 大学院情報学環 藤本徹研究室
共催:株式会社イオンファンタジー
問い合わせ先:株式会社イオンファンタジー ゲームカレッジLv.99 カスタマーサポート
lv99.af80@gmail.com
<ワークショップの特徴>
①デジタルゲームの学び体験
教育版マインクラフトの特徴を活かした学習プログラムを体験できます。東京大学の会場とオンラインの講師を接続して、ゲーム空間での遊びから楽しく学ぶ力を育みます。
②多人数でのマルチプレイ
チーム対抗チャレンジを取り入れたレッスンです。チームメンバーで助け合いながら、オリジナルの建築物などをマイクラワールド内で制作します!
以上、皆様のご参加をお待ちしております。
投稿日時: 2022-09-28 投稿者: snii
当研究室所属の財津特任研究員が科研費採択課題『創造性を育成するボードゲーム学習プログラム・カリキュラムの開発・評価』の研究のため、くまもと森都心プラザ図書館にて開催された「第4回シリアスボードゲームジャム(SBGJ2022)」に2日間にわたって参加しました。
その様子をnoteにまとめておりますので、ぜひご覧ください🎲🌟
https://note.com/saikorojuku/n/n52919276c2a4
「シリアスボードゲーム」を作る上で気づきを得たことや、「面白い」ゲーム作りに苦労された様子を正直に語ってくださっています。ゲーム作りは、奥が深いのですね…👀💥
個人的には、ゲーム学習論を学ぶ上で良く出る例えである「チョコレートで包まれたブロッコリー」が頻出したのが、嬉しかったポイントです(笑)。
また、同じく当研究室のM1大空さんも参加され、その様子が地元の新聞📰でも紹介されていました。大空さんのご報告も楽しみです!🎆
投稿日時: 2022-08-30 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
夏休み近況報告ですが、今回はゼミのイベントとして先週行われました「東京国立博物館でのリアル脱出ゲーム」と「ボードゲーム大会」について書かせて頂きます。
リアル脱出ゲーム
現在東京国立博物館で行われている脱出ゲーム「東京国立博物館からの脱出」に参加してきました。スマホのアプリと配布されたリーフレットなどを使って、博物館内を歩き回りながら謎解きをするエンタテイメントです。
博物館に行くという事に対する好きな人が行う趣味といったイメージに脱出ゲームの要素を加える事で、より広い層の人たちに博物館の展示や博物館そのものを知ってもらうという意図で作られているゲームでした。同ゲームを行っている周りの人たちも、カップルから家族、ご年配の方など層が幅広くゲームとしての強みが遺憾なく発揮されていたと思います。謎解きの内容も展示物と上手く絡めて作られていたため、ゲームをしながら展示物に触れるという体験がうまく作られていました。
以上がゲーム内容についてのお話で、当日の様子についても少し書かせて頂きます。
当日参加したメンバーは私を含め院生、教職員併せて8名。集合してリーフレットを貰ったらあとは各自でゲームに取り掛かるという流れでスタート(13時)して、閉館(17時)まで粘ってクリアしたのは3~4名でした。
私はタイムアップでクリアできませんでした。謎解きの内容も中々の量あったのと難易度も結構難しく、時間が掛かったのが原因です。周りの皆さんも想定よりもボリュームのある内容と捻られた問題に圧倒されていたと思います。
あと結構歩くため体力の方もジワジワと削られました。いい運動になったとも捉えられます。質、量、時間、総じてボリュームの大きい謎解きゲームでした。
ボードゲーム大会
そうした感じの謎解きゲームを体験した後は秋葉原に移動してボードゲームで22時くらいまで遊びました。「L.A.M.A」「適当なカンケイ」「Camel Up」「テレストレーション」などで遊びました。
日中とは正反対の脳を酷使する時間です。日中で体力はゴリゴリ削られているはずでしたが、そうした雰囲気も薄くみんなで和気あいあいと遊んでいました。
私自身は、これまであまり多くのボードゲームに触れてこなかったため、今回触れた様々なボードゲームは新鮮でとても楽しくプレイしました。練られたルールも去ることながら、魅力的なカード・ボードのデザイン、遊びんでいる場所のデザインなどボードゲームの魅力を沢山感じる時間でした。月1くらいでまた遊びたいです。
余談ですが、デザインで言えば「ゲット★スイートラブ」というゲームがとても気になりました。パッケージはキャッチーでシンプルな雰囲気なのですが、良い彼女をつくる事を目指して様々な策略を目指すゲームでかなり黒い内容らしいです。公式の略称は「ゲスラブ」とゲーム名、ゲーム内容、略称、パッケージ、それぞれにシニカルなユーモアを感じます。今度来たときはぜひプレイしてみたいです。
以上が春口の近況報告となります。
夏休みも折り返しですので、できるだけのことを今のうちにやっておきたいですね。
投稿日時: 2022-08-29 投稿者: yangxiao
こんにちは。研究生のヨウです。
皆様の夏休みはいかがお過ごしでしょうか。何か面白いことがあったでしょうか。
先週、研究室の夏のゼミ企画に参加いたしました。東京国立博物館で行われた百五十周年記念のリアル脱出ゲームに加入し、先生と研究室の皆さんとたいへん楽しい一日を過ごしました。ゲーム中で探偵事務所の新人となり、館内で起こる不思議な出来事を調査し、専用アプリで館内の収蔵品の「声」を聞きながら、少しずつ謎を解いていくのです。パズルを解くのに長い時間がかかりますが、歴史的魅力的な博物館のコレクションの美しさとインパクトは、忘れられない超越的な体験となりました。ブログをご覧の方でご興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
研究について、前学期のゼミで、先生と研究室の皆様からいろいろとご指導やアドバイスをいただきまして、皆様のたいへん面白いご研究課題、ご発表をお勉強させていただき、自分の未来の研究もとても役立つになっています。この数週間は、海外の文献を読み、関連する知識を少しずつ身につけることに主眼が置かれています。その一つが、サブリナ・クイバ(Sabrina Culyba)氏の著書『THE TRSNSFORMATIONAL FRAMEWORK』で、教育用ゲームデザインに関する多くの問題への独特な示唆を与えています。読んでみてとても勉強になりましたし、自分の研究方向にもたいへん役立つはずと思っています。グウンロード可能なので、ご興味のある方はぜひ読んでいただければと思っています。
(リンクは以下のとおりです↓)
https://www.transformationalframework.com/
また、毎日日本語を勉強しております。他の科目の勉強も院試の準備も行っています。とても充実した夏を過ごせると思っていますが、日本語の難しさと自分の勉強不足をも毎日痛感しています。後学期、皆様にお会いできるのを楽しみにしています。
皆様の素敵な夏休みでございますように。
報告は以上です、よろしくお願いいたします。
投稿日時: 2022-08-23 投稿者: Ye Zhiqing
こんにちは。M2のイェです。
皆さんは、夏休みにどう過ごしているのでしょうか。
私は帰省しました。今は中国の広東省にいます。
先週、隔離期間がようやく終わり実家に戻ることができました。
最近は家族に「リングフィット」を教えたり、祖母と「ジャスト・ダンス」でダンスしたり、久しぶりの友達と交わした言葉と故郷美味しい食べ物で毎日充実しています。
残念なことに、研究はそれほど進捗がなかったです(泣)。
日本語も退化していると感じています。(この記事を読めばわかるかもしれません (泣x2))
ですが、8月27日にReplaying Japan2022という学会で発表がありますので、
それに向けて研究のポスターとその発表動画を作りました。
英語版のアブストラクトとポスターの内容の修正を繰り返して、
修士研究の結果部分の予想が整理でき、論文執筆のための英語のリハビリテーションにはなりました。
また、M-GTAを用いた分析の概念図を作るために、色々マインドマップのアプリを試してみて、最終にXmindというアプリに定着しました。なぜかというと、トピックのブランチを作れるだけでなく、トピック間の関連もつけられるからです。
27日の学会発表(poster session 14:00 – 15:00)では今までの研究進捗を紹介しますので、興味を持つ方はぜひお越していただければと思います。
こちらからレジストレーション↓
http://replaying.jp/registration/
今回の報告は以上です!ではまた来月!
投稿日時: 2022-08-13 投稿者: masui
M2の升井です。
最近は修士研究の実験で忙しい毎日を送っています。
具体的には、開発したビデオ学習システムのプロトタイプを触ってもらって、データを収集しているという状況です。
今回は、実験をやっていて感じたこと、気づいたことを書いていきます。
まず、8月になってから実験に参加してくださった方々、これからの予定を入れてくれた方、本当にありがとうございます。おかげで、修論に向けて歩みを進めていくことができます。
研究というのは、先生をはじめ、ゼミのメンバー、さらには実験に参加してくれる被験者の方々の協力がないと成立しないということを実感しています。研究は一見孤独なようで、色々な人との関係性の中で成り立っているのだということをあらためて認識しました。
また、実験に参加してもらった人とは世間話もするので、学部生であれば進振りのことや、院進のことで軽く相談に乗ったり、院生であれば今の研究の進捗や進路の話など、様々な人との対話の場にもなっていてとても充実しています。
この実験をするにあたって、大変だったことはプログラミングの経験がほとんどない状態からプロトタイプをつくる必要があったので、プログラミングの教育系YouTuberの動画をみたり、オンライン家庭教師の方に教えてもらったり、試行錯誤しながら何とかカタチにしたことです。プログラミングのセンスがあれば、もっと複雑なシステムも組めたとは思いますが、既存のツールだったりを上手く活用しながら手を抜くところは抜いて、やりたいことを実現してきました。頑張った甲斐がありました。
最後に、このブログを見てくださっている方(大学生、大学院生)にお願いがあります。おかげさまで、多くの人に参加してもらっていますが、さらに実験のデータを充実させるために新規の参加者を若干名募集します。学外の方も大歓迎なので、藤本ゼミや学府に興味のある方はこの機会に私と話しましょう。友人同士で来てもらってもOKです!8月中であればスケジュールは柔軟に対応できます。
内容:オンライン授業システムのテストモニター
対象:大学生、大学院生
日程:〜8/31
所要時間:50分程度
謝礼:2000円(交通費込み)
場所:東京大学本郷キャンパス
担当者名:升井
※こちらのフォームから連絡をください、詳細をお送りします
投稿日時: 2022-08-03 投稿者: osora
こんにちは、大空です。
7月28日のゼミ活動報告をさせて頂きます。
春学期のゼミ活動は、今週のゼミで終了となるため、最後にそれぞれの夏休み期間中の研究計画について発表を行いました。以下では、学生の発表内容についてご紹介します。
叶さん
叶さんは、修士論文のインタビュー調査に関する具体的なスケジュールをご紹介してくださいました。インタビューの実施〜分析は非常に時間を要する作業ですが、叶さんの場合、現段階でインタビューデータのサンプルから概念生成のモデル例を実際に作成されており、かなり研究がスムーズに進まれています。今後、その内容の厚さを出してくことに注力されていくようです。また、夏休みの間は中国に帰国されるようで、家族と一緒にゲームをされたいとも仰られていました。中国のゲーム事情には、あまり詳しくないので、夏休み明けのお話を楽しみにしています。
升井さん
升井さんも叶さんと同様に、修士論文の進捗に関する計画を発表されました。具体的には、升井さんが制作されたオンライン動画学習システムのプロトタイプの実験に関する内容をご紹介してくださいました。特に、プロトタイプを使ってみての評価をヒアリングするための質問項目についてみんなで議論をしました。先行研究とのつながりも考えられていた内容で、実際にどんな学生にどのようにして実験を行うかの部分は明確に見えておられたので、秋学期初回のゼミでは、どのような結果が得られたのか、そして升井さんの考察がとても気になります。
春口さん
春口さんは、前回のゼミ活動で発表されていた情報セキュリティに関するゲームレビューを中心に行っていくようです。個人的には、情報セキュリティの分野では、海外のゲームが多くあまり詳しくないため、実際にどのようなゲームであったか、春口さんの感想がとても楽しみです。また、就職活動のインターンシップや特任研究員の財津さんのワークショップアルバイトなど、ゲームに関わる面での活動も多様に行われる予定です。そして、週に1回は外に出かけるという目標もあり、実際にどこに行かれたかなど、夏休み明けの報告が色々と楽しみです。
大空
私は、主に「先行研究のレビュー」「発表」「ゲーム制作」の3つを行っていく予定です。まず、先行研究のレビューに関しては、春学期のゼミの中で大体の方向性は見えてきたと思うので、読みきれなかった文献などを中心にレビューをしていきます。次に、発表に関しては、Replaying Japanでの学会発表や財津さんのワークショップなど、伝える立場も増えるので、物事を分かりやすく発表・コミュニケーションすることを目標にしています。最後に、ゲーム制作に関しては、研究テーマのキャリアのゲームはもちろん、研究外でもゲームを制作しているので、それを実際に形にして販売できるレベルにまで持っていければと思っています。やることがとても多いですが、それぞれの具体的な目標を決めてその達成に向けて取り組んでいく予定です。
楊さん
楊さんは、夏休みの期間を使って海外の文献を中心にレビューを行っていかれるようです。春学期では、取り上げられなかった文献のため、自分自身もこの夏休みの時間を使って読んでおこうと思います。また、日本語の授業にも参加して語学力のブラッシュアップにも取り組まれます。実際に、どのような授業が学習に効果的だと思ったか、ゲーミフィケーションの要素はあったかなど、学んでいく中で得られたゲーム学習とのつながりについても、秋学期ではお伺いしたいです。
以上が7月28日のゼミ報告となります。
投稿日時: 2022-08-11 投稿者: osora
こんにちは、M1の大空です。
皆さん、夏休みはいかがお過ごしでしょうか。
今回は、8/6日(土)〜8/7(日)にわたって行われた『親子ボードゲームジャム2022 in 東京』に、ファシリテーターとして参加してきたので、そちらの様子をご報告したいと思います。
このワークショップでは、私や春口さんを含め、合計4人の学生ファシリテーターが参加し、ボードゲームジャムの運営に携わりました。ボードゲームジャムというイベント自体、自分自身はじめてだったため、期待と不安が混ざっておりましたが、いざ始まってみると、とても楽しく貴重な経験となりました。
『親子ボードゲームジャム2022 in 東京』とは…
親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたゲームを制作するワークショップです。
以下では、1日目と2日目の様子を簡単にご紹介したいと思います。
1日目
1日目の主な活動は、ボードゲームプレイです。本ワークショップのゴールは、オリジナルボードゲームの制作になるため、まずは実際にボードゲームで遊んでもらい、そもそもボードゲームとはどんなものなのかということをインプットすることを目的に行いました。1日目ということもあり、最初はやや緊張気味だったお子さんも多かったのですが、ボードゲームで遊ぶことを通して、徐々に緊張が和らいでいき、最終的には子ども達同士で一緒にゲームをプレイするまでになりました。
ファシリテーターとして、ゲームの進行やポイントの解説を行っていたのですが、特に子ども達のルール理解の早さと集中力には驚かれました。ボードゲームをほとんどプレイしたことがない子が多かったのですが、夢中になって取り組んでいたのが印象的でした。また、親御さんの子ども達の自主性を尊重しながら自然に導いている様子に、自分自身はとても学びを得て、明日以降のファシリテーションのヒントになりました。
1日目の最後には、2日目に制作するボードゲームのテーマが発表されました。今回は、「新しい家事」がテーマで、色々な切り口が生まれそうな、考えれば考えるほどアイデアが出てくるようなテーマでした。1日目は、以上のボードゲームプレイ〜テーマ発表まで行いました。
1日目に遊んだゲーム
2日目
2日目は、丸一日を使ってボードゲーム制作になります。ボードゲームを0から作ることになるので、当日は私達学生ファシリテーターに加え、プロのボードゲームデザイナーの方々も加わり、グループごとにゲーム制作を行いました。昨日プレイしたゲームと今回のテーマが結びつき、どんどん新しいアイデアが生まれ、ゲームとして一つの形に収まっていく様子を見ることができました。
今回出来上がったゲームを見てみると、テーマもルールも全く異なっており、1日で作ったとは思えないような、どれも遊べる状態なのはもちろん、楽しいボードゲームとなっていることに驚きました。たくさんのアイデアが生まれてくる子ども達とアイデアをまとめるボードゲームデザイナーの皆さんの力が合わさって、良い形に仕上がったのだと思います。
今回は4グループでゲーム制作を行ったのですが、最後には他のグループのゲームを遊びに行ったり、逆に自分達で作ったゲームのルール説明を行ったりする時間もありました。ルールを作ることはもちろん、ルールを説明することからも学びは得られます。実際に、子ども達は最初は慣れていない様子でしたが、2回目の説明以降はとてもスムーズに行えておりました。2回目は、以上のゲーム制作〜発表まで行い、本ワークショップは終了となりました。
ルール作りの様子
ゲームで使用するカード作りの様子
感想
振り返ってみると、今回のワークショップを通じて、自分自身にも多くの学びがありました。ワークショップのファシリテーションの経験は何度かあったのですが、子ども達と一緒にゲームをして、ゲームを作るという経験自体、自分もはじめてだったので、自身の研究活動や普段の仕事へ活かせそうな、物事の伝え方やゲーム作りのヒントを得ました。
そして、なによりも参加された皆様からのアンケートで「楽しかった」「また参加したい」といったコメントをいただいたことが嬉しく、やってよかったと思えました。また、次回があれば、自分もファシリテーターとして参加できればと思います。
以上、大空の夏休みの近況報告となります。
投稿日時: 2022-08-16 投稿者: snii
8月6日(土)、7日(日)の2日間にわたり、夏休み親子ボードゲームジャムが開催されました。
ボードゲームジャムとは、参加者同士で即席のグループを作り、さまざまな経験や背景を持つ人々が協力してテーマに応じたボードゲームを制作するワークショップです。
開催の様子は、学生ファシリテーターとして参加した大空さんの報告記事や、財津特任研究員の執筆したこちらの記事をご覧ください。
この記事では、ワークショップで制作された4つのボードゲームのルールと、ゲームに使用する用具のデータを公開します。
各ゲームは、ご家庭のプリンタなどで印刷いただき自由に遊んでいただくことができます。ぜひ、この夏子どもたちが作ったゲームをご体験ください。
🧹 おそうじパーティ🎉
・ルール
・そうじ道具カード
・部屋カード
🚮ゴミをどうぞ!💁
・ ルール
・ゴミカード
🗑トラッシュクラッシュ💥
・ ルール
・プレイヤーカード
・アクションカード
🍳料理の煌き✨
・ルール
・カード
投稿日時: 2022-07-27 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
7月21日のゼミ活動報告をさせて頂きます。
進捗報告 春口
今回の進捗報告では、研究で作るゲームの内容を決めるためのフレームワークとしてCISSPを選定した事、夏休みでレビューするゲームについての2つを報告致しました。
CISSPはアメリカのセキュリティ技術者認定資格です。CISSPそのものは資格ですが、セキュリティ関連の知識や技術が整理されており、研究がカバーする範囲を提示する時や関連研究の整理の時など様々な場面で役に立ちます。
レビューするゲームは、CISA作成のゲームやトレンドマイクロ作成のゲームなどをピックアップしました。夏休みはこれらのゲームをレビューして傾向や課題を整理したいと思います。
進捗報告 大空さん
今回の報告では、修士論文の目的を「狭義と広義のキャリアの融合を目指す」と整理されていました。狭義のキャリアは仕事のキャリア、広義のキャリアは人生全般のキャリアと位置づけ、どちらも内包したボードゲームの開発を行うとの事でした。
質問の時間では、広義のキャリア、狭義のキャリアについて様々な意見がありました。就活生はハイになりワークライフバランスを軽視しがちという意見や、男性と女性のキャリア感の違いなど、一口にキャリアといっても様々な見方があるため、広義と狭義のキャリアがどのように融合したゲームになるのかが楽しみです。
研究方針報告 楊さん
今回の報告では、「教育用ゲームにおける代替現実ゲーム(ARG)の構造と設計応用」という研究方針を発表されました。具体的な内容としては
・ARGを教師が設計できるようにゲームデザインの難しさを最小限に抑え学習者にとって
どれだけ効率的な学習を行えるようにするか
・ARGの構造と応用のデザインパターンから一般的なパターンを整理できるか
・教師自身が自由にARGゲームをデザインすることは可能か
などを考えているとのことで、ARGと学校での教育に視点がおかれた研究内容です。
ARGについて知識の無かった私としてはとても興味深い研究内容であると感じました。ARGの詳しい内容を知る機会になれば嬉しいです。
プレイセッション 叶さん
A DARK ROOM(日本語では暗い部屋)というゲームをプレイヤーと観察者の2人一組になってプレイするという内容でした。2人の役割は以下の通りです。
・観察者の役割は、デフォルトが英語のA DARK ROOMをプレイヤーが英語でどこまで
ゲームをプレイするか、どのタイミングで日本語に切り替えるかといった所に注目し
て英語学習と関連しそうな行為を見つけ出す事
・プレイヤーの役割は事前知識が無い状態かつ英語表記のA DARK ROOMをプレイする事
私の役割はプレイヤーでした。ただ、プレイセッションの趣旨が途中でどこかに飛んで行き開始5分くらいで日本語にしてプレイしました…。終わってから気が付いたため、観察者の木村さんにはとても申し訳ない事をしたと感じます…。
A DARK ROOMは(プレイセッションの趣旨が飛んでいくほど)面白いゲームでした。簡素な画面が徐々に賑わっていく様はある種の達成感を感じさせてくれます。一度プレイしてみてください。
以上が7月21日のゼミ報告となります。
投稿日時: 2022-07-16 投稿者: masui
お世話になります。M2の升井です。
Sセメスターのゼミもあと僅かになり、私の修士研究もこれから山場に差し掛かります。今日はM2の叶さん、升井の研究進捗発表、研究員の木村さんのプレイセッションの2本立てでした。
■研究進捗発表
叶さんの発表はM-GTAのインビュー、概念生成の進捗報告でした。インタビュー時間が長く、一人一人に相当の時間がかかる研究手法ですが、大分インタビューや文字起こしが進んでいる様子でした。文字起こしのツールの話になり、中国語対応のものやAIで精度の高いものなど、色々と知れて勉強になりました。大変な研究だとは思いますが、叶さんのバイタリティならしっかりとやり切って、よい修士論文が完成するのではないかと思います。
升井の発表では、中間発表に向けてリハーサル的なものを行いました。発表の機会があると、自分の研究を人に伝えるために振り返ったり、構造をシンプルにしたり、得られるものが大きいです。最近の感触では、自身の研究がクロージングする段階に迫ってきたように思います。20日の中間発表では優秀な先生方や学生から自分の研究内容やプロトタイプに対しての貴重な意見がもらえるので、楽しみでなりません。
■プレイセッション
研究員の木村さんプレゼンツのプレイセッションは
「いつもお空のどこかで誰かを助ける ―主人公たちの向社会的行動を探し出せ―」
というタイトルで、「グランブルーファンタジー」というCygamesのソシャゲーを活用した、2チームの対戦型のプレイセッションをしました。
※ルール
個人のスコア=向社会的行動(prosocial behavior)の回数+上昇したRank数 のチーム合計で勝敗がつく
向社会的行動とは、他者や社会の利益になる行動のことで、ストーリー中の主人公たちの向社会的行動を見つけ出し、それを示す台詞をスクリーンショットで記録することでポイントになります。
戦術的には、ランクの上げと向社会的行動のスクショのバランスを考えながら効率的にポイントを獲得していくことが求められます。
私のいたAチームでは、M1の春口さんが達人レベルでグラブルをやりこんでいたので、自動的にリーダー役割を担って即効性のある作戦を指揮してくれました(仕事ができる!)おかげで、効率的にランクを上げるタスクをこなすことで、見事相手チームに5ポイントの差を付けて勝利をつかめました。
プレイセッションでは戦略性があると、両チームが燃えるように思います。普段のゲームを違った切り口で観察したり、スクショしたり、交渉したり、マルチな活動で非常に楽しかったです。
(熱中するゼミメンバー↓)
投稿日時: 2022-07-11 投稿者: Ye Zhiqing
こんにちは、M2のイェです。
今週のゼミ活動を報告させていただきます。
・研究テーマ関連論文紹介 升井さん
升井さんがゲーミフィケーションのパーソナリティに関する以下の2本の論文を取り上げられました。
1本目の論文は、ゲーミフィケーションのパーソナリテイ分類の基礎となった文献です。バートルをはじめ、様々なゲームプレイヤーのタイプ分類がなされてきましたたが、ゲーミフィケーションに特化したものはこれまでなかったです。そこで、この論文は、ゲーミフィケーションを使用する際には、ターゲットの属性に適したゲーム要素を取り入れてデザインすることが大切だと主張しています。
2本目の論文は、Marczewski の提唱したHexad user types の測定方法(テスト)を考案した研究です。Marczewskiの提唱したHexadモデルは、①Hexadユーザーの嗜好を測定する標準化されたプロトコルがない、②実験的な実証がされていない、という問題点が存在しています。本研究はその二つのギャップを埋め、テストの妥当性が担保され、ゲーミフィケーションのデザインに有用なことが示されました。
・関連論文概要紹介 春口さん
発表のキーワードは「産業界の実践」とされ、日本とイタリアの情報セキュリティを学ぶ大学院のカリキュラムコンセプトから、情報セキュリティ教育の要点とシリアスゲームが有効である切り口などについて検討しました。具体的には、日本の情報セキュリティ大学院大学の実践と、バーリ大学(University of Bari) の修士課程である「The Hack-Space」のコンセプトが取り上げられました。
調査結果における注目点は二つあります。まず、①理論の構造や抽象的な概念ではなく、産業界の実践をもとにカリキュラムが構成されている点という点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学は、「技術」「管理運営」「法制度」「情報倫理」という概念によってカリキュラムが作られています。
また、②SOU、CSIRT、SUの3つに業務を整理することに知識の有用性に説得力があるという点です。例えば、情報セキュリティ大学院大学はコースの内容を技術系とマネージメント系の2 つに分けています。
今回の報告は以上になります。
M2の皆さん、再来週の中間発表会に向かって頑張りましょう!
参考文献
投稿日時: 2022-07-05 投稿者: osora
こんにちは、大空です。
今週はゼミ活動とは別で、ゼミのメンバーで東京大学制作展(主催:情報学環・学際情報学府)にも足を運んできました。作品の鑑賞だけでなく、制作された学生本人から企画の背景や意図を直接お伺いできたので、通常の展示会では得られないような刺激を得られました。今後の自分の研究にも、今回得られたパワーを還元していきたいです。
それでは、6月30日のゼミ活動報告を致します。
研究テーマ関連論文概要紹介 叶さん
今回叶さんが、研究テーマ関連論文として取り上げられてくださったのは、「教室外活動と日本語学習意欲に関する考察 ー台湾における学習者に着目してー」という論文です。
この論文では、「どのような教室外活動が日本語学習意欲にどのように影響を与えるのか」をテーマに、①日本語学習者はどのような教室外活動に取り組んでいるのか、②学習意欲の高い学習者と低い学習者の教室外活動においてどのような違いがあるのか、③それぞれの教室外活動と学習者の意欲はどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としています。
調査結果では、「日本語の音楽を聴く」や「日本の映画やドラマを見る」が授業外の日本語学習活動として多く取り組まれているようでした。そして、そこから得られた考察として、学習者が興味を持つメディアコンテンツ、リアルタイムフィードバック、言語を使用する機会、異文化間コミュニケーションのある学習が好まれる傾向にあるとまとめられています。
今回の論文を受けてのディスカッションポイントとして、日本で日本語を学ぶのか、海外で日本語を学ぶのかで学習者の用いるメディアも変わってくるのではないかという点が挙げられました。日本で日本語を学んでいる学習者の方が、日本のアニメやゲームなどの文化に親しみを持っている人が多く、実際に叶さんの周りでもアニメやゲームを授業外活動として行う第二言語習得者は多いようです。
叶さんの研究では、本論文で語られていなかった、物語中心ゲームのプレイ活動と日本語学習経験との関連を探索的に探究するため、改めてどのような示唆が得られるかが楽しみです。
研究テーマ関連論文概要紹介 大空
今回、自分は研究テーマ関連論文として、①「女性役員の「一皮むける経験」 ―幹部候補女性を育てる企業のための一考察―」と②「潜在的強みの測定とその活用: ポジティブ心理学の更なる発展に向けて」という2つの論文を紹介しました。
自分は、「ビジネスパーソンのキャリアデザイン開発に資するゲーム型研修の開発」をテーマにしているのですが、ゲームそのものにもっと現実と対応する意味づけが行えないかと思い、これらの論文をご紹介しました。
具体的には、現在制作しているゲームが、ワークライフバランスを基盤にした人生全体としての意味合い(広義)のキャリアデザインを行うものなのですが、そこに加えて職業的側面に沿った意味合い(狭義)のキャリアデザインも大きな軸として伸ばすことができないか模索しています。
そこで、①の論文からは、一皮むける経験(多くのリーダーが歩んできた経験)をゲーム中のイベントに盛り込むことで、企業活動におけるリーダーシップ開発にもつながるのではないかと考え、②の論文では、強みそのものを測る尺度が紹介されており、ゲーム中で「自分のできることカード」というものを作成するのですが、その作成時の観点として利用できないかと構想を立てました。
実際に、ゲームに実装してみるところまでを行い、論文で語られていた効果も実証できそうな兆しが得られたので、今後さらにそれをブラッシュアップしていきたいです。
研究員発表 財津さん
研究員発表では、財津さんからゲーム障害についてご紹介していただきました。
これまでのゲームが及ぼすネガティブな影響に関する研究を複数見ていくなかで、「ゲーム脳」の研究に代表されるような、果たしてそれは本当に実証的なのか、解釈を拡大していないかという点が見受けられました。
ゲーム障害に限った話ではなく、論文を見る際には、可能な限り原典にも目を通し、著者のニュアンス部分までを汲み取る必要があるように思えました。
(あくまで個人的な意見ですが、)ゲームはもちろん万能ではないものの、その可能性をゼロにしてしまうのはやはりもったいないように感じてしまいます。ゲームが悪い影響を与えるのではないかというイメージがあることはたしかで、こうした中でいかにその可能性を広げてあげられるかが自分自身の研究を超えた人生的なテーマにもなってくるように思いました。
ゲームと学習の結びつきを根本的なテーマにしている以上、やはりこの点に関しては自分自身知見や考えを深めておかなければいけない部分だったので、とても有意義な時間でした。
以上が6月30日のゼミ活動報告となります。
これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。
投稿日時: 2022-06-30 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
6月23日のゼミ活動報告を致します。
事例研究 NFTゲームWalken 升井さん
今回事例研究として取り上げられていたのはWalkenというゲームです。
基本は歩く事で経験値などを手に入れてキャラクターを育てるゲームなのですが、一定までレベルを上げるとキャラクターをNFT化する事が出来ます。NFTになると換金することもできるそうで、歩くことでお金が稼げるというゲームになっています。最近流行りのNFTを用いたゲームということ、歩くだけでNFTを取得できるということ、などとても話題性の高いゲームです。
本事例を通して、升井さんは自身の研究との関係として「獲得したアバター等をNFT化」するというアイディアを主張されていました。何かの大会で優勝者にNFTのアバターを授与するなど、現在の賞状をNFTのアバターに置き換えるというアイディアです。このアバターをZoomやYoutubeなど様々なプラットフォームで使用できるようにすることで、就職活動の会社説明会でアピールできたり、本選考で特別先行枠に応募できたりするシステムを構築することができます。
説明の中ではレガシー入学の新しい形と説明されていましたが、現在の日本の学歴を重視する風潮に一石を投じられる良いアイディアであると感じました。
文献研究 ルールズ・オブ・プレイ 7章/10章 春口
今回の文献研究も、前回の分研究に引き続いてルールズ・オブ・プレイから7章と10章を題材に発表しました。
7章は「ゲームを定義する」です。ここでは遊びとゲームの差やゲームの定義について、先達の主張を参考にしながら本書の定義として、「ゲームとは、2人以上の意思決定者による活動であり、彼らがある限定された状況においてその目標を達成しようとすること」と主張しています。
10章は「主要図式」です。ここでは、以降の章において寄って立つことになるゲームに対する3つの視点「形式の図式」「経験の図式」「文脈の図式」を整理しています。
ゲームの定義についての話はとても盛り上がった話題でした。人それぞれ、本それぞれにゲームの定義があり、よく引用される定義からちょっと古くなった定義まで様々なゲームの定義を紹介頂きました。これらに対して、それぞれの定義が正しいか?という点にはあまり意味がなく、自身がどの定義によって立つのかを主張する点が重要だと研究員の木村さんがおっしゃっていました。自分の研究においてゲームをどう見るのかという点を明確にする事はよい議論に繋がると思うので、論文の中や普段の活動の中でも意識して明示して行きたいと思います
特別活動 夏休みゼミ合宿計画企画 ゼミに参加している皆様
今回はプレイセッションや研究員発表枠はお休みで、代わりに夏休みに行うゼミ合宿の案を出し合う企画を行いました。2チームに分かれて、ゼミ合宿で行きたいところ、やりたい活動についてプレゼンし合い、藤本先生にジャッジしてもらうという内容です。
Aチームは京都・大阪遠征案を提案されていました。立命館大学ゲーム研究センター、丸福樓、ボードゲームホテル、USJ、リアル脱出ゲーム京都館などゲーム研究に関連した様々な施設を回るという内容です。
対してBチームは東大下暗しと題して、関東案を提案していました。主に東京とその近郊を回る内容で、ゲーム会社訪問やリアル脱出ゲーム、動物園、レトロゲームカフェ、ミニキャンプ、サバゲーなど、ゲーム関連の施設巡りからサバゲーなどアウトドアな活動まで東京の周りで出来る活動を主にしていました。
気になる藤本先生のジャッジですが、どちらも良い内容だったとしてドローの判定(の直後に関西案が勝利する)という結果になりました。
その後の経過ですが、形は違いますがどちらの活動も取り入れて下さとの事で、着々と計画が進行しています。また内容が詳しく決まり次第報告があるかもしれません。
以上が6月23日のゼミ活動報告となります。
投稿日時: 2022-06-30 投稿者: snii
株式会社イオンファンタジーのエデュテイメントWebサイト「 あそび!? まなび!? 」において、今年2月17日の藤本研究室主催のオンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」<第一部:ポケモンと子どもの遊び>の報告記事が2編に分けて公開されましたのでお知らせいたします。
ぜひご覧ください。
🔴ポケモンと子どもの遊び 株式会社ポケモン代表取締役社長 石原恒和氏講演ーポケモンがゲームにおいて大切にしていることー(前編)
https://www.fantasy.co.jp/edutainment/article/seminor_20220218_pokemon01
🟢「Pokémon GO」によって、人類は深宇宙に到達!? 株式会社ポケモン代表取締役社長 石原恒和氏講演ーポケモンがゲームにおいて大切にしていることー(後編)
https://www.fantasy.co.jp/edutainment/article/seminor_20220218_pokemon02
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さて、ここから雑談です。先日、日本橋のポケモンセンターに遊びに行ってきました。入口からさっそくポケモン達に出迎えてもらいテンションが上がります↑↑
中に入りるんるん気分でグッズを物色していると、マスク越しでも見覚えのあるお顔が。なんと4年前の同僚の先生にお会いしてしまったのでした。当時はお互いポケモンの話をしたことはなく、まさかの再会にびっくりでした。
その先生は、ご自身、奥さん、娘さん用に3台のNintendo Switchと『Pokémon LEGENDS アルセウス』をお持ちで、ご家族揃って楽しくプレイされているそうです。良いご家族ですね^ ^
「ポケモンがゲームにおいて大切にしていることは、人と人がポケモンを通じて繋がる仕組みです。」と、セミナーにおいて石原社長もおっしゃっていましたが、まさにポケモンの不思議なパワーを感じたひとときでした🌱☀️
投稿日時: 2022-07-01 投稿者: snii
※定員に達したため、受付を終了しました。ありがとうございました。(7/2追記)
当研究室所属の財津特任研究員が、小学校3年生〜中学生のお子様とその保護者の方を対象として、夏休み親子ゲームジャム2022を東京大学で開催します。
プロのゲームデザイナーの方々と一緒に、ボードゲームを制作してみませんか?初めての方も大歓迎です。
<開催概要>
☆2日間にわたるワークショップを開催します。
日時:8月6日(土)13:00-17:00、8月7日(日)9:00-18:00
会場:東京大学情報学環オープンスタジオ(〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階)
対象:小学3年生〜中学生と、その保護者
定員:12組
※お申し込みの受付は、先着順となりますので定員になり次第締め切らせていただきます。
参加費:無料
<開催趣旨>
夏休み親子ゲームジャム2022は、親子がペアになって他の親子とチームを作り、テーマに応じたボードゲームを制作するワークショップです。
ボードゲーム制作を通して、子どもたちの日常生活において何かを良くするための新しいアイデアを考える創造性を育てることを目指します。創造性には、歴史的な大発見、社会を変えるような新製品、素晴らしい芸術作品などだけでなく、日常生活において、レシピを工夫してこれまでと違った美味しい料理を作ること、模様替えをして快適な部屋にすること、趣味として新しい素敵な音楽やダンスを作ること、学習のやり方を工夫することなども含まれます。特に後者のものを「日常生活における創造性」(mini-c)と呼びます。『日常生活における創造性』によって作り出されるものは、その本人にとって役に立つ新しいものであればよく、他の人にとって役に立つ新しいものであることもありますが、必ずしも他の人にとって役に立つもの、新しいものである必要はありません。こうした創造性は、その後に続く大きな創造性の端緒であるとされ、子どもたちの未来を拓く大切なものです。
今回のワークショップは、こうした考えに則り、成果物であるゲームの目新しさを問題にするのではなく、そのプロセスで子どもたちにモノゴトの新しい見方や関わり方を発見してもらうことを目的として開催するものです。
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2021年7,8月にもこのワークショップを福岡県福岡市で実施し、大変好評でした。
当研究室の院生の一部も運営として参加します。ふるってご応募ください!
お申し込みはこちら:https://forms.gle/AZ64R8Q9TYuyBP3T6
投稿日時: 2022-06-17 投稿者: masui
お世話になります、M2の升井です。今回のゼミは、叶さんよる研究分野関連論文紹介、大空さんによる文献研究、木村さんによる研究員発表でした。
木下康仁 (2020) 定本 M-GTA :実践の理論化をめざす質的研究方法論. 医学書院
木下康仁 (2007)ライブ講義M-GTA : 実践的質的研究法 : 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて. 弘文堂
叶さんが修論で用いているM-GTA (Modified Grounded Theory Approach)という質的研究法に関する文献の紹介でした。
元となるGTA(Grounded Theory Approach)との違いについてなど、難しいテーマを噛み砕きながら説明してくれました。
インタビューから得られたデータを定義づけし、理論的メモなどを加えながら質的に分析していくアプローチで、緻密な作業が求められ、かつ、研究者の言語化のセンスが試される研究手法だと思いました。
Rey, G.D. (2012). How seductive are decorative elements in learning material?. Journal of Educational Multimedia and Hypermedia, 21(3), 257-283. Waynesville, NC USA: Association for the Advancement of Computing in Education (AACE). Retrieved September 27, 2021 from https://www.learntechlib.org/primary/p/39253/.
大空さんが選んだ文献はSeductive detailsに関する論文です。Seductive detailsとは翻訳すると誘引性付加物で、Reyの研究はマルチメディア教育メッセージの装飾要素が学習成果を改善するか損なうかを調査することを目的としています。
ディカッションでは、イラスト等の装飾物を使うことに対して、効果のある学習者とそうではない学習者がいるのではないかという話になり、内的動機付けのされている学習者にとってはかえって邪魔になるという考察をしたりしました。
ビデオゲームが脳活動に与える影響に関する研究の紹介―「ゲーム学習」と「悪影響」の視点から―
というテーマで、様々な論文や書籍の紹介をしてくれました。木村さんの研究領域は脳科学とゲームで、脳科学的にゲームの作用を測定している点が興味深いです。発表を聞いて、我々の研究室はゲームと教育をテーマにしているので、ゲームの良い所を探るということにフォーカスされやすいのですが、悪影響に関するデメリットの側面もバランスよく考慮していくことが大事だと再認識しました。
また、ゲームを研究材料として扱うときに、複雑なゲームシステムのものは測定しにくく、比較実験をするためにはゲームデザインの簡素化が必要になり、これが市場の複雑なゲームとの中身の乖離を生んでいるという課題があることが話題になりました。
今回のゼミ全体を通して、ゲームや教材が時代とともに高度化していく中、それに応じた研究手法なりの発展も必要になってくるのだと感じました。そして、教育工学やゲーム学習の研究の重要度は増々高まり、この藤本研究室のようなところの意義が大きくなるのだろうと思います。
最後になりますが、夏の院試に向かって準備を進めている皆さん、体に気を付けて頑張ってください。
投稿日時: 2022-06-15 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M2の叶です。
最近は紫陽花の季節になり、本郷三丁目駅から本郷キャンパスまでの景色は最高ですね。ゼミ活動も、対面で行うことになっており、ゼミに行くたびに花見ができて幸せです。
早速、先週のゼミ活動について報告させていただきます。 先週はまず、M1の二人の研究進捗発表の回とでした。 それぞれの発表についてご紹介します。
・研究テーマ:初学者のための情報セキュリティ教育ゲームの開発(春口さん)
春口さんは今回、二つのキーワードを取り上げて先行研究の調査結果を報告しました。
一つ目のキーワードは情報セキュリティ分野においての専門用語「CTF(Capture The Flag)」です。CTFは、実践型の情報セキュリティ学習システムでもあり、提示された情報やお題から特定の文字列(Flag)を見つけ出し、フォームに入力する事が目的となり、クイズ形式と攻防戦形式があります。取り扱う分野の種類は、リバースエンジニアリング、エクスプロイト、WEB、フォレンジックスなどがあります。
二つ目のキーワードは「成人学習理論*1」です。その紹介を踏まえて春口さんはアンドラゴジー(Andoragogy)とペダゴジー(Pedagogy)の比較をしました。情報セキュリティの学習がアンドラゴジー的だという結論に至りました。その後のディスカッションの中では、学習者の年齢にこだわらず「経験学習モデル」なども先行理論として適用できるのではないかというゼミメンバーの意見もありました。
以上の調査した結果に基づいて、春口さんの研究テーマの中の「初学者」の定義がさらに明らかになってきました。また、今後のゲーム開発においては、特に初学者のモチベーションを高めるためにCTFを扱う可能性も検討されました。」
・研究テーマ:企業の人的資本経営に資するゲーム型研修プログラムの開発・検討(大空さん)
大空さんは、学部時代に制作したキャリアデザイン研修「CAREER MAKER」とこれから作成する新作ゲームを一つのプログラムとして、同一の被験者に対して実施し、その評価を行うという研究の構想を今回のゼミで発表しました。
調査対象者に関しては大手企業の新入社員層、20名程度(社会人1年目〜3年目)に特定されました。調査項目は、職業的側面に限った狭義の意味の「キャリア観」の変化とプログラム自体の満足度と設定されました。
大空さんが制作予定の『企業内人材育成ゲーム』は、仕事人生の設計について考察の機会を与えるという新入社員のニーズだけでなく、会社のニーズ、例えば会社の構造・システムの理解・早期離職の予防・就業へのモチベーション向上などにも対応しています。今回は、『ビールゲーム』というMITの教授が考案したビジネスゲームの影響を受け、大空さん自作したプロトタイプを紹介しました。ゲームのイメージとしては、各プレイヤーは別々の企業の人事になり、次世代リーダーの育成を担当し、各年ごとのKPIを達成することを目標としている。勝利条件としては、多くの次世代リーダーを輩出できた人が勝つ、という設定になっています。
M1の二人は入学2ヶ月ばかりですが、先行分野の調査は既に進まれ、既にできたプロトタイプの発表まで行われ、毎回のゼミはとても刺激的で、毎回もとても勉強になりました。
最後にはプレイセッションで、今回は大空さんが取り上げたのは『合意形成ゲーム』です。プレイヤーが街の代表者になり、街全体と各個人が作りたい街を相談しながら作っていく全員協力型ゲームです。ゲームの流れは以下のようになっています。
このゲームは、今後公開にリリースする予定がありますので、詳しいことは引き続き大空さんの報告をお待ち下さい!
では、今回の記事は以上になります。長くなりましたが、最後に本郷キャンパスの近くの白山神社の紫陽花一枚で終わらせていただきます。お読みいただきありがとうございました!
参考文献
*1 M. ノールズの成人教育理論に関する考察―理想的な成人教育者像に焦点をあてて― 島 美佐子
投稿日時: 2022-06-09 投稿者: snii
2023年度入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を5月23日にオンラインで開催しました。全体に向けた説明と質疑応答部分の動画をYouTubeにアップしましたのでお知らせします。
当研究室への入室を希望される方は、ぜひご覧ください🌼
投稿日時: 2022-06-08 投稿者: osora
皆さんこんにちは。M1の大空です。
先週、私は都合によりオンライン参加で、他の皆さんは対面参加というハイブリッド形式でゼミを行ったのですが、テクノロジーのおかげで問題なく参加することができました。
360度カメラを通して研究室の様子が見えたので、まさにその場にいるかのような感覚でした。(画面スクショしておけばよかったです…)
もしまたオンライン参加する機会がありましたら、どのようなツールを用いたか詳細をお伝えできればと思います!
それでは、先週のゼミ活動報告を行います。
〈研究進捗発表〉
M2のお二人の研究進捗発表がありました。
それぞれの発表についてご紹介します。
研究テーマ:
「ゲームプレイヤーの第二言語学習に関する探索的研究
ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー」
叶さんは、中国人の物語中心ゲーム(日本語,市販)のプレイ活動とその日本語学習経験との関連を探索的に探究する研究をされています。
4月下旬〜5月上旬に行われた構想発表会でのコメントから考察を深めることができたようで、以下の考察ポイントを挙げてくださいました。(一例)
・対象者の日本語レベルと学習効果の関連
・考察に基づいてゲームデザインへの提案 etc…
叶さんの研究は、ゲーム学習と第二言語習得の研究の空白を埋め、よりよい学習ゲーム・コンテンツのデザインに示唆が与えることが期待できるため、業界の皆さんは要チェックです。
また、今後の予定としては、M-GTAという質的調査を用いたデータ収集や論文執筆を開始されるということで、私もちょうど質的調査を勉強している中なので、色々と参考させていただきたいです。
研究テーマ:
「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」
升井さんは、カスタマイズに特化した、オンライン動画学習の個別最適化システムの開発をテーマに研究されています。
升井さんも同様に、構想発表会でのコメントを基に研究に関する実験方法や評価について検討を深めるきっかけを得られたようです。
6月中にプロトタイプ製作に取り掛かるため、具体的な仕様もご紹介してくださいました。お話を聞いていて、自分も早く触れてみたいので完成が楽しみです。
また、実験手段については「User Type Hexad」というゲーミフィケーションに関するパーソナリティ分類のテスト(質問紙)を組み合わせて検証を行うということで、こちらもどのような結果が出るか気になります。
升井さんの研究は、パーソナライズやカスタマイズがキーワードとなっています。既存の学習方法にはない新たな取り組みなので、こちらも皆さん要チェックです。
〈プレイセッション〉
プレイセッションは春口さんが担当してくださいました。
今週は自分がオンライン参加だったこともあり、配慮してハイブリッドで参加可能なゲームを考えてきてくださいました。(神様…!)
以下では、その内容をご紹介します。
遊んだゲーム:
「お絵描き伝言ゲーム」
ルールはこのようになっています。
2チームに分かれる→絵を描く順番を決める→お題を決める→絵を描く→お題を当てる
ちなみに、お題は画像のように、あらかじめフォーマットが決まっており、ランダムで設定されるようになっています。
今回は、学生チームと教員チームに分かれて対決しました。皆さん描かれる絵に個性が出ていてとても面白かったです。
普段のコミュニケーションとは違う、絵で伝えるということで、誰でもハードルなく参加できるゲームだと思いました。
最後に、実際に描かれた絵を載せておくので、皆さんパッと見でどんな絵か是非想像してみてください。
以上が本ゼミの活動報告です。
来週はM1の研究進捗発表になるので、自身の研究にも気合を入れて向き合おうと思います。
投稿日時: 2022-06-07 投稿者: snii
東京大学大学院 情報学環・学際情報学府のWebサイトに当研究室の研究紹介記事が掲載されましたのでお知らせします。
当研究室の研究活動を取り上げていただき嬉しい限りです。ゼミのメンバーのレアな(?)写真も掲載されていますので、ぜひご覧ください。
投稿日時: 2022-06-01 投稿者: snii
先日、我らが藤本先生がお誕生日を迎えられましたので、研究室一同でお祝いをしました。
まずは第一弾として、以下のオリジナルメッセージ入りのタンブラーをお渡ししました。実はこれ、一番上の頭文字を左から読むと、藤本先生の下のお名前が。
とっても素敵じゃないですか〜???!!!✨✧٩(ˊωˋ*)و✧
企画ミーティングにて、どうせなら何かひねったメッセージが良いよね!…となり、藤本先生の下のお名前でアイウエオ作文を作ることになりました。
一部メンバーが“ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart”🎮に絶賛ハマり中♡のため、
ときめきの
おとずれ
ここまではすんなりアイディアが出てきました。
しかし、如何せん「る」行が難しい。
ルビー、ルネッサンス、ルサンチマン…と、「る」で始まる単語を挙げていくも、どうもしっくり来る言葉が出てきません。
ふと「ルンパッパ」というポケモンの名前が出てきました。他に「ル」で始まるポケモンと言えば…🤔??
→「ルカリオ」!
→いや、でも先生の推しはカビゴンだぞ…
→ル…ル…ル…カ…
→( ゚д゚)ハッ!⚡️⚡️「ルカビゴン」!!くっつけてしまえばええんや〜大正解!!🤩✨
となった次第です。笑
藤本先生ならきっと笑ってくださるはず…!のびのび発言して大丈夫…!
という心理的安全性があるのが、藤本大先生&この研究室の素敵なところです。
保冷・保温機能に優れたこのタンブラー、早速毎日使っていただいているとのことで、嬉しい限りです。来年のお祝いは何にするか、また奇跡のアイディアが降ってきそうで今から楽しみです♫
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴
そして第二弾として、研究室メンバー&準メンバーの方々からオンライン寄せ書きを募り、ゼミの最後にサプライズでお渡ししました。
マスク越しでも皆さんの良い笑顔が伝わってきますね〜〜!最高です🎉🎉
(ポケモンデザインの寄せ書き色紙が色々選べておすすめです👇🌟)
https://yosetti.com/categories/pokemon
昨年度は完全オンラインでゼミを実施していましたが、今年度は5月半ばからオフラインを基本として実施されるようになりました。
牡蠣を食べたことがないとか、おしゃれ番長だったりとか、猫好きとか、何気ない会話の中からメンバーの人となりが窺い知れるのが対面ゼミの魅力だなと感じています。
そして明日のゼミから、またメンバーが増えます!外国人研究生のヨウさんです。
新メンバー&いつメンの皆さんとのオフ会(ゼミ)を楽しみにしています。
さて、長々とした記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。藤本研究室の雰囲気の良さが少しでも伝わったならば幸いです🍀
投稿日時: 2022-05-29 投稿者: haruguchi
こんにちは。M1の春口です。
先日行われたゼミ活動のご報告を致します。
事例紹介 大空さん
今回は「人事制度ゲーム」というボードゲームを紹介されました。
「人事制度ゲーム」は、企業の人事、人材育成担当者を対象として、チームに分かれてそれぞれのチームで社員の育成をしながら企業の利益を上げていくことを目指すゲームです。チームごとに企業の規模を変えることができ、大企業・中堅企業・ベンチャー企業の3つから選ぶことができます。人事制度を自分たちで作ることができるのが特徴で、ゲームを通して人材育成や人事制度について学ぶことができます。
今回の事例は、大空さんの研究計画に影響を与えたようで、研究対象者を学生として企業の人事制度などを学生のうちから理解することを目的としたゲームの作成という方向性も新たに視野に入ってきたようでした。先行研究から様々な気づきを得られていて、とても意義深い事例紹介となりました。
文献研究 叶さん
今回は「Gee, J. (2005). Semiotic social spaces and affinity spaces: From The Age of Mythology to today’s schools.」についての紹介でした。
内容はAffinity Spaceについて論じるものでした。Community of practiceという考え方を人のグループではなく、人が集まる空間から再考したものをSemiotic Social Spaces(記号的社会空間)(以下SSS) と定義し、SSSの特別な例がAffinity Spaceであるそうです。
SSSでは、その空間の中で人々が記号を得たり意味を与えたりします。論文ではそのための要素として、Generator(意味・記号を生成するもの)・Portal(記号へアクセスするための窓口)・Internal Grammar(記号のデザイン)・External Grammar(SSSと人のインタラクション)の4つが定義されています。
Affinity Spaceでは上記の4つに合わせて、メンバーがある共通のゴールに対して熱意を持っていることや暗黙知の利用が推奨されること、地位を獲得する方法が多岐にわたることなど11種類の条件が成立するそうです。少し難しい概念ですが、実世界で考えるとゲームの攻略WikiなどがAffinity Spaceの要素を強く持っています。
Wikiの参加者はあるゲームの攻略という共通のゴールに対して熱意をもっていますし、ゲーム内でしか通用しない言葉をよく用いるでしょうし、Wiki内で有名になる方法はレベルアップに必要な経験値量の整理や隠しアイテムの発見など多岐に渡るでしょう。ゲームのWikiという空間はまさにAffinity Spaceです。逆くにあまりAffinity Spaceの要素を持っていないのが学校であると叶さんは主張されていました。
少し難しい概念の内容でしたがとても分かりやすくまとめられていて、今後の研究に活かせそうな概念を1つ知ることができました。
研究員発表 財津さん
今回は財津さんの進められている研究のうち、「子供たちのルールに対する態度に関する探索的研究」と「ボードゲームの学びに関する評価」の2つの研究内容のご紹介でした。
「子供たちのルールに対する態度に関する探索的研究」は、創造性に関する理論である4c理論を背景に、mini-cからlittle-cやpro-cへの変容をルールに対する態度から捉えられないか?という仮説から、ボードゲームを遊ぶ・作る活動をビデオで記録して、ビデオ録画から典型的な場面を抽出してルールに対する態度を特定するという方法で創造性の変化を捉えるという研究内容でした。
「ボードゲームの学びに関する評価」は、各ボードゲームがどんな学びを含んでいるかを明らかにするという内容で、ボードゲームをすることの良さの証明という関心から行われている研究です。この良さとは、個別具体的なボードゲームが持つ固有の学びの証明ではなく、ルールへの態度の獲得・変容という形で表現される良さのことであると説明されていました。
2つの研究とも、研究結果がとても大きな意味を生み出しそうであると予感される研究内容でした。扱われている理論もとても興味深く、特に前者の研究の4c理論は自分の研究にも活かせそうな内容であったためこれから自分でも詳しく調べてみようと思います。
以上が5月26日のゼミ内容の報告です。
投稿日時: 2022-05-23 投稿者: masui
M2の升井です。今回のゼミは自身初の対面で行われ、とても新鮮な気持ちで迎えることができました。M1の優秀な後輩もできて、これから1年頑張ってゼミを盛り上げたいと思います。
C.M.ライゲルース, B.J.ビーティ, R.D.マイヤーズ(編), 鈴木克明(監訳)(2020)学習者中心の教育を実現するためのインストラクショナルデザイン理論とモデル.北大路書房.
第3章 課題中心型インストラクションの原理
第4章 個人に合わせたインストラクションの原理
第3章では、課題中心型インストラクション(TCI)について扱われています。TCIとは学習課題を中心に①学習課題、②既有知識の活性化、③例示/モデリング、④応用、⑤統合/探究の要素で構成され、さらに、フェードアウトする足場かけが施された学習モデルです。
ディスカッションでは資源対学習者数の効率の悪さを克服するためには何が必要かなどを話し合いました。アクティブラーニング全般に言えることですが、協働作業の時間の確保のために③例示の部分を事前のビデオ視聴に置き換えるなどの工夫ができます。しかし、そのビデオと協働作業との接続の工夫の余地はまだまだ残っていそうだと思いました。
第4章では、個人に合わせたインストラクションについて様々なことを個別化する方法論が示されています。章の中で「グラインディング=わざと繰り返し作業をプレイヤーにさせること」というゲーム用語が出てきて、グラインディングについての経験などを話しながら盛り上がりました。やはり、ゲーム学習の研究室なのでゲームの話になると白熱します。
ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン (2019) ルールズ・オブ・プレイ:ゲームデザインの基礎(再編集版)ニューゲームズオーダー
第3章 意味ある遊び
第4章 デザイン
M1の春口さんが担当でした。春口さんの発表資料はスライド形式で、自分の解釈なども交えながらのプレゼンは斬新でした。第3章の「ゲームを作ること」とは何かというディスカッションで、「人の行為の変換装置を作ること」や「体験を作ること」などの各々の意見が出たり、スプラトゥーンとFPSのデザインの違いなどを考察したりして盛り上がりました。また、第4章では記号論などを織り交ぜながら、ゲームデザインとは何ぞやということを話し合いました。藤本ゼミの研究ではシリアスゲームなど、自作のゲームを作る学生も多いので、ルールズ・オブ・プレイのゲームデザイン論はとても役に立つ内容だと思いました。
財津さんが担当したプレイセッションではルールを追加・削除する大富豪を2チームに分かれてプレイしました。片方のチームは大富豪になった人がルールを新たに1つ追加して、もう一方のチームは大富豪になった人がルールを1つ削除するという特別な仕掛けがありました。大富豪といえば、そもそも人によっては大貧民と呼んだり、ローカルルールがあったりで、ルールに調整がかかりやすいゲームです。私のチームは減らす方で、Jバックを消すなどのルール変更がなされました。ディスカッションで興味深かったのは、どこまでルールを消すと大富豪がゲームでなくなるのか?ということです。極論、「手札を配る」というルールを消すとゲームが成立しなくなったり、手札を全部見せてプレイするというルールにすれば、ゲーム感覚は全然違うものになったり、ルールを作るという作業は思ったよりもクリエイティブであるということを体感しました。対面ならではのゲームで、久しぶりにリアルの人と交流できて楽しかったです。
さて、今日はこのあと藤本ゼミの入試説明会があります。院生として、受験しようと思っている人たちにZOOMで話す機会があるので、多くの人にゼミの魅力が伝えられるように頑張ります。
投稿日時: 2022-05-19 投稿者: Ye Zhiqing
皆さん、久しぶりです。M2の叶です。
早速、先週のゼミ活動についてご報告いたします。
今回は私と大空さんの事例研究と、木村研究員の研究発表の回でした。
大空さんは、ゲームマーケットで購入した『社畜牧場』というボードゲームについて紹介しました。このゲームではプレイヤーが「社長」となり、「社畜」を使って自社の「株価」の上昇を目指す対戦し、ワーカープレイスメントというメカニクスでゲームを進めます。
ワーカープレイスメント:プレイヤーが自分のポーン(ワーカー、労働者)をアクションスペース(建物)に配置することで、ターンオーダーでアクションを選んでいく
大空さんはゲームの構造を踏まえて、『社畜牧場』の遊びにおいては派遣や収益を高めるための経営のプロセスが表れると分析し、今後の人材育成類ボードゲームの制作において「ワーカープレイスメント」の活用の可能性、プレイヤーの当事者意識を入れるなどを検討しました。
自分は「Game2Text」という、GITHUBで無料に配布されたオープンソースのゲームでの外国語学習のため活用できるツールキットを取り上げました。基本機能としてはOCRでゲームのスクリプトを特定し、アドオン辞書と組み合わせてゲームテキストを簡単に調べたり翻訳したりすることができ、単語帳アプリと連携することで暗記カードを簡単に作れます。
「Game2Text」はゲームを活用した外国語(特に日本語)の学習と復習には有用性が高いと考えられます。しかし、今のバージョンだとOCR機能にはまだ正確性に欠ける、インストール・利用する際のハードルが高いなどの課題点により、学習ギーク・ゲームギーク・パソコンに一定程度詳しい説明人でなければ、利用するモチベーションが低いとも考えられます。
最後に、木村さんの「ゲームと人を対象とした心理学研究の方法とその範囲」というテーマで発表しました。木村さんは、Schellの『ゲームデザインバイブル』の中で心理学について説明している項にある行動主義派と現象学派の切り分け方を批判し、心理学では質的なアプローチも多く用いられてきたことを強調しました。その後は、「即時的な反応を要求するゲームとその熟達が感情経験に与える影響」(木村, 2020)における実験の例を挙げ、「感情の円環モデル」についても説明してくれました。
その時就活に苦戦していた自分は、「疲れた」と「警戒した」という複雑の感情に陥って、ただ一つのモデルはまだ説明しきれない部分があるだろうと思っていました。皆さんはこの記事を読む時は、どのような「感情」にいるのでしょうか?
では今回はここまでです!次回は対面の回で、初めて新入メンバーと会う回ですので楽しみしています!皆さんもぜひ次回の記事を楽しみにしてください〜
投稿日時: 2022-05-12 投稿者: snii
4月20日(水)に当研究室主催で開催しました「教育システムデザイン論オンラインセミナー」の動画を2本に分けてYouTubeで公開いたしました。当日残念ながらご参加いただけなかった方も、ぜひご覧いただければ幸いです。
🌸教育システムデザイン論ゲストセッション前半(ゲスト講師:石戸奈々子先生)
🌼教育システムデザイン論ゲストセッション後半(ゲスト講師:中村伊知哉先生)
投稿日時: 2022-04-28 投稿者: snii
2月17日のオンラインセミナーで公表した「ゲーム学習の専門家が選ぶ 子どもにおすすめゲーム8選」の詳細版として当研究室で執筆・編集した「教育的観点からのゲームレビュー(2022年3月版)」を公開します。
Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)、あつまれどうぶつの森、MINECRAFTなど、8つの人気ゲームタイトルの遊びに含まれる学びを調査して、教育的観点からそのゲームの特徴や優れた点、プレイ時の留意点などを解説しました。ぜひご覧ください🍄🌳🛠✨
◉本レビューは、東京大学大学院情報学環と株式会社イオンファンタジ ーの共同研究の一環で実施しました。
投稿日時: 2022-04-27 投稿者: osora
はじめまして、今年度から藤本研究室に入りましたM1の大空です。
研究テーマは「企業の人的資本経営に資するゲーム型研修プログラムの開発・検討」です。学部時代に制作したキャリアデザインがテーマのゲーム型研修への接続も考えつつ、より発展的なプログラムの開発に取り組んでいきます。
専門がアナログゲームなので、デジタルゲームやゲーミフィケーションについて、これから学んでいくことは沢山ありますが、ゼミの皆さんの研究からもその知見を深め、自身の研究活動へ活かしていきたいと思っています。
私自身、社会人学生でもあるので、無理のない範囲で良い研究成果を出せるように努めます。皆様、どうぞよろしくお願いします。
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併せて、4月21日に開催されました、ゼミ活動について報告致します。
本ゼミでは以下の発表がありました。
・事例紹介(升井さん,春口さん)
・プレイセッション(升井さん)
事例紹介について
升井さんは、eスポーツで学ぶプログラミングスクール「REDEE(レディー)」をご紹介してくださいました。ゲーミフィケーションのアミューズメント施設化という観点で、新しいゲーム学習の形式の知見を広げるきっかけとなりました。特に、この施設は「習い事教室」「校外学習の立寄り施設」という2つの側面を持っており、コロナ禍とはいえ利用者も伸びていることが印象的です。ゼミ合宿の候補としても提案してくださったので、実際に自分の目で是非見てみたいです。
「REDEE(レディー)」参照リンク:https://redee.game/
春口さんは、宇宙コロニーシミュレーションゲーム「Oxygen not Included」をご紹介してくださいました。現実の科学・物理法則を忠実に再現されている点が特徴で、自然現象への理解が深まるようなゲームでもあります。一方で、チュートリアルに100時間を有してしまうため、学習のために用いるのにはハードルがあるとのことでした。今回のレビューより分かった、学習対象の複雑性とゲームシステムの複雑性をどこまで忠実に対照させるかについては、春口さんの情報セキュリティゲームと共通している部分なので、今後春口さんの考えるゲームがどのようになっていくか自分も楽しみです。
「Oxygen not Included」参照リンク:https://store.steampowered.com/app/457140/Oxygen_Not_Included/?l=japanese
プレイセッションについて
升井さんがホストとなり、プレイセッションを行いました。今回遊んだゲームは、なんと升井さんご自身が本プレイセッションのために作られた『The Battle of Akinator』というオリジナルのゲームです。
このゲームは、『アキネイター(質問に対する回答を元に自分が思い描いている人物やキャラクターを推測して特定するアプリ)』を用いて、2つのチームに分かれ、どちらのチームが先に自分が選んだお題の人物を当てられるかを競い合うゲームです。
チームは3人1チームで構成され、先鋒・中将・大将の順でお題の人物を選び、3回戦で先に2勝したら勝ちとなります。
ただし、特別ルールとして、「勝つためには何をしてもOK」があり、本番のゲームでは、純粋に勝つだけではなく、いかに妨害して勝つかも念頭に置いてプレイを楽しみました。実際にあった妨害の例は、お題の人物名を変える、作戦会議タイムで相手チームへ乗り込む、相手チームが回答をしているときに反対の回答を言うなどです。
個人的に面白かった点は、両チームの作戦に違いが出ていたことです。作戦会議タイムでは、私たちのチームは、お題の人物を選出や先鋒・中将・大将の順の検討に時間を多く費やしていたのに対し、もう一つのチームは作戦会議タイムから早速妨害を開始しており、全く異なる動きをしていました。「勝つこと」と「妨害すること」の2つの方向に頭を使う必要があるのでそのバランスを考えつつも、純粋に楽しくプレイできました。
ちなみに、気になる結果は、私たちのチームが見事勝利できました!負けたチーム用のZoom背景も準備されていたので、記念に写真も撮りました。次回以降も使えそうな背景なので、今後も活用していきたいですね。
ゼミ活動の一環でゲームをプレイすることは、純粋に遊ぶ経験を蓄える場としてだけでなく、ゲーム研究の観点で意見を出し合う場にもなります。ゼミの皆さんがどんなゲームを持ち寄られるか、今後のプレイセッションも楽しみです。
以上が本ゼミの活動報告です。
来週は文献研究・研究員発表などが開催されますので、次回の活動報告も是非ご覧ください。
投稿日時: 2022-04-25 投稿者: snii
今年も夏季の入試説明会の時期が来ました。当研究室での研究を検討されている方は、まずは5月21日(土)14時から開催される文化・人間情報学コースの入試説明会にご参加ください。
投稿日時: 2022-04-25 投稿者: snii
当研究室作成のオンライン講座「ゲーム学習論入門 (1):ゲームの遊びの中の学び」を開講しました。
こちらのリンクまたは下記の画像をクリックし、ぜひご受講ください💻✏️✨
このオンライン講座では、ゲームの遊びの中の学びについて理解を深めるための基礎的な知識を学びます。
ゲームの遊びを取り巻く学びの性質を概念的に理解して、ゲーム中の行動と学習の関連性について理解を深め、実際にゲームレビューを行うことで、これまでよりもさらに安心してゲームを選んで、楽しめるようになることを目的としています。
修了条件を満たすとバッジが付与されます。レベル2のバッジ取得を目指して、最後まで頑張りましょう🍀
アカウントの登録方法は以下のマニュアルをご参照ください。
◉本講座は、東京大学大学院情報学環と株式会社イオンファンタジーの共同研究の一環で作成しました。
投稿日時: 2022-04-18 投稿者: haruguchi
こんにちは、春口です。
4月14日に開催されました、今年度最初のゼミについて報告致します。
本ゼミでは以下の発表がありました。
・新入生研究テーマ発表(春口,大空さん)
・研究構想・進捗発表(叶さん、升井さん)
新入生研究テーマ発表について
私の発表内容は前回の自己紹介記事の内容に加えて、高等学校教育・大学教育・高専教育での情報セキュリティの学習内容と学習目標をまとめたものでした。教育課程によって取り扱う内容が違いますので、それぞれの過程にそれぞれの課題が存在すると考えています。そのためまずは各課程の情報セキュリティについて整理しました。
大空さんの研究テーマは、企業の人的資本に関するテーマでした。詳細な内容については大空さんの自己紹介にて触れられるかと思います。個人の視点で個人のキャリアを考える機会はたくさんありますが、企業の視点から個人のキャリアを考える機会は中々無いと思うので、とても独創的なアイデアだと心打たれました。これからどんな研究として発展していくのかがとても楽しみです。
研究構想・進捗発表会について
叶さんの研究テーマは、「ゲームプレイヤーの第二言語学習に関する探究的研究-物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目して-」でした。物語中心のゲーム(ノベルゲーム)をプレイする中国人プレイヤーにエスノグラフィーを使ってデータをあつめ、M-GTAにより分析を試みる研究でした。
私もかなりノベルゲームをプレイするのでとても興味深く聞いていました。よくよく考えると、アニメに比べてマニアックな内容に作れる(学習意欲が保ちやすい)、漫画に比べて声・画面効果など表現方法が多い(世界観に入り込みやすく飽きずに続けられる)など、ノベルゲームは他のコンテンツに比べて日本語学習として利点が多いですね。テーマの有用性と独創性の点でとても良い研究で、テーマ発表だけでも色んなことを勉強させて頂きました。
升井さんの研究テーマは、「ゲーミフィケーションを取り入れたカスタマイズ型オンライン動画学習システムの開発」でした。学習動画の見た目・BGM・再生速度・画面フィルターなどを学習者の好みに合わせてカスタマイズできるシステムを開発し、どのようなカスタマイズ要素が重視されるのかを検証するという研究でした。
すでにある程度形になっているシステムを見せて頂けました。ただ先生がスライドを映して喋っているだけの授業風景が、とても個性的で、少し笑顔になれる風景に様変わりしていてカスタマイズ機能の威力を強く感じました。対面の授業では絶対に再現できないあの雰囲気は、オンライン授業の良い所を存分に活用した升井さんの発想力のなせる技ですね。検証方法も先行研究を効果的に活用していて、とても良い研究でした。方向性は違いますが同じシステム開発を行う研究として、見習わせて頂きます。
以上が本ゼミの活動報告です。
来週から文献研究・プレイセッションなどが開催されますのでとても楽しみです。
投稿日時: 2022-04-18 投稿者: snii
超教育協会主催の以下のオンラインシンポに藤本准教授が登壇します。お昼ご飯を食べながらでも、ぜひお気軽にご参加ください🍏
第88回オンラインシンポ
「ゲームの遊びと学びの可能性」
■日時:2022年5月11日(水)12時~12時55分
■講演:藤本 徹(東京大学大学院情報学環 准教授)
■ファシリテータ:石戸奈々子 氏
超教育協会理事長
詳細および参加申込は以下のWebサイトをご覧ください。
https://lot.or.jp/report/8564/
投稿日時: 2022-04-16 投稿者: haruguchi
はじめまして、今年度から藤本研究室に入りましたM1のharuguchiです。
私の研究テーマは「初学者のための情報セキュリティ教育ゲームの開発」です。
情報分野の教育と言えば、高等学校教育で情報の科目が必修化され大学入試にも情報の科目が導入されています。さらに、数年前から情報セキュリティ教育が中等教育、特に高等学校教育で導入されています。私の研究ではこの情報セキュリティ教育に焦点を当てています。
ひとえに情報セキュリティ教育といっても様々な内容を含みます。情報を扱う際の態度を身に着けるリテラシー的な教育もあれば、情報セキュリティの3要素を侵害する攻撃方法やそれに対する防御方法を学ぶ実践的な教育もあります。これらの内容のうち、リテラシーを学ぶ方はそれほど難しくありません。しかし実践的な内容も学ぼうとすると、専門的な知識を広範囲にわたって習得しなければならないため、特に初学者にはかなり敷居の高い内容となっています。
この敷居の高さを緩和し様々なバックグラウンドの人が情報セキュリティを学べるようにするために、私は修士課程で情報セキュリティを題材にしたデジタルゲームの開発を行います。ゲームの持つ「世界観」や「ルール」といった要素は情報セキュリティが要求する難解な知識や技術を上手く抽象化し、初学者でも学びやすい形で提供できると考えています。
この研究を行う上で、まず状況の整理・課題の整理・教育方法の整理を行い、次にゲームの設計・制作・改良を行うといった計画を考えています。少しずつ進捗を出しながら成果を積み重ねて、情報セキュリティを学ぶ際の敷居を少しでも下げていきたいです。
まだ大雑把な計画でこれから詰めていかなければいけない内容ですが、藤本先生をはじめ研究室の皆さんと一緒に良い研究となるよう切磋琢磨していきます。皆さん、どうぞよろしくお願いします。
投稿日時: 2022-04-22 投稿者: snii
2023年度入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2022年5月23日(月)17:00-19:00
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:
(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生や特任研究員との面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/z6awfrP1fra5q7X47
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2022-04-12 投稿者: snii
新学期の授業が始まり、藤本徹准教授が担当する大学院授業「教育システムデザイン論」が開講されました。この授業の一環として企画したゲストセッションに、情報経営イノベーション専門職大学(iU)学長の中村伊知哉先生と、慶應義塾大学教授で超教育協会理事長の石戸奈々子先生に揃ってご登壇いただけるという貴重な機会となりましたので、オンラインセミナーとしてどなたでも参加できる形で開催いたします。これからの教育のあり方に関心のある方はどうぞご参加ください。
「教育システムデザイン論オンラインセミナー」
開催趣旨:
東京大学 大学院情報学環の藤本研究室は、先進的な教育システムの研究と新しい教育システムデザインに取り組む人財の教育を行っています。
この度、今年度新規開講した大学院授業「教育システムデザイン論」のスピンオフ企画として、この分野の最前線で活躍されている方々を特別ゲストにお招きしてオンラインセミナーを開催します。
今回は、情報経営イノベーション専門職大学(iU:あいゆー)学長の中村伊知哉先生と、慶應義塾大学教授で超教育協会理事長の石戸奈々子先生に、iUのコンセプトデザインと超教育の取り組みについてご講演いただきます。貴重な機会ですので是非ご参加ください。
開催日時:2022年4月20日(水)16:50〜18:35
開催方法:Zoomによるオンライン開催
参加費:無料
内容:
ゲストセッション「iUのコンセプトデザインと超教育の取り組み」
ゲスト講師:
中村 伊知哉氏(iU 学長)
石戸 奈々子氏(慶應義塾大学教授/CANVAS代表、超教育協会理事長)
モデレータ:
藤本 徹(東京大学 准教授)
参加申込:
下記のWeb フォームからご登録ください(ご登録いただいた方へZoomURLをお送りします)。
https://forms.gle/ijj6UyfT9eQoQ9PF6
本セミナーに関する問い合わせ先:
東京大学 藤本徹研究室
ludix-contact@ludixlab.net
備考:
・ 本セミナーは、主催者の教育活動、広報活動のために撮影、録画を行いますので、同意の上でご参加ください。
・ 本セミナーの録画・録音はご遠慮ください(動画アーカイブや紹介記事を後日公開予定です)。
・ 録画には、Zoom参加者の名前などが含まれうることをご了承ください(公開されても問題ない表記にご変更ください)。
登壇者プロフィール:
中村 伊知哉(なかむら いちや)
iU 学長
1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。
1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU(情報経営イノベーション専門職大学)学長。
CiP協議会理事長、吉本興業HD社外取締役、京都大学特任教授、慶應義塾大学特別招聘教授、国際公共経済学会会長、日本eスポーツ連合特別顧問、理化学研究所コーディネーターなどを兼務。内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省などの参与・委員を歴任。著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)など多数。
http://www.ichiya.org/
石戸 奈々子(いしど ななこ)
慶應義塾大学教授/CANVAS代表
超教育協会理事長
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、NPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、
一般社団法人超教育協会等を設立、代表に就任。慶應義塾大学教授。
総務省情報通信審議会委員など省庁の委員やNHK中央放送番組審議会委員を歴任。デジタルサイネージコンソーシアム理事等を兼任。政策・メディア博士。
著書には「子どもの創造力スイッチ!」、「賢い子はスマホで何をしているのか」、「日本のオンライン教育最前線──アフターコロナの学びを考える」、「プログラミング教育ってなに?親が知りたい45のギモン」、「デジタル教育宣言」をはじめ、監修としても「マンガでなるほど!親子で学ぶ プログラミング教育」など多数。
これまでに開催したワークショップは3000回、約50万人の子どもたちが参加。実行委員長をつとめる子ども創作活動の博覧会「ワークショップコレクション」は、2日間で10万人を動員する。デジタルえほん作家&一児の母としても奮闘中。
https://creativekids.jp/
藤本 徹(ふじもと とおる)
東京大学大学院情報学環 准教授。専門はゲーム学習論、教育工学。慶應義塾大学環境情報学部卒。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」(共編著、ミネルヴァ書房)訳書に「テレビゲーム教育論」、「デジタルゲーム学習」(東京電機大学出版局)、 「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
投稿日時: 2022-04-11 投稿者: snii
こんにちは。あっという間に4月になり、気が付けば新年度が始まっていました。
年度末から色々とイベントがありましたのでご報告します。
藤本研の一期生の2名が大学院修士課程を修了され、学位を取得されました。ちょうさん、石田さん、おめでとうございます!🎉
これを記念して、Gather.TownというレトロRPG風デザインのオンラインビデオ通話サービスを使い、祝賀会とゲーム会を3月24日に開催しました。
zキーを押すと踊れてしまうナイスな仕様!こちらはみんなで踊っているところです。
部屋の飾り付けはM1の二人とスタッフとで事前に行いました。ちょうさんの愛猫の画像を入れてみたり、ゲーム機材(飾り&ボードゲーム)を設置してみたり、yosettiというオンライン寄せ書きを隠してみたりと、準備も含めて楽しかったです。
会においては、進路選択に迷うゼミ生からの質問に答える形で、それぞれの人生の経験談や秘密のエピソードが披露され、普段のゼミでは聞けないような深いトークが繰り広げられました。やはり、たまに飲み会の機会があると親睦が深まって良いですね🌸
そうこうしているうちにあっという間に閉会の時間となり、藤本先生よりご挨拶をいただき、盛会のうちに終了しました。また別途、藤本先生から修了されるお二人に記念品が贈呈されました。パチパチ👏
さて、7時からはゲストを招いてゲーム会を実施しました。クリスマスのゲーム会にも来てくださったOさん、藤本研お抱え絵師のWさん、MOBAのプロのRさんです。すっかり藤本研の準レギュラーとなってくださり、嬉しい限りです。
まずは、Board Game Arenaというポータルサイトの “ハイクルー”という財津特任研究員が選んだゲームで楽しく遊びました。単語タイルを組み合わせて意味のある手掛かりを作成し、4つの単語の中から示されたお題を、手元の単語2つ以上を出して他のプレイヤーに当ててもらうというルールです。
升井さんが恐ろしいくらいに正答率が高く、意外な才能(?)を発揮されていました。
二つ目は、有名なAmong Usというゲームです。昨年10月のゼミのゲーム事例研究でも扱いました。(その記事はこちら)
Wさんが毎回killされていて笑いました😇 巧みな心理戦と考察力が試されるこのゲーム、またやりたいです。
そして最後はお馴染みのポケモンユナイト!フレンドマッチを採用し、ローカルルールとして、下レーンだけで戦いました。この数ヶ月をユナイトに溶かしてきたWさんと私がゴリゴリに押して圧勝しつつも、サンダー戦で逆転負けを喫したりと盛り上がりました。
さて、そんなこんなで新学期を迎え、今年度はM1が2名、外国人研究生が1名、特任研究員が1名加わり、研究室もどんどんパワーアップしていきます。
4月7日(木)の第一回目のゼミでは、オリエンテーションとして自己紹介+研究関心・研究概要紹介+春休みの活動報告を行いました。新メンバーの方々のこれまでの経歴や好きなゲームなど、バラエティ豊かなお話が聞けてとても楽しい&有意義なゼミでした。
次回以降のブログでは新M1の方々の自己紹介があるかと思います。楽しみですね♪
投稿日時: 2022-04-04 投稿者: snii
今年度より財津特任研究員が研究代表者を務める研究プロジェクトが開始されます。これに伴い、財津特任研究員の補佐を務めてくださる学生アルバイトの方を1名募集します。
詳細は以下の通りです。前回の募集と勤務地が異なりますのでご注意ください。
・待遇:時給1,050円、自宅から勤務地までの往復交通費(1日につき上限1,000円程度)
・勤務時間:毎週火曜日の16:00−19:00
・勤務地:場所は隔週で変わり、以下の二つの場所へ交互に出勤いただきます。
ナナカラ流山おおたかの森
千葉県流山市おおたかの森 南一丁目 3番地の1 こもれびテラス3F
ナナカラ南流山
千葉県流山市南流山2丁目23-10 ラソンプレ南流山1・2
・任期:2022年5月から1年間(初出勤日は応相談)
・勤務内容:財津特任研究員の研究プロジェクトの補佐(学童保育においてボードゲームの授業を行う際の授業の補助、ビデオ録画、データ整理等)
・求める人物像:学部3-4年生で、「子どもと関わること」に関心がある方が望ましい。
また、基本的に毎週休まず必ず勤務できること。ただしテスト期間中、就活等で出勤できない場合は応相談。
・募集期間:4月4日(月)〜4月26日(火)17時まで ※採用者が決まり次第、募集締切。
書類審査後、Zoomでオンライン面接を予定。
・応募方法:履歴書(様式自由)をPDFファイルにして以下宛先までメール送付
ludix-contact@ludixlab.net
ご応募をお待ちしています。
投稿日時: 2022-03-16 投稿者: snii
来年度より財津特任研究員が研究代表者を務める研究プロジェクトが開始されます。これに伴い、財津特任研究員の補佐を務めてくださる学生アルバイトの方を1名募集します。
詳細は以下の通りです。
・待遇:時給1,050円、自宅から勤務地までの往復交通費(首都圏在住の方を想定)
・勤務時間:毎週水曜日の16:00−18:00
・勤務地:クランテテ三田(東京都港区、最寄駅は都営地下鉄大江戸線赤羽橋駅)
・任期:2022年4月から1年間
・勤務内容:財津特任研究員の研究プロジェクトの補佐(学童保育においてボードゲームの授業を行う際の授業の補助、ビデオ録画、データ整理等)
・求める人物像:学部3-4年生で、「子どもと関わること」に関心がある方が望ましい。
また、基本的に毎週休まず必ず勤務できること。ただしテスト期間中、就活等で出勤できない場合は応相談。
・募集期間:3月16日〜3月21日 ※採用者が決まり次第、募集締切
書類審査後、Zoomでオンライン面接を予定。
・応募方法:履歴書(様式自由)をPDFファイルにして以下宛先までメール送付
ludix-contact@ludixlab.net
ご応募をお待ちしています。
投稿日時: 2022-02-25 投稿者: snii
日本デジタルゲーム学会 2021年度年次総会が2022年2月12日(土)にオンライン上にて開催されました。その中で学会賞規定に基づき藤本徹准教授に学会賞が授与されることが発表され、表彰状が授与されました。
藤本准教授は今年度で同学会の理事・研究委員長を退任いたしますが、今後も会員として学会および学術研究の発展に貢献していきます。
また、日本デジタルゲーム学会賞の賞状とトロフィーが届きましたので、藤本先生の代わりにカビゴンに登場いただき記念撮影を行いました。カビゴンも嬉しそうです♪
投稿日時: 2022-02-25 投稿者: snii
先日、財津特任研究員がラジオ出演した番組のブログにて、ラジオでお話しした内容を掲載していただきましたのでお知らせします。ぜひご覧ください。
https://fmfukuoka.co.jp/program/oshiete/blog/2422.html
https://fmfukuoka.co.jp/program/oshiete/blog/2445.html
おすすめのゲームに挙げられている“ラマ (L.A.M.A)”というゲームを、クリスマスに一緒にボードゲームアリーナ上で財津特任研究員とプレイして遊びました。シンプルなルールで分かりやすく、難しいルールのゲームが苦手な私でもハラハラドキドキしながら楽しめました。
「ドイツ年間ゲーム大賞2019」の大賞部門にノミネートされた3作品のうちの一つだそうで、私も心からおすすめします!
投稿日時: 2022-02-24 投稿者: snii
2月17日(木)に当研究室主催のオンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」を開催し、Zoom Webinar及びYouTube Liveを通じて400名以上の方々にご参加いただきました。
概要
冒頭でYouTube Liveの配信トラブルがありましたが、概ね予定していた通り以下のスケジュールで実施しました。
17:00-17:05 趣旨説明,登壇者紹介
<第一部:ポケモンと子どもの遊び>
17:05-18:00 特別ゲストセッション
特別ゲスト:石原恒和氏(株式会社ポケモン代表取締役社長)
モデレータ:藤本徹(東京大学)
(18:00-18:10 休憩)
<第二部:遊びと学びをつなげる研究>
18:10-18:40 研究活動報告
発表者:藤本徹,財津康輔(東京大学)
18:40-18:55 質疑応答(Q&A)
18:55-19:00 お知らせ,閉会挨拶
趣旨説明の後は、ご登壇者である株式会社ポケモン代表取締役社長 石原恒和氏のご紹介の代わりに、参加者の方々に以下の二つの質問をし、Zoomのチャット欄に回答を入力いただくセッションを行いました。
Q1. 皆さんが「最近遊んだ、またはよく遊んだポケモンゲーム」のタイトルは?
Q2. 皆さんが好きなポケモンの名前は?
Q1では、最近発売された『Pokémon LEGENDS アルセウス』と回答される方が多かったですが、『ポケモンカードゲーム』や『Pokémon UNITE』、『ポケットモンスター ソード・シールド』など、幅広いタイトルの名前が挙げられました。
Q2においても、ピカチュウ・ヤドン・ニンフィア・ゲンガー・ガブリアス・ヒノアラシなど数多くのポケモンの名前が挙げられ、ポケモンを愛する多くの方々にご参加いただいたことが窺い知れました。
続いて石原氏のご講演では、ポケモンのプロデュースにおける理念や、遊びを促すゲームデザインの考え方についてお話しいただきました。
特に、「ポケモンがゲームにおいて大切にしていることは、人と人がポケモンを通じて繋がる仕組みです。」とおっしゃっていたことが大変印象的でした。
なお、ポケモンカードゲームの世界大会では、ドイツ語やハングル語などの外国語で書かれているため、子どもたちはカードに書かれている文字が読めません。それにも関わらず、画像とメカニズムでカードの内容を理解しているので、通訳を介さずともプレイヤー間のコミュニケーションに困らないそうです。ポケモンのゲームが世界中で楽しまれていること、また言語の壁を超えて人々の交流を促すきっかけとなっていることを実感した、驚きのこぼれ話でした。
そして、質疑応答のセッションにて参加者の方々からのご質問にお答えいただく形で、石原氏の遊び観や、幼稚園児のときに感じていたこと、思い入れのあるゲームタイトルや開発の裏話など、たくさんの貴重なエピソードを披露していただきました。
“「遊び」を大切にすることで、人々は豊かになれる。
しかし「遊び」を強要したり、有用性(学習効果、教育効果、協調性など)に軸足を置きすぎると「遊び」の本質が失われてしまう。”
ご講演の結論として、石原氏よりこのようにお話いただきました。藤本准教授も、
「ためになるから遊びなさい、というのは上手くいかない。あくまで遊びの中に副次的に学びを見出すべき」と、遊びと学びの「ゲーム学習論」専門家の視点から同意しました。
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休憩を挟み、第二部では当研究室より以下の通り研究活動報告を行いました。
1:オンラインスクール「ゲームカレッジLv. 99」のトレーナー向けに開発したパターンランゲージ
2:教育的観点からのゲームレビュー2022
3:ゲームの学びについて学べるオンライン講座
質疑応答のセッションでは、以下のような多くのご質問をいただき、時間の許す限りお答えしました。
・パターンランゲージを今後どのように広げていくか?
・子ども同士で全く束縛なしに遊ぶ状況と、トレーナーが居る状況とでは、どちらが学びが大きいか?
・ゲームによる学習効果についての評価方法は確立できそうか?
・部活動としてのeスポーツのメリットとデメリットは?
・ゲームは未だに教育に良くないもの、というイメージが少なからずあると思う。どのようにカバーしてアプローチしていくと良いか?また、学校現場に紹介される日が来ると思うか?
参加者の方々のご感想
事後アンケートで当セミナーの満足度を伺ったところ、第一部・第二部ともに「満足」または「やや満足」と回答してくださった方が9割を超えました。自由記述欄にお寄せいただいたコメントを一部抜粋してご紹介します。
「ポケモンGOが3世代をつないでいる、というのは、我が家でも起こっている事象なので、なるほど!と納得です。私自身はゲームをしないのですが、理念を伺って、見直してみたいと思いました。」
「子供と一緒にゲームを楽しんで遊ぼうと思いました。」
「興味があれば学んでいる意識がなくても身につくものだと思います。ポケモンユナイトのように協力しながらゲームを楽しんだ子どもたちが、どのように成長していくのかとても興味深いです。」
また、このセミナー参加をきっかけに当研究室の研究分野である「ゲーム学習論」について初めて知ったという方も多く、興味をお持ちいただき大変嬉しく思いました。
最後に
ご登壇くださいました石原社長をはじめ、オンラインセミナーの開催にご協力くださいました株式会社ポケモンの皆様に厚く御礼申し上げます。また、セミナーにご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。
藤本研究室では今後もこのようなイベント・セミナーを積極的に開催していきます。
引き続きこの分野へのご関心をお寄せいただければ幸いです。
今回のセミナーでご紹介した資料や関連情報はこちらをご覧ください。
https://ludixlab.net/?page_id=804
投稿日時: 2022-02-17 投稿者: snii
2月17日(木)開催のオンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」につきまして、参加者多数のためYouTube LIVEでも配信を行いました。
また、セミナーの動画を2本に分けてYouTubeで公開しています。どうぞご覧ください。
投稿日時: 2022-02-04 投稿者: snii
来る2月17日(木)17時より、特別ゲストに株式会社ポケモン代表取締役社長の
石原恒和氏をお迎えして、当研究室主催のオンラインセミナー「これからの子どもたちの遊びと学び」を開催いたします。ぜひご参加ください。
開催趣旨:
子どもたちの遊びの環境は時代を経て大きく変化してきましたが,子どもたちの成長を支えるのは豊かな遊びの経験であることは変わりません。デジタルゲームの遊びの中にも,子どもたちの主体的な活動を促す学びのきっかけや関心の種が育つ世界が拡がっています。
今回のオンラインセミナーでは,そうした子どもたちの豊かなゲームの遊びと学びについて理解を深め,子どもたちとゲームの関係を捉え直してみたい方に楽しい学びの機会をお届けします。
本オンラインセミナーは二部構成で行います。第一部は,ポケモンによって生み出されてきた豊かな遊びについて理解を深める特別ゲストセッションです。ポケモンのプロデュースに携わられてきた石原恒和氏(株式会社ポケモン代表取締役社長)を特別ゲストにお迎えして,ポケモンのプロデュースにおける理念や,遊びを促すゲームデザインの考え方についてお話しいただきます。
第二部は,東京大学藤本研究室と株式会社イオンファンタジーとの共同研究プロジェクト「多様なデジタルゲームの遊びを学びに接続する支援プログラムの開発」の今年度の研究活動成果報告を中心とした内容です。人気デジタルゲームタイトルの教育的価値についてのレビュー記事の公開,オンラインスクール「ゲームカレッジLv99」のトレーナー向けに開発したパターンランゲージの開発,そして多様な学びにつながるゲーム選びや,ゲームでどのような学びが起きているかを自ら考えるための知識を学べるオンライン講座を紹介します。
このテーマに関心のある方はどなたでもオンラインで,無料で参加できます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
開催日時:
2022年2月17日(木)17時〜19時
開催方法:
Zoomウェビナーによるオンライン開催
主な対象者:
ゲームの遊びを通した学びに興味のある教育者、保護者,一般の方
定員:
500名(定員超過の場合はYouTubeライブ配信を行います。)
スケジュール:
17:00-17:05 趣旨説明,登壇者紹介
<第一部:ポケモンと子どもの遊び>
17:05-18:00 特別ゲストセッション
特別ゲスト:石原恒和氏(株式会社ポケモン代表取締役社長)
モデレータ:藤本徹(東京大学)
(18:00-18:10 休憩)
<第二部:遊びと学びをつなげる研究>
18:10-18:40 研究活動報告
発表者:藤本徹,財津康輔(東京大学)
18:40-18:55 質疑応答(Q&A)
18:55-19:00 お知らせ,閉会挨拶
参加費:無料
参加方法:Zoomウェビナーで開催します。事前参加登録をお願いします。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_8Aq6rqF_SaOcQs1zN3N7jg
主催:東京大学 大学院情報学環 藤本徹研究室
共催:東京大学 大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構,
株式会社イオンファンタジー
後援:日本デジタルゲーム学会
本セミナーに関する問い合わせ先:
東京大学 藤本徹研究室
ludix-contact@ludixlab.net
備考:
・ 本セミナーは、主催者の研究活動、広報活動のために撮影、録画を行います。これらの点について同意の上でご参加ください。
・ 本セミナーの録画・録音はご遠慮ください(動画アーカイブと紹介記事を公開予定です)。
・ 本ウェビナーは「Zoomウェビナー」を利用いたします。
・ ご視聴には良好なインターネット回線に接続されたPC やスマートフォンが必要です。
Zoomウェビナーが当日使用する環境で動作するようご準備ください。
登壇者プロフィール:
石原 恒和(いしはら つねかず)
株式会社ポケモン 代表取締役社長・CEO
1995年に株式会社クリーチャーズを設立し、後に連なる全ポケモン関連商品の原点となった「ポケットモンスター 赤・緑」をプロデュースし、世界的な大ヒットゲームに育てる。
1998年、株式会社ポケモンセンター(現・株式会社ポケモン)設立と同時に代表取締役社長に就任。現在は、株式会社ポケモンにおいて、同ソフトを翻案した「ポケモンカードゲーム」や、テレビアニメ、劇場映画などポケモン全体のブランドマネジメントに携わる。
1983年、筑波大学大学院芸術研究科修了。1957年11月27日生まれ。
藤本 徹(ふじもと とおる)
東京大学大学院情報学環 准教授。専門はゲーム学習論、教育工学。慶應義塾大学環境情報学部卒。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」(共編著、ミネルヴァ書房)訳書に「テレビゲーム教育論」、「デジタルゲーム学習」(東京電機大学出版局)、 「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
財津 康輔(ざいつ こうすけ)
九州大学で心理学・教育学を専攻。『ゲームの社会的活用』について研究、博士号取得(学術)。2016年にボードゲームの習い事「サイコロ塾」を起業。現在は東大の特任研究員としてゲームを活用した学びの研究に従事している。
投稿日時: 2022-02-03 投稿者: snii
財津特任研究員が以下のラジオ番組に出演します。
FM FUKUOKA 西日本シティ銀行 教えて!コンシェルジュ!
2月4日(金) 13:00 – 13:30
FM FUKUOKAの放送地域対象外にお住まいの財津さんファンのみなさん、
ご安心ください。
radiko(ラジコ)というスマートフォンやアプリ・パソコンでラジオが聴けるサービスを使えば、放送後1週間以内であれば番組をお聴きいただけます。
※エリア外の番組を聴取するためには有料のプレミアム会員になる必要があります。
https://radiko.jp/index/FMFUKUOKA/#colorbox–program
私も明日に備えて耳掃除をしておきます。ぜひお聴き逃しの無きよう!
投稿日時: 2022-01-18 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M1の叶です。
今回もゼミ活動を報告しますが、タイトルだけでも記事の内容をわかりやすくするため、それをいつもと違った形にしました。
学期末を迎えて、今回のゼミは来年度のゼミ活動に向け、「藤本研究室ゼミのモデルの探究」というテーマで行われました。
藤本先生はまず、来年度のモデルの方向性を以下三点にまとめてくださいました。
これをもとにして、ゼミの6人はまず前回のゼミ活動で行れた「大学院生活に役立った経験の振り返り」の結果を踏まえて、今後のゼミ活動の形をデザインしていきます。具体的には、①話を聴いてみたい人、②受けたいトレーニング、③交流機会など他のコメント、という3点から出発して考えます。その後、M1ペアー・M2ペアー・スタッフペアー3組のチームを組んで、相互にチームメンバーの意見をインタビューします。最後に、その成果のまとめをゼミ全員に共有する、というような形で進みました。
共有された成果のいくつかのポイントを述べますと、「話を聞きたい人」に関しては、先輩(ゼミ生4人しかいない藤本研の成長はまだこれからの話なので)、ゲームと教育現場で働く人(ゲームクリエイターが高得票)、ゲームと教育それぞれの領域の研究者、などが挙げられました。
「受けたいトレーニング」に関しては、ゲームデザインと授業設計の学び(藤本研にしては案の定ですが)、文献管理と読み方や研究法についてサブゼミで情報共有など、色々な意見が集まりました。また、特任研究員の財津さんは、大変面白い活動企画(ゲームプレイセッション?)の話を持ち込みました。少し説明してもらっただけで、自分は既にワクワクしていますので、皆さんもぜひ来学期のゼミ活動報告をお楽しみに!
「交流機会と他の意見」のところ、ゼミ内外の飲み会、交流会、ゲーム会などの意見には大賛成です…新型コロナが一刻も早く収束するように!!
今回の報告は以上でした。来週の今学期の最終回ゼミを楽しみにしています!(つい少しバケーション気分になってしまいましたが)
ではまた来週!
投稿日時: 2022-01-12 投稿者: snii
少し時間が経ってしまい恐縮ですが、昨年11月末にセミプロ写真家の方に依頼して、本郷キャンパスにて研究室メンバーのプロフィール写真と集合写真の撮影会を行いました。このWebサイトのAboutにプロフィール写真を追加しましたので、ぜひご覧ください。残念ながらM2のお二人は当日参加できなかったのですが、M1のお二人がその分存在感を発揮してくれました。
藤本研ならではということで、デジタルゲームとアナログゲームをプレイしている楽しそうな写真をいくつか撮っていただきましたのでご紹介します。(撮影の短時間だけマスクを外しています)
藤本研の楽しい雰囲気が伝われば幸いです♪
財津特任研究員が作成されたアニマルコレクティング(ルール等詳細はこちら)というボードゲームを初めてプレイしたのですが、ものすごく面白かったです!ゲームマーケット2021秋に出展され、売上も上々だったそうで(ご自身による分析はこちら)。ここだけの話、ご祝儀のつもりで購入したのですが、想像を超える面白さでした。。財津さんのゲームデザイナーとしての凄さに恐れ慄きました。
(まだ在庫が数点残っているみたいなので、気になる方はこちらからご購入いただけます。)
その後、藤本先生と写真家の方がお帰りになり、8月末のゲーム会に参加してくれた研究室外のメンバー2名を含めて、ゲーム会をしました。4月のゼミで升井さんが取り上げたゲームレビューの題材である“ソクラテスラ〜キメラティック偉人バトル〜”というカードゲームや、ポケモンユナイト、前述のアニマルコレクティングをプレイして大いに盛り上がりました。
また、クリスマスには研究室内外の希望者でボードゲームアリーナというオンラインのボードゲーム対戦サイトで遊びました。こうしたゲーム会は不定期に開催されていますが、ゲームが好きという共通点と、ゲームが好きな人は皆友達というオープンな雰囲気があるのが当研究室の良いところだと思います。
来年度以降に入室される方は、どうぞご安心ください。一緒にゲームをする日が来ることを楽しみにしています!
投稿日時: 2022-01-09 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
新年、最初のゼミになります。
本日は、叶さん、升井さんによる研究進捗の発表と藤本先生によるワークショップでした。藤本先生のワークショップでは、大学院に入学してからこれまでの「学び」を各自がピックアップするというものでした。各自が考える「学び」は授業に限定されるものではなく、来週のゼミに向けての準備に位置づけられる内容でした。
叶さん、升井さんによる研究進捗は、私の1年前と比較すると、進んでいるとの印象があります。それでは発表順に叶さんからです。
叶さんのテーマは、研究生の頃から聞いており、背景・問題意識から一貫しているので、詳細な部分で具体化している印象です。本日は分析枠組みに関して、想定する分析手法であるM-GTAの説明が中心でした。既に、これまでに得られたデータから課題を把握しており、論文提出までのスケジュールが示されました。
升井さんの研究テーマは授業動画の開発です。前回の発表時よりも、最終的な目的が明確になった印象です。研究と関連するEdTech Projectの授業への参加を通して、研究でのシナジーも見られるようです。EdTech Projectの発表から構想研究会までのスケジュールも示されていました。前回の発表時からより、学習者にとってカスタマイズするとのことでした。
投稿日時: 2021-12-31 投稿者: zhang
お世話になります。M2の張です。
それでは、さっそく今年ラストのゼミをご報告いたします。
本日のゼミでは、藤本ゼミ初の修論チェック大会をやりました!年明けの論文提出に控えて、M2の2人の修論ドラフトをみんなでチェックするイベントでした。
ゼミメンバー7人は2組に分けられて、One Driveの共同作業という機能を使い、M2の2人の論文を誤字脱字から論文の構成までチェックを行いました。自分はチェックしていただく側として、申し訳ないぐらいゼミの皆様に感謝しかないです!
手短ではございますが、本日のゼミ活動報告は以上になります。
今年も1年間Ludix Lab@UTokyoのブログをご覧になっていただき、誠にありがとうございました!
来年もゼミの活動様子を引き続きお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!
よいお年をお迎えください!~
投稿日時: 2021-12-17 投稿者: masui
お世話になります。修士1年の升井友貴です。
先月、研究室で写真撮影する機会があり、服を買ったり、美容院に行ったり、ひげの脱毛をしたりと久々に身だしなみに気を遣いました。良い写真を撮ってもらったので、年賀状に使おうと思います。
さて、今日のゼミは「研究関連論文の紹介」「プレイセッション」の2本立てでした。
沼山博,村瀬桃子,棚村正(2018)シミュレーションとゲーミングの特別活動への導入: 新中学校学習指導要領との関連から.山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告,45:193-203
山中洋平ほか(2018)ファシリテーターの「場のデザイン」育成における失敗体験パターンカードの有効性.国際P2M学会研究発表大会予稿集,2020.Spring(0):254-268
敷田麻実(2009)よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究.国際広報メディア・観光学ジャーナル,9:79-100
1つ目の協力ゲームを用いた実験的研究では、言葉を用いないゲームをチームで行うことで、非言語のコミュニケーション能力が高まるなどの6つの効果を検証しています。2つ目のファシリテーターに関する論文では、ファシリテーションの能力に焦点を当ててカードを使った教材を開発したものでした。最近、ZOOMのグループワークなどでファシリテーターの役割をすることがあって、対面よりもやりにくさを感じますが、その原因は1つ目の論文のような非言語の部分が削がれるからのように思います。ZOOM会議などのスキルがこれからの時代重要になってくると思うので、上手になりたいなと思いました。
私のプレイセッションで、前々からやりたいと思っていた、パチンコアプリの実況をしました。ルールは至ってシンプルで、30分以内に大当りすればゼミの皆さんの勝利、大当りできなければゲームマスターの私の敗北という設定にしました。また、裏ルールとして、こちらが設定した5つの想定質問を3個以上踏むというミッションも設けました。
選んだ機種は平和さんの「P戦国乙女6暁の関ケ原」です。1/222で大当りする、戦国武将が美少女化した世界観のオリジナルコンテンツです。私が台の実況をしながら、質問にひたすら答えていきました。裏ルールのおかげか、とても多くの質問をいただき、やりがいがありました。途中、派手な演出が発生しだして見事大当りしたので、私の負けが決定しました。
今回の気づきとして、オンライン授業等で、質問を多く投げてもらいたいという狙いがある場合に、想定質問を踏むというゲーム性を持たせるという手法は結構有効なのではないかということです。
来週のゼミではM2のお二人の修論を読みます。ブルーライトカット機能付きのメガネを新調したので、ばっちり準備できています。
投稿日時: 2021-12-12 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M1の叶です。
クリスマスに近づき、都内はところどころにイルミネーションがライトアップされましたね。紅葉はなくなりつつ、皆さんは勉学、仕事、研究が疲れた時に綺麗な人工風景を見たりするのもいいチョイスなのではと思います。
さて、早速今回のゼミ活動を報告させていただきます。
今回は、藤本先生が準備してくださった「研究テーマ探究」ワークショップでした。ワークショップの「ゴール」としては、研究で取り上げる「問題状況」を整理してよりよい研究活動につなげるための新たな気付きを得ることであり、「ルール」としてはソフトシステムズ方法論を思考ツールとして使ってみると設置されました。
ここでは、ソフトシステム方法論(SSM)についてもう少し説明します。SSMとは、90年代に英ランカスター大学のピーター・チェックランド教授が開発したアクションリサーチ方法論です。現実の問題状況を吟味して、活動システムとしてモデル化し、実行可能な変革行動を探索する時に活用できる方法論です。
藤本先生がSSMについて説明した後、ゼミのメンバーがその中4つの方法を活用してそれぞれ考える作業を行い、段階的にその成果を共有し、藤本先生からフィードバックをいただきました。4方法の詳細は以下のようになります。
今回のワークショップを経て、ゼミの皆さんは自分の研究テーマの背景を再び整理したり可視化したりすることによって自分の研究テーマに対する理解を深めました。
実はこの方法論は、最初には学術的な場合に使うとは想定されていなくて、むしろ仕事の研修の場で多く使われています。今回研究テーマの整理のために活かしてみると、SSMは発想的思考法のモデル一つとしてとても使いやすく、効率よく自分のアイデアを整理したり、その中の盲点に気づいたりするのに役立ち、新たな発想にも繋がると感じています。
今回の報告は以上になります。
M2の二人とも、修論頑張ってください!!!
投稿日時: 2021-12-06 投稿者: snii
東京大学大学院 情報学環・学際情報学府のWebサイトに当研究室の研究紹介記事が掲載されましたのでお知らせします。
【研究紹介】ゲームの遊びと学びの境界領域の研究(藤本徹准教授)
研究室メンバーでポケモンユナイトを熱くプレイしている写真も掲載されています。ぜひご覧ください。
投稿日時: 2021-12-06 投稿者: masui
お世話になります。修士1年の升井友貴です。
本郷キャンパスではイチョウの葉がすっかり黄色く染まり、銀杏があちらこちらに落ちています。人は臭いの記憶が深く残るそうなので、きっと今後の人生で茶碗蒸しを食べるたびにキャンパスライフを思い出すことになるでしょう。
本日のゼミは、「研究関連論文の紹介」「文献研究」「プレイセッション」の3本立てでした。
張さんはオノマトペに関するゲーム型教材の研究をしていて、今回の発表はオノマトペに関するものを3本選んでくれました。ざっくりまとめると、日本語学習のオノマトペの分析について様々な側面からアプローチしている論文でした。張さんは今の時期は修士論文の執筆をがんがん進めていると思いますので、紹介してくれた論文もしっかり位置づけが明確化されていたと思います。論文を書くためには文献研究をこつこつ積み上げていくことが必要で、この研究関連論文の紹介も張さんの修論にめちゃくちゃ役立っているのだろうと思いました。
Jesse Schell(2019)「ゲームデザインバイブル(第2版)」オライリー・ジャパン
2章:ゲームデザイナーは体験を創り出す
3章:体験はプレイ環境で起こる
4章:体験はゲームから生まれる
ゲームデザイナーは心理学、人類学、デザインの3つのアプローチや内観(自分自身の体験の観察)を使いこなすことが大切ということでした。特に印象に残ったことは、ゲームデザイナーは玄人好みのものを作ってしまうという戒めでした。これは、自分にも当てはまって、自分がそのジャンルに精通しすぎているとマニアックなものを好むようになり、結果としてユーザーとの距離感が掴めなくなるように思います。ライトユーザーの気持ちをメタ的に理解するには、開発者だけのコミュニティ以外にも属しておくことが大切なのではないかと考えました。
叶さんのプレイセッションは「チョンマゲ・オン・ザ・ヘッド」という日本語を英語だけで説明するコミュニケーションパーティーゲームをしました。
まず、ゼミのメンバー全員が英語で自己紹介しました。(私はこのところずっと英語を喋っていなかったので、とても焦りました。)
さて、ゲーム開始です。初めに一人一人がお題とNGワードを考えました。(例:お題=さくら、NGワード=cherry blossom、pink)
次に、説明担当者は他の人が考えたお題を英語だけで説明します。このとき、NGワードを使うとは禁止で、自分の持っている英語力で一生懸命伝えます。そして、回答者がお題を当てられれば説明担当と正解者が1ポイント獲得という流れです。ゲーム中は全員が質問等含めて英語になります。
このようにゲームを用いることで、ゲームに勝つために恥ずかしがらずに英語を話すことが可能になります。最近は、デジタルゲームを使った英会話教室なども出現していて、ゲームの持つ人を夢中にさせる力は語学学習に有用だと実感できました。
最後に…
気づけばもう12月で、M2のお二人は追い込みの時期だと思います。自分も修論をチェックする機会があるようなので、論文が読めるのを楽しみにしています。頑張ってください!
投稿日時: 2021-11-29 投稿者: zhang
こんにちは。M2の張です。
あっという間に秋も終わり頃ですね。皆様はどんな秋をお過ごしされましたでしょうか。本日のゼミ前半の内容は輪読でしたので、「読書の秋」と言ってもいいでしょう!(強引)
それでは、藤本ゼミの「読書の秋」をご報告いたします。
本日はイェさんと升井さんによる輪読の発表で、2人とも学習デザインの理論の著書を選んでくれました。以下発表順にご紹介していきます。
<イェさん>
Bowen, A. J. (2012) Teaching Naked: How Moving Technology Out of Your College Classroom Will Improve Student Learning(第3章&第4章)
イェさんはまず新しい概念の「Naked教育」を紹介してくれました。「Naked教育」とはテクノロジーを新たな形で取り入れて深い学習を促す試みです。また第3章ではゲーム要素を用いて学習をカスタマイズすることについて述べました。第4章では認知科学の紹介からはじめ、学習とコースデザインの理論をディスカッションしました。最後に、ゼミメンバーで文献輪読のレジュメの作り方について話し合いました。いつもレジュメで悩んでいる自分にとってはとても勉強になりました。
<升井さん>
C.M.ライゲルース, B.J.ビーティ, R.D.マイヤーズ(編), 鈴木, 克明(監訳)(2020)学習者中心の教育を実現するためのインストラクショナルデザイン理論とモデル.北大路書房.(第8章&第13章)
第8章「学習のためのゲームのデザイン」と第13章「教育のためのゲーミフィケーションのデザイン」は普遍的原理、状況依存的原理などに分けられて紹介してもらいました。まとめとしては、フロー状態を生み出し、エンゲージメントを高めるには、完全習得学習、フィードバック、内的動機付け&外的動機付けと協働が必要とされます。ちなみに、いつものことでもありますが、升井さんはレジュメを作る際に文字を図式にまとめるのが上手なので、レジュメがとても分かりやすいです。
ゼミの後半は待ちに待ったプレイセッションでした。財津さんが用意してくださったゲームでみんなが大盛り上がりでしたが、まだ開発中のゲームなので、詳しい情報は言えません(申し訳ないです!)お互いに知れるようなゲームで初対面の人でも親友でも楽しくプレイできます!発売の日を心からお楽しみにしております!
この記事を書いている時に速報の通知がきまして、コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の影響で当面の間、新規入国を原則停止するとのことでした。なんか落ち込みますね。コロナ1日でも早く終息しますようにとこの2年間1000回以上は絶対祈りましたが、なかなかよくならないようですね。
よし、それでもメンタルだけやられないように頑張りましょう!
投稿日時: 2021-11-26 投稿者: snii
藤本准教授がインタビューを受けた記事が、日本経済新聞の電子版にて掲載されました。インキュベーター・ゲームという全4回の連載企画の4回目の記事です。
当研究室が監修を務めるゲームカレッジ Lv.99や、医学教育にゲームを取り入れている例など、ゲームの人材育成の事例が分かりやすく紹介されています。ぜひご覧ください。
日本最大ユニコーンにも集う ゲーマーこそ先端人材
※記事を読むためには無料/有料会員登録が必要です
なお、こちらの記事は、本日から2日後の日曜日または月曜日の日経新聞朝刊でも掲載される予定です。ご興味のある方は、合わせてご覧ください。
投稿日時: 2021-11-26 投稿者: snii
11月19日(金)20:00〜20:40に、株式会社batonの衣川洋佑さん、QuizKnockの伊沢拓司さんと須貝駿貴さんと藤本准教授がご一緒して「遊びと学びをつなげるには?事例と方法論」というテーマでEdvation x Summit 2021 Onlineに登壇しました。
(12/6追記)以下Webサイトより申し込みをすると、アーカイブ動画がご覧いただけます。
https://es2021-archive.peatix.com/
QuizKnockのYouTube動画を作成するときに工夫されていることや、新たに開発された漢字クイズアプリのお話などを伺いました。藤本准教授からは海外の事例として、タンパク質の構造予測を行うゲームや、ゲームデザイナーが教育専門家と協力してカリキュラムを開発したニューヨーク市の公立学校の紹介を行いました。
ライブ配信後に記念撮影も行いました。ナイスガイこと須貝さんだけでなく、みなさんナイスガイですね!
投稿日時: 2021-11-24 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
11月も後半に入ってしまいました。
本日は、前半が、私と張さんの研究進捗発表。
後半は、藤本先生プレゼン後、ワークショップというスケジュールでした。
<前半>
私は、執筆した草稿(一部ですが)を用いて、構成に沿ったストーリーの説明を行いました。現在、実験分析⇒考察⇒結論の作業に奮闘中です。現段階では、結論に導く材料は限られているため、残りの時間は発想力と執筆力です。
一人で考える時間が多いため、週に一度のゼミは、気分転換(?)とは言いませんが、楽しい時間です。
張さんも頑張っている様子なので、励みになります。
張さんからは、主に分析部分の発表がありました。お互いに同じような作業をしているので、苦労がわかります。文章を書き進めるためにも、論文の構成に沿ったデータの整理、そこからの説得力のある文章化、そのための先行研究レビュー等々、盛り沢山です。
張さんも、着実に前進している様子がうかがえました。
あと、1か月、頑張りましょう!
<ワークショップ>
ワークショップの課題は、ゲーム学習を基礎とした学校カリキュラムの構成案を検討する」との内容でした。
最初に、ジョン・デューイ(John Dewey、1859-1952)による「シカゴ大学実験学校」に関する内容説明がありました。みなさんご存知のデューイは、著名なアメリカの哲学者、教育学者ですが、デューイに関しては、以前にもゼミのなかで取り上げられています。
デューイが、自分の教育学にわたる理論を実験的実践によって確かめたlaboratory schoolに関して、コンセプトやゲーム学習との関連といった説明、その後、「ニューヨーク市の公立学校」での現代の新しい学校カリキュラムの事例と「42Tokyo」という新しいエンジニア教育機関の事例の紹介へと続きました。
ちなみに、日本でも、大正時代には新教育運動の一環として登場した実験学校として、児童中心のカリキュラム編成を実施した私立成城小学校や子供の自由と自治を基礎にした児童の村小学校、全人教育の玉川学園なども実験学校と言われているそうです。
日本でも、身近なところでは、新型コロナウイルス感染対策とした少人数学級の実現や、新しい感染症が発生した場合でも対応できるような学校の新たなスタイルを目指すとのことです。
危機を契機として新しい発想が生まれやすい土台ができつつある気がします。学びのスタイルにも変化がありますが、その根底となる、これからの社会の中で求められる能力や価値観が大きく変化している時代ですので、新たな発想での学校カリキュラムを検討することは良い気づきの機会になりました。
投稿日時: 2021-11-17 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M1の叶です。
本郷キャンパスの銀杏はだいぶ黄色になりましたね。緑がだんだん見えなくなりましたが、なんだか賑わう感じもします。晴れの日が多くてまだ温かいですが、学校に行く度に景色の変わりが見えてきて冬が近づいてくると実感しています。
さて、早速11月11日のゼミをご報告いたします!
今回のゼミは、前と違った形で行われ、事例研究ワークショップとスペシャルゲストセッションという二部で構成されています。
最初は藤本先生が担当する事例研究ワークショップであり、「Kahoot!」というアプリがトピックとして取り上げられました。「Kahoot!」とは、ノルウェー発のeラーニングプラットフォームが開発した、多種多様のクイズを簡単に作成して他人をプレイしてもらえるアプリケーションです。2013年に登場した以来、学校や研修現場を含めて色々な実践現場で使用されています。
ワークショップでは、まず財津さんが作ってくださったクイズと「Kahoot!」にある作られた教職に関するクイズをゼミメンバー全員でプレイしました。その後、2つのグループに分けて、①「クイズ」が楽しさを生み出す要素と、②クイズがテストとの共通点と相違点をめぐってディスカッションを行いました。2グループの考察は以下のようにまとめられます。
★楽しさの要素
★クイズとテストの比較
後半は、ゲストの武蔵野学院大学の坂井裕紀教授が「学習者中心のためのゲーミフィケーション」というテーマをめぐって講座とQ&Aセッションを行いました。「ゲーム研究者に進んだ経緯」、「研修でのゲーミフィケーション実践」、「ゲーミフィケーションの手法の工夫」という3部に分けられて進みました。
一つ注目点としては、坂井先生が第3部の「研修・授業にゲーミフィケーションを取り入れる際の工夫」において以下の4つの内容を取り上げられたことです。
講座を受けながら思っているのは、これらのモデルは、研修&授業だけではなく、続けて専念したいと思う色々な物事(例えば、興味、人間関係、人生(?))の場面でも活かせるのではないかと思います。坂井先生の講座でもゲーミフィケーションの要素が盛りたくさん取り入れられ、ゼミの皆さんは既にフロー状態に入ったため、Q&Aセッションでディスカッションはとても盛り上がりました。
最後に、一つ気づいた点として、外部環境を制御してゲーミフィケーションしていく他に、導入者・利用者のゲームマインドセットを整えること、つまり今自分はゲームのような楽しいことを導入・挑戦しているのだと思えることも、とても重要なのではないかと思います。
今回のご報告は以上でした!
次回も事例研究ワークショップがありまして楽しみしております!!
投稿日時: 2021-11-15 投稿者: snii
2022年度東京大学大学院学際情報学府入試への出願予定者の方を主な対象として、2021年11月1日に藤本研究室説明会を開催しました。
藤本研究室でどのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明しました。当日の説明会の様子を動画で公開しましたので、藤本研究室への入室を希望する方や、当日やむなく参加できなかった方は、ぜひご覧ください。
投稿日時: 2021-11-12 投稿者: snii
藤本准教授がEdvation x Summit 2021 OnlineというEdTechグローバルカンファレンスイベントに、株式会社batonの衣川洋佑さん、QuizKnockの伊沢拓司さんと須貝駿貴さんとご一緒して「遊びと学びをつなげるには?事例と方法論」というテーマで登壇します。
セッションは11月19日(金)20:00〜20:40に開催されます。どなたでも無料でオンライン視聴いただけますが、参加申込が必要です。
詳細は以下のWebページをご覧ください。
https://www.edvationxsummit.jp/session.php#topic21
投稿日時: 2021-11-05 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
先日、東京六大学野球の東大野球部の試合を観戦してきました。結果は0-0で引き分けでしたが、強豪相手に一生懸命プレーする選手たちの姿に勇気をもらいました。秋季リーグも終わって、すっかり秋も深まり気温も低くなりました。皆さん、カゼを引かないようにお気を付けください。
さて、本日のゼミは、研究関連論文の紹介&文献研究&事例研究の3本立てでした。
今回私が紹介した論文は次の3本です。
Ortega-Arranz A., Bote-Lorenzo M., Asensio-Perez J., Martinez-Mones A., Gomez-Sanchez E., Dimitriadis Y. (2019) To reward and beyond: Analyzing the effect of reward-based strategies in a MOOC. Computers & Education, vol.142. 103639. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2019.103639
雨宮 智浩, 青山 一真, 伊藤 研一郎(2021)「遠隔講義における講師アバタの見かけによって変化する受講希望度が授業への積極的参加行動に与える効果―オンライン授業への導入事例―」日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 26 巻, 1 号, p. 86-95,
佐藤 満明, 柄本 健太郎, 向後 千春(2015)「講義動画中におけるクイズの提示が受講者の学習意欲に及ぼす効果」日本教育工学会論文誌, 2015, 39 巻, Suppl 号, p. 77-80
1本目のArranzさんの論文はMOOCsのゲーミフィケーションに関するもので、特に報酬(reward)に焦点を当てています。バッジ(badge)とリディーム(redeem)の2種類の報酬の効果を実験的に測定しています。実験では、バッジだけでなく何かしらの特典がある方が学習者のエンゲージメントを高めることが示唆されています。
2本目の雨宮さんの論文は遠隔授業時の教師の顔をアバターにする研究です。教師の顔をそのまま映すのではなく「Avatarify」というアプリを使用して別人の顔になって講義をします。実験では、より学習者にとって魅力的なアバターで講義をした方が、学習者の積極性が高まることが示唆されています。
3本目の佐藤さんの論文はe-learningの講義動画にクイズを挿入する取り組みです。実験では、クイズを挿入することでARCSモデルから参照した注意、関連性、自信、満足感のうち自信と満足感が高まったと報告されています。
張さんが発表した文献は教授エージェントに関する海外の論文でした。
Sahimi, S. M., Zain, F. M., Kamar, N. A. N., Samar, N., Rahman, Z. A., Majid, O., Atan, H., Fook, F. S., & Luan, W. S. (2010). The Pedagogical Agent in Online Learning: Effects of the Degree of Realism on Achievement in Terms of Gender. Contemporary Educational Technology, 1(2), 175-185. https://doi.org/10.30935/cedtech/5973
教授エージェントとは、オンライン学習のコンテンツで教師の役割を果たし、学習者とコミュニケーションしながら学習をサポートするものです。この論文では、エージェントのアバターのリアル度を3段階設けて、その効果の違いがジェンダーで差があるかを実験的に調査しています。結果は、学習効果に有意差はなく原因としてスプリットアテンション効果の影響が大きいと考察されています。実験で有意な差が出なかったときに、いかに論文としてまとめていくかの参考になる論文でした。
今回叶さんが選んだテーマはREADING AIDSでした。叶さんは物語中心のゲームプレイと第二言語学習に関する研究をしているので、その補助ツールとなるREADING AIDSについて深堀してくれました。Readlang、Mouse dictionary、リーディング・チュー太の3つのツールについて比較検討して、ゲームで外国語を学ぶ際に必要なREADING AIDSの要件を考察しました。個人的には、Mouse dictionaryのレスポンスの速さに驚きました。また、英語論文を読んで整理するためのコツのようなものも皆で話し合えて、ためになりました。
本日のゼミを終えて、やはり一人で論文などに触れるよりも、他者の視点を入れることでより自分にとって有意義なものになることを実感しました。今週は藤本ゼミの説明会もあり、冬期の大学院入試が迫っています。興味を持たれている方は、ぜひエントリーをご検討ください。
投稿日時: 2021-10-31 投稿者: zhang
こんにちは。お世話になります。M2の張です。
さっそくですが、本日のゼミ活動をご報告いたします。
今回のゼミはK.I.さんと張の研究進捗報告とゲーム事例研究(by升井さん)でした。
M2生として今までゼミで研究の進捗報告をさせていただいたことは何回かありますが、いざ修論締め切り2ヶ月前!となるとやはり緊張感が高まってきます。今回M2の2人とも今までやってきたことと、まだできてないこと&研究の悩み事を報告して先生とゼミメンバーのコメントとアドバイスをいただきました。
K.I.さんは実験データの分析が進んでいてその結果の解釈にこれから力を入れるところのようで、張は先行研究の整理を終えて実験で取れたデータをデジタル化して分析にこれから挑む感じです。2週間後にまた進捗報告が予定されていますので、その時お互いにいい結果が出るといいですね!
ゼミ後半のゲーム事例研究ですが、升井さんは噂の『Among us』の例を用意してくれました。皆様、『Among us』というゲームはご存知でしょうか。『Among us』はInnerSlothによって開発されたオンラインマルチプレイヤー·ソーシャルディダクションゲームです。このゲームは2018年にリリースされたものの、人気の急上昇を見せたのは2020年の半ばになってからであり、その人気はオンラインコンテンツクリエーターによって牽引されていたようです。その理由としてコロナによってソーシャルディスタンシングが提唱される中、ゲームを通じた社会化を可能にしたといわれています。それ以外にゲームとしての人気の秘密に関しては、「シンプルだけど飽きない」、「ゲーム実況映え」などが挙げられます。
今日のゼミ報告は以上になります!
また、冬入試に向けて藤本研の説明会は2021年11月1日(月)17:00~オンラインで開催します!
詳しくはこちらへ!
自分もお邪魔させていただきますので、ご参加をお楽しみにしております。
投稿日時: 2021-10-22 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
本日は、10月16日(土)と17日(日)に行われた日本教育工学会での発表の振り返りと叶さん、升井さんの研究進捗発表が行われました。
学会発表に関しましては、藤本先生を含めて4名の発表がありました。日時が重なっていたため、全員の発表を見ることはできませんでしたが、いずれも多くの方に来ていただき、盛況のようでした。
私のブレイクアウトルームでは、全国の大学教員の方を中心に、多くの方に研究を聞いていただけました。質問は、持ち時間の最後まで途切れることがなく、多岐にわたる質問のなかで、気づきの多い研究発表となりました。
研究進捗発表に関しては、発表順に、まず叶さんからです。
叶さんの研究に関しては、既に昨年から聞いています。夏休みを終えて、研究が進んだと感じました。一番興味があったのは、分析手法です。M–GTA(修正グラウンデッド・セオリー・アプローチ)に関しては、私も以前、調べたことがありました。データを切片化しないため、コンテクストの中での解釈や意味を読み取ることができる、プロセス性をもった理論を生成していく研究に適しており、実践的な活用のための理論生成に適しているといった特徴があったと記憶しています。既に、インタビューも開始しているようですので、順調に進むと良いですね。
升井さんの研究は、教師アバターを活用した新しい学習形態の開発です。学習者が学習へのエンゲージメントを高めるためのアイディアが詰まっており、ワクワクしながら、説明を聞けたという感じです。実際の授業でも、学習者のワクワク感が必要なんだろうと感じます。まだまだアイデァは持っているようですので、学術的な根拠を付加しながら、ユニークな研究が期待できると感じました。
今週は、以上です。
投稿日時: 2021-10-19 投稿者: snii
日本教育工学会(JSET)2021年秋季全国大会が2021年10月16,17日に開催され、当研究室から4名が発表を行いました。発表タイトルと発表者を以下の通り、プログラムから抜粋してご紹介します。
☆授業動画への教師アバター導入の影響に関する調査
升井 友貴,藤本 徹
☆ゲーム教材を活用した高齢化社会のまちづくりへの住民参加を促す学習手法の検討
石田 好一,藤本 徹
☆日本語教育における“母語話者の聖域”問題を改善する学習ゲームの開発と評価
中級者の高度な語彙習得:日本語オノマトペの学習を例として
張 昱彤,藤本 徹
☆オンライン学習環境における学びのエンゲージメント向上のためのゲーミフィケーションデザイン手法の検討
藤本 徹(東京大学),坂井 裕紀(武蔵野学院大学),坂本 一憲(早稲田大学)
直前のゼミでリハーサルを行ったこともあり、本番ではみなさん落ち着いて発表や質疑応答をされたそうです。オンライン上でのワカモノ飲み会でも他大学の院生・研究者の方々と交流され、大いに盛り上がったとか。お疲れ様でした!
さて、恒例(?)の余談になりますが、私が現在かなりの時間を溶かしているポケモンユナイトというゲームで、明日からハロウィンイベントが行われるそうです。敵ポケモンをカボチャにしたり、スタジアムがハロウィン仕様になったりと、動画を見るだけでワクワクします。また、新しいポケモンが実装されたり、アップデートでいろんなポケモンが弱体化・はたまた強化されたりするなど、チーム戦略に大いに影響を与えそうです。
仕様がすぐに変わるのがMOBAの面白いところだそうで、日々このゲームの奥深さを味わっています。
ポケモンユナイトが初めての方も、久しぶりの方も、この機会にぜひ触れてみてはいかがでしょうか^^
投稿日時: 2021-10-17 投稿者: Ye Zhiqing
皆さん、こんにちは。M1の叶です。
今学期の2回目のゼミ活動をご報告します。
今回は関連論文3本紹介(担当:叶)と、日本教育工学会(JSET) 2021年秋季全国大会の発表リハーサルの週でした。
今回紹介した論文は、9月30日の記事で言及した論文であり、 5月6日に紹介した論文、Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Garden (2021) 『Gamification for student engagement: a framework』の基にもなります。
Bedwell (2012)の主な研究成果としては、①9種のゲーム属性という新たな分類法の提案、②新たな分類法を先行文献の研究成果とリンクさせるゲームマトリックスの整理です。具体的なゲーム属性の一覧は9月29日の記事を参照していただければと思います。
Landersの研究(2014)は、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションとの比較を踏まえて2研究領域の関係を考察された。また、ゲーミフィケーションが学習成果を影響する2種類の因果関係、mediate(媒介)とmoderate(調整)を区分して詳しく論じました。媒介プロセスとは、ゲーミフィケーションが学習者の行動・態度を変容させ、その変化が直接に学習成果を影響するというプロセスです。一方、調整プロセスは、変容した態度・行為が直接的に学習成果を影響するよりは、既存の学習・教授コンテンツの効果を増強したり、その魅力を発揮させたりして、コンテンツが学習成果に対する影響を増幅するというプロセスを指します。
Kahuの研究(2013)は、 Behavioral、Psychological、 Socio-cultural とHolistic という4視点から高等教育における学生のエンゲージメントに関わる研究をレビューし、エンゲージメントの弱い定義とエンゲージメントにおける重要概念の区分の欠如の課題を提示し、「高等教育における学生のエンゲージメントに関する概念的フレームワーク」を新たに提案しました。9月29日の分析ではこのフレームワークを用いてゲーム文脈での実例分析を行いました。
今回紹介した論文は以上になります!これらの論文を読んだ後、また5月6日の論文と9月29日の記事を振り返ると4本の論文に対する理解が深まると思います。
論文紹介した後、JSET秋大会に出番の三人(升井さん、K.I.さん、張さん)はブレイクアウトルームでポスト発表のシミュレーションを行いました。 その後、発表者が各自の振り返り、聴衆役の他の皆さんがコメントしました。
今回の記事は以上になります!
お読みいただきありがとうございます〜
投稿日時: 2021-10-11 投稿者: snii
藤本研究室が所属する東京大学大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース(文人コース)の冬季入試説明会が10月30日(土)13時からオンラインで開催されます。大学院に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は以下のサイトをご確認ください。
また、冬季入試に向けて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催します。
日時:
2021年11月1日(月)17:00-19:00
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生や特任研究員との面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/yn1QcfhfJih2TbUs9
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2021-10-08 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
今日から秋学期のゼミがスタートしました。秋学期のゼミは春学期の内容に加えてゲスト回があったり、英書の特別文献研究があったり、盛りだくさんで非常に楽しみであります。
初回の今回は①夏休みの活動報告と②藤本先生によるプレイセッションでした。
夏休みに各自が行った活動を報告しました。M2のお二人は修論に向けて既に論文を書き始めたそうです。M1の叶さんも友人との交流を深めるなど、諸々充実した夏休みだったようで、とても羨ましいです。自分は本郷の総合図書館に結構行っていたのですが、コロナ禍ということもあり人と接することがほとんどない淋しい夏だったように思います。10月16~17日には日本教育工学会の秋大会があり、ゼミメンバーと一緒に参加することになっています。(去年は一人ぼっちで参加していてアウェーだったので、今年は心強いです)
・Foldit
・ぐんまのやぼう
上記2つのゲームをグループに分かれてプレイし、その後にレビューしました。
Folditはタンパク質の構造予測を行うコンピュータゲームで、2008年にリリースされた歴史ある有名なシリアスゲームの1つです。人がゲーム感覚でサイエンスの発展に貢献するというロジックで、ゲームをすることが社会に直接役に立つ好例でもあります。こちらは研究室にいた3人がプレイし、レビューをしてくれました。
ぐんまのやぼうは、2012年にリリースされたスマホゲームで、群馬県をモチーフにしたゲームです。私はパズドラをやっていたので、コラボで何となく存在は知っていました。調べたところ、作者は群馬出身の方で、群馬県の知名度が全国ワーストということがきっかけで製作したそうです。
レビューの際には以下の項目をディスカッションしました。
・このゲームのゴール
・このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)
・このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール)
・このゲームに取り入れられているゲーム要素
・このゲームで関連する学習要素
・このゲームがプレイ意欲を高めている要素
私が参加した「ぐんまのやぼう」では、次のようにまとめました。
このゲームのゴール
・日本を群馬県に天下統一する
このゲームでのプレイヤーの主要な活動(ゲームのコアダイナミクス)
・都道府県を制圧する
・Gを稼ぐ(収穫する、スゴロクする、ガチャをする)
このゲームのメカニクス(プレイヤーに課される制約条件やルール
・収穫に待ち時間
・隣の県しか制圧できない
・人口の多い県はGがかかる
このゲームに取り入れられているゲーム要素:
・運(スゴロク)
・ストーリー
・ゆるゲー
・待ち時間
・レベルアップ
このゲームで関連する学習要素:
・群馬のご当地要素(食材、駅、市)
・47都道府県
このゲームがプレイ意欲を高めている要素:
・制圧欲
・地元愛 (上毛カルタ)
ゲームレビューをすると、一人では気が付かない視点でゲームを捉えることができたり、やはり学びが大きいです。
さて、秋学期も学際的でバラエティに富んだ授業が待っているので、目指せフル単です!
投稿日時: 2021-09-30 投稿者: K.I.
あっという間に、明日から10月です。
あっという間に、年末を迎えそうで、焦っています。
大学は夏休みでしたが、社会人の私の日常に、あまり変化はありませんでした。
そこで、夏休みの終わりに、最近、よく思う「変化」について書いてみます。
大学も職場も同様ですが、新しい環境では、必然的につき合う人が変わります。
つき合う人に変化があると、新しい学びや気づきが生まれるチャンスです。知らなかったことを知る手っ取り早い方法かもしれません。もっと手っ取り早くつき合う人を変えるには、住む場所を変えることかもしれません。(ちなみに、お勧めしているわけではありません。)海外とか。世のなか、自分の知らない世界は、たくさんあります。ありすぎです。知らなかったほうが良いことも多いですが。
これまで、学校や会社の関係で、海外も含めて、随分と色々な場所に住みました。環境を変えるために、意図的に住む場所を変えたこともあります。休みが取れると、決まって家族と海外に行きました。そこでは、楽しく思えることも多く経験し、明るい未来を感じる場所も多くありました。一方で、危ない経験や悲惨な状況も、数多く目にしました。
おもしろいことに、年を重ねると、よく思い出すのは、後者のほうだけなのです。楽しい思い出は、記憶のなかに埋没してしまうのでしょうか?僕だけかもしれません。そして、少しだけ、「なんとかしなくては!」という気概が芽生えてきます。
最近は、「社会的課題」という言葉は一般的になりました。ですが、世界には、ずっと昔から、社会的課題を解決しようとしている人が、とても多くいることも知りました。やっとです。
僕の研究は、この社会的課題をなんとかゲームで解決したい!という研究です。
学問としてのゲームへのアプローチは、人ぞれぞれですが、ゲームの可能性は、とてつもなく大きい!と最近、感じます。
本題は、ここです。
結論なく、中途半端な感じですが、次回は、真面目にブログを書きます。夏休みなので、大目にみてください。
投稿日時: 2021-09-29 投稿者: Ye Zhiqing
皆様こんばんは。M1の叶です。
夏休みはそろそろ終わるところなのですね。
実は先週北海道の友人に訪ねて帰ってきたばかりで、北海道の美味しい食べ物(スープカレー、牛乳、ハンバーグ…)いっぱい食べまして、とても元気(太りました)ですが、休みの前に立てた計画がまだ色々終わらせていなくて焦ているところです。
夏休みの前に計画をいっぱい立てた自分に申し訳ない気分なのですが、残りの何日間にはできるだけ頑張ります!!
では、早速今日の本題に入りたいと思います。
先学期は『リング・フィット・アドベンチャー』(下記:RFA)を事例研究の回で紹介しました。実は自分は随分前からもう一つの運動ゲームのUBIソフトの『ジャスト・ダンス』(下記:JD)シリーズの大ファン(今日も遊びました)なので、いつかに『RFA』と『JD』の比較を踏まえてシリアスゲームのあり方について論じたいと思っていました。
今回は、ゲーム属性とエンゲージメントの視点から『RFA』と『JA』のゲームプレイとそれがもたらす効果・影響を論じたいので、5月の文献研究で張さんが紹介してくれた論文『学生エンゲージメントのためのゲーミフィケーション:フレームワーク (Gamification for student engagement: a framework)』(Rivera, 2021) という論文を読み直しました。
ですが、今回はそのフレームワークではなく、その裏にある二本の論文が提唱した理論・モデルを使って分析してみました。それぞれは:
1・『Toward a Taxonomy Linking Game Attributes to Learning: An empirical Study』(Bedwell, 2012)(先行のゲーム学習研究に基づいて学習効果の分析上で使える9つのゲーム属性のまとめ)
2・『Framing student engagement in higher education』(Kahu, 2013)(高等教育における学生のエンゲージメントの影響要因とそれがもたらす影響に関するモデルの提案)
5月紹介されたフレームワーク (Rivera, 2021) は、大いにこの二本の文献に基づいたものだと考えられます。紙幅を省くために、これからは、表を使ったり、箇条書きにしたり、文章体にします。
まず、Bedwell (2012) が提案した9つのゲーム要素の枠を使って『JD』と『RFA』のゲーム要素を簡単に分析する。
・「ー」は、エンゲージメントにネガティブ影響を与える要素で、逆に「+」はポジティブな影響を与えるゲーム要素。「△」はどちらも言えない要素が、さらに工夫されれば「+」になることができる要素。
(9属性の定義の詳細はBedwellの論文に参照) | Just Dance(ジャスト・ダンス) | Ring Fit Adventure(リング・フィット・アドベンチャー) |
Action language(ゲームシステムと交流する仕方) | ・運動ゲーとして普通。新鮮感がない(ー) | ・「リング」は今までないので新鮮(+) |
Assessment (評価・フィードバック) | ・即時フィードバック(形成的評価)と総括的評価(+) ・「Sweat mode」でカロリー消費が表示できる(+) ・ゲームスコアをさらに上げるためのヒントが提供されていない(ー) | ・即時フィードバックと総括的評価(+) ・カロリー消費が表示できる上に、詳細データ詳しく調べられる(++) |
Conflict/ Challenge(衝突・チャレンジ) | ・踊るソングの難易度が3レベルに分けられたが参考にはならない(ー) ・難易度が調節できない(ー) | ・運動負荷が随時調節できる(+) ・システムがプレイヤーのデータをモニタリングして最適な難易度を推薦する(+) |
Control (コントロール) | あまりない(△) | インタラクションが『JA』と比べて多様なのでより多くある。(△) |
Environment (ゲーム世界) | ・ダンス場。踊るシーンも工夫される(+) | ・アドベンチャーモードならある(+→ー) |
Game fiction (ゲーム虚構・物語) | ・All star mode (Just dance 2020だけ)。正直没入できない(△) | アドベンチャーモード。慣れたら没入感が失われる。(+→ー) |
Human Interaction(人間同士のインタラクション) | ・少ない。(△) | 少ない。ランキングを見るぐらい。(△) |
Immersion (没入感) | ・踊る音楽といった感覚的刺激が与えられる(Sensory stimuli)(++) | ・ミニゲームではリアル世界と違う世界として認識する(+)が、 ・アドベンチャーモードだと慣れたら没入感が失われる。(+→ー) |
Rules/ Goals (ルール・ゴール) | ルールは運動。ゴールは、『RFA』が『JA』より多様。運動したいと思う程度によって、エンゲージメントの程度も異なるだろう。 |
簡単にまとめると、二本のゲームが代表した運動ゲーは、評価(Assessment)とルール・ゴール(Rules/ Goals)が最もエンゲージメントをもたらす属性だと言えよう。その一方、チャレンジ (Conflict/ Challenge)、コントロール (Control) と没入感 (Immersion) に関するゲームデザインは、また工夫できることがあるだろう。
『Gamification for student engagement: a framework』(Rivera, 2021)という論文では、Kahu(2013)のモデルがゲーム学習の文脈で活用する際、ゲーム要素がエンゲージメントの先行影響要因とエンゲージメントそのものに影響を与え、ひいてにエンゲージメント状態が学習に短期・長期の影響を与えるという結論に至った。次に、Kahu (2013)の「Conceptual framework of engagement, antecedents and consequences」を踏まえて、この二本のゲームの場合には、エンゲージメントがどのように影響され、何を影響したのかをまとめて概念図を作ってみた。
実証したわけではなく、自分のプレイ経験と感覚でモデルを応用して分析してみたが、運動ゲーの要素の中の没入感、調節、評価 (Immersion、Challenge、Assesement) がエンゲージメントの情意領域に影響を最も与え、これらの要素をうまくデザインすることによって、エンゲージメントを向上させる可能性もあるのではないか。また、評価 (Assesement) はエンゲージメントの認知領域の自己管理(self-regulation)にもつながると思う。
この何本かの論文を読んだ後、まずシリアスゲームとゲーミフィケーションの関係について一つ自分の考えをまとめた。それは、ゲーミフィケーションの終極的な産物はゲームだということ。あるコンテンツ・ゲームは、ゲーミフィケーションされたコンテンツなのか、シリアスゲームなのかは、結局にはゲームプレヤーかコンテンツの利用者の自己判断になるのではないかと思うようになった。例えば『RFA』も『JD』も、ゲーミフィケーションされた運動インストラクションとして捉えることもできるし、シリアスゲーム、あるいはゲームとして捉えることも全く問題ない(むしろ後者は主流だろう)。
ゲーミフィケーションされたコンテンツとゲームの共通特性としてはゲーム属性(Game attributes)があるということだ。なぜ『JD』と『RFA』をプレイすることが、ユーチューブでの筋トレ動画やダンス動画を見ながら真似するということと異なるかと言うと、ゲームはゲーム属性を持っているからのだ。そのゲーム属性が、我々プレイヤーたちの態度、認知と行為(Attitude、cognitive、Behavior)の変容を介して、プレイヤーのエンゲージメント(参与感)を高め、そのエンゲージメントがまたプレイヤーの生活にさらに深い影響を与えるのだ。
今回は論文で勉強したモデルを使ってゲーム事例を分析する試みだった。ゲーム要素とエンゲージメントの関係などに関しては、まだ色々考えきれない、説明しきれないところがあると思いますが、この9要素のまとめはゲーム分析する際とても活用できるレンズであり、エンゲージメントが媒介として学習成果を影響するというのも、とても説得力がある研究結論だと思います。色々紹介不足かもしれませんが、今回の記事も学習メモのようなものになっていましたが、読んでいる皆さんのお役に立てば嬉しいです。
この休み前立てた計画の中でも「ちゃんと運動する」というのもこの二本のゲームのおかげで完成度が最も高い目標になりました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
参考文献
・Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Rivera, E. S., & Garden, C. L. P. (2021). Gamification for student engagement: a framework. Journal of Further and Higher Education, 1-14.
・Kahu, E. R. (2013). Framing student engagement in higher education. Studies in higher education, 38(5), 758-773.
・Bedwell, W. L., Pavlas, D., Heyne, K., Lazzara, E. H., & Salas, E. (2012). Toward a taxonomy linking game attributes to learning: An empirical study. Simulation & Gaming, 43(6), 729-760.
投稿日時: 2021-09-29 投稿者: snii
日本デジタルゲーム学会 (DiGRA JAPAN) の2021年夏季研究発表大会が2021年9月12日に開催され、当研究室から3名が発表を行いました。発表タイトルと発表者を以下の通り、目次から抜粋してご紹介します。
☆セッション1 シリアスゲーム
オンライン環境におけるボードゲーム実践によるまちづくり学習の可能性
石田 好一, 藤本 徹
☆セッション5 教育
ゲームにおける創造性の評価手法の提案―mini-c に着目して
財津 康輔, 藤本 徹
☆インタラクティブセッション
農業シミュレーションゲーム「ファーミングシミュレーター」を軸とした多方面のデジタルゲーム研究の展開
藤本 徹
予稿集はこちらからご覧いただけます。
私もドキドキしながら初めて参加してみましたが、非会員でも3,000円で聴講できました。
個人的には、スマブラを企業研修に取り入れている実践例の発表が勉強になりました。研究テーマも多岐に渡り、とてもオープンかつフレンドリーな雰囲気が印象的でした。
10月には別の学会の秋季全国大会があり、こちらで発表を予定している院生の方々は日々研究をブラッシュアップしています。藤本准教授の個別指導はもちろんのこと、ゼミで発表のリハーサルを予定していたりと、少人数ならではのきめ細やかな指導が行なわれています。
あと1週間と少しでゼミが再開します。夏休みにどんな挑戦・活動をされたのか、報告を聞くのが楽しみです!
(余談ですが私の夏休みの冒険はDiscordでポケモンユナイトの国内外コミュニティ3つをハシゴして武者修行してきたことです。英語の早口が聞き取れなくてチームの戦略が掴めず、好き勝手に伸び伸びプレイしていたら試合後にアメリカ人のガチ勢に詰められました…いやはや、良い経験になりました&英語の勉強もっと頑張ります)
投稿日時: 2021-09-28 投稿者: masui
M1の升井です。
今日は、文献紹介と先週見た夢について書きます。
夏休み中に本郷キャンパスの総合図書館へ足を運び、本棚を探索していたところ面白い本を見つけました。
鈴木克明監修 市川尚・根本淳子編著(2016)
『インストラクショナルデザインの道具箱101』北大路書房
101は「ワンオーワン」と読むみたいです。
インストラクショナルデザイン(ID)の定義は、「教育活動の効果と効率と魅力を高めるための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセス」です。
鈴木克明(2005)「〔総説〕e-Learning 実践のためのインストラクショナル・デザイン」『日本教育工学会誌』29(3),197-205
この本の面白いところは「レイヤーレベル-1:いらつきのなさ~レベル3:学びたさ」の5つの段階に分けて101個のデザインの要素(道具)を紹介しているところです。ARCSモデルやGBS理論など、IDに関連する多くの知見が網羅されています。
私は、この手の〇○○個系の本が好きです。なぜかというと、区切りのいいところまで分割して読みやすいからです。ゼミの文献購読で指定されているJesse Schell『ゲームデザインバイブル[第2版]おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」』も〇〇〇個系の本ですね。
そして、〇○○個系の本はアイデアの発想法にも役立つと考えています。アイデアを生み出すときの基本戦術として「掛け合わせ」というものがあります。例えば、新しい料理を考案するときに「カレー」×「うどん」=「カレーうどん」のように発想するイメージです。ネタとなるたくさんのキーワードをエクセルにまとめておいて、random関数で2個をピックアップすれば、思いもよらない組み合わせが提示され、そこから新しいアイデアがひらめくこともあります。
〇○○個系の本でキーワードをたくさん吸収することで、掛け合わせで生まれるアウトプットの可能性がどんどん広がっていくことを実感できる点も、この手の本が好きな理由です。
ここからは雑談になりますが、先週とあるZOOMコミュニティの話題で「山口県の家の瓦は赤い」とか、「ポッキーとトッポのどっちが好きか?」とかいう話をしていて、その後、無性にトッポが食べたくなってコンビニダッシュを決めてトッポを食べた夜に変な夢を見ました。
夢の中では、とある学校の先生(ZOOMのメンバー)が「チョコレートでできた家を建てたい」と言い出して、私が「食べられる素材で、何十年も住める家は建てられないですよ」と力説しているところで目が覚めました。(夜中の3時)
なぜこのような夢を見たのか分析すると、直前で意識していた赤い瓦と口にほのかに残るチョコの味が無意識の中で組み合わさった結果、チョコレートでできた家が出てきたと考えられます。
寝る前に〇○○個系の本を読むことで、夢の中で新しいアイデアが思い浮かびやすいのではないか?
残りの夏休みに自分を使って実験してみます。
投稿日時: 2021-09-27 投稿者: zhang
こんにちは!M2の張です。
夏休みそろそろ終わるところですね。皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか~
この間、前期のラストゼミで宣言した「新学期までの目標」を振り返ってみたら、80%順調に進んでおり、自己史上「充実してる夏休み」ランキング上位に入れるのではないかと思いました。(残りの2割を残りの2週間弱で頑張ります!)
最近の個人ニュースで言いますと、マージャンを習いました!大声でいうことではないかもしれませんが、自分の中では一大事でした。お正月みんなでワイワイとやるもののイメージでしたが、我が家はとあるなんでもない平日にいきなりマージャンをやることになり、人数合わせで自分も巻き込まれました。ルールを3秒で教えられ、何も分からずに人生初のマージャンに挑みました。(ちなみに教えられたルール:nAAA+mABC+DDで勝利となり、mn=0でもOK!)マージャンをやりだしたら、時間経つのが本当に一瞬で気づいたら3時間も経てしまいました。結果的に言いますと、当然負けました。が、面白すぎて負けても十分に楽しめました。普段やれない騙し合いや奪い合いをゲームのマジックサークルの中で存分に堂々とやれてとても楽しかったです。やはりゲーム最高!
話変わりますが、マーダーミステリーご存知でしょうか。マーダーミステリーはパーティーゲームの一種で、通常ゲーム開始前に起きた架空の殺人時間に対し、パーティーのゲストの1人が秘密裏に犯人の役割を受け持ち、他のゲストは誰が犯人であるかを推理する形式のゲームです。いつもの自分ではなく配られた役を演じることがすごく新鮮で面白いです。前学期のゼミのプレイセッションで初めてやらせてもらってからずっともう一回やりたいなあと思ってました。ようやく来週マーダーミステリーのお店に行くことになりました!衣装も道具もちゃんとしている本物のマーダーミステリー!楽しみです!
またまた内容の薄い近況報告でしたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!残りわずかですが、夏休みを楽しんでください!~
ではまた!~~
投稿日時: 2021-09-07 投稿者: snii
プレジデントオンラインの取材で「東大生が子どもの頃にゲームとどう付き合って来たか」というテーマで座談会を開催し、藤本准教授もコメント役で参加しました。その記事が公開されましたので、お知らせします。
(前半)「東大に合格できたのはゲームのおかげ」東大生がそう断言するまんざらでもない理由 「親が攻略を手伝ってくれた」
https://president.jp/articles/-/49287
(後半)ゲーム好きの東大生が「これだけはやってはいけない」と言う”あるゲーム” ユーザーを依存させる仕組みがある
https://president.jp/articles/-/49542
個人的な感想ですが、記事内でおすすめされている『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』という名作RPGが未履修なので、プレイしたくなりました。その前に財津特任研究員オススメの『UNDERTALE』『ゼルダの伝説』『ペルソナ』も履修しておかねば…!
ポケモンはユナイトが初めてという超にわかゲーマーの私ですが、藤本研究室に籍を置いて以来、ゲームを通じて得られる喜びを日々噛み締めています。
いや~、ゲームって本当に、いいものですね〜(しみじみ)
投稿日時: 2021-09-03 投稿者: snii
「新しい40代」のためのファッション&ライフスタイル誌STORY10月号(2021年9月1日発売)に、以下のボードゲーム特集記事が掲載されています。
その中で財津特任研究員が「遊びながら戦略性が鍛えられる」などをテーマに選んだ、さまざまなボードゲームをオススメしています。
☆コミュ力、問題解決力、チームワーク力 ……遊ぶうちに身につく知的な楽しみ
\親子で/動画疲れの今、「ボードゲーム」が楽しい!
財津ファンの藤本研メンバー一同は一人2冊ずつ購入予定です(保存用と布教用)。
お求めは書店・コンビニまたはこちらの公式サイトからどうぞ!
投稿日時: 2021-09-02 投稿者: K.I.
8月といえば、楽しいはずの夏休みなのですが。。
8月、アレも、コレもとやる事が多すぎて、忙殺されました。いつものことなのですが。本来は、8月中に近況を報告する予定でしたが、遅くなってしまいました。
9月と10月の学会での発表のため、予稿を2本、書きました。やっとのことで。自分で無理している感はありましたが、実は、楽しめた気がしています!これが、私の楽しい夏休みでしょうか。
近況と言えば、久々に、多少の運動を再開しました。若い頃は、好きな運動だけをやって、それ以外のことは何もやっていなかったという思い出しかありません。今は、完全に老化を感じての、やむなくの運動です。とは言え、以前のようにジム通いはやめて、軽いランニングとウォーキングに徹しています。折しも、パラリンピックの開催中で、私の運動への最大のモチベーションとなっています。
ゼミのメンバーも、全員、元気そうで、そして、なによりも前向きで、一緒の研究室で心強い限りです。
私が9月をもっと楽しく感じるためには、やはり、研究を楽しんで進めることでしょうか。
それと、一刻も早いコロナの終息に限ります!!
8月は、思うがままにダラダラと書いてしまいました。まわりに夏バテの方も多いと聞きます。健康一番で乗り切りましょう。
投稿日時: 2021-08-31 投稿者: snii
8月29日(日)に藤本研究室の夏休みお楽しみ企画として、研究室に所属するスタッフ・学生とその友人ら計9名でゲーム会を実施しましたので、その様子をご報告します。
まずは、4対4の2チームに分かれてNintendo Switchでポケモンユナイトの対戦を行いました。
私のチームにはMOBA(英: Multiplayer online battle arena)の強者がいたので、気持ちよく勝てましたhahaha(笑)負けたチームから即座に「悔しいからもう一回やろう」との声があったのが印象的です。レベルを上げるために一人でプレイするのも大事ですが、チームで戦略を立てたり仲間のサポートをしながら自分の点を決めていったり、状況に応じて仲間とコミュニケーションを取りながら進めていくMOBAの楽しさを存分に味わえました。
次に、ボードゲームのプロフェッショナルである財津特任研究員の進行で、前期ゼミのプレイセッションでも遊んだ「コードネーム」というボードゲームをプレイしました。(ルール等、詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください)
お題を出すリーダー役が一番頭を使うのでスパイ達はリーダーに感謝&労いつつ、敵チームのターンの時は精一杯野次を飛ばすなどして撹乱しながら、いい感じに盛り上がりました。
その後、事前にアカウントを作成いただいていたboardgame arenaというボードゲームをプレイするプラットフォームにて、財津特任研究員おすすめのイラストリー(illustori)というゲームをプレイしました。ルールは、簡単に言えば日本語しりとりです。自分のカードに描かれたイラストの内容に合った文章を作る必要があり、他のプレイヤーの厳しいジャッジによって弾かれてしまうことも何度かありました。
ゲームの前半では、期せずして複数のプレーヤーの連携でしりとりの内容が「軽犯罪を犯した男が逃走する」というストーリー仕立てになっていったのがLive感と一体感があり、とても良かったです(ゲームの勝敗には関係ないのですが笑)。
そして中締め後、希望者のみで再度ポケモンユナイトの対戦&5名でチームを組んでオンラインの大海に旅に出ました。マッチングした韓国チームの強敵に泣かされたり、仲間に命を救われたり、草むらに隠れた敵に奇襲されたりして一喜一憂しながら経験値を積んでいきました。
何度か負けが続き、もうそろそろお開きの時間かな…と時計を気にしつつも、「勝つまでは終われない」「勝って気持ちよく終わりたい」というゲーマー魂により、最終的に勝って有終の美を飾るまで3時間ほどプレイしていたのは秘密です。
参加者の方々より、「楽しかった」「またやりたい」という感想をいただけたので、また折を見て第二回ゲーム会を開催できればと思います。
そして、藤本研究室ではもう一つの夏休み企画を予定しています。こちらはもう少し真面目な、研究に関する内容です。準備が出来次第ブログでご案内しますので、藤本研究室への出願を予定している方も、そうでない方も、楽しみにお待ちください。
投稿日時: 2021-08-31 投稿者: snii
当研究室所属の財津特任研究員が研究の一環として小学校4年生〜中学生のお子様とその保護者の方を対象に夏休み親子ゲームジャム2021を福岡県福岡市で開催し、成功裏に終了いたしました。
その様子をnoteにまとめておりますので、ぜひご覧ください。
1日目(7月25日)
https://note.com/saikorojuku/n/na5b969b62a23…
2日目(8月9日)
https://note.com/saikorojuku/n/na552f06825ba…
制作物について
https://note.com/saikorojuku/n/n78feccfbf3ad
※このワークショップは公益財団法人 科学技術融合振興財団 (FOST)の助成を受けて実施しました。
投稿日時: 2021-08-27 投稿者: zhang
ご無沙汰しております!M2の張です。
夏休みはいかがお過ごしでしょうか。
夏もそろそろ終わるところですが、今年夏の1番の思い出は何でしょうか。私の場合はやはりオリンピックでしたかな!いろいろな制限のある中、オリンピックが無事に開催されたことだけで感動しました。観戦する試合は絶対負けるという謎の体質の持ち主なので、家族や友達に「お前は絶対見るな!」って強く言われまくってました。はい、大人しくツイッタのリポを見ながらオリンピックをこっそりと楽しみます…あ!そうだ!開会式で選手が入場している時のBGMは全部ゲームのテーマソングということに気づきましたでしょうか?自分に全然関係なかったのですが、なんかうれしかったです!
ここからはちょっと暗い話(笑)ーー研究の進捗になります。夏に入ってからは6月の実験で取れたデータのデジタル化と今まで読んできた修論に使えそうな文献の整理作業をしております(マイペースでこつこつと少しずつ!)本格的に整理し出してから初めて気づきましたが、文献整理って、1ヶ月ほど部屋掃除していないのにもうすぐお客さんに来られるほど絶望的に焦りますね。「文献整理は大事!」「早めに始めといたほうがいいよ」と先輩方にあれだけ言われましたのに、成長につながりませんでした…ここまで見ていた後輩くんや修士課程を考えているあなた、ダメダメ先輩からの教訓です:「文献整理は最初からしっかりしたほうがいいです!」夏休みの残りの時間は文献整理を続けるほか、修論を書けるところから書き始めようと考えております。10月の学会発表ポスターのドラフトも終わらせないと!
話変わりますが、ゲームはますます熱い話題になってきているとつくづくと感じています。ゲーム業界自体以外に、ゲームをテーマにしたドラマも流行っているようです。最近中国で話題になったゲームドラマの主人公たちがやっているゲーム『王者栄耀(おうじゃえいよう)」』は次の話につながりがありますので、簡単にご紹介させていただきます。
『王者栄耀(おうじゃえいよう)』はTiMi Studiosが開発し、テンセントゲームズが中国で配信している基本プレイ無料のマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)になります。2015年11月26日に配信が開始され、ユーザー登録数は2億人を突破しています。2018年11月にDeNAが本作のグローバル版『Arena of Valor』の日本語版『伝説対決ーArena of Valorー』を配信しました。ゲームではヒーローを選んで敵と戦ったり、目標をクリアして楽しむというこれまでと特に変わらないゲームのように見えますが、ヒーローがご5人でチームを組んで対戦でき、ソーシャル要素も強いです。ヒーローは、法師、戦士、戦車、暗殺者、射手、補助の6つのタイプに分かれ、中国の歴史上の人物が中心ですが、宮本武蔵や、日本の人気ゲーム「サムライスピリッツ」 のキャラクター「橘右京」など日本人もいます。
私は配信された当時試しにやってみた以来に触ったことがないですが、周りにこのゲームの中毒者が結構の数います。自分のちょっとだけの経験で言いますと、爽快感、攻略、ソーシャル性など隅から隅までよく洗練されたゲームです。チーム戦が好きな(かつ時間のある)方にぜひお勧めしたいです。
話戻りますが、なぜ『王者栄耀(おうじゃえいよう)』をご紹介したかといいますと、
藤本研!今週日曜日!初のオンラインゲーム会を開催することになりました!
やるゲームですが、「ポケモンユナイト」になります!任天堂とTiMi Studios、テンセントゲームズのコラボで5Vs5に分かれてチームバトルゲームで、わりと「王者栄耀」と似ているゲームではないかと思われます。
ゲーム会でチームメンバーの足を引っ張らないように今のうちに練習しようと!
だらだらと喋ったら長文になってしまって申し訳ございません。
世の中コロナでまた大変な日々が続きますかと思いますが、皆様どうか体調にお気をつけてください!
では!~
投稿日時: 2021-08-25 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんお久しぶりです!M1の叶です。
夏休み(?)はどうお過ごしているのでしょうか。
自分は春学期に色々講義を取ってゲームプレイ時間がなかなかできませんが、夏休みに入るとようやく積みゲーをいじはじめました。自分の研究で扱うゲームジャンルは主に「物語中心のゲーム(Narrative-based Game)」で、修士研究で既に行ったインタビューの中ではいくつかの有名かつ自分が遊んだことないゲーム名が登場し、その中の一つ、夏休みにようやくクリアした『Her Story』というゲームを今回の記事のテーマとして扱いたいと思います。
フォーマルの研究においては、主観的なバイアスが生じる恐れがあるので研究者自身のゲーム体験の分析はなかなかできないのですが、実は研究者目線で自分のゲーム経験を振り返ることは、実際の研究で研究対象になるゲームプレイヤーとの共感に役立ちますし、プレイヤーの行動に対する解釈などにもとても重要です。まさに4月のゼミで紹介したReinhardtらの論文で書かれているように、
“…We should heed the fact that the number of well intentioned educational games that have failed is enormous as well, and that L2 education professionals have not always been the most informed of digital game consumers. The solution is for researchers and practitioners to learn to evaluate, and eventually speak to the design of, game-mediated instruction, both game-enhanced and game-based. The first step is simple—interested researchers and practitioners should play digital games themselves, keeping an open mind and analytical disposition towards insights into language use and learning.”
Reinhardt, J., & Sykes, J. M. (2012). Conceptualizing Digital Game-mediated L2 Learning And Pedagogy: Game-enhanced And Game-based Research And Practice
ゲームを媒介とした言語学習の研究者はまずゲームプレイヤーになり、常に身近なゲームプレイを分析していくべきだということです。
そのため、今回は第二言語習得の視点から自分の『Her Story』のゲームプレイを検討したいと思います。また、同じくゲームクリアした友人のRさんとのディスカッションも踏まえて、さらにMAXQDAという質的分析ツールを使って、STEAMというゲームプラットフォームでのゲームレビューに対して簡単な分析も行いました。今回はあくまでもインフォーマルなリサーチなので、考慮に欠けるところも色々あると思いますが、研究メモ(ゲームレビュー)として自分の所感を共有したいと思います。これからは、箇条書きの形で簡潔にまとめます。
〜検討は以上です〜
まだまだ浅い分析なのですが、今回の分析はここまでにしたいと思います。もちろん、6時間をかけて英単語を暗記するのがより効率的だと思われますが、『Her Story』をプレイすることは、英語小説、ドラマや映画などを活用した学習と同様な(それよりいい効果、動機づけと獲得の維持率が高いかもしれない)魅力的なインフォーマル学習(復習)法の一つだと考えられます。
また、英語で遊ぶことに最適なのはこのようなプレイヤーだと思います:
・中級以上の英語学習者(目安として4000以上の語彙力が必須で、5000+が望ましい)
・ミステリーや推理物語に対して興味を持つ人
・特に、以上の2つを満たしているのに英語が嫌いとか、自分の英語語力に対して自信を持っていない方におすすめです。一度遊んでみたら、「自分が英語学習でゲームができるんだ」という気持ちが味わえるので、ぜひぜひ、夏休みにお時間があったら、『Her Story』の物語を通じて英語力を磨きましょう。
**ゲーム攻略としては、データベースの75%以上を見終わってから、オンラインの攻略を調べるのがおすすめです。
以上、今回の長い記事を終わらせたいと思います!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
投稿日時: 2021-08-24 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
現在、夏季休暇期間ということで簡単に近況報告させていただきます。
世の中はコロナで大変なことになっていますが、私は特に変わりなく元気に夏休みを過ごしております。セブンイレブンの冷凍したメロンを食べてお腹が痛くなったくらいで、今年の夏は比較的体調良好と言えます。
研究の進捗については、この夏でリサーチクエッションを固めようと考えていて、色々と模索している現状です。本郷キャンパスの三四郎池で、鯉やカメ(稀にスッポン)に見守られながら悩んでいる学生がいたら、たぶん自分です。研究の方向性として①博士課程につながるような研究②自分が得意なジャンルの研究③世の中の役に立つような研究など、どういう基準で方向性を決めるか、難易度や研究室のカラーなども総合的に踏まえて結論を出そうとしています。
最近アマプラで「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見て、14年間のケジメ的なことを考えさせられたので、昔話がてらにシリアスゲームの紹介をします。
突然ですが、皆さんはパチンコやスロットを打ちますか?実は私はプレイヤーというか、社会人時代にパチンコの開発者をしていました。
教育とゲームは対極のように思われたりしますが、パチンコだともっと離れていると思われると推察します。しかし、世の中には勉強と遊技を融合した?一風変わったパチスロが存在しました。
その名は学習パチスロ「算数」「国語」「理科」です。
→https://www.p-world.co.jp/machine/database/4827
遊人というメーカーから2007年にリリースされています。(残念ながら、パチンコホールではもう設置していません)
このパチスロは、スロットをしながら勉強をするというコンセプトで、当時の脳トレブームにあやかって企画されたものだと考察されます。
算数というタイトル名が示すように、簡単な計算問題など小学生レベルの問題が繰り出される機種となっています。
気になるのは、問題に正解すれば出玉に影響があるのか?ということですが、残念ながら出玉とリンクはしていないので、完全に勉強部分はおまけになります。もしも、勉強ができれば勝てる機種だったら、世の東大生はパチンコホールに通っていたかもしれません。笑
詳しくは、YouTubeの令和ベストテンさんが動画で紹介しているので、こちらをご覧ください
→https://www.youtube.com/watch?v=NweynC6DxdY
私自身はパチンコ開発者としてシリアスゲームパチンコの開発にチャレンジしてみたいという想いはあったものの、結局叶えることはできずに業界を去ったのが心残りです。
パチンコ開発の経験を何かしら自身の研究に役立てていこうと決意した、今日この頃です。
投稿日時: 2021-08-16 投稿者: snii
子育てや教育に関する講演会動画配信サイト「花まる子育てカレッジ」に、藤本准教授の対談動画が公開されましたのでお知らせします。
加藤 紀子氏 × 藤本 徹氏
「子育てベスト100対談第3回 ゲーム×教育研究のスペシャリストに聞く!ゲームとのつきあい方の極意」
なお、動画を全てご覧になるためには有料会員登録が必要ですのでご留意ください。
投稿日時: 2021-07-30 投稿者: zhang
皆様、こんにちは。M2の張です。
今学期のラストゼミ報告になりますね。
では、早速ご報告をさせていただきます!
本来なら、それぞれの期末研究進捗発表会とラップアップと予定されていましたが、先日全学府の研究中間発表会でM2生が既に進捗を発表したため、本日は中間発表会の感想をフィードバックし合う振り返り会とさせていただきました。M2生が発表会に参加した感想と発表した手応え、M1生が発表を聞いた感想と質問などを振り返り、熱いトークをしました。藤本先生からも貴重なコメントをいただき、夏休みも引き続き研究を頑張れるような気持ちになりました。
ゼミの後半は下記3点について短いワークをしました
・今学期、個人的にがんばれたこと、がんばれなかったこと(研究面でも、他の側面でもなんでもよいです)
・今学期のゼミの活動のうちで、自分の研究を進めるうえでありがたかった点、役に立った点(全般的な話にまとめずに、この回のこの活動がこの部分の役に立った、とできるだけ詳しくピンポイントに考えてください)
・秋学期開始までに達成したいミッション、取り組みたいタスク(研究面と、キャリア面など研究以外の側面で。これもなるべく具体的なゴール、タスクを考えてください)
時間をとってそれぞれ考えてグーグルスライドで自分のページを作り、発表しました。自分のページを作るときはもちろん、他のゼミ生の話を聞いているうちにいろいろ思い出したことがあって振り返りのいい機会になりました。そして、特に3点目の「秋学期開始までに達成したいミッション、取り組みたいタスク」に関しては、それぞれ具体的なゴールを設定してしまいました(?)ので、達成できるかをみんなでお楽しみにしましょう!(結果は新学期一発目のゼミ報告で!)
今学期から藤本ゼミに新メンバーが入ってくださったり、ゼミに新しい内容が加えられたりしていろいろ変化が多かった半年ではないかと思います。そのおかげですごく楽しい半年でした!藤本先生、財津さん、新居さんとゼミ生のみんなにでかい感謝です!
夏休み期間中も定期的にプログを投稿させていただきますので、お時間に余裕がありましたら、是非ともブログにお立ち寄りください。~
暑い日が続きますので、体調に、そして感染にも気をつけましょう!
皆様、お疲れ様でした!〜
投稿日時: 2021-07-25 投稿者: K.I.
ゲーム体験会は東京大学大学院学際情報学府 藤本研究室
(担当責任者 石田好一)の研究の一環として開催されます
みなさんも、超高齢社会をゲームで体験してみませんか?
「コミュニティコーピング」の概要
・超高齢化社会の重要な課題の1つである社会的孤立の解決を目的に、一般社団法人コレカラ・サポートにより開発されたゲームです
・コミュニティの人と地域資源をつなげることで社会的孤立を解決する課題解決型シミュレーションゲームです
・高齢化にともない発生する孤立者の悩みに対して、表面的にはわからない本当の悩みを明らかにし、専門家や地域のつながりによる解決を目指します
・プレイヤー全員で力を合わせて地域社会の崩壊を防ぎ、持続可能なコミュニティの創生を目指します
・「コミュニティコーピング」の詳細については、下記のサイトからご覧になれます
https://comcop.jp/
実施要領
① 日 時:2021年8月20日(金)19:00 – 22:00 終了予定
(ゲームの進行次第で、終了時刻が最長で22:00になりますことをご了承ください)
② 参加費:無料
③ 主 催:東京大学大学院学際情報学府 藤本研究室 担当責任者 石田好一
④ 実施方法:Zoomによるオンライン形式にて実施
ご参加の際は、PCのほかに、スマートフォンも利用しますので、お手元にご用意ください
また、ユドナリウムというツールを使用します
その際ブラウザとして「Google Chrome」を使用することをお勧めいたします
最近の事例ですと、「Firefox」や「Internet Explore」などは、Wifiの環境によっては、プレイ途中に動かなくなるケースがあるようです
⑤ 所要時間:ゲームプレイとその後の振り返りの時間を含めまして、最長で3時間を予定しています
⑥ 募集人数:16名
応募者多数の場合は、ご参加いただけない場合がありますので、ご了承ください
⑦ 参加条件:参加者のみなさまには、ゲーム体験会の事前、及び事後アンケート回答へのご協力をお願いします
また、現時点で、当日の参加が確実な方のご応募をお待ちしております
⑧ 参加申込方法:参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください
参加者のみなさまに対してのみ、体験会の1週間前を目途に、ご連絡をさせていただきます
その際、体験会のZoomのURLと事前アンケートを送付させていただきますので、アンケートへのご回答の協力をお願いします
連絡先
「コミュニティコーピング体験会」 担当責任者
東京大学大学院 学際情報学府 石田好
連絡先:東京大学大学院情報学府 藤本研究室
Mail: ishida-koichi4201@g.ecc.u-tokyo.ac.jp
投稿日時: 2021-07-20 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
本日は、イェさんから「文献研究」の発表、そして、特任研究員の財津さんによる「プレイセッション」でした。
では、発表順に内容を紹介いたします。
文献は、「学習環境のイノベーション)」山内祐平(2020) 東京大学出版会の
第6章と第7章です。
第6章:学習環境としての活動
研究室との関連の深い「ワークショップ」に関する内容です。
「学びと創造の技法」としての「ワークショップ」の概念と基本構造の説明、また「創造的経験学習」の事例紹介がありました。
イェさんは、文献以外の資料も使用しながらの説明であったため、理解が深まったと感じます。
また、章の後半では、「反転学習」の定義や背景、研究事例として「MOOCと対面学習を連動させた反転学習」の紹介がありました。
第7章:学習環境としての共同体
社会的学習環境としての共同体について、E.ウェンガー(1998)による実践共同体の定義を参考として、学習との関係性ついての説明がありました。
また、後半で、関連する研究事例の紹介がありました。
「実践共同体とは、あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集」)
現在、「ワークショップ」との用語をいたるところで見かけますが、使う人によって定義や概念が様々であると感じます。
参考文献では、学術的な視点からの学びがあります。
続いて、ゲーム経験豊富な財津さんファシリティターによる「プレイセッション」です。
本日は、「マーダーミステリー」人狼版でした。
内容の詳細は書けないのですが、全員が、初めてのゲーム体験でした。
感想は、「おもしろかったです」の一言です。
投稿日時: 2021-07-14 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは。M1の叶です。
梅雨期のムシムシする東京から今週のゼミを報告します。
今回はM1の研究進捗報告とプレイセッションの会でした。発表順で紹介します。
進捗報告:叶
研究テーマ(仮):「ゲーム活動における第二言語学習に関する探索的研究 ー物語中心のゲームをする中国人プレイヤーに着目してー 」
今学期の主な進捗は研究方法の定着です。Sセメスターにはエスノグラフィーの授業を履修して、研究手法について色々考えることができて、修士研究ではエスノグラフィーの研究方法を用いて、具体的にはゲームプレイヤーに対するインタビュー、オンラインゲーム関連サイトにおける調査など手法をとると決めました。
進捗報告:升井さん
研究テーマ(仮):「ゲーミフィケーションを用いた授業動画システムの開発と評価」
升井さんは自分の広い研究ビジョン、修論の全体的イメージ、問題意識と目的、プロトタイプと評価方法のイメージ、研究上の課題分析、今後三ヶ月間の計画について詳しく説明してくれました。
その後、M1の二人の研究計画をめぐって、藤本先生とゼミの皆さんに貴重なフィードバックをいただきました。
プレイセッション(財津さん)
ボードゲームベテランの財津さんが「コードネーム」というゲームを紹介し、ゼミの皆がその公式Web実装サイトでプレイしました。
ルールを簡単に説明すると、
・まず赤⻘のスパイ2チームに分かれ、各チームはリーダー1名を決める(リーダーの他はスパイ役になる)。
・各リーダーが、分布図に基いて場の25語内の自チームのスパイ達を一度により多くチームメイトに当てさせるように、連想ヒント1語を捻り出して伝える。
・自チームの全ての正解カードが当てられた状態になったら、その時点でそのチームの勝ちとなる。
今回の対戦で出てきた語を例とすると、 分布図での単語(左)とリーダーが捻り出した1語(右)は以下のようになります。 「キング」、「ジャック」→ 「トランプ」 「ホテル」、「ヘリコプター」、「壁」→ 「たかい」
財津さんが捻り出した「たかい」はさすがに一語多義で難しく、無事に正解ができた張さん、升井さんに拍手します。ちなみに、カタカナ苦手な私はゲーム中ずっとグーグル画像を辞書として単語を調べていましたが、「トランプ」を検索するとアメリカ大統領が出てきて、コンセプトの罠に陥て「なぜジャックなんだ???」と混乱してしまいました。
プレイした後の振り返りで、創造的思考としての「発散的思考」と「収束的思考」の概念が触れられ、普段創造力といえば「発散的思考」がよく強調されているものの、「与えられた条件から正解を導き出す思考」を意味している「収束的思考」は、まさに今回の「コードネーム」のようなゲームプレイに求められている思考法だと考えられる。
ちなみに、今回利用したコードネームのオンラインプラットホームでは英語などの言語でも遊べます。自分のプレイ経験から見ると、わりとカタカナの勉強になったので、プレイ言語を切り替えることによって外国語の勉強にもなりそうでしょうね。
ちなみに、財津さんはこれからの夏休みに東京と福岡で「夏休み親子ゲームジャム2021」を開催する予定で、興味ある片ぜひチェックしてみてください!!!
ではまた来週!!
投稿日時: 2021-07-09 投稿者: snii
当研究室所属の財津特任研究員が、小学校4年生〜中学生のお子様とその保護者の方を対象として、夏休み親子ゲームジャム2021を福岡県福岡市と東京都港区で開催します。
プロのゲームデザイナーの方々と一緒に、ボードゲームを制作してみませんか?初めての方も大歓迎です。ふるってご応募ください!
福岡会場申し込みはこちら:https://forms.gle/KTo5FWCtztWoucsK9
東京会場申し込みはこちら:https://clantete.com/event_detailgp.php?ed=615
(東京会場のみ参加費1,000円をいただきますのでご了承ください)
投稿日時: 2021-07-09 投稿者: snii
イオンファンタジー社のエデュテイメントサイトに藤本准教授の対談記事『“遊び”と“学び”はまったく同じ!?ゲームと教育の専門家二人が語るゲーミフィケーション教育(前編)』 が公開されましたのでお知らせします。
投稿日時: 2021-07-03 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
7月1日のゼミは、文献研究とプレイセッションの2本立てでした。
SSwacha, J. (2021). State of Research on Gamification in Education: A Bibliometric Survey. Education Sciences, 11(2), 69. MDPI AG. Retrieved fromhttp://dx.doi.org/10.3390/educsci11020069
ゲーミフィケーションの研究動向について統計的にまとめた論文でした。
9つのRQを中心に様々な観点でゲーミフィケーションの論文が分析されていて、中でも気になったのはスペインでゲーミフィケーションの研究が盛んなことでした。
多くの国々でゲーミフィケーションが研究されている中、日本でもゲーミフィケーションの研究が進むことに期待しています。
また、研究の手法として、論文のタイトルに入っている単語で条件を設定して分析していたので、自分も論文のタイトルを考えるときは、この手のリサーチに引っかかるように戦略的にタイトルに含まれる単語を工夫しようと思いました。
今日はK.I.さんが友人たちと開発した?「スマホの写真バトル」(名前は私が勝手に名付けました)をZOOMでプレイしました。
ゲームのルール概要は以下の通りです。
・親となった人が「〇〇な写真」というお題を出します。
・全員で自分のスマホの写真ストレージの中から一番お題に適した写真を選びます。
・一斉に写真を見せ合い、写真の説明をしていきます。
・1位、2位、努力賞を決めます。
・一回りして、一番ポイントの高い人が勝利です。
要するに、お題に合った写真を出せればいいというルールですので、写真のストックがあればあるほど有利にバトルを進められます。私は、スマホであまり写真を撮らないので苦戦が予想されました。
実際にあったお題では、「ほぼ猫な写真」というものが出て、自分のストックを一生懸命探しました。
すると、2020年8月に1人で寂しく「無添くら寿司」という回転ずしチェーンに行き、5皿食べると1回できるゲームで射止めたガチャの写真があるではないですか。
足先だけマーメイドになっている…ほぼ猫といっていいでしょう。
この写真で見事、1位になることができました。
日の目を見ることがないと考えられていた「覗き見にゃーメイド」の写真が約1年の時を経て、奇跡的に役に立ちました。
総合1位は張さんが獲得し、張さんは何と1万3000枚の写真のストックがあったそうです。
身近なちょっとしたモノからアイデア次第で遊びになるという、とても参考になる楽しいプレイセッションでした!
投稿日時: 2021-06-30 投稿者: zhang
皆様、こんにちは。M2の張です。
早速、本日のゼミ活動をご報告いたします。
本日はK.I.さんと私から「研究分野関連文献紹介」の発表、そして叶さんによるプレイセッションに構成されています。詳しい内容は発表順にご紹介させていただきます。
研究分野関連文献紹介
・K.I.さん
山田,(2014)「地域福祉推進の主体形成と福祉教育のあり方に関する一考察 : 今後の福祉教育の展開について」 『佐野短期大学研究紀要』 25, 43-56
石盛ほか, (2013)「コミュニティ意識尺度(短縮版)の開発 」 『評論·社会科学』 108, 105-124
李, (2014)「地域福祉計画評価のための福祉コミュニティ意識尺度の開発 : 妥当性と信頼性の検証地域福祉 」『評論·社会科学』 108, 105-124.
・張
Sahar Ameer Bakhsh, (2016) Using Games as a Tool in Teaching Vocabulary to Young Learners. English Language Teaching; Vol. 9, No. 7; 120-128.
Nguyen Thi Thanh Huyen, & Khuat Thi Thu Nga, (2016) LEARNING VOCABULARY THROUGH GAMES:The Effectiveness of Learning Vocabulary Through Games, The Asian EFL Journal
プレイセッション(叶さん)
今回は叶さんが用意してくださったゲームーー「コンセプト」になります!
出題者がお題を表すコマとキューブをコンセントマップの上に置き、他のプレイヤにそのお題を当ててもらうゲームです。(原作はボードゲームですが、オンライン開催ということで「board game arena」でやらせていただきました。)
同じアイコンを見てもみんなのイメージが違い、そして人により表し方もそれぞれでそのズレに生じた面白さで存分にこのゲームを楽しめました。
プレイセッションが楽しすぎて毎週ゼミ前日からワクワクソワソワしちゃいます!
ではでは、また来週!
投稿日時: 2021-06-24 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
早速、報告です!
本日は、私から「文献研究」の発表、そして升井さんによる「プレイセッション」でした。では、発表順に内容を紹介いたします。
文献は、「ゲームデザインバイブル(第2版)」Jasse Schell(2019), オライリー・ジャパンの第10章と第11章です。
第10章:体験はプレイヤーの脳内で起こる
人の脳の4つの主要な知的能力である、モデリング、集中、共感、想像力を知り、これらの能力が、ゲームデザイナーにとって、いかに役立つのかといった視点です。ゲームを通して、デザイナーの提供する体験は、プレイヤーの脳で起こる現象であることから、興味深いと感じます。
ゲームデザイナーにとって価値ある事例も数多く扱われています。一例として、集中と喜び、楽しみが持続している状態である「フロー」のデザインにおいて、プレイヤーは、退屈と不安の間の狭い範囲内でのチャレンジの状態に居続ける必要がある、といった内容になっています。
第11章:プレイヤーの脳はモチベーションによって動かされる
マズローの人間の欲求の階層、ライアン&デシの自己決定理論、内発的動機付けと外発的動機付けなどの理論をベースとして、プレイヤーのモチベーションの視点からデザイナーにとっての示唆が説明されています。
ゲームの構造を心理学の理論から俯瞰することで、改めて、心理学の奥深さに気づかされます。
続いて、升井さんファシリティターによる「プレイセッション」です。
本日は、実に盛りあがりました。一言では、言い表せないので簡単に!
メインの題材は、「ウマ娘」。Wikipediaによると、ジャンルは、萌え擬人化・競馬・競走、ジャンルは、育成シミュレーションとあります。
升井さんからの説明のあと、「あ―でもない」「こーでもない」とグループワークらしき作業。
その後のゲーム体験。
とても、凝った内容でした!満足。
投稿日時: 2021-06-14 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは!M1の叶です。
今学期第九回のゼミは、関連論文紹介+プレイセッションの回です。以下は発表順で報告させていただきます。
関連論文3本(叶芷晴)
1.Chen, H.‑J. H., & Yang, T.‑Y. C. (2013). The impact of adventure video games on foreign language learning and the perceptions of learners.Interactive Learning Environments, 21(2), 129–141. (アドベンチャービデオゲームが外国語学習者の学習意識と実践にもたらす影響)
本研究は、市販アドベンチャーゲームが第二言語学習者の意識と学習にもたらす影響を探究するために、「BONE」という市販ゲームを使って大学生に対して短い期間の実験 (n=22)と長時間の介入後(n=35)で質的複合研究法で測定するという二つ研究を行いました。結論として、「BONE」のようなゲームは、大学生に英語のインプットを提供することにより、学習者の英語聴力、読解力、語彙力と学習動機づけを高められるということがわかりました。
2.Chen, Z.‑H., Chen, H. H.‑J., & Dai, W.‑J. (2018). Using Narrative-based Contextual Games to Enhance Language Learning: A Case Study.Journal of Educational Technology & Society, 21(3), 186–198.(言語学習を促進するための物語中心のゲームの活用に関する事例研究)
研究2は1と同一の研究グループにより行われ、研究①から得た知見と理論に基づいて物語中心デザインフレームワーク (Narrative-based contextual game fo language learning, NCGLL) が提出された。このフレームワークにもとづく「PlanetAdventure」という英語学習ゲームが作られ、実証研究が行われました。この研究での注目点として、筆者たちがラスター分析を行い、ゲームログとアンケート調査の結果によって被験者を3グループに分け、それぞれの学習パターンを理論と関連づけながら解釈したところです。
3.Hulstijn, J. H. (2003). Incidental and Intentional Learning. In C. Doughty & M. H. Long (Eds.),The Handbook of second language acquisition(pp. 349–381). Blackwell. (偶発的学習と意図的学習)
本研究は、偶発的学習と意図的学習の系譜について詳細にレビューした論文で、ゲーム学習領域、特に第二言語習得のためのゲーム学習における偶発的学習の読まなければならぬテキストだと思います。偶発的学習と意図的学習の心理学の起源が語られ、21世紀に至ってこの二つの言葉の理論的使いがより方法的な使いに変化しつつあることが指摘されました。
関連論文3本(升井さん)
升井さんからは、アバターに関する三本の研究を紹介してくださいました。
1. Yee, N. and J. Bailenson. 2007. The Proteus Effect: The effect of transformed self-representation on behavior.Human Communication Research 33: 271–290.
プロテウス効果が「アバターがヒトの心理的状態・態度・振舞いに影響を与える効果」と定義された。アバターになることが人々の行動にどのような変化を生むのかを明らかにするため、2つの実験行った。結果として、アバターの「魅力」がVR空間でのコミュニケーションでの「距離」と「自己開示」に影響を与えていおり、アバターの「身長」が「自信」を影響していることが分かりました。
豆知識:プロテウスはギリシャ神話に出てくる「姿を自在 に変えられる海神」のことである。
2. 鳴海 拓志(2019)「ゴーストエンジニアリング:身体変容による認知拡張の活用に向けて」認知科学, 26 巻, 1 号, p. 14-29
本研究の面白いポイントとしては、身体変容による認知と行動に変化と表情変形による能力向上のことです。(例: ビデオチャットで疑似的に双方を笑顔に変形させると、 通常の1.5倍のアイデアが出る。)
豆知識:「ゴースト」=自己のアイデンティティを司る心的機能(情動、認知機能、意識、思考様式等)
3. 小柳 陽光 他(2020)「ドラゴンアバタを用いたプロテウス効果の生起による高所に対する恐怖の抑制」日本バーチャル リアリティ学会論文誌, 25巻, 1 号, p. 2-11
「ドラゴン」と 「ヒト型」 のアバターが準備され、被験者にVR空間で空を飛ぶ体験をしてもらう 。その後、VR空間で高さ40mまで上昇するリフトに乗ってもらい、どちらのほうが高所を怖いと感じるかを測定した結果、ドラゴンアバタの方が、高所への恐怖感が抑制されたことがわかりました。
プレイセッション(張さん)
今回は張さんが準備してくれたゲームの名前は「ito」で、その名前には相手の「意図」を読み取ると「糸」に従って脱出するというダブルミーニングが含まれています。
ざっくりルールを説明しますと、①プレイヤーは1~100の数字を配られ、 ②お題(例:おにぎりの人気)にそって各自、自分の数字に当てはまるものについて話し合う(例:83 → ツナマヨ、92 → 鮭)。③みんなで推理して、全員を順番に並べることが出来たら勝利。
このゲームでは、遊んでいるうちにプレイヤー同士の物事に対する物差しがだんだんわかり、ゲームに勝利するために相手の自分のルブリックと照らし合わせながら、より統一なルブリックを作っていくのを目指している。自分と相手の世界観と価値観を伝え合う、面白くて不思議なゲームですので、ぜひやってみてください!
以上は今回のご報告でした。
投稿日時: 2021-06-11 投稿者: snii
ライオン株式会社が運営する生活情報WebメディアLideaに、藤本准教授が取材を受けた記事が公開されましたのでお知らせします。
投稿日時: 2021-06-04 投稿者: snii
2022年度東京大学大学院学際情報学府入試への出願予定者の方を主な対象として、2021年5月17日に藤本研究室説明会を開催しました。
藤本研究室でどのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明しました。当日の説明会の様子を動画で公開しましたので、藤本研究室への入室を希望する方は、ぜひご覧ください。
※2021年11月15日追記:動画の公開を終了しました。
投稿日時: 2021-06-03 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
6月3日のゼミは、文献研究とプレイセッションの2本立てでした。
Jesse Schell(2019)「ゲームデザインバイブル(第2版)」オライリー・ジャパン
今回は全35章のうち、7~9章を扱いました。
7. ゲームはアイデアから始まる
8. ゲームはイテレーションで向上する
9. ゲームはプレイヤーのために作られる
本書はゲームデザインをする上でのTipsを「113のレンズ」として紹介しています。著者のJesse Schellはカーネギーメロン大学の教授やゲームスタジオのSchell GamesのCEOも務めている方で、内容をひとことで言うなら「学術的かつ実践的なゲームデザインの文字通りバイブル」です。私は以前、社会人としてゲームデザイナーをやっていたことがありますが、そのときの経験が鮮やかに蘇ってきました。
アイデアの出し方のコツを、睡眠やブレストの切り口から紹介したり、ゲーム開発工程ではプロトタイプを何度も作り直すことが重要であると力説しています。
ゲームを理論的に開発しようと思っている方にピッタリの良書だと思います。
今日のプレイセッションはK.I.さんによる金融教育についてのイントロダクションでした。私自身は金融の世界に疎く、K.I.さんの話はとても勉強になりました。
ディスカッションでは、ボードゲームなどの金融に関係する演出と子どもの価値観の形成など、ゲームに絡めて色々な考察が展開されて面白かったです。
あと、個人的な話ですが最近は現金を触ることがすっかりなくなりました。近所のコンビニに行くときは、携帯の電子マネーを使って秒で会計を済ませます。何なら、商品も店員さんがピィッをしやすいようにバーコードが見やすいように出して、如何に素早く会計を終えるかのRTA(Real Time Attack)チャレンジをしています。
いい年をして、コンビニのRTAをするくらいしか刺激がない自分の生活に驚いたのと同時に、結婚や子育て、住宅ローンなど、同世代の人たちが直面しているであろう金融イベントに無縁な自分に若干の恐怖を覚えながら、明日に備えて寝ることにします。(Jesse Schellも睡眠は大事って言ってたし)
投稿日時: 2021-05-31 投稿者: zhang
みなさま、こんにちは。M2の張です。
では、早速本日のゼミ活動をご報告させていただきます。
本日のゼミはM2学生の進捗報告とプレイセッションという2部で構成されています。
進捗報告
・K.I.さん
タイトル:高齢化社会のまちづくりゲーム教材の実践と評価ーコミュニティのチカラによる社会的孤立の解決を目的としてー
研究の一環としての体験会の準備が整っており、ここで、いきなりですが、宣伝させていただきます!超高齢社会体験ゲーム「コミュニティコーピング」のゲーム体験会を開催することになりました!興味ある方はぜひご参加ください!詳しくはこちら!
・張
タイトル:外国語教育における“母語話者の聖域”問題を改善するゲームデザイン方法の考察と評価ー中級者の高度な語彙習得:日本語オノマトペの学習を例としてー
先日、本実験の協力先である高校にお邪魔して2回分けて本実験を行ってきました。ご協力いただいた先生と生徒にとても感謝いたします。これからは大学に被験者募集をかけて引き続き実験をやっていきたいと思います。
プレイセッション By. イェさん
本日は前回「ウミガメのスープ」問題のPart .2をイェさんが質問を用意してくださいました。今回は一つの問題しかありませんが、なかなかの難問でメンバー一同で悩みながら、大いに盛り上がりました。
今回のお題はこちらになります。
Aさんは自分の友達を自分の誕生日パーティーに招待しました。誕生日ケーキの蝋燭を吹き消した直後、Aさんは涙を流し、友達を殺しました。一体なぜ?
(興味ある方は是非考えてみてください~)
本日のご報告は以上になります。
投稿日時: 2021-05-27 投稿者: admin
ゲーム体験会は東京大学大学院学際情報学府 藤本研究室
(担当責任者 石田好一)の研究の一環として開催されます
みなさんも、超高齢社会をゲームで体験してみませんか?
「コミュニティコーピング」の概要
・超高齢化社会の重要な課題の一つである社会的孤立の解決を目的に、一般社団法人コレカラ・サポートにより開発されたゲームです
・コミュニティの人と地域資源をつなげることで社会的孤立を解決する課題解決型シミュレーションゲームです
・高齢化にともない発生する孤立者の悩みに対して、表面的にはわからない本当の悩みを明らかにし、専門家や地域のつながりによる解決を目指します
・プレイヤー全員で力を合わせて地域社会の崩壊を防ぎ、持続可能なコミュニティの創生を目指します
・「コミュニティコーピング」の詳細については、下記のサイトからご覧になれます
https://comcop.jp/
実施要領
① 日 時:2021年6月27日(日)19:00-21:30終了予定
(終了が30分程度、遅れる可能性もありますことをご了承ください)
② 参加費:無料
③ 主 催:東京大学大学院 学際情報学府 藤本研究室 担当責任者 石田好一
④ 実施方法:Zoomによるオンラインワークショップとして実施
ご参加の際は、PCのほかに、スマートフォンも利用しますので、お手元にご用意ください
また、ユドナリウムというツールを使用しますが、次のブラウザが対応可能ですので、ご準備をお願いします(Google Chrome、firefox、Safari、Microsoft Edge)
⑤ 所要時間:ゲームプレイ後の振り返りと、事後アンケート用紙への回答を含めて2時間30分から3時間程度を予定しています
⑥ 募集人数:16名
応募者多数の場合は、ご参加いただけない場合がありますので、ご了承ください
参加者のみなさまに対してのみ、体験会の1週間前を目途に、ご連絡をさせていただきます
その際、体験会のZoomのURLと事前アンケートを送付させていただきますので、アンケートへのご回答の協力をお願いします
⑦ 参加条件:多数の参加申し込みが予想されるため、参加が確定された方は、当日は欠席せずに参加できる見込みであること
⑧ 参加申込方法:参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください
参加申し込み
「コミュニティコーピング体験会」参加申し込みフォーム (google.com)
連絡先
「コミュニティコーピング体験会」 担当責任者
東京大学大学院 学際情報学府 石田好一
連絡先:東京大学大学院情報学府 藤本研究室
Mail: ishida-koichi4201@g.ecc.u-tokyo.ac.jp
投稿日時: 2021-05-23 投稿者: K.I.
みなさま、こんにちは。
まずは、5月17日に開催されました「藤本研究室説明会」では、たくさんの方に関心をもっていただき、また参加していただきまして、ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いいたします。
早速、活動内容の報告です。
本日は、叶さんによる「文献研究」の発表と、張さんによる「プレイセッション」です。では、発表順に内容を紹介いたします。
「学習環境のイノベーション」山内祐平(2020)東京大学出版会
本日は、2章と5章を担当してもらいましたが、叶さんには、わかりやすく整理していただきました。
2章:学習環境の理論的基盤
古典的な学習理論の系譜として、3人の研究者の紹介と概要の説明がありました。
いずれも、これまでの輪読にも登場している研究者です。
それぞれの研究者の立脚点は異なっていますが、構成主義との視座からは共通しているといえます。
・デューイ(教育学の転換点・アメリカ哲学者・実験主義)
・ピアジェ(認識の発達・生物学の視点・スイス科学者・幼児初等教育)
・ヴィゴツキー(社会と文化の視座・ロシア心理学者)
5章:学習環境としての人工物
近年、進歩が著しいデジタル教材の事例を取り上げています。
ちなみに、デジタル教材とは、「教育目標の実現のためにデジタル化された学習素材と学習過程を管理する情報システムを統合したもの」と定義されています。(山内 2010)
叶さんには、新しいタイプのデジタル教材の開発事例を多様な視点から整理していただき、
最近の研究内容が理解できる内容でした。
「プレイセッション」by 張さん
みなさんは、「ウミガメのスープ」というクイズをご存知でしょうか?
回答者が出題者に「YES」「NO」「関係ありません」のいずれかで答えられる質問をしていくことで真相を導き出す「水平思考クイズ」といわれるクイズです。
本日は、張さんがゼミの出席者分のクイズを用意してくれて、それぞれが順番に、1問ずつクイズをだし、他のメンバーが回答するという手法で、大いに盛り上がりました。
ちなみに、私からのお題です。
おわかりになりますでしょうか?
「お題」
女はある商品を買うためにいくつかの店で値段を確認した。
自宅から近いA店では900円で売っていた。自宅から遠いB店では1,000円で売ってい
た。女はB店で買うことにした。
いったいなぜ?
※保証やポイントは関係ありません
P.S
近日中に、このブログにて、研究と関連のあるゲームへの参加者を募集する予定がありま
す。たくさんの方からの応募が予想されるのですが、先着順による人数制限があります。
ご興味ある方は、気が向いたときに、ブログをチェックしてみてください。
よろしく、お願いします!
投稿日時: 2021-05-17 投稿者: Ye Zhiqing
いつもお世話になっております。M1の叶(イェ)です。
5月に入り、東京は暖かくなりましたね。緑にあふれたキャンパスで対面のゼミができないのは残念ですが、早速、今週のゼミ内容について報告させていただきます。
今週のゼミは、事例研究(叶、升井さん)と研究テーマの関連論文3本概要紹介(K.I.さん、張さん)という流れで行われました。
・事例研究(1)-「Word Castle」(担当:叶)
2018年に2人の開発者により作られた、中国のある英単語学習系インディーゲームです。「Word Castle」は実は「ローグライクゲーム」と「英単語ドリルアプリ」の融合だと思われます。基本的なルールとしては、語彙力(単語を覚えるの)がゲーム進行の必須条件(手段)になり、ゲームを楽しみながら英語の語彙力を身につけることができます。
ゲームのレビューを分析してみたところ、ゲームの形より、学習のデザインの厳密性や効率性がプレイヤーに懸念されていることがわかりました。「World Castle」のような学習ゲームは、学習に関する部分がさらによくデザインされれば、未来のいいシリアスゲームになるのでしょうか?
・事例研究(2)- 「Geoguessr」(担当:升井さん)
ランダムに飛ばされたGoogle ストリートビューの場所を当てる「地理系シリアスゲーム」です。升井さんは過去の面白いゲーム経験を踏まえて、ゲーミフィケーションカードを使ってそのゲームシステムを詳しく分析しました。
その後、Geoguessrに取り入れられなかった「ロールプレイ要素」を加えるのであればどんなゲームデザインが可能なのか、日常生活でどんなモノがゲーム化できるのかについて皆の意見を交わし、「学術論文を探したり整理したりする際はゲーム化できるのか」についての議論が盛り上がりました。
とても面白いゲームで毎日5回無料で遊べますので、興味がある人はぜひやってみてください!(東大に飛ばされたら安田講堂と駒場キャンパス1号館が似ているのにお気をつけくださいね:D)
https://www.geoguessr.com/
・研究関連論文3本紹介(1)(担当:K.I.さん)
①富田誠, 2019, 「共創の場における視覚的対話手法の比較」『芸術学研究 = Tsukuba Studies in Art and Design』 24 : 31-39.
②伊藤ふみ子・田代和子,2020, 「独居高齢者の社会的孤立に関する文献検討」『淑徳大学看護栄養学部紀要 』12 : 69-77.
③阿部彩,(2019)「包摂社会の中の社会的孤立 – 他県からの移住者に注目して – 」『東京大学社会科学研究所 社會科學研究』 65巻1号, 13-30
社会的孤立に関する2本の論文(②、③)の他に、論文①はデザインゲームの定義、歴史と現状を述べた論文で、まちづくりだけでなく、他の領域のデザインゲームに関する研究でも先行研究として引用できる論文でした。
・研究関連論文3本紹介(2)(担当:張さん)
①『The Seeds of Speech』Chapter 2: 5. The Family Tree & 6. A Devious Mind
② Tseng, V., & Fuligni, A. J. (2000). Parent‐Adolescent language use and relationships among immigrant families with East Asian, Filipino, and Latin American backgrounds. Journal of Marriage and Family, 62(2), 465-476.
『The Seeds of Speech』の第2章は言語誕生の仮説、人間に言語が必要な理由、言語がなにかできるのかなどを述べた章で、論文②は移民家族の言語使用状況と親子関係の関連性の実証研究です。どれも言語学に関する興味深い論文で、ぜひチェックしてみてください。
以上は今回のゼミ報告でした。研究室の説明会、皆様のご参加をお待ちしております!
投稿日時: 2021-05-11 投稿者: masui
M1の升井です。お世話になります。
5月6日のゼミは、文献研究とプレイセッションの2本立てでした。
① 文献研究(担当:張さん)
ゲーミフィケーションのエンゲージメントのフレームワークに関する下記の論文を扱ってくれました。
Errol Scott Rivera & Claire Louise Palmer Garden (2021) Gamification for student engagement: a framework, Journal of Further and Higher Education, DOI:10.1080/0309877X.2021.1875201
論文の目的は、学生のエンゲージメントとゲーミフィケーションに関する文献を統合して、「学生エンゲージメントのためのゲーミフィケーションフレームワーク」を新たに作成することで、実践と理論のギャップを埋めることです。そして、そのフレームワークはゲーミフィケーションによる学習経験を体系的に設計することを初めて可能にするものであると述べられています。
私にとって初めてのゼミの文献研究の回で、かつ英語の文献ということで読み込むのが大変でしたが、張さんのまとめや藤本先生の解説のおかげで理解できました。
② プレイセッション(担当:升井)
プレイセッションは今年度から導入された取り組みで、ゼミメンバーでゲームを実際にプレイして実践の経験値を積もうという試みです。
かつてTVで放映されていた「リンカーン」というバラエティ番組の「激論!朝までそれ正解」というコーナーを参考に、コンプライアンス研修を題材にしたシリアスゲーム「コンプライアンス研修 定時までそれ正解」を準備しました。
「ら」で始まる上司が部下にしてはいけないことは?
というようなお題に対して7名のゼミメンバーがZOOM越しにフリップボードで大喜利します。そして、多数派の回答や、納得感のある回答を出せた人にポイントが入ります。
ちなみに、上記の問題の正解は「らんぼう」に決まりました。ゼミに入ったばかりですが、乱暴されるようなブラックなゼミではないことが確定したようです。
とても楽しいゼミですので、説明会に是非ご参加ください!
本日は以上になります。
投稿日時: 2021-04-30 投稿者: snii
藤本研究室が所属する大学院学際情報学府の入試説明会が5月16日(日)13時からオンラインで開催されます。学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。
詳細は決まり次第以下のサイトに告知されますので、ご確認ください。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/event/0422exam
これに合わせて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会を以下の通りオンラインで開催しますのでお知らせします。
日時:
2021年5月17日(月)17:00-19:00
17時00分〜17時30分:藤本研究室の説明、Q&A(全体)
17時30分〜19時00分:(希望者のみ)藤本准教授との個別面談
(希望者のみ)研究室所属の大学院生やスタッフとの面談
どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
参加希望の方は、事前に下記の参加申込フォームに必要事項を記入してお申し込みください。折り返し、Zoom会議室のURLをメールでお送りします。
https://forms.gle/EkVsos3xsD8kWij66
ご参加をお待ちしています。
投稿日時: 2021-04-23 投稿者: zhang
こんにちは。M2の張です。
担当者が入れ替わりましたが、本日も先週と同じく「事例研究」&「研究テーマ関連論文」の回でした。では早速活動内容をご報告いたします。(発表順)
「事例研究」
<金融教育again> K.I.さん
2020夏学期のゼミ(【(2020)5月14日ゼミ】事例研究)でK.I.さんに一回ご紹介していただいた株式投資シミュレーションゲーム「トレダビ」をもとに、日本の金融教育について改めて考えさせていただきました。金融教育の必要性や効果などについてメンバーで熱く語り、「お金との付き合い方」について個人の経験も含めて、色々お話をしていいディスカッションができたと思います。
<チャオチャオ(Ciao Ciao)> 張
今期一発目の事例研究で、テレビ番組「VS魂」(フジテレビ 木19:00~)の「DAMASHI魂」というゲームの元ネタであるブラフゲームの名作「チャオチャオ」を選ばせていただきました。出目を自己申告する嘘つき双六という至ってシンプルなゲームではありますが、初対面の相手でも仲良い友達でも盛り上がって楽しめます。このゲームは以前輪読で読ませていただいたゲームデザイン図式と魔法円(マジックサークル)を思い出せてくれてみんなでそれについてディスカッションを行いました。
「研究テーマ関連論文」
イェさん
Li, J. (2020). A systematic review of video games for second language acquisition (第二言語習得のためのビデオゲームの活用に関する文献研究)
Reinhardt, J., & Sykes, J. M. (2012). Conceptualizing digital game-mediated L2 learning and pedagogy: Game-enhanced and game-based research and practice(デジタルゲームを媒介とした第二言語学習と教育:ゲーム拡張とゲームベースの研究と実践)
Gee, J. P., & Hayes, E. (2012). Nurturing affinity spaces and game-based learning. (学びを育てるアフィニティスペースとゲームベースラーニング)
・学習ゲーム、特に第二言語学習ゲームのとても参考になる論文を3本を丁寧にご説明していただき、自分の関心分野なのでとても勉強になりました。
升井さん
澁川幸加(2021)「ブレンド型授業との比較·従来授業における予習との比較を通した反転授業の特徴と定義の検討」日本教育工学会論文誌, 44 巻, 4 号, p. 561-574
池尻良平 他(2020)「中堅高校における歴史的思考力を育成するアラカルト型反転授業の開発と評価」教育メディア研究, 27 巻, 1 号, p. 31-44
福山佑樹 他(2017)「ゲーム型反転授業の試行と評価」 日本教育工学会論文誌, 41 巻, Suppl. 号, p. 177-180
・反転授業を中心に升井さんの研究関連論文を3本紹介してくださいました。説明がくわしくてわかりやすかったです。
以上、本日のゼミでした!
来週のゼミですが、今期からの新たな活動ーープレイセッションが始まります!メンバーで体験できる題材をホストが準備してくれて60分程度みんなでゲームプレイやワークショップするコーナです。初めての司会者担当がM1の升井さんになります!
すごくお楽しみにしております!
来週も、よかったらブログを覗いてみてください!~
投稿日時: 2021-04-23 投稿者: snii
藤本准教授のテレビ出演等がありましたのでご紹介します。
・3月26日放送のフジテレビ Live News イット!の「ゲームが教育に与えるいい影響」の特集に藤本准教授が出演して、ゲーム学習論について解説しました。
・4月23日放送のTBSテレビ「ひるおび!」のゲーム学習論の特集で、藤本准教授のコメントが紹介されました。
投稿日時: 2021-04-21 投稿者: snii
当研究室に所属する特任研究員の財津康輔さんが、今月から日経xwomanでボードゲームの教育効果に関する連載記事を執筆しています。財津さんは特任研究員として研究に従事しつつ、「ボードゲームを使って学ぶ」をコンセプトにした習い事「サイコロ塾」を主宰しており、各地の学童保育等でボードゲームの魅力を教えています。
楽しみながらくり返し遊べて、知らず知らずのうちにさまざまな力を身に付けることができるボードゲームの教育効果とは?!
研究と実践の両立を図る財津さんの記事を、どうぞご覧ください。
投稿日時: 2021-04-21 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
本日が、今年度の最初のゼミとなります。
今年度から、新たに2名のM1に加え、さらに、特任研究員の財津康輔さんと、学術専門職員の新居佐和子さんの強力なお二人にもゼミに参加していただき、貴重なアドバイスをいただいております。
嬉しいかぎりです。。。
藤本研究室もパワーアップしました。
和気あいあいと、そして活気あるゼミ活動を継続していきますので、引き続き、よろしくお願いいたします!!
では、本日の活動内容です。
それぞれが「事例研究」、あるいは「研究テーマ関連論文」の紹介を担当しました。
では、発表順に内容を紹介いたします。
<リングフィット アドベンチャー>by イェさん
・みなさんんも、ご存知のゲームだと思います。TVでタレントさんが、CMしています。
・輪状の機器「リングコン」を両手で持ち、太ももに「レッグバンド」を巻いた状態でプレイします。
・イェさんは、学習系シリアスゲームと捉え、ゲームデザイン、どんな人に向けられたゲームなのか等、発表がありました。最後に、ゲームの評価として、期待・価値・環境の視点からゲームを分析していましたが、考察が深いと感じました。
<ソクラテスラ-キメラティック偉人バトル-> by 升井さん
・初めて、聞くゲームでしたが、大人数でプレイすると盛り上がりそうです。
・様々な偉人のパーツを組み合わせて最強の偉人を作り出してバトルするカードゲームです。Twitter上でバズり人気となっている話題のゲームで、偉人が完成した時の名前のインパクトあります。
・升井さんが、刺激・空想・物語性・挑戦・連帯感・発見・表現・気晴らしといった要素に分けて分析してくれたため、その後も議論も終始活発でした。
<研究テーマ関連論文>
・今後は、関連する論文の紹介もしていきますが、本日は、私はまちづくりに関する下記の3つの書籍を紹介しました。
-Sanoff, Henry, 1984, Design Games Playing for Keeps with Personal and Environmental Design Decisions, Burlington, Mass.: William Kaufmann, Inc.
小野啓子訳.
-佐藤滋・志村秀明・内田奈芳美・饗庭伸・川原晋・真野洋介・有賀隆,2005, 『まちづくりデザインゲーム』学芸出版社.
-兼田 敏之,2019, 『社会デザインのシミュレーション&ゲーミング』共立出版.
<研究テーマ関連論文>by 張さん
-今井むつみ(1993)外国語学習者の語彙学習における問題点―言葉の意味表象の見地から
-藤田玲子など(2009)学生の意識変化にみる英語プレゼンテーション授業の有用性
-牧野眞貴(2012)英語リスニングにおける洋楽聞き取りの検証効果(英語に苦手意識を持つ大学生を対象として)
・3つの視点の異なる論文を概要から考察までの一連の流れを詳しく説明いただきました。
・やはり、自分とは異なる研究を聞くことは、自分の研究にとっても新たな発見につながります
・張さん、詳細な説明、お疲れさまでした。
以上が、本日のアップデートになります。
来週以降も、是非、ブログを覗いてみてください!!
投稿日時: 2021-04-13 投稿者: Ye Zhiqing
改めまして、外国人研究生からM1に進学した、叶芷晴(Ye Zhiqing)です。
時間の経つのが早いもので、既に半年間藤本研にお世話になっていました。研究生期間には、毎週ゼミに参加させていただき、事例研究、文献研究、研究進捗の報告の回を重ね、極めて充実な時間を過ごしました。事例研究の回でいつも様々な興味深いゲーム事例を知り、文献の輪読会で学習デザインとゲームデザインの知見を深め、進捗報告の機会で様々な貴重なご意見を伺ってきて、ゼミの皆様に心より感謝を申し上げます。
この半年間、前立てた研究計画に沿って研究を始めたものの、研究を実際に行うと色々課題にぶつかり、研究のロジックを絶えずに考慮して直したり、より良い研究問題と研究法の設定を模索してきました。未だに改善せねばならぬところが多いと思うが、簡単にこの先続けていく研究テーマについて紹介させていただきます。
修士期間の研究は、研究生期間の「ゲーム活動における第二言語学習」というテーマを続けたいと思っております。
ゲームプレイヤーは外国語のゲーム、特に物語中心のゲームをする時、実は外国語の本を読むと同じ、外国語に囲まれています。プレイヤー自身は気づいていないかもしれないけど、第二言語の「偶発的な学習」がゲーム行為とともに常に生じています。例えば、英語を勉強するためにゲームをしているわけではないが、英語のゲームテキストを読みながら、ついにそのゲームでよく出てくる語彙を身につけるようになりました。また、一部分の積極的な学習者としてのプレイヤーは、そのような物語中心のゲームを「独学教材」として扱っています。その場の学習は既に「偶発的」から「意図的」に変化しました。
また、ゲームは第二言語の本と違って、フィードバック、インタラクションがあるので、プレイヤー・学習者の参加度、集中力、学習動機づけが高まる上に、文脈的に基づいた意味ある語彙の獲得にも繋がり、第二言語の習得に有効だと考えられます。
しかしながら、現在の物語中心のゲーム (Narrative-based game)は、ほとんど市販ゲームで、偶発的学習が行った、学習材料として活用されていると言っても、その効果はまだ明らかではなく、勉強できることもゲームのテーマに関わるものに限られているなど、その学習に豊かな可能性とともに、いろいろな課題があると思われます。
そこで疑問に思うのは、どのように「物語中心のゲーム」というゲーム種を、第二言語学習のためによく活用できるかということです。この問題を答えるために、まず実際の遊びの場(gaming in the wild)で、第二言語でのゲーム活動と第二言語学習の関係を探究せねばならないと思っています。
この研究を進めながら、実は時々「ゲームで遊ぶのは本当に勉強になるか。勉強になるのであればどれぐらいの程度に役立てるのか」と、色々と戸惑わずにはいられなくなってしまいます。ですが、外国語ゲームプレイヤーと外国語学習者という「ダブル・アイデンティティ」を持っている一人として、自分の経験から見ると、やはりゲームがもたらした「楽しい知識獲得」は他のコンテンツがもたらせないものなのではないかと常に思い、ゲームの学習価値を信じたい、ゲームに含まれている学習の可能性を拡張したいと、思っています。そのため、これからも頑張っていきたいと思っております。引き続き、報告させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
また長い話しになってしまいましたが、読んでいただきありがとうございます!
投稿日時: 2021-04-10 投稿者: masui
はじめまして、M1の升井 友貴(ますいともたか)です。この4月から藤本研究室でお世話になっています。
私の研究テーマは「授業動画のゲーミフィケーション」です。
最近は学習するときに、対面授業ではなく、授業動画を見て学ぶという形式が一般的になってきました。特に、新型コロナウィルスの影響による一斉休校の際には多くの学校で授業動画の配信がなされました。
授業動画の利点は、一時停止や巻き戻し、リピートなど、学習者のペースで勉強を進められることです。一方、集中力の維持が困難であったり、モチベーションを上げにくいという欠点があります。
そこで、この課題を解決するためにゲーミフィケーションという手法があります。
ゲーミフィケーションとは、ゲームの持つモチベーションを高めるデザインを教育などに応用することです。現在、授業動画による学習のゲーミフィケーションの取り組みとしては「バッジ」「ポイント」のようなゲーム要素を付与するものが中心ですが、これからオンライン学習の進歩にともなって、様々なデザインが実装されていくことが予想されます。
私の研究計画では、授業をしている教師役をVtuberと呼ばれるような3Dキャラクターに置き換えて、キャラクターの種類やアイテム、衣装などをゲームのようにカスタマイズしていくシステムを開発することを想定しています。簡単にシステムの流れを説明すると、授業動画による学習を進めれば進めるほど教師役のキャラクターの種類や衣装などが増えていき、頑張った分だけキャラクターが豪華になっていくというイメージです。
このシステムを実現できれば、授業動画の動画内にゲーム要素が介入して、一人一人の好みに合った授業動画の画面構成が可能になると考えています。
新型コロナで引き続き大変な世の中が続きますが、オンライン学習の領域で少しでも社会の役に立つような研究ができればいいなと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。
投稿日時: 2021-04-08 投稿者: snii
株式会社イオンファンタジー(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:藤原信幸/以下、イオンファンタジー)と国立大学法人東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区、学環長:山内祐平、藤本徹研究室(准教授:藤本徹)/以下、東京大学)は、デジタルゲームのあそびをまなびに接続する共同研究を開始しました。
■共同研究の目的
この共同研究は、イオンファンタジーが推進するエンターテイメントとエデュケーションをかけ合わせた「エデュテイメント」によって「夢中になって楽しむうちに子どもの能力が最大限に引き出され、こころ・あたま・からだが成長してゆく」環境を実現するために、理論枠組みや実践方法を確立することを目的としています。
イオンファンタジーが運営しているエデュテイメント研究所のアンケート調査では、子どものゲーム時間が増加傾向にある中で、94.5%の保護者がゲームに対する何らかの不安(例:勉強時間が減る、外遊びが減り体が弱くなる等)を感じています。一方で、78.3%の保護者は不安がありつつも、ゲームに対して何らかの良い効果(例:子ども同士の共通の話題が出来る、集中力の向上等)を感じていることが分かりました。
この共同研究では、ゲームで遊ぶ時間が子どもたちの成長につながる仕組みに関する知見を研究成果として提供する活動を行います。
■共同研究の概要
人気デジタルゲームタイトルを対象として、まなびや成長に寄与するコンテンツやあそび方の評価、授業や課外活動等に導入するための学習プログラムや指導ガイドの制作、あそびの支援方法の開発と評価を行います。2021年度中にテーマ別のモデル活動プラン開発や、活動プログラムガイド・ファシリテーターガイド作成を行うための実証研究を行います。プロジェクトに参加する教育機関や企業、イオンファンタジーが展開するオンラインスクール「ゲームカレッジLv99」のレッスン等で試行的な導入を重ね、研究成果を広く社会へ提供いたします。
■研究代表者コメント
株式会社イオンファンタジー 代表取締役社長 藤原信幸
「未来に活躍する子ども達に必要な力は大きく変わってきています。それは文部科学省の定める学習指導要領の改訂でも示されています。子ども達に必要な新しい力はゲームを楽しむことで身につけることができるものが多数あり、子ども達が夢中になって取り組めるゲームだからこそ、効果的に身につけられます。
今回の共同研究において、ゲームの楽しさはそのままで、子ども達が夢中になることで自然に成長できる環境の実現につなげていきたいと思います。」
東京大学 大学院情報学環 准教授 藤本徹
「ゲームを利用した教育の研究は、これまで従来の学校教育向けの教材開発等を目的としたものが多く、インフォーマルな学びを高める研究は十分に行われてきませんでした。この共同研究により、ゲームでの遊びを通した豊かな学びや成長を子どもたちに届けることはもちろん、大人になってからの学びも豊かにする知見が提供できると考えています。」
■株式会社イオンファンタジーのエデュテインメント事業
『世界中に「あそび×まなび」を届けるエデュテイメント企業』を目指します。
当社が考えるエデュテイメントとは、エンターテイメント(あそび)とエデュケーション(まなび)がひとつになった体験。世界中に楽しい『あそび×まなび』を届けるエデュテイメント企業を目指し、あそびとまなびの融合で、夢中に楽しみながら、こころ・あたま・からだが成長する体験を提供してまいります。ゲームを遊ぶことが習い事になるオンラインスクール「ゲームカレッジ Lv99」を事業展開しています。
あそび!? まなび!? イオンファンタジーのエデュテイメントサイト:
https://www.fantasy.co.jp/edutainment/
ゲームカレッジ Lv99(レベルキュウキュウ):
https://level99.jp/
■東京大学大学院情報学環 准教授 藤本徹
博士(Ph.D in Instructional Systems)専門:ゲーム学習論、教育工学。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」(共編著・ミネルヴァ書房)、訳書に「テレビゲーム教育論」(東京電機大学出版局)、「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
研究室ウェブサイト:
https://ludixlab.net/
【本件に関してのお問い合わせ先】
株式会社イオンファンタジー
広報・IR室 圓藤(エンドウ)、山本、飯沼
TEL : 043-212-6188 公式HP :https://www.fantasy.co.jp/
東京大学大学院情報学環 藤本徹研究室
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
ludix-contact@ludixlab.net
投稿日時: 2021-01-26 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは.
本日が,今年度最後のゼミとなります.
本日は,それぞれの期末研究進捗発表会とラップアップ.
ゼミ終了後には,飲み物片手に,オンラインにてカジュアルなラップアップを行いました.
本来は,対面で話をしたいところではありますが.
振り返ると,この1年はあっという間に過ぎてしまいました.
コロナ禍のため,4月からのオンラインでの授業やゼミは現在も続いています.
不慣れな環境でスタートしましたが,毎週のゼミでは,「文献説明」「事例報告」「研究進捗」等がバランス良くスケジュールされており,プロジェクトに関するディスカッション等も組み込まれているために,ゼミ活動をルーティーンと感じずに過ごすことができました.
これも,藤本先生と研究室の仲間のご指導の賜物です.
良い雰囲気の中,とても,とても感謝です!!
個人的には,極めて忙しい1年間でした.
来年は自分の研究に没頭する時間を増やすこと,
そして,研究に邁進することが目標です.
4月以降は定期的にブログをアップデートいたします.
また,2月と3月も随時,アップデートさせていただきますので,お時間に余裕がありましたら,是非ともブログにお立ち寄りください.
それでは,お互いにコロナに気をつけていきましょう!!!
投稿日時: 2021-01-15 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
早速、今日のゼミ活動をご報告させていただきます。
今回のゼミはいつもの文献輪読·事例研究と少し違い、藤本研の初のグループワークの成果発表会となりました。テーマは去年大ヒットしたゲーム「あつまれ どうぶつの森」(以下「どう森」)の学習リソースとしての評価でした。およそ1ヶ月前に、藤本先生にグループワークの課題をいただき、それを中心に、学生メンバー3人が計3回グループワークを自主的に行い、その成果を今回のゼミで発表させていただきました。主要な論点と流れ、担当は以下通りになります(敬称略)。
◉「どう森」の中にどのような学習要素があるか → 張
·システムの英語モード
·落とし物の処理
·生死観教育の入り口としてのお墓
·漢字の読み方·手紙の書き方
·魚·虫·化石·海の幸(場所·季節·昼夜)
などいろいろありますが、どう森を通して知識やスキルが得られるよりは、「もっと調べよう」という知ろうとする学習の動機付けにつながりが強いのではないかと思われます。
◉「どう森」でどのような活動を行うと学習に有用か → K.I.
<学習活動① – オンラインを活用したゲームを保管する会的な役割① – >
対象:幼児·小学校低学年>
ゲームでの多様な経験の中で興味·関心を見出し、ポテンシャルを引き出す学習
開催:1回/1 – 3ヶ月、2時間/1回
教師の役割:学習者と学習対象の仲介者·補助者
理論:ヴィゴツキーの最近接発達領域理論·ヴィゴツキーの社会構成主義
<学習活動 – オンラインを活用したゲームプレイの補完的な学びの場の提供② – >
あつまれ どうぶつの森·上級者から初心者に対するチューター制度
(子ども同士の学びの場の提供)
理論:アクティブ·ラーニング
◉「どう森」の学習リソースとしての総括的な評価 → イェ
●教育リソースとしての可能性
·ゲームとしてはよくデザインされ。(学習に)導入しやすい
·子供にとっても簡単に遊べる
·知名度が高い
·具体的な学習要素が満載
·仮想空間に基づく学習などの理論と先行研究に裏付けられている
·アフィニティスペースが広い
·ユーザー生成コンテンツがたくさん
●欠点·チャレンジ
·シミュレーションとしての「正確性」に欠ける
·個々の学習要素が浅く、学習の支援がなければ深い思考や学習への促進が難しい
·遊びのハードルが高い
·コンテンツの内容は多いが、だいたい島のデザインなどに限られている。
グループワーク成果の報告は以上になります。藤本先生にそれぞれの発表内容についてコメントと質問をいただき、ディスカッションを行いました。
初のグループワークで、メンバーとお会いできていろいろお話ができてとても楽しかったです!
ゼミは今学期あと一回!研究進捗とこれからのスケジュールの発表会になります!
お楽しみに!!~
投稿日時: 2021-01-09 投稿者: Ye Zhiqing
皆さん、あけましておめでとうございます!
早速、2021年一回目のゼミについてご報告させていただきます。今回は文献研究の週で、私とK.I.さんはテキストの輪読で、張さんは三本の相関論文を紹介してくれました。
文献輪読(発表順)
● 『ルールズ・オブ・プレイ』(K.I.さん)
・第27章 シミュレーションの遊びとしてのゲーム
本章では、シミュレーションを「現実」の諸側面を進行過程として表現したものだと定義され、進行過程と「現実」という2要素をめぐって、色々な例があげられ、シミュレーションのデザイン手法が分析され、メタコミュニケーション、再媒介化 (remediating)といった概念が説明されました。また、最近のゲームデザイナーはシミュレーションをデザインする時には、「没入の誤解」、つまり「シミュレーションは現実似ているほど完璧だ」、という罠にかかりがちだという現象が指摘されました。
● 『インストラクショナルデザインの理論とモデル』 (叶)
・第11章 理解を促進するために
・第12章 情意的な発達を促進する:感情的知能
第11章では、理解というのは知識よりも実践する能力だという定義に基づいて、「理解のためのフレームワーク」について詳しく説明し、その教授法の普遍的構成要素、新しいテクノロジーとの統合、他の教育フレームワークとの関連、状況依存原理について論じました。第12章では、感情的知能のための近年の三種類の教授モデルが紹介され、ミリルのIDの第一原理を枠組みとしてその普遍的な教授原理を説明され、学習者の感情発達レベルとその発達の影響要因などの、個体的な異なる状況に応じた原理も挙げられました。
● 研究テーマの関連論文(張さん)
・吉田 国子, 2009, 「語学学習における動機づけに関する一考察」『武蔵工業大学環境情報学部紀要』1:1-13
・加藤 映子,2011,「語学教育とゲーム」,『コンピュータ&エデュケーション』 31,pp.28-33.
・大西 博子, 2006, 「言語能力はいかにして評価するべきか : ACTFL-OPIにおける言語能力観の分析と考察をとおして利用統計を見る」『言語文化教育研究』4:17-30
言語学習の動機づけの論争をレビューした論文 (吉田,2009) が紹介されました。また、現在が行われているほとんどの言語能力標準テストの基準を基底しているのが「母語話者」という概念であることを指摘している論文(大西, 2006)も紹介され、それについてゼミの皆さんの留学生活を触れて、言語能力の評価の新しいあり方の可能性についてディスカッションしました。
今回の報告は以上になります。
新しい一年も一緒に頑張りましょう!
投稿日時: 2020-12-24 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは.
今年は,本日が最後のゼミとなりますが,いつものようにご報告させていただきます.
本日は,張さんとイェさんが事例研究,私が研究の進捗発表になります.
発表順
<オノマトペサウンドカルタ> by 張さん
・マンガをモチーフにした擬音・効果音を聴いて,すばやく場のカードを取るカルタです.
また,カルタ遊びだけはなく,音声による擬音や効果音を聴いてオリジナルストーリーを作るといった遊び方もできます.
・ゲーム性は高いですが,学習ゲームに音声を取り込むといったアイデァは使えるかもしれません.
<どんな防災ゲームが売れるのか?>by イェさん
・社会的視点から,以下の3つの教材を紹介してもらいました.
Withコロナ東京カルタ
東京都防災模試
東京防災アプリ
・イェさんからは,それぞれの教材へのコメントがありましたが,東京都防災模試と東京防災アプリは,多くの方が経験あるかもしれません,東京都防災模試はスマホでスキマ時間に体験できるので,結構面白いかもしれません.
<研究進捗発表>
・私の研究進捗は順調とは言えませんが,なんとか進んでいるといった感じです.
いつものことながら藤本先生や張さん,イェさんからは有意義な意見を聞くことができました.
次回のゼミは来年,1月7日(木)の予定です。
今年度は,たくさんの方に読んでいただきまして,ありがとうございました.
来年も毎週,情報を発信していきますので,よろしく,お願いします!!
投稿日時: 2020-12-13 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
早速ですが、今回のゼミ活動をご報告させていただきます。
今回は、K.I.さんと張が文献の輪読、イェさんが研究テーマの関連論文の発表でした。
文献輪読
『インストラクショナルデザインの理論とモデル』 C M.ライゲルース、A.A.カー=シェルマン by K.I.さん
第9章 シミュレーションを用いたアプローチ
第10章 スキルの発達を促進する
・第9章では、シミュレーションは学習者の集中度と全体把握スキルを向上させ、多様なパフォーマンスの文脈における学習者のスキル統合を向上させ、動的パフォーマンス範囲を利用して多様な学習進度に対応し、学習が動的システムにおいて時間経過とともにパターンを見つけることを助けます。第10章はスキル開発の共通知識基盤を明らかにしました。
『ルールズ・オブ・プレイ』 ケイティ・サレン、エリック・ジマーマン by 張
第26章 物語の遊びとしてのゲーム
・ゲームを物語の空間として捉えようとする前提で、「物語は一体ゲームのどこに存在している」や「どのようにしたらゲームを物語の経験としてデザインできる」「どういった種類の物語の経験がゲームを可能にする」など浮かんでくる問いについて検討しました。
研究テーマの関連論文 by イェさん
ゲームを利用した第二言語習得の事例とその研究に関する論文をいくつか紹介してくださいました。事例の内容だけではなく、調査の実施やデータの分析などの方法論についてもディスカッションを行いました。
年内のゼミもあと1回!事例研究の回になります!
お楽しみに!!
投稿日時: 2020-12-06 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは!叶です。早速今週のゼミ活動を報告させていただきます。
今週は主に事例研究の週で、皆さんの発表内容は以下の通りです。
(発表順です)
● 『ローカルダイアログ』(K.I.さん)
K.I.さんは、実際の個人参加経験を踏まえて、『ローカルダイアログ』と呼ばれ、自分たちが暮らしたいまちの姿を考え、カードを使って対話しながら、まちづくり戦略を作っていく、というワークショップを紹介してくれました。『ローカルダイアログ』における楽しさと学習は、参加者の意思決定、意見交換、知識の共有により生じた、ということは注目に値するでしょう。
● 『RE:コロキュアル』(叶)
『RE:コロキュアル』は2019年7月に配信された、父が経営する英会話スクールを立て直せる物語を舞台にした英語会話学習ADVゲームアプリです。スマホ時代における、ゲームと学習の組み合わせの勇敢な試みとみなされるこのアプリでは、ゲーム要素と英語学習要素がうまく融合している点もありますが、残っている課題もかなり多いと思われます。英語学習ゲームアプリはどのように位置づけるかとの問題(これは多分研究者もゲーム・教材開発者にとっても厄介なのですが)を回答する際、そのターゲットの利用者は誰か、即ちそのプレイヤーのポートレートを考えねばならないのではないでしょうか。
● 研究進捗(張さん)
張さんは新バージョンのボードゲームと、その改良したルールを丁寧に説明してくれました。張さんは今回のゲームをパワーポイントでデジタル化してくれて、オンラインファイルの共同編集の機能を活用することにより、オンラインでもゼミ全員が張さんのゲームを楽しめられました!実際に遊んでみると、同じゲームカードでも、実は色々な形で遊べるのも明らかになりました。
(雑談ですが)今回のゼミでは、前できないと思ったことは、実は手間をかければ、オンラインでもなんとかできると感じます。これは多分コロナ時期からこそできた新たなマインドセットなのではないでしょうか。
今回のゼミ報告は以上です。次回の報告をお楽しみに!
投稿日時: 2020-11-29 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは.
早速ですが,本日のゼミの報告をさせていただきます.
本日は,張さんとイェさんが文献の輪読,私が先行研究発表になります.
文献輪読
<インストラクショナルデザインの理論とモデル / 第7章・8章> by 張さん
・第7章の経験を用いたアプローチは,個人的に最も関心がある分野です.
ジョン・デューイ/ジャン・ピアジェ/デイビッド・コルブ等の基礎理論と,それに対する批判的意見を概観し,経験的教授法の3つの一般的原理を習得します.
・第8章では、問題解決型学習を用いたアプローチをとして,普遍的な方法と原則と、解が1つではない複雑な問題を中心にカリキュラムを構成し、その解決に取り組むことで促進されるPBIアプローチと学習に関する認知的理論を習得します.
<Rules of Play / 第25章>by イェさん
・本章は「意味の遊びとしてのゲーム」に関する内容です.
・ゲームにおける意味は,システムと文脈におけるインタラクションから生じ.ゲームデザイナーは,意味をもたらす空間を創出します.
・ゲームのマジックサークルは,特別な意味が存在する空間となります.
以上,お二人の発表に対するディスカッションと藤本先生からのフィードバックにより,進行しました.
<先行研究紹介>by K.I
・研究の分析手法に関わる概念を整理するために参考となる研究とゲーム教材を活用した実践的な研究事例を紹介しました.
次回のゼミは12月3日(木)の予定です。
お楽しみに!!
投稿日時: 2020-11-19 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
本日のゼミはなんと、藤本研究室の初のハイブリッド型ゼミでした!
では、早速ゼミ活動をご報告させていただきます。
今日は研究進捗中間発表会でした。
(発表順です)
<市民協働のアプローチから社会的孤立問題の解決について> (K. I. さん)
短い時間にもかかわらず、コロナ禍の現状を踏まえてテーマを変更しました。先行研究をレビューしながらこれから調査用の問題紙を作る予定です。
<外国語教育におけるゲーム学習のデザイン方法に関する考察> (張)
せっかくのオフラインでメンバーと会える機会なので、デザイン中のオノマトペゲームの試作版をプリントアウトしてゼミに持ち込みました。実際にカードなどを動かしていただき、貴重なアドバイスを藤本先生とイェさんにいただきました。それをもとに次回の進捗報告までに改善したいと思います。
<IFゲーム活動における第二言語学習> (イェさん)
初回のインタビュー調査の結果を踏まえて問題点を洗い出し、研究対象や研究事例の範囲を調整しました。これからのインタビューの流れやデータの記録方法などについて藤本先生からアドバイスをいただきました。
それに、学生メンバー3人ともこれからの研究スケジュールを作成しており、それに沿って頑張っていきたいと思います。
まだ油断できない状況ではありますが、今日のようにキャンパスで先生とメンバーと実際にお会いすることができてとても嬉しかったです!
皆様も対策をよく行って気をつけて移動するようにしましょう!~
次回は輪読の回になります!お楽しみに!!
投稿日時: 2020-11-14 投稿者: Ye Zhiqing
皆さんこんにちは!叶です。日本は最近寒くなってきましたね。
早速、今週のゼミ活動をご報告させていただきます。
当日、K.I.さんと私は輪読発表の担当で、張さんは研究関連分野の文献について紹介してくださいました。
テキスト輪読(発表順)
● 『ルールズ·オブ·プレイ』 (K.I.さん)
・第24章 楽しみの遊びとしてのゲーム
● 『インストラクショナルデザインの理論とモデル』(叶)
・第5章 直接授業法を用いたアプローチ
・第6章 ディスカッションを用いたアプローチ
研究テーマ関連論文3本概要紹介(張さん)・
三上 京子(2007)「日本語教育のための基本オノマトペの選定とその教材化」『ICU日本語教育研究』,3号,188-205
・Krashen, Stephen. (1982). Principles and Practice in Second Language Acquisition. Oxford: Pergamon Press
・吉満 たか子(2006)「ドイツ語授業における言語学習ゲーム–実践例とその効果」『広島外国語教育研究』,9号,77-99
テキスト輪読の報告後、藤本先生はその内容を踏まえて、私たちそれぞれの研究に関して質問をしてくださいました。その回答により、今回のテキストはどのように自分の研究かゲームの開発に活用していくかを、もう一度、見逃した視点から考えてみました。また、シミュレーションゲームを開発する時、どのようにそのリアリティ感を保ちながら、楽しさが入れられるかという、ゲームデザイン上のチャレンジも指摘されました。
ちなみに、『IDの理論とモデル』の視点からゼミの形を考えると、第6章の「ディスカッションのアプローチ」がよく使われて、第5章の直接授業法の「問いと応答」という方法も活用されていると感じました!
以上は今回のゼミ報告でした。
来週の中間進捗報告会をお楽しみに!
投稿日時: 2020-11-12 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは!
早速ですが,本日のゼミの報告をさせていただきます.
今週から,イェさんが来日し,日本からのゼミ参加,初めてになります.
本日は,張さんとイェさんが事例研究,私が研究進捗報告になります.
事例研究
<animatopeアニマトペの紹介>by 張さん
・オノマトペを楽しく学べる子供向けのアプリですが,スマホアプリならではの仕掛けがたくさんあります.
・子供が楽しく遊べる仕掛けは,張さんの研究の参考になる部分もあると感じました.
・スマホアプリの利点をゲームの利点にかす工夫があるかもしれません.
<第2言語学習のためのIFゲームの活用>by イェさん
・IFゲームである「LifeLine」を活用しながら,第2言語を習得する研究内容の紹介です.
・ゲーマーからのインタビューを通して,質的分析を行う計画です.
・チャレンジングなテーマと感じつつも,状況的な文脈における有意義な言語獲得,没入型のゲーム体験による学習動機づけ,インタラクティブ性の低さゆえの能動的学習の促進といった可能性もあります.
最後に,私からは,研究進捗発表として.研究計画書の一部の説明を行いました.コロナ禍により,研究テーマの変更を余儀なくされ,非常に焦っている状況ですが,ゼミの皆さんから,有意義なコメントを頂いて感謝です!!
次回のゼミは11月12日(木)の予定です。
お楽しみに!!
投稿日時: 2020-10-29 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
早速ですが、本日ゼミの活動をご報告させていただきます。
今日のゼミは文献資料研究(テキスト輪読+研究分野関連論文)の回で、張とK.I.さんはテキスト2冊の輪読、イェさんは自分の研究テーマに関連する論文レビューを行いました。
テキスト輪読(発表順です)
● K.I.さん
『インストラクショナルデザインの理論とモデル』
C M.ライゲルース、A.A.カー=シェルマン
第3章 IDの第一原理
第4章 インストラクションにおける状況依存原理
● 張
『ルールズ·オブ·プレイ』 ケイティ·サレン、エリック·ジマーマン
第29章 文化を定義する
第30章 文化の表現法としてのゲーム
自分の研究テーマ関連論文3本概要紹介(イェさん)
Benson P.(2011) Language Learning and Teaching Beyond the Classroom: An Introduction to the Field.
Reinders.H.,& Benson P.(2017). Research agenda: Language learning beyond the classroom
Chik, A. (2014) Digital Gaming and Language Learning: Autonomy and Community
発表者の説明後、藤本先生のコメントをもとに全員でディスカッションを行いました。
以上、本日ゼミ活動のご報告でした。
来週もお楽しみに!!
投稿日時: 2020-10-24 投稿者: Ye Zhiqing
皆様、こんにちは。叶です。
本日は、10月22日のゼミ活動について報告させていただきます。
当日は、藤本先生は今回の冬入試について話してから(関心のある方はぜひ「注目」の記事を読みましょう)、K.I.さんと張さんは「事例研究」の結果を発表して、最後に私は研究進捗を報告いたしました。
まず、K.I.さんは「SIM熊本2030」という、熊本県庁職員の自主活動グループ「くまもとSMILEネット」によって開発された、町の2030年の問題を体感できる対話型自治体経営シミュレーションゲームを紹介してくださいました。その後のディスカッションでは、「SIM熊本2030」は実は熊本県だけではなく、他の県が主催したまちづくりをテーマとしたイベントや体験会でも積極的に活用している、ということが注目されました。また、研究で遊ぶ時間の長いゲームを利用すれば、その実行は難しくなるという研究上の注意点も強調されました。
それから張さんは、2020年上半期大人気だったゲーム「あつまれ どうぶつの森」の事例をめぐって、コロナ時代のオンライン授業の問題点、即ち「空間移動の不足=コミュニケーションの不足」について論じました。簡単に言えば、オンライン授業では簡単に会議室のURLにアクセスしてから始まり、カメラをオフにしてから終わるので、授業間の隙間時間や、建物間の移動をしている時に人との出会いと交流が失われました。どのように、「あつまれ どうぶつの森」での空間移動、空間共有(バーチャル空間でも)といった概念をオンライン授業に取り入れて、コミュニケーションの欠如のオンライン授業を良くするかは、コロナ後時代の新課題になるでしょう。
最後に、私は改良した研究計画を発表いたしました。半年間でできる、かつ修士期間の研究に繋げられる、といった点を考えて、テーマを「インタラクティブ・フィクション( IF )ゲーム活動における能動的な第二言語学習 ~中国人IFゲーマーに着目した事例研究~」に少し変えて、主要な研究手法はデプスインタビューにしました。張さん、K.I.さんから、研究結果の論理性を確保するためにさらに研究対象を絞って、その選択と限定を再確認するという非常に参考になるフィードバックと、藤本先生から、事例研究であればその事例が代表できる範囲を明らかにすべきである、などの貴重なご意見をいただきました。
以上、今週の報告でした。皆様の事例もその分析も面白くて意味深いので、ついたくさん書きました。記事が長くなって申し訳ありませんでした。読んでいただいてありがとうございました。
投稿日時: 2020-10-23 投稿者: tfuji
東京大学大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース(文人コース)の冬季入試説明会特設ウェブサイトを公開しました。このウェブサイトでは、文人コースの紹介や入試の説明、各教員からのメッセージや研究室紹介動画を掲載しています。
冬季入試に受けて、藤本研究室を希望する方を対象とした研究室説明会を11月4日(水)17時から開催します。開催方法はzoomを使用したオンライン開催です(事前登録をした方にオンライン開催情報(zoom会議室へのリンク)をお送りします)。
来年度から学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。 参加希望の方は、それぞれ参加申込フォームから申し込んでください。
藤本研究室を希望する方向けの説明会です。どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
日時:
2020年11月4日(水)17:00-18:00
内容:
・研究室の活動紹介
・質疑応答
・(終了後)個別面談
参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。
https://forms.gle/xyYjgyTDwNUzPCgs9
下記の動画は、文人コースの説明会ウェブサイトに掲載した研究室の活動テーマについての紹介です。短い動画ですので、研究室説明会に参加する方は事前に視聴して、自分の研究の関心とどのような点が合っているか、よく検討してから参加してください。
投稿日時: 2020-10-19 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは!
本日は、10月15日のゼミの報告をさせていただきます。
本日は、イェさんと張さんは「文献研究」、私は、「自分の研究テーマ関連論文3本の概要紹介」を行いました。
文献研究は、発表者の説明後、全員でディスカッションを行う形式です。
また、今期からスタートした「自分の研究テーマ関連論文3本概要紹介」では、参加者から様々なフィードバックを受けることにより、自分自身の研究に対する理解を深めます。
文献研究 (イェさん)
ルールズ・オブ・プレイ / ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン:Ch.22&23
文献研究 (張さん)
インストラクショナルデザインの理論とモデル /
C.M.ライゲルース, A.A.カー=シェルマン: Ch.1&2
自分の研究テーマ関連論文3本概要紹介 (K.I)
ちなみに、主に以下の3点を目的として、毎週のゼミが行われています。
① 研究室の研究テーマ「ゲーム学習の方法論」に関連するゲームデザインや学習環境デザインなどの関連する理論枠組みを道具として身につける。
② 個々の研究テーマについての理解を深め、適切な研究方法を学び、実行に必要なスキルを身につける。
③ 構想したゲーム学習をデザインして、実装、評価する力を高める。
以上、今週の報告でした。
投稿日時: 2020-10-08 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
10月に入り、新学期を迎えました。今学期は、外国人研究生のイェさんが研究室に入ってきてくださいましたので、学生メンバーが3名になりました!
10月1日に新学期の初ゼミが開かれ、オリエンテーションとして、藤本先生はゼミの活動内容、今後のスケジュールなどを説明してくださいました。そして、M1のK.I.さんと張は研究進捗、研究生のイェさんは自己紹介と研究関心について話しました。
多少調整が入りましたが、全体的に今期のゼミも前期と同じように、文献研究(輪読)、事例研究、研究進捗報告を主体に活動を進めていきます。
さて、さっそく今日(10月8日)のゼミ活動をご報告させていただきます。
今日は今期レギュラーゼミの1回目で、事例研究の回になりました。学生3人ともそれぞれ関心あるゲーム事例を用意し、発表しました。取り上げれたゲーム事例は以下3作です。
(発表順です)
·「ナインタイル」(張)
·「ゲームで単語を覚える ~神鏡伝説~」(イェさん)
·「コミュニティコーピング」(K.I.さん)
以上3作のゲームそれぞれのゲームデザインをはじめ、「学習」と「ゲーム」をどううまく融合させるか、「チョコレートで包んだブロッコリー」問題などをめぐり、ディスカッションを行いました。そのなかで、レビューしたゲーム事例をいかに自分の研究·ゲームデザインにつなげていくかに関して藤本先生から貴重なアドバイスをいただきました。
以上、今日のゼミ活動報告でした。
これからは張とK.I.さんのほかに、研究生のイェさんもゼミ活動報告の投稿してくださいますので、3人とも頑張っていきたいと思います!
これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿日時: 2020-10-05 投稿者: Ye Zhiqing
改めまして、こんにちは。今年の10月からLudix Labの外国人研究生になり、来年の4月からM1になる予定の叶 芷晴(イェ シセイ / Ye Zhiqing)です。
初めて投稿させていただきます。
学部での専門は国際経済と貿易でしたが、幼い頃からゲームが好きで、大学四年生の時ゲームが教育・学習に持つ可能性について触れ、非常に興味を持つようになり、大学院でこの分野で研究を進めたいと決めました。そしてようやく、ずっと憧れている藤本研究室に加入させていただきました(笑)。
ゲームと教育・学習の全般に興味を持っていますが、大学院ではまず「インタラクティブ・フィクション(IF)ゲーム活動における第二言語学習」について探究していきたいと思っています。IFゲームというのは、簡単に言えば、物語要素を中心として扱うゲームで、アドベンチャーゲームに属しており、時々ビジュアルノベルとも呼ばれています。『逆転裁判』、3 Minute’s Game『Lifeline』 などはその例として挙げられます。第二言語でIFゲームをする時、偶発的や意図的な第二言語学習が発生しているので、研究を通じて、ゲーム活動におけるインフォーマル・ラーニングに対して理解を深めていきたいと思います。
10月1日には秋学期第一回目のゼミに参加しました。今回の充実したゼミは予想通りにワクワクして、楽しんでいました。藤本先生にゼミ活動を紹介していただいてから、M1の張さんとK.I.さんの研究進捗を拝聴しました。二人ともより良い学習環境を作るために、ボードゲームの開発、ゲーム活動の設計をされていて、今回のゼミではそれぞれのプロトタイプを紹介してくれて、非常に勉強になりました。私の研究生段階の研究計画に対しても、先輩たちと藤本先生から貴重なご意見をいただきました。これらの意見に基づいて計画を改良して、今後また報告させていただきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします!
叶 芷晴
投稿日時: 2020-09-21 投稿者: K.I.
こんにちは、M1のK.I.です。
本日は、9月3日と4日に開催されたLudix Lab「オンラインデザインキャンプ」のご報告をさせていただきます。
「オンラインデザインキャンプ」は、学外の方も含めた学生や教員、実践者が研究進捗発表を行い、開発した学習ゲームやゲーム教材に対して、参加者からフィードバックを受けるという形式で進められました。
普段は聞く機会が少ない学外の参加者の研究発表や、自分の研究に関して幅広くフィードバックを受けることができ、非常に貴重な時間を過ごすことができました。
また、関西学院大学の福山佑樹先生、東京大学の池尻良平先生、現在はボードゲーム教室サイコロ塾を主宰する財津康輔先生から、修士・博士時代の研究内容を聞く機会にも恵まれ、大いに、今後の研究の参考になりました。
9月3日(木)14:00-18:00
オリエンテーション、参加者自己紹介
参加者デザイン案・デモ発表~フィードバック
福山先生 / トークセッション
藤本先生研究トーク / 初日ラップアップ
9月4日(金)14:00-19:00
池尻先生トークセッション
財津先生トークセッション
参加者個人ワーク時間
参加者デザイン案・デモ案発表 / フィードバック
ラップアップ(~本編終了後)オンライン交流会
投稿日時: 2020-08-31 投稿者: tfuji
Ludix Labオンライン夏期集中講座「デジタルゲーム研究の領域探索(全3回)」を開催しますのでお知らせします。
最近のゲーム関連の話題で興味深いテーマを設定して、それぞれの分野で活躍中のゲストをお招きしてトークセッションを行います。デジタルゲームの新たな研究領域を模索したい方や、ゲーム業界の諸側面について学びたい方を対象とした、3回シリーズの集中講座です。
第1回は、「eスポーツ」という言葉がまだ浸透していなかった2000年代初頭から、先駆的に国内外eスポーツ分野で活躍してこられた松井悠氏に、eスポーツ分野の近年の動向についてお話しいただきます。
第2回は、長年国内でフォローされていない海外のゲーム情報を日本に紹介し、多くのレビューでゲームの魅力を掘り起こしてこられた徳岡正肇氏に、海外の盛り上がりに比して日本ではあまり知られていないLive Action RPG(LARP)の系譜や近年の展開についてお話しいただきます。
第3回は、セガ、DeNAでゲームプロデューサーを歴任し、広くゲーム開発人材育成で活躍されている馬場保仁氏に、ゲーム開発を成功させるチームの運営のあり方や伸びる人材の育て方についてお話しいただきます。
Zoomを使ってリモート参加できる環境をお持ちの方は、どなたでも無料でご参加いただけます。3回通しでの参加でも、関心のあるテーマの回のみでも参加できます(3回通しで参加して、所定の課題を提出された方には、LudixLab夏期講座参加証を発行します)。
日程:
第1回:「eスポーツ」
日時:2020年9月17日(木)18:30-20:00
ゲストスピーカー:松井悠氏(グルーブシンク代表取締役)
第2回:「LARP」
日時:2020年9月18日(金)18:30-20:00
ゲストスピーカー:徳岡正肇氏(アトリエサード)
第3回:「ゲーム開発人材育成」
日時:2020年9月23日(水)18:30-20:00
ゲストスピーカー:馬場保仁氏(ファリアー代表取締役)
講師/モデレーター:
藤本 徹(東京大学 大学院情報学環 講師)
開催方法:zoomによるオンライン開催
参加費:無料
主催:Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
参加申込方法:参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/KvNV9uj3cuADJWJz7
ゲストプロフィール:
松井 悠(まつい ゆう)
株式会社グルーブシンク代表取締役。『Red Bull 5G』、『World Cyber Games』、『International E-sports Festival』などの大規模イベントをはじめ、ゲームコミュニティの構築、プロモーション企画、ゲーム開発イベントの運営など、「ゲームを作ること以外はなんでもやる」チーム groovesync gaming を率いる。著書に『デジタルゲームの教科書』、『デジタルゲームの技術』がある。
徳岡正肇(とくおか まさとし)
ゲームジャーナリスト/シナリオライター。ゲーム情報サイト「4Gamer」で海外ゲームのレビュー記事や、国内外のゲームイベントやカンファレンスの情報記事を担当。「コマンドマガジン日本版」でアナログのウォーゲーム関連記事を連載。国内外のゲーム技術カンファレンスで登壇多数。モバイルソーシャル・コンソール・PCインディーゲームなどにシナリオ提供。著書に「ゲームの今」など。
馬場 保仁(ばば やすひと)
株式会社ファリアー代表取締役社長。1997年に株式会社セガ・エンタープライゼス(現・株式会社セガ)に入社し、「プロ野球チームをつくろう!」シリーズなど多数のゲームをプロデューサー、ディレクターとして開発。また、株式会社ディ・エヌ・エーでは、モバイルゲームの開発部長・人事として活躍。著書に『ゲームの教科書』(ちくまプリマー新書・共著)、監修に「ゲームクリエイターになるには?」(金の星社) がある。
投稿日時: 2020-08-28 投稿者: tfuji
9月3日・4日開催の「LudixLabオンラインデザインキャンプ」の一環で、ゲーム学習関連の研究テーマで博士号を取得した若手研究者をゲストにお招きしたトークセッションを行います。
環境問題における社会的ジレンマを体験するカードゲーム教材の研究で早稲田大学大学院博士課程を修了した福山佑樹氏(関西学院大学准教授)、歴史的事象を現代の問題解決に応用する力を育成するゲーム教材の研究で東京大学大学院博士課程を修了した池尻良平氏(東京大学特任講師)、高齢者向けエクサゲームを用いた運動介入に関する研究で九州大学大学院博士課程を修了した財津康輔氏に、それぞれ取り組まれた博士研究の内容や大学院時代の経験についてお話しいただきます。ゲーム学習研究事例として、音楽ゲームを取り上げたトークセッションも行います。
このテーマに関心のある方はzoomで接続して参加できる環境があればどなたでも参加できます。
Day1:9月3日(木)
16:00-17:00 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(1)ゲスト:福山佑樹氏
17:15-18:00 ゲーム学習研究事例トーク:音楽ゲーム(講演者:藤本徹)
Day2:9月4日(金)
14:00-15:00 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(2)ゲスト:池尻良平氏
15:15-16:15 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(3)ゲスト:財津康輔氏
※本イベントは、主催者の研究活動の一環で行うものです。研究室の広報活動と研究のためのデータ収集、成果発表のための資料として、撮影、録画を行います。これらの点について同意の上でご参加ください。
参加費:無料
主催:Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
参加申込方法:
参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/HYoFi6dVq7GXzQcy6
ゲストプロフィール:
福山 佑樹(ふくやま ゆうき)
関西学院大学 教務機構ライティングセンター 准教授。東京大学大学院学際情報学府修士課程・早稲田大学人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 特任助教・明星大学明星教育センター特任准教授を経て現職。専門分野は教育工学。ゲームを利用した社会問題の学習手法など、ゲームと教育・学習の関係性について研究しているほか、民間企業や行政と共同で研修や教育用のゲーム開発にも携わっている。共著書に「ゲームと教育・学習(教育工学選書Ⅱ)」(ミネルヴァ書房)、「残された酸素ボンベ-主体的・対話的で深い学びのための科学と社会をつなぐ推理ゲームの使い方」(ナカニシヤ出版)など。
池尻 良平(いけじり りょうへい)
東京大学大学院情報学環 特任講師。東京大学大学院学際情報学府博士課程を修了(学際情報学博士)。専門は歴史学習、教育工学、転移、ゲームデザイン。社会の問題解決に応用できる歴史教材を開発し、効果検証を行っている。2009年度東京大学大学院学際情報学府優秀論文受賞。2013年日本教育メディア学会井内賞(優秀論文賞)受賞。
財津康輔(ざいつこうすけ)
九州大学統合新領域学府博士課程修了。博士(学術)。ルールを学びルールを創造するボードゲーム教室サイコロ塾主宰、専門は心理学、教育学。現在はボードゲーム教室体験後の子どもの創造性(mini-c)の変化の測定、探究学習の効果測定(企業の委託研究)を行っている。
投稿日時: 2020-08-16 投稿者: tfuji
開催日時:2020年9月3日(木)~4日(金)
開催場所:zoomによるオンライン開催
開催趣旨:
シリアスゲームやゲーミフィケーションの研究や教育実践の取り組みについて、関連学会での発表も少しずつ増えており、教育分野での取り組みとして定着してきた感があります。しかし、国内でこの分野の研究指導や教育を受ける機会は少なく、開発途中で有用なフィードバックを受けられる機会も多くありません。
そこで今回は、この分野で活動する方々のために、取り組んでいる研究や実践活動でデザインした学習ゲーム・シリアスゲーム・ゲーミフィケーションコンテンツへのフィードバックを受けて、研究や実践を前進させる機会として公開オンラインワークショップを企画しました。
プロトタイプ段階のデモや、デザイン計画書の段階の題材をお持ちで、zoomで接続して参加できる環境がある方はどなたでも参加できます。
主な対象者:
開発した学習ゲームやゲーム教材を取り入れた授業デザイン計画にフィードバックを受けたい方、プロトタイプ段階でテストプレイをしたい学生、教員、実践者
日程:
9月3日(木)14:00-18:00
14:00-14:15 オリエンテーション、参加者自己紹介
14:15-15:45 参加者デザイン案・デモ発表~フィードバック
16:00-17:00 ゲーム学習研究者トークセッション(1)ゲスト:福山佑樹氏
17:15-18:00 ゲーム学習研究事例トーク:音楽ゲーム(藤本徹)(~初日ラップアップ)
(2日目開始時間まで:参加者デザインブラッシュアップ時間)
9月4日(金)14:00-19:00
14:00-15:00 ゲーム学習研究者トークセッション(2)ゲスト:池尻良平氏
15:15-16:15 ゲーム学習研究者トークセッション(3)ゲスト:財津康輔氏
16:30-17:30 参加者個人ワーク時間
17:30-18:30 参加者デザイン案・デモ案発表~フィードバック
18:30-19:00 ラップアップ(~本編終了後)オンライン交流会
参加条件:
・デザイン計画書や制作物のデモ(ペーパープロトタイプレベルでOK)を準備して、初日のデザイン発表の時間にプレゼンができ、2日目の成果発表時間までフル参加してデザインのブラッシュアップの時間を取れること
・自分の開発テーマを持ち、ある程度開発を進めていること(またはアイデア段階のものでも開催日までに開発を進められる方)。※入門レベルからデザイン方法を学びたい方や、他の方のプロジェクトに参加したい方は対象外です(また別の参加機会をご提供します)。
参加費:無料
定員:最大15名程度
主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室
参加申込方法:参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/sLRHQuenXByxuXcg9
【追記】ゲストトークセッションのみ参加希望の方は下記からお申し込みください。
https://forms.gle/couqZg5LPqudNFCZ8
備考:
・同じグループから複数名参加も可能ですが、参加者各自で参加登録をお願いします。
・営利企業で開発されているゲームや教材については対象外です(別途、共同研究やアドバイザー契約のご相談を承ります)。所属先と関係なく個人の立場で参加される方は、その旨参加申し込みの際にお知らせください。
・本イベントは、主催者の研究活動の一環で行うものです。研究室の広報活動と研究のためのデータ収集、成果発表のための資料として、撮影、録画を行います。これらの点について同意の上でご参加ください。
投稿日時: 2020-07-21 投稿者: K.I.
こんにちは、M1のK.I.です。
7月20日のゼミは、それぞれの「研究進捗発表」を行いました。
では、早速ゼミ活動をご報告させていただきます。
(発表順です)
<テーマは金融教育> by K.I
現在のコロナ禍において、当初想定していた金融教育普及を意図したテーマに関して、研究テーマや研究手法に関して、少々迷っております。
しかし、今回のコロナ禍において、むしろ日本で露呈した金融教育の必要性、
あるいは、視点を変えた研究手法等々、藤本先生からアドバイスを頂きました。
この夏、色々と考えなければなりません。
<外国語教育におけるゲーム学習のデザイン方法に関する考察> by 張さん
張さんの研究は、「日本語オノマトペの学習を例として」がテーマですが、
to do Listが明確です。
本日のゼミで、想定しているゲームのアイディアを聞きましたが、「できそう!」といった感じです。
藤本先生からのアドバイスで、より具体的なゲームデザインとなりそうです。
尚、今年度前半の藤本ゼミは、本日で最終回です。
9月初めには、ゼミ合宿(キャンパスで)を予定しておりますので、またご報告できると思います。
お楽しみに。。
投稿日時: 2020-07-13 投稿者: zhang
こんにちは、M1の張です。
ゼミ活動をご報告させていただきます。
本日のゼミは夏学期最後の文献研究でした。今回も以下の2冊の文献を資料として輪読を行い、藤本先生からのコメントをもとに、文献に指摘されたアイデア・概念などを今後の研究に如何に活かしていくかについて、ディスカションを行いました。
●『インストラクショナルデザインの原理』(張の担当)
R.M.ガニェほか著 鈴木克明ほか監訳 北大路書房
第11章 テクノロジー・アフォーダンス
第12章 単位時間ごとの授業設計
内容的にボリューミーな2章でした。第11章では、テクノロジーの発達によって教育·学習に提供された可能性とその問題点について確認しました。第10章は、様々な学習において、それぞれの教授方略と教授メディア、実施方法のデザイン方法を紹介し、たくさんの実用例も用意してくれました。
●『ルールズ・オブ・プレイ ゲームデザインの基礎 上』(K.I.さんのご担当)
ケイティ・サレンほか著 山本貴光訳 SoftBank Creative
第16章 情報理論システムとしてのゲーム
第17章 情報システムとしてのゲーム
第18章 サイバネティックシステムとしてのゲーム
ゲームデザイナーとして把握すべきな情報に関するフレームワークを確認しました。ゲームを作り、そのゲームを他人に紹介する際にいかに的確に説明できるかについて、藤本先生のご指摘をもとにディスカッションさせていただきました。
本日のセミ活動のご報告は以上になります。
次回のゼミは7月20日(月)で、今学期最後のゼミです。ゼミ生の研究進捗報告の回になります!
お楽しみに!!
投稿日時: 2020-07-07 投稿者: tfuji
藤本が参加する日本教育工学会 SIG-05 ゲーム学習・オープンエデュケーションの主催で、今年出版されたゲーム学習研究書「Handbook of Game-Based Learning」の輪読会を開催します。
参加には一章分発表を担当していただくことが必須ですので、近年の海外のゲーム学習の研究動向についてしっかり学べる良い機会になると思います。参加をご希望の方は、下記のフォームから参加登録してください。
https://bit.ly/2YL2zvx
JSET SIG05 ゲーム学習・オープンエデュケーション
Handbook of Game-Based Learning 輪読会のお知らせ
2020年7月下旬〜9月頃にかけてMITPressより発行された「Handbook of Game-Based Learning」の輪読会を開催いたします。この書籍はゲーム学習研究の第一人者が多く参加するこの分野を概観可能な内容となっており、Sig05の特にゲーム学習に関心のある方と本書を通じて議論することを目的に開催いたします。
輪読会ではまず7月20日(月)19時よりオンラインで、本輪読会と輪読図書の概要に関するオリエンテーションを開催します。オリエンテーションでは、企画者より章ごとの内容を簡単に確認した後に、参加の意思確認、担当章の希望調査と日程調整を行います。各章の報告を行う輪読会本編は、説明会より1ヶ月程度、資料作成期間をおいた上で、8月末頃から章ごとの報告を行う予定です。説明会で参加の意思確認を行いますので、ご興味のある方は説明会にお気軽にご参加ください。
本輪読会の成果はSigレポートや動画コンテンツなどの形でSigメンバーに共有いたしますが、輪読会には【章の報告をご担当頂ける方のみ】ご参加いただくことができます。公平性の観点から、オブザーブ参加は認めません。
※説明会には参加できないが、輪読会には参加したい場合になどには通信欄からお知らせください。メール等で別途希望日などを調整させて頂きます。
【輪読図書】
Jan L. Plass (編), Richard E. Mayer (編), Bruce D. Homer (編)
Handbook of Game-Based Learning (The MIT Press)
https://mitpress.mit.edu/books/handbook-game-based-learning (出版社WEBサイト)
http://janplass.com/index.php/2020/03/22/handbook-of-game-based-learning/ (目次が確認出来ます)
・ 日 時:2020年7月20日(月)19:00-21:00(オリエンテーション)
→ 以降の日程は参加者で調整します
・ 実施方法:Zoomによるオンライン輪読会として実施予定
・ 申 込:下記から申し込みしてください(事前申し込み必須) 申込者にZoomの参加URLをお送りします。
・参加条件:各章(30ページ程度)の英語文献を講読し、分かりやすい資料を作成できること。また少なくとも担当週に欠席せずに参加できること
・企 画:藤本徹(東京大)、池尻良平(東京大)、福山佑樹(関西学院大)
※いずれもJSET Sig05コアメンバー
問い合わせ先: fukuyamayuki[atmark]gmai.com (関西学院大学 福山)
主催:日本教育工学会 SIG-05 ゲーム学習・オープンエデュケーション
協力:日本デジタルゲーム学会 研究委員会
投稿日時: 2020-07-07 投稿者: K.I.
こんにちは、M1のK.I.です。
7月6日のゼミは、ゲーム事例レビューの回でした。
では、早速ゼミ活動をご報告させていただきます。
(発表順です)
<金融教育の概要> by K.I
本日は、現時点で想定している研究の中でキーとなる「ゲーム」のコンテンツに関する部分に関して、藤本先生と張さんにアドバイスをお願いしました。(ということで、私はゲーム事例の発表ではなかったのですが。)
研究対象を想定したうえで、3パターンの金融教育の事例を発表しましたが、実際の研究では、研究対象やゲームに取り入れるコンテンツを絞り込む点などを確認できました。
<がんめんマン> by 張さん
ジャンル:ボードゲーム
プレイヤー人数:3〜6人用
プレイ時間:約20分
対象年齢:9歳以上
ゲームデザイン:佐々木隼
制作年:2018年
張さんは毎回、興味深いゲームを紹介してくれます。
ゲームは、様々なセリフが書かれたカードを引いて、それにビッタリマッチした顔を、顔パーツを駆使して作ります。回答の選択肢の中から、うまく正解のものを当てることで、得点になり、28枚の顔パーツは、幾何学的な形状なのに、組み合わせることで驚くほど様々な表情を作り出すことができます。独自の工夫を施すことにより、複雑な感情をうまく表現することができます。
張さんの紹介してくれる「ボードゲーム」を見ていると、「ボードゲーム」を利用することにより、想像以上に多様なゲーム創作の可能性を感じます。
<米国 Training Magazine Network Choice Awards> by 藤本先生
藤本先生から、ゲーミフィケーションの分野で、Training Magazineのアワードを受賞しているコンテンツ開発会社(TMN Choice Awards 2019)を紹介していただき、それぞれの会社が開発したコンテンツのレビューをしましたが、米国でのビジネスの大きな可能性を感じました。
本日の報告は以上ですが、次回のゼミは7月13日(月)の予定です。
お楽しみに!!
投稿日時: 2020-06-29 投稿者: zhang
こんにちは、M1の張です。
ゼミ活動をご報告させていただきます。
本日のゼミは文献研究の回でした。前の文献研究に引き続き、今回も以下の2冊の文献を資料として輪読を行い、藤本先生からのコメントをもとに、文献に指摘されたアイデア·概念などを今後の研究に如何に活かしていくかについて、ディスカションを行いました。
ケイティ·サレンほか著 山本貴光訳 SoftBank Creative
(K.I.さんのご担当)
第11章 ルールを定義する
第12章 三つの水準のルール
(張の担当)
第13章 デジタルゲームのルール
第14章 創発システムとしてのゲーム
第15章 不確かさのシステムとしてのゲーム
ルールのデザインの仕方には「魔法の公式」が存在していない。あるゲームルールのデザインはそのゲームの目的やゲームデザイナーの考えなどによって変わるものであると確認しました。
ボリュームのある内容ではありますが、藤本先生のご指摘をもとに、ゲームにおいて大事とされる創発と不確かさを自分のゲームに如何に持ち込むかについて考え、ディスカッションさせていただき、大変勉強になりました。
●『インストラクショナルデザインの原理』(K.I.さんのご担当)
R.M.ガニェほか著 鈴木克明ほか監訳 北大路書房
第9章 教授系列の設計
第10章 9教授事象
第9章は、コースとトピックの水準で教授系列を決定するための方法を提案してくれました。第10章では、学習成果を得るために1つのレッスンの中に含む教授事象についてのことを確認しました。
本日のセミ活動のご報告は以上になります。
次回のゼミは7月6日(月)で事例研究の回です。
今学期最後の事例研究になりますが、お楽しみに!!
投稿日時: 2020-06-24 投稿者: K.I.
こんにちは、M1のK.Iです。
6月22日のゼミは、ゲーム事例レビューの回でした。
では、ゼミ活動をご報告させていただきます。
(発表順です)
<Megapolis> by K.I
https://apps.apple.com/jp/app/メガポリス-megapolis-街づくりゲーム/id580765736
前回の「放置シティ」に引き続き、まちづくりゲームを選定しています。ゲームは、ロシアのアプリ開発ゲーム会社の「Social Quantum社」が開発しています。まちづくりゲームにも様々な特色がありますが、「Megapolis」は、有名な「SIMCITY BUILDIT」と同じ系統のゲームであり、細かで美しいグラフィックが特徴です。
ちなみに藤本先生によれば、「SIMCITY BUILDIT」は、米国や日本の教育実践の現場に利用されていますが、ゲームを研究の中に取り入れるとなると、違った視点が必要です。
<ローリーズストーリーキューブス・オリジナル> by 張さん
http://www.rorysstorycubes-japan.com/
サイコロを振り、即興でストーリーを創作して楽しむゲームです。一人でも複数でも、子供も大人も楽しめます。自分でストーリーを創作するので、想像力を養えますが、言語の学習(特にspeaking)の上達にも効果がありそうです。
ゲームのポイントは、①イラストに関する解釈自由 ②プレイヤーのレベルにより、ハードルが変えられる ③勝敗を競うものではないので気軽に遊べます。
<Kahoot !>
https://kahoot.com/
藤本先生からの紹介です。「Kahoot !」はノルウェー発のeラーニングプラットフォームが開発したアプリケーションです。教師が簡単な問題をクイズで出題して、生徒が回答する形式ですが、本日、オンラインでトライしてみました。様々なシーンに利用できるため、現在はグローバルに利用されています。
本日の報告は以上ですが、次回のゼミは6月29日(月)の予定です!
投稿日時: 2020-06-15 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
6月15日のゼミは文献研究の回でした。では、ゼミ活動をご報告させていただきます。
前と変わらず今回も以下の2冊の文献を資料として輪読を行い、藤本先生からのご指摘をもとに、今後の研究を進めていくうえでのアイデア·イメージについてディスカションしました。
●『インストラクショナルデザインの原理』(張の担当)
R.M.ガニェほか著 鈴木克明ほか監訳 北大路書房
第7章 パフォーマンス目標の定義
第8章 学習課題の分析
インストラクショナルデザインの第一歩である学習目標を設定するにあたって、学習する能力のかわりにその能力を反映したパフォーマンスを記述したほうが的確であることを確認しました。
●『ルールズ·オブ·プレイ ゲームデザインの基礎 上』(K.I.さんの担当)
ケイティ·サレンほか著 山本貴光訳 SoftBank Creative
第10章 主要図式
本書の概念的な枠組みでは、ゲームを捉えたり、理解する三つの手段として、ルール、遊び、文化を提示し、この三つの主要図式には、それぞれ個別に様々な図式が含まれていることを確認しました。
次回のゼミは事例研究になります。
どんなゲームをご紹介するか、どんなゲームのご紹介を聞かせていただけるのか、毎回お楽しみにしております!
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最後に、お知らせです。
繰り返しになりますが、東京大学大学院学際情報学府学府と文化·人間情報学コースの夏季入試説明会の開催に伴い、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会が以下の時間帯に開催されます。
6月20日(土)11:30~13:00*
6月23日(火)17:00~18:30**
*文人コース説明会終了次第開始しますので、開始時間が前後することがあります
**2回設定しますが、内容は変わりませんので、都合のつく方にご参加ください
内容:藤本研究室紹介、オープンオフィスアワー
参加申込:下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください
https://forms.gle/xyYjgyTDwNUzPCgs9
ご興味のある方は、是非ともご参加ください!
投稿日時: 2020-06-09 投稿者: K.I.
皆様、こんにちは。
本日は、6月8日のゼミのご報告をさせていただきます。
今回のゼミは、事例研究(ゲームレビュー)の発表です。各自が、レビューしたゲームから、今後も研究に活かせそうなインプリケーションを見出すことも、目的の一つになります。
1.放置シティ~のんびり街づくりゲーム~(K.I)
いわゆる「放置ゲーム」の一つで、自分が市長となり、都市を作っていくゲームです。「放置ゲーム」の楽しみ方は、人ぞれぞれだと思いますが、日本でも安定した人気がある理由としては、以下のような理由が考えられそうです。
① 多忙でも、放置することにより、ある程度のゲーム進行がある
② ゲームの進行時間に比例して、奥深くなるゲーム要素がある
③ しばらくゲームから遠ざかっても、勿体無いと感じることにより復帰してしまう
④ 何と無くやってしまう中毒性がある
⑤ コンプリートしたくなる収集癖を刺激する要素
⑥ 誰でも超えられる適度なハードルである
2.京大・東田式頭がよくなる漢字ゲーム(張さん)
漢字が楽しく身につくカードゲームです。部首・読み・熟語・画数を遊びながら覚えることができるゲームであり、収録カードは小学4年生までに習う漢字から112字が選定されています。また、ゲーム考案者は、パズル学で世界初の博士号を取得された方とのことです。
張さんの発表をもとに、ゲーム製作の視点から、以下のディスカッションしてみました。
① ゲーム要素の増やし方
② ルール(開いたシステム・閉じたシステム)
③ 想定対象とゲームデザインの関連性→ゲームの評価に関わる
④ 学習のゴールとゲームデザイン
3.ジョブスタ ~Create Your Star Job~(藤本先生から紹介のゲームです)
様々な課題を前提に、将来、必要とされる職業を考えて、自分のキャリア観を再認識するカードゲームです。概ね、高校生以上の方が対象ですが、ある大学の1年生は、全員がこのゲームを体験しているようです。
本来は、カードゲームなのですが、本日はオンラインを利用してプレイしてみて、十分に活用できると感じました。社会人のキャリア研修にも、活用できると思います。
<お知らせ>
既に、ご案内させていただいておりますが、東京大学大学院学際情報学府と文化・人間情報学コースの夏季入試説明会の開催に伴い、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会が6月20日(土)、23日(火)に開催されます。
ご興味のある方は、是非ともご参加下さい!!
投稿日時: 2020-06-03 投稿者: tfuji
東京大学大学院学際情報学府と、文化・人間情報学コースの夏季入試説明会が、それぞれ6月6日(土)、20日(土)に開催されます。これに合わせて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会も6月20日(土)、23日(火)に開催しますのでお知らせします。
開催方法はいずれも、zoomを使用したオンライン開催です。(事前登録をした方にオンライン開催情報(zoom会議室へのリンク)をお送りします。)
学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。 参加希望の方は、それぞれ参加申込フォームから申し込んでください(主催が別なので参加申込フォームが別々でお手数になりますが、それぞれ申込をお願いします。)
(1)2021年度東京大学大学院学際情報学府入試説明会
大学院入試についての全体的な説明会です。この説明会で入試情報や学府の全体的の情報を確認できます。
日時:2020年6月6日(土)13:30 –14:50
内容:
・学際情報学府・情報学環 全体説明
・2021年度入試説明(教員、学務チームより)
・大学院生のプロフィール&就職・進学情報
開催概要詳細:
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2020052111808
参加申込:
https://iii-admission2021.peatix.com/
(2)文化・人間情報学コース(文人コース)夏季入試説明会
藤本は文人コースの教員ですので、受け入れを希望する方は文人コースを受験してください。学際情報学府全体の説明会では各コースについては詳しく扱う時間がありませんので、この説明会ではよりコースの内容や入試に焦点を当てて説明します。どんな教員がいるかを知る良い機会にもなります。
日時:2020年6月20日(土)10:00-11:15
内容:文人コース紹介/入試概要説明、参加教員によるミニトークとQ&Aセッション http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2020053111853
参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。 https://forms.gle/qBDcRjTj7dVCrKcVA
(3) 藤本研究室説明会
藤本研究室を希望する方向けの説明会です。どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。
日時:
2020年6月20日(土)11:30-13:00
2020年6月23日(火)17:00-18:30
(20日の回は、文人コース説明会終了次第開始しますので、開始時間が若干前後することがあります)
内容: 藤本研究室紹介、オープンオフィスアワー(受験希望の方との面談の時間です。2回設定しますが、内容は変わりませんので、都合のつく方に参加してください。)
参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。
https://forms.gle/xyYjgyTDwNUzPCgs9
(追記:当初の告知で6月23日(火)17:00-18:30の回の日付を間違えていました。22日ではなく23日です。お詫びして訂正いたします。)
投稿日時: 2020-05-28 投稿者: zhang
こんにちは。M1の張です。
5月28日のゼミ内容をご報告させていただきます。
今回のゼミはいつものゲーム事例レビュー/文献輪読と少し違い、ゼミ生の初めての研究計画発表を行いました。
張とK.I.さんがそれぞれの研究計画について発表させていただき、藤本先生のコメントをもとに、ディスカッションを行いました。
それぞれの研究テーマは以下の2つになります。
・シングルマザーに対する金融ケイパビリティ育成のための学習プログラムの提示
(K.I.さん)
・外国語教育におけるゲーム学習のデザイン方法に関する考察ー日本語のオノマトペの学習を例としてー (張)
テーマがかなり違うとはいえ、ゲームで楽しく効果的に学習するというコアは変わりません。それに、いつも違う分野の知識などを紹介してくださり、大変勉強になっております。
K.I.さんの発表では、テーマに至るまでの経緯やシングルマザーに対する金融支援の現状などを紹介してくださいました。普段あまり触れる機会のない分野ですが、丁寧なご説明で勉強になりました。
張は日本語オノマトペとその教育に関する先行研究·イメージしている研究法などについて発表させていただきました。
藤本先生のコメントをもとに、研究の意義や研究方法の選択、評価の難しさ、プライバシーの管理などの研究要素についてディスカッションしました。
研究テーマに関しては、まだ未熟な考えではありますが、K.I.さんと一緒に頑張っていきますので、見守っていただければと思います。
次回のゼミからいつものゲーム事例レビュー/文献輪読という形に戻ると思います。
次回はゲーム事例の回です!お楽しみに!
投稿日時: 2020-05-23 投稿者: K.I.
こんにちは。投稿日時: 2020-05-15 投稿者: zhang
こんにちは、M1の張です。
藤本ゼミは文献研究と事例研究を交互に行いながら進行しており、前回(5月14日)は事例研究の回でした。それでは、5月14日ゼミの要約をご紹介いたします。
前回のゼミで取り上げれたゲーム事例は以下3作です。
(発表順)
·単語暗記ゲームアプリ 「英語 英単語ゲームHAMARU」(張)
·株式投資シミュレーションゲーム 「トレダビ」(K.I.さん)
·バーチャル体験ゲーム 「SPENT」(藤本先生)
前半は、張とK.I.さんの事例レビュー発表で、「英語 英単語ゲームHAMARU」と「トレダビ」についての経緯や考察などを発表して、それぞれのゲームデザインや学習要素などについてディスカッションを行いました。学習ゲームにおける「学習」と「ゲーム要素」をどう融合させるか、設定された学習ゴールによってゲームについての考え方·使い方が変わってくることなど、各事例の関連知識、またそのゲームに学べる点·注意すべきな点などについて藤本先生が解説してくださいました。
後半は、30日間ホームレス生活をバーチャル体験するゲーム「SPENT」を取り上げて、各自でしばらくプレイして、感想やこのゲームの素晴らしいところ、改善するなら改善して欲しいところなどについてディスカッションを行いました。
「SPENT」の目的は、ホームレスの立場になった時、自分がどんな意思決定をし、その時、どのような感情が湧くかを疑似体験させることです。本や映画などに描かれている他人事と違って、バーチャルゲームでは、そのキャラクターの微妙な感情の揺れや動きを少し感じることができ、それゆえに、より深く状況や問題などを捉えることができます。
これからもこのように張とK.I.さん交互に毎回ゼミの要約を投稿していくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
投稿日時: 2020-05-14 投稿者: K.I.
改めまして、こんにちは。
初めて投稿させていただきます。
東京大学では、4月当初からオンラインによる授業が開始されておりますが、藤本研究室でも毎週一回、オンラインによるゼミが行われています。
藤本先生のご指導のもと、ゼミ仲間の張さんと一緒に、楽しく、そして有意義な時間を過ごしております。
ところで、私は社会人大学院生なのですが、何とか時間をやりくりしながら、日々の授業とゼミに奮闘する毎日です。
私の関心は、金融教育がテーマとなりますが、学習者が、効果的に知識や技能を習得するといった視点ではなく、学習者自身の行動に影響を与えると考えられる諸条件を、自らが理解・判断し、知識や技能を使いこなす技量を効果的に身につける手法を注意深く研究していきたいと考えています。
今回は、簡単な自己紹介をさせていただきましたが、今後はゼミのこと、私自身の研究のことなど、随時アップさせていただく予定です。
今後とも、よろしくお願いいたします。
投稿日時: 2020-05-09 投稿者: tfuji
今期の藤本ゼミは、文献研究の回とゲーム事例研究の回を交互に行いながら進行しています。前回は事例研究の回でした。前半はゼミ生がそれぞれこれまでに試したことのあるゲームや新たに試してみたゲームについて文献研究で得た知識も関連づけて考察して報告し、後半は藤本が選んだ事例をそれぞれ試してみた後にディスカッションする構成です。
ゼミ生から紹介された事例は、カードゲームの「キャット&チョコレート:非日常編」と戦略サッカーゲームの「チャンピオンイレブン」でした。それぞれ取り上げた事例についての経緯やこのゼミで議論している枠組みでとらえ直して考察した内容などを発表してもらって、それぞれのゲームのデザインの特徴や学びの要素についてディスカッションしました。
後半は、新型コロナを題材とした事例として、クラーク・アルドリッチ氏のShort Simシリーズの教育シミュレーション「Returning to the Workplace」とSNSで話題になったミニゲーム「密ですゲーム」(2D版)の2本を取り上げて、各自その場でしばらくプレイした後にディスカッションしました。ゲームの目的や用途によってゲームデザインの考え方が変わってくる点や、それぞれの事例の区分などの関連知識について解説しました。
「Returning to the Workplace」はいわゆるゲーム要素は少ない研修用途のシミュレーション教材です。一方の「密ですゲーム」は学習とは性質や位置付けが異なる「ニュースゲーム」のカテゴリーに位置付けられるゲームです。
次回以降もこのような事例を試しながら、ゲームデザインと学習支援方法のデザインの両面から事例を考察するトレーニングを繰り返していきます。
投稿日時: 2020-04-14 投稿者: zhang
改めまして、こんにちは。M1の張 昱彤(ちょう いくとう)です。
学部時代は認知言語や言語習得について学んでいましたが、修士課程では、言語学習ゲームについて研究していきたいと考えています。特に関心のある対象として、第二言語学習者向けの「既存概念ではない言葉」を学べるゲームを中心に進めていきたいと思います。
学部の卒論で多言語の指示詞系統を研究していましたが、そこで気付いたのが、ある言語の学習者にとって、外国語と母語の間の「対訳」(りんご→apple、夢→dreamのような一対一な翻訳)はわりと理解しやすいようですが、その学習者の母語に存在していない概念を表す言葉を理解するには学習者が苦労しているということです。
(thisとthatのような指示詞が2つしかない言語で生きてきた人間にとって、日本語の「こ·そ·あ」を理解してうまく使うのが相当難しいでしょう)
それを解決するには、体験を学習者にさせることより良い方法がないともいえるでしょうが、全ての言語学習者に目標言語の国に行ってもらうわけにもいかない(当然なことですが…)です。そこで、現実の代わりに、ゲームという最高のツールを使い、現地に行かなくてもその言語を使うことができるような環境を提供したい、そんなゲームを作り出したいです!!
と、言いたいところなんですが、
まだわからないこと、考えていないこと、決めていないこと、決めたけど絶対後で変わるだろうと思うこといっぱいありますので、藤本研でしっかり自分を磨いて研究していきたいと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。
張 昱彤
投稿日時: 2020-04-11 投稿者: tfuji
4月に入り、昨年度立ち上げた藤本研究室も新学期を迎えました。初回のゼミをzoom を使ってオンライン開催しました。今年度は、修士課程に入ってきた2名の学生が研究室に所属しています。教員1名、学生2名の小規模なゼミです。
初回はオリエンテーションで、それぞれの自己紹介と研究関心を話して、ゼミの活動方針や活動内容を説明しました。
今期のゼミの活動は、文献研究、事例研究、研究進捗報告を主体に進めます。
文献研究は、サレン&ジマーマンの「ルールズ・オブ・プレイ」とガニェほか「インストラクショナルデザインの原理」の2冊を読みます。研究分野の文献を読み込む力をつけつつ、ゲームと学習についての基本的な概念や理論的な枠組みを学び、自分が研究でやろうとしていることを概念化して説明できる力をつけていきます。
事例研究は、各自の関心で選んだゲームをレビューした内容を発表します。ゲームデザインの知識を学ぶだけでは、どのようなゲームが良いゲームか、どのような要素がよく作用しているのか、判断できる知見を持つことができません。優れたゲーム、ダメなゲーム、なるべく多くのゲームをプレイして、ゲーム経験の引き出しを増やすための活動です。
研究進捗報告は、文字通り各自の研究の進捗を報告して、指導教員やゼミ生からフィードバックを受ける時間です。当面は、研究テーマに関係する主要な文献や先行研究をフォローして、研究関心の探索や研究課題の精緻化に向けた領域知識をつけるための活動として位置付けています。
新型コロナ対応で学内の用務が増大していることもあり、積み上がった仕事をこなしているうちに鬱々とした気持ちになってきますが、ゼミの時間は、教員としても自分の研究の話ができる楽しい時間です。全く初年度の活動ですので、これから試行錯誤してブラッシュアップしていく必要がありますが、しばらくは少人数で行える強みを活かして活動します。
ゼミ生たちの活動についても、この研究室ブログを発信の場として位置付けて、それぞれの研究活動の様子などの記事を書いて発信していこうと思いますので、またたまに見にきてくだされば幸いです。
投稿日時: 2019-06-04 投稿者: admin
藤本が兼担教員として所属する東京大学大学院 学際情報学府文人コースの入試説明会が今週土曜に開催されます。開催日が近付いてきましたのでお知らせします。
来年度入学生より、私の研究室で大学院生を毎年2名程度受け入れて研究指導できますので、大学院進学にご関心のある方は入試説明会にご参加ください(大学院生として私の研究指導を受けるためには、まず大学院入試を通過する必要があります)。
この日は午前中に文人コースの入試説明会があり、午後に学府全体の入試説明会があります。午前の説明会後の懇談の時間と、午後の各研究室ブース展示と研究紹介コーナーの時間に教員と個別にお話しできる時間が設定されていますので、お越し頂ければ研究テーマなどの個別の質問にお応えできます。
東京大学大学院 学際情報学府・文人コース入試説明会
文人コース(文化・人間情報学コース)夏季入試説明会
日時:2019年6月8日(土)10:00-12:00
場所:東京大学本郷キャンパス・情報学環福武ホール地下2階ラーニングシアター
http://bit.ly/2KqNRmD
学際情報学府入試説明会
日時:2019年6月8日(土)13:30-16:30
場所:東京大学本郷キャンパス・情報学環福武ホール地下2階ラーニングシアター
http://bit.ly/2WnCi6Y
藤本 徹の教員プロフィール
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/faculty/fujimoto_toru
投稿日時: 2019-04-18 投稿者: admin
昨年度から時間をかけて準備していた公開オンラインコース「教育のゲーミフィケーション:プレイフル/ゲームフルな学習デザイン方法論」の受講者募集を開始しました。
このコースでは、教育にゲーミフィケーションを取り入れるためのゲームデザインの概要や事例を学び、ゲームを教育に取り入れる方法や、実際にゲーム教材やゲーム要素を取り入れた学習活動の計画を立てるための基本的な知識を身に付けることができます。
毎回の講義ビデオの視聴と、教育現場のさまざまな問題状況でゲーミフィケーションデザインのクエスト課題に取り組む内容で、実践的な知識を学べるように構成しています。修了基準をクリアした方へコース修了証を発行します。
あまり勉強っぽくなく楽しんで学べるように、通常のMOOCとは異なる仕掛けを用意しました。このテーマに関心のある方は経験の有無に関わらず、どなたでも無料で受講できます。受講ご希望の方は、下記の受講登録フォームからお申し込みください。
このコースで学べること:
このコースを受講することで、次のようなことを学べます。
* 教育技法や学習理論についての基礎的な知識
* 学びの場のデザイン方法についての基礎的な知識
* ゲームやゲームデザインについての基礎的な知識
* ゲームと学びの接点に目を向ける考え方
* 教育分野のゲーミフィケーションの事例やデザイン方法
* 教育分野のゲーミフィケーションの実践方法
コースアウトライン:
レベル1:ゲームと学びの接点に目を向ける
レベル2:教室のゲーミフィケーション
レベル3:学校のゲーミフィケーション
レベル4:ファイナルチャレンジ(総合演習)
受講に要する時間:
標準的な学習時間として週2-3時間を想定していますが、経験や知識の差によって必要時間は異なるところがあります。
受講に必要な環境:
このコースは、MOOCプラットフォームのedX edge(エデックス・エッジ)で配信します。ネットに繋がったパソコンまたはスマートフォンのブラウザ環境があれば受講できます。
開講期間:2019年5月10日から開講(全4回)
受講登録締切:5月7日(火) ※受講方法の詳細は、登録締切後にご連絡します。
主な対象者(受講をお勧めしたい方):
ゲームやゲーミフィケーションの手法を導入したい教育者、教材開発者、教育の場でゲームデザインの経験を生かしたいゲーム開発者。教育経験やゲーム開発経験があると理解が進みますが、前提知識がなくても受講できます。
受講料:無料です!
受講方法:
東京大学が提供するコースページ上で学習します(受講方法の詳細は、コースページ公開後にご登録頂いたメールアドレスにお送りします)。
講師:藤本 徹(東京大学 大学総合教育研究センター 講師)
このコースについて:
このコースは、東京大学の研究者グループ(研究プロジェクト責任者:藤本 徹)がオンラインコースの学習効果に関する研究のために提供するものです(2017年度JSPS 科研費17H00824(研究代表者:山内祐平)、2018年度JSPS科研費18K02855(研究代表者:藤本徹)の助成を受けて実施しています)。 授業で収集された学習履歴データは、個人情報が特定されない形で慎重に取り扱い、論文や研究発表などのための研究用途で統計的に処理して使用します。授業への参加は研究データの提供に同意されたこととして取り扱います。
投稿日時: 2019-04-18 投稿者: tfuji
研究室の紹介とプロジェクトの情報発信のために研究室ウェブサイトを開設しました。これから順次更新していきます。